船坂谷から水無山、船坂峠北西尾根周回
- GPS
- 04:48
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 542m
- 下り
- 553m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
非常に強い台風11号が南西諸島に停滞し、西日本全域で天気が不安定だ。せっかく強制消化の夏季休暇を9月2日の金曜日に取ったのに、泊りがけで遠出するには天気が不安である。そもそも、金曜日の天気自体、予報士によって大きな違いが出ているので、本当のところどうなるのか、前日の段階では予想のしようもない。ということで、ここのところずーっと続いている六甲シリーズは今週も続くのだった。金曜日は朝の7時ごろまでは小雨が降ったりやんだり。だが、次第に雲は薄くなり、ついには青空が顔を覗かせるまでになった。9時からは晴マークの予報サイトもあって、これなら行けそうだ。足の状態が芳しくないKinuasaでもこなせる行程で、且つ、ある程度のアドベンチャー気分も味わえるコースであってほしい。夏の間は木々の茂った裏六甲の谷筋から登り、車を置ける場所を起点にする。この諸条件を満たすコースとして、今回は船坂谷大堰堤に車を置き、船坂谷を六甲山上まで上がり、全山縦走路で船坂峠へ、そこからはルート外アドベンチャーで大堰堤下へと周回することを考えた。船坂谷の川上ノ滝から上、そして船坂峠の北西の尾根筋は自分としては未踏の領域である。
船坂谷の大堰堤に着くが、いつもと違い、キャンピング客は一人もいない。それもそのはず、今日は平日の金曜日でしかもほんの小1時間前まで雨が降っていたのだから。足ごしらえしてさっそく出発する。沢はそれなりに増水していて、渡渉では濡れずには済まない。見上げれば曇り空だが、この季節、ガンガン照りでもしんどいので、丁度いいかも。林道跡を進めば、間もなく第10堰堤を越える。1年半ほど前には出来立てピッカピカだったこの巨大堰堤も、すでに薄汚れてきている。右岸を幅広階段で越えると山道となる。大岩二つが横たわる地点を過ぎていくつかの堰堤を越えると、左に船坂峠への小道(今や白ペンキ表示が付され、踏み跡もしっかりとしてきた。拙録の記録ID: 3012327参照)を分け、早くも川上ノ滝が前方に見えてくる。今日は増水していて、普段より立派に見える。滝のすぐ後ろに堰堤がなければもっといいのだが。ここから右手の斜面に取り付くと、そのまま真っすぐ石ザレの急斜面を登る白水山への踏み跡(これも今や白ペンキで誘導されている)を分け、左方向にZ字を描いて滝口左岸を高巻く。すぐ上の堰堤も一緒に巻いている。この先、比較的水線近くを進むことになる。沢はゴーロで何の問題もない。幾度か渡渉を繰り返して進む。古い堰堤が何基もあり、これを左右から小さく巻く。それなりに神経を使う巻きがあるのが反ってアクセントとなっていて、今どきの巨大堰堤越えのような消耗感はない。そのうち、堰堤巻きの感じで右岸を道は登り始め、そのまま登るようになる。続いて谷に向かって下ってゆくと、そこは支沢であり、これを対岸に渡って小尾根のトラバースとなる。再び沢に降り、これもわたって、結局計3本の沢を越えたのち、道は斜上する。倒木を何本かまたいだりくぐったりしながら、広葉樹林の好ましい雰囲気の中を進む。やがて上から車の走行音が響いてくると、山上ドライブウエイに飛び出す。船坂谷道は、古くからのルートだが、今や荒れ気味。それがいい味を出しており、山深い感じを醸し出していた。ここからは六甲全山縦走路へ。いつになく人気のない縦走路からは、ところどころ、大阪平野の眺望が開ける。いつの間にかすっかり青空に変わり、夏の終わりを惜しむようにミンミンゼミの鳴き声が響く。水無山は今日唯一の名前のあるピークとはいえ、存在感の希薄な山頂。ここは通過して、ちょい先の広場で昼食をとる。この先、船坂峠までは下り基調。わずかな登り返しの後で、峠に達する。ここから、今や「白水山」と白ペンキ文字で誘導のある踏み跡へと入る。しばらく足場の悪いトラバースを経て北に張り出す尾根に出ると緩傾斜の雑木と笹の鞍部である。川上ノ滝経由白水山はここから左に谷筋を行く。我々は右に尾根を辿る。薄い踏み跡を行くと間もなくはっきりとした道に変わる。小ピークを巻いたのち、道はまっすぐ下っていくが、我々は左のピークへと下生えのない雑木の中を登る。踏み跡はない。ピークの北をかすめて尾根に乗る。踏み跡はないが、下生えもなく、特段問題ない。道がないのにテープマーキングが2か所(だけ)付されている。尾根を下っていくと、前方が明かるくなって日当たりのよいところに出るが、その先藪である。よーく見ると尾根の左側に道型を認める。藪を払いながらこれを辿る。一か所、思わず直進して入り込みそうになる小尾根があり、ここは90度左に折れて踏み跡を辿る。さらに尾根を下ると檜の植林となり、正面に大岩が立ちはだかる。岩の手前で右のすり鉢状の源頭へと、ヒノキの幹を頼って無理やり下る。踏み跡は消えてしまう。谷底に達すると正面の谷の左右は大シダの密生と灌木藪で、手に負えないので、谷底を注意して進む。しかし、岩組の段差に進行を妨げられる。最初の段差を左からかわし、以後、右岸沿いに下ったのちは、左右、通れそうなところを進む。左の尾根の末端を回り込んで植林下の平坦地に出、左寄りに進路を取ると、隣の谷にぶつかる。この谷の右岸に沿って植林地を進むと、「売物件」の看板と産廃業者の跡地が目前に現れる。ここで沢を渡渉し、産廃跡地に飛び出す。道路は目前だが、金属扉が閉ざされて、ワイヤーの鍵がかけられている。Kinuasaが目ざとく、鍵は単なる見せかけ、と見抜いて、ワイヤーをほどき、開門開門〜!こうして、無事、大堰堤に帰着したのだった。今日もまた、何度も行っている地域ながら、改めてアドベンチャーを楽しむことができた。なお、産廃跡地は谷を下流方向に辿ることで回避可能と思われる。
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