ペテガリ橋でヒグマに遭遇(ペテガリ岳・ペテカリ岳)


- GPS
- 05:02
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 281m
- 下り
- 318m
コースタイム
天候 | 晴・曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
クマ撃退スプレー
鈴
笛
ヘルメット
爆竹
|
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感想
ペテカリ山荘に2泊した後、神威山荘方面へ戻ろうとペテガリ橋を渡ったところで、
まだ若いヒグマ1頭と遭遇しました。ペテカリ岳登山のみなさんが多く行き交う林道なのでご報告します。
(概要)
2022年7月15日(Fri) 午前6時40分 晴れ・風あり ペテガリ橋南端から約10メートルの林道上にヒグマ 頭から尻まで1.2メートルくらい 1頭 2歳半程度で親離れから間もないクマか こちらから見て右側の藪から出てきて林道を横切り、左側の斜面を登って消える 距離約10メートル
(詳細)
ペテカリ山荘を出てまもなくの12分後、穏やかに流れる川面を見下ろしながらペテガリ橋を渡り切った所で、ベッピリガイ川寄りの西側の藪から黒い影が出てきたのに気づきました。それほど大きくない真っ黒なヒグマ1頭です。全く警戒する様子もなく林道上に出てきました。道の中央でこちらに気づき、一瞬止まってこちらを見ましたが慌てる様子もなくそのまま東側のベッピリガイ山寄りの斜面を登って姿が見えなくなりました。こちらに興味を示したり、向かってくる様子はなく、一瞬のことだったので怖さは全くありませんでした。
以上の経過だけを見ると「たったこれだけのこと」です。しかし、もし自分が10秒ほど早く現場に差し掛かっていたり、あるいは、クマが10秒遅く藪から出てきたりした場合は、至近距離で出くわすことになり、事故になっていた可能性があります。また、もしこのクマが親離れしていない仔グマだった場合は、仔を守ろうとする母熊に攻撃されることが高い確率であったかもしれません。そう考えると今回の遭遇は、ひとつ間違えれば、事故の危険性があったと思われます。
クマが消えた後、立ち止まってしばらく状況を見ていましたが、クマが戻って来ることもなく、他のクマの唸り声や物音もなかったため、クマ撃退スプレーの安全装置を外していつでも噴射できる状態で右手に持って、工事現場で使うような大きな音のする笛を鳴らしながら先へ進みました。
数十メートルほど進んだところで新しいクマの落とし物を見つけました。7月13日から14日にかけて計3回この場所を通りましたが、その時は見かけなかったので、先ほどのクマのものと見て間違いありません。色は真っ黒で量は多くなく、大型犬のそれと近い形でした。
時々後ろを振り返って進みましたが、後をつけてくることはありませんでした。クマは先回りして待つ場合もあると聞いたことがあります。しかしその気配もなく、笛を多めに鳴らしながら進みました。
ペテカリ岳への登山者が多く通る場所なので、神威山荘の入山届の箱に注意書きをし、浦河警察署にも報告しました。
(クマ対策)
クマ鈴を胴回りの2か所、自分の見える場所に付け常に鳴っている状態にしながら歩きました。工事現場で使うような笛を、道が曲がっている場所、川の流れる音が近い場所、長い直線で吹きました。
右胸にクマ撃退スプレー(米国製 噴射距離10.5メートルと表示)を付け、いつでも取り出せるようにしました。前日に風下に向かって試射しました。本当にその距離を飛んだかはわかりませんでしたが、噴射の圧力は驚くほど強く、殺虫剤のそれとは桁違いで、これなら10メートル飛んでもおかしくないと思いました。(動画サイトに投稿されている米国の動画を見ると、執拗に追跡してくるクマが、噴射によってすぐに離れていく様子が見て取れます。実際に使う場合は、まずクマの顔近くに向けて噴射し、更に円を描いて壁を作るようにするのが良いとのことです)
クマ対策で良く言われるのは、そもそも遭遇しないように、人間がいることを鈴やラジオ、笛などで知らせ、クマが自ら離れていくようにすることとされています。ただ、今回は沢音や強めの風で樹々が鳴り、鈴や笛の音が届きにくい状態で遭遇してしまったようです。クマの方から離れていってくれたので助かりましたが、万一、向かって来られた場合を考えると撃退スプレーはいつでも取り出せる状態にして利き手近くに下げておくのが良いと思われます。クマがすぐに離れたので、スプレーを取り出す、両手を高く挙げて自分を大きく見せるなどの行動を始める前に危険は去りました。
最後に、この投稿は「行くのは危険だ」と言うためのものではありません。日高山脈は険しく厳しい反面、自然度が高く美しい、素晴らしい場所です。ペテカリ岳の登山道は静内山岳会のみなさんの努力で笹刈りが行われ、ペテカリ山荘は清潔で気持ちよく泊まれます。
みなさんには十分な備えをした上で日高の山々を楽しんでもらえればと思います。
以上、長くなりましたが参考になれば幸いです。
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