森林鉄道跡~鐙続山~野根山街道東部回遊

- GPS
- --:--
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 893m
- 下り
- 891m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
コースは最初、森林鉄道廃線跡を辿るが、随所に土砂崩れや路盤崩落地がある。但し、小規模故、造作はない。 廃線跡を離れての西方向への上りは、矢筈林道を挟んで800mピークまで、終始急登が続く。846m独立標高点から鐙続山までの区間の何割かは藪漕ぎを要す。野根山街道に出るまでは基本的に尾根を伝う。 若干迷い易い箇所としては、846m独立標高点北の850mピークと、鐙続山から下る地点が挙げられる。私はこのような、尾根の形が明確でない場合、尾根から適当に少し下ってみて、山肌をトラバースして次に進む尾根を探す。 |
写真
感想
[矢筈林道入口~林鉄矢筈谷線廃線跡~鐙続山~鐙山~野根山街道~五里塚~鐙坂~四郎ケ野峠~矢筈林道入口]
今回もまた魚梁瀬森林鉄道の支線の一つの廃線跡から無名峰へ登り、野根山街道まで縦走して四郎ケ野峠から国道を起点まで戻る、という大回遊ルート。
その支線は矢筈谷線。軌道の起点は国道493号の竹屋敷方面への三叉路の箇所。昭和前期にはその南東に軌道の隧道があったという。昭和9年に開通後、順次延伸されていき、総距離は約5.6kmになった。廃線になったのは昭和34年。
現在、廃線跡は矢筈谷川と黒ケ谷との出合の東から残っているが、今回の回遊は時間を要すため、矢筈林道入口から歩き始める。その林道入口にはゲートが設けられている。
ほどなく矢筈谷川を矢筈橋で渡るが、渡った先から東が廃線跡。橋の袂の広場は土場跡で、事業所や枕木製造所等があった。その広場の奥、山際が廃線跡だが、すぐ沢に行き当たる。ここには橋台がないが、もしかしたら沢の出水等で岸が抉られて流されたのかも知れない。
が、軌道跡進路の沢は水かさが少々あるため、一旦、矢筈谷川を北に渡渉後、支流出合の少々東まで進み、再び南へと渡渉する。uターンする形になる。
廃線跡はすぐ右急カーブを描き、向きを反転させ、山際を南東に進む。最初のうちは右下が切れ落ちた植林になっているが、すぐ緑溢れる道になる。
山襞に沿って大きく左にカーブしてほどなくすると、今度は右にカーブし、路盤が石垣となる。その先は二段になった高さのある橋台が築かれている。ここの渡渉地も、雨後の増水時は厳しいかも知れない。対岸の橋台は何割か崩れている。その西側に杣道が付けられている。
百数十メートルほど進むと、右上に高い石垣が現れるが、それは廃線跡路盤。つまり、この先で軌道跡は右急カーブを描き、反転する。
ほどなく行くとヤブ化している箇所があるが、その先で軌道跡は左急カーブを描き、向きを戻す。戻した先の植林帯では軌道跡が判然としないが、最初は山際を走り、すぐまた東の切れ落ちた側を走るようになる。
更に百数十メートル進むと、また軌道跡路盤が石垣となり、左急カーブを描き、橋台に至る。ここの沢は渡渉し易い。
この軌道跡は終点まで辿らず、途中で西の支尾根を登らなくてはならないが、その分岐にはピンクのマーキングテープが巻かれている。これは森林管理署員によるもの。このテープがなくなっていた場合は、さきほどの渡渉地からの山襞(尾根)の張り出しの回数を目安にすればいい。緩い張り出しも入れれば7つ。つまり、渡渉地から七回目の右カーブ部が分岐ということになる。
分岐からは尾根をジグザグに登って行くが、道が一直線になっている所ではあまりに急登過ぎて、落ち葉で足が滑ってしまう。そこは道の外側を、灌木に掴まりながら登るしかない。
矢筈林道が近づくと傾斜が緩くなり、林道のカーブ部に出る。林道を横断して以降もピンクテープが誘導してくれるが、再び急登が始まる。途中から尾根を右に左にと、ぐるぐる巻く形で登るようになるが、尾根を横断する箇所は踏み跡が消えかけている。
800mピークが近づくと道は尾根の南沿いを走るようになるが、尾根を逸れずに、道と分かれて尾根上を直登した方がルートを捉えやすい。
そのピーク西方の860mピーク直下で、ルートは西から南に変わるが、ピンクテープは進路とは逆の北西の尾根道へと続いているので、間違わないように。
846mピーク南からかつては、魚梁瀬森林鉄道具同寺線の沢を挟んだ北に下りて行く道があったようだが、明確な分岐はなかったように思う。
そこから鐙続山(あぶみつづきやま・862.1m)までは藪漕ぎの箇所が多くなるが、熾烈な藪はない。私は時間を気にして小走り気味に漕いだ位。
鐙続山は長年三角点の再測量がなされてないと思うが、山頂部に藪はない。高知の登山界のレジェンド、MH2氏が平成21年に設置した登頂記念板があるのみ。その記念板には山名を「続山」と記しているが、これは飽く迄三角点名であり、山名ではない。「続山」というのは固有名詞ではなく、各地に見られるもの。但し、必ず「〇〇続山」という表記になる。「鐙続山」とは「鐙山(864m)に連なる山」という意味。特に林業界でよく使用される。
ここから鐙山までの尾根には藪はない。ルートも分かり易い。ただ、鐙山は登山対象の山ではないため、山頂を気づかずに野根山街道に出てしまった。通り過ぎた、一本の大木が立つ箇所が山頂のようである。
街道はまず、西方の五里塚まで往復した。標柱は建てられているが、道の両側の塚は殆ど崩れている。
鐙山直下の鐙坂頂上まで引き返すと、後は国道の四郎ケ野(しろがの)峠まで下るのみだが、一の門から花折峠までは起伏が激しく、体力が消耗される。一ノ門の少々手前北側には小野御茶屋の段がある。ここは参勤交代時の休憩所の一つだが、地形図を見ても尾根幅が広くなっているように、規模が大きく、数百人以上が一度に休憩できる広さがある。
花折峠の解説板には、あまりの急坂故、藩主が駕籠から手を出して道端の花を手折ることができた旨の説明があるが、それは厳密には花折峠のことではなく、花折坂のこと。それは峠から579mピークにかけての坂道のことで、天保11年の豪雨で道が崩壊するまで利用されていた元の野根山街道ルート。
四郎ケ野峠にはトイレと休憩舎が設けられている。ここから国道を矢筈林道入口まで戻る道すがら、紫のつつじが何ヶ所かある。川岸の側だからキシツツジだろうか。
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