記録ID: 466594
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無雪期ピークハント／縦走
甲信越
御前ヶ遊窟・井戸小屋山（阿賀町） スリルに満ちた岩山
2014年06月16日(月) [日帰り]
Forest21
その他1人 - GPS
- --:--
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 658m
- 下り
- 647m
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標高グラフを拡大コースタイム
7:40 登山口
7:50 鍬ノ沢
8:05 ソウケイ新道分岐点
9:05 菅倉沢
9:15 シジミ沢出合
9:40 スラブ入り口
10:30 洞窟前トラバース
10:40 御前ヶ遊窟
11:00 頂上
11:20 休憩終了
11:40 井戸小屋山 頂上
12:30 林道
12:45 舗装車道
13:15 登山口
7:50 鍬ノ沢
8:05 ソウケイ新道分岐点
9:05 菅倉沢
9:15 シジミ沢出合
9:40 スラブ入り口
10:30 洞窟前トラバース
10:40 御前ヶ遊窟
11:00 頂上
11:20 休憩終了
11:40 井戸小屋山 頂上
12:30 林道
12:45 舗装車道
13:15 登山口
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
■駐車スペースは5〜6台程度 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
■登山口に登山ポストあり、トイレ無し ■沢の渡渉、ロープ・鎖場など、危険箇所多数 |
写真
今回は危険なアタックの予感がする。数日をかけて情報を集め、素人なりに徹底研究する。攻略のめどはついた。
この日は「THE NORTH FACE」の「テンペストミッドWP」。ごく普通のトレッキングシューズ。
津川IC→国道49号線→県道227号・室谷津川線→県道228号・柴倉津川線と車を走らせ、「棒目貫」集落へ向かう。すると大きな看板が出てくる。
駐車場の奥には、危険な登山道であることを示す看板。登山ポストあり。トイレ無し。
登山者名簿を見てみる。今年の6月から始まっており、本日まで私たちを含めて6組の記入があった。
本日はテクニカルなコースになる。そのため、山仲間のなかでも技術と経験豊富なAさんをパートナーに選んだ。
この日、ピンクリボンが至るところにあった。ルートを見失うことは無かった。
この「御前ヶ遊窟」は6月の第3日曜日が山開きとなる。そのため、しっかりと刈払いがしてあり、登山道は明確だった。
鍬ノ沢沿いのへつり道をかなり進むことになる。鍬ノ沢は右手側の下を流れている。
そのへつり道の区間にはこんなトラバースが何度も出てくる。じめじめしており、とても滑りやすい。
8時20分、上下の分かれ道に出た。先ほどの案内図にも描いてあるが、ここは下へと向かう。
苔むした登山道が実に滑りやすく、危険。スラブに至るまで、ずっとこの苔道に悩まされることになる。
へつり道が続く。高度400m前後を保ちながら、同じような景観がひたすら続く。
またげないくらいに大きな丸太が登山道をふさぐ。ぬるぬるし、もし足を滑らせたら右下の沢に転落するであろう。よく見ると、この丸太の左側には巻道がついていた。強引に直進しない方がいい。
6/16 17:20
またげないくらいに大きな丸太が登山道をふさぐ。ぬるぬるし、もし足を滑らせたら右下の沢に転落するであろう。よく見ると、この丸太の左側には巻道がついていた。強引に直進しない方がいい。
そして空まで続くようなスラブが現れた。とは言え、ここを登るわけではない。
何とかこらえた。あやうく右下の沢に転落するところであった。もし転落すれば、ただでは済まなかっただろう…
気持ちを落ち着かせながら、沢を見る。鍬ノ沢がわれわれに向かって不敵な笑みを浮かべているかのようだ。
相変わらずぬるぬるしている。こんなところで転んだら、受け身もとれない。慎重に渡渉する。
この案内図を少し離れた位置から見ると、こんな感じ。この案内図のすぐ先に「魚留めの滝」があり、そこを渡渉して「シジミ沢出合」となる。
鍬ノ沢の渡渉。水量が多く、石もヌメヌメとしている。石を投げ込んで足場を作り、慎重に渡る。
9時15分、シジミ沢出合。苔むした岩登りが始まる。入り口から少し進むと、左に折れることになるので注意。ピンクリボンを頼りに進む。
6/16 17:21
9時15分、シジミ沢出合。苔むした岩登りが始まる。入り口から少し進むと、左に折れることになるので注意。ピンクリボンを頼りに進む。
三点支持を心掛けて、ゆっくり登る。「シジミ沢」とは言っても、水は流れていない。涸沢である。
9時40分、スラブの入り口に到着。水がチョロチョロと流れている。沈黙が流れ、そして緊張感が漂う。
さて、出発。ここからが本コースのハイライトとなる。このスラブは距離にして400mもあるとのこと。
上には、これから向かう岩峰。中央より少し右のピークの下に、まるで首飾りのようなブッシュが見えるだろうか。あそこを右から左へとトラバースすることになる。
2
上には、これから向かう岩峰。中央より少し右のピークの下に、まるで首飾りのようなブッシュが見えるだろうか。あそこを右から左へとトラバースすることになる。
例のトラバースが近づいてきた。岩塔がはっきり見える。あんな形をしていたのか…
このトラバース道が終わりに近づくと、右手に分岐があり鎖がぶら下がっている。この分岐に入ると「ソウケイ新道」である。
分岐の数歩先に、岩にペンキで書き込みがしてある。「かえり 5m下 左」。先ほどの「ソウケイ新道」のことを示している。
10時40分、「御前ヶ遊窟」に到着。御前ヶ遊窟というのは、山頂より少し下がったところにある「洞窟」のことである。
洞窟内は広い。高さ4m、幅15m、深さ10mほどである。中にはあちこちに石が積まれている。
伝説では、この岩穴に余五将軍・平維茂（たいらのこれもち）の夫人である御前様が、隠れ住んだということである。
遊窟を出て、すぐに直上する岩に登ってはならない。急で登れなくなる。この写真はダメなコース。ここよりもさらに左側をまわりこむのが正解。
スラブに出る。このスラブ、高度感が半端ではない。調査によると、山頂から下ってきてこのスラブを通過するのが最大の難ポイントらしい。
すると上のヤブほうに、何だか踏み跡らしき入り口を見つける。写真中央の、少しヤブが開いた所が見えるであろうか。
南東の方角、中央の一番高いピークがスラブ途中からも見えた「菅倉山（950.7m）」だと思う。
そしてすぐに下山開始。この井戸小屋山からの下山ルートは語るべきことは何もない。眺望の得られない、単調なエスケープルートである。
12時45分、舗装道路に出た。ここを右に曲がる。紙の垂れ下がったロープをくぐる。
13時15分、登山口に帰ってきた。車がもう1台とまっていたので、登山者名簿を見てみる。私たちの後、単独の登山者がソウケイ新道をピストンしているようだ。
13時15分、登山口に帰ってきた。車がもう1台とまっていたので、登山者名簿を見てみる。私たちの後、単独の登山者がソウケイ新道をピストンしているようだ。
感想
以前より、阿賀町の奥に「御前ヶ遊窟」という岩山があることは知っていたが、何だか名前からして怖そうだったのでずっと敬遠していた。だが時を経るに従い「怖いもの見たさ」の気持ちがだんだんつのってきた。6月の第3日曜日にはこの山の「山開き」が終わった。ということは「ある程度の整備もなされているだろう…」ということから、アタックしてみることにした。
■鍬ノ沢ルートはじめじめしたトラバースが延々と続く。苔むしていて全体的に滑りやすく、要注意。
■登山口から御前ヶ遊窟までは、ピンクリボンや赤ペンキが多数ある。ルートを見失うことはまず無い。
■鍬ノ沢ルートには渡渉が3ヶ所あるが、どれも石がヌルヌルしている。注意して欲しい。
■シジミ沢出合からのルートも苔むしている。もし雨が降ったりすれば、かなり滑るであろう。
■400mのスラブではすばらしい爽快感が得られる一方、もし滑り落ちればただでは済まない。
■御前ヶ遊窟から山頂へ行く際のスラブは特に注意。傾斜が急で、高度感が半端ではない。
■井戸小屋山からの下山ルートはよく踏まれており、安全この上ない。もし往路で体力を消耗してしまった際は、エスケープルートとして最適である。
■御前ヶ遊窟は、本来「鍬ノ沢〜シジミ沢〜山頂〜ソウケイ新道」という周回コースがスタンダードである。
登山口から山頂まで危険箇所が多いが、スラブではこの上ない爽快感が得られる。今度は紅葉の季節に、スタンダードなコースでたどってみたいと思う。
（参考文献）
・『阿賀町 山岳ガイドマップ』阿賀町役場発行
・『ハイグレードハイキング・東京周辺』打田�０� 編 山と渓谷社
・『関越道の山88』打田�０� 著 白山書房
・『越後の山旅』藤島玄 著 富士波出版社
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Forest21さん、こんにちは
御前ヶ遊窟、いい感じの岩岩ですねー
新潟にこんないい山があったとは・・・勉強不足で知りませんでした
鍬ノ沢からシジミ沢出合へ行きスラブを登っていくコースは登りルートでは問題なさそうですが下りルートには使わないほうがよさそうですね？
貴重な岩岩レコ、楽しかったです！！
（私も一度行ってみたくなりました
お疲れさまでした
yama59さん、こんばんは。初めまして
いつもyama59さんの登山レポを熟読し、研究させてもらっています。
私が御前ヶ遊窟を初めて知ったのは、2年前に阿賀町発行の「山岳マップ」を見たときでした。そこに掲載されている岩峰の写真が何だが恐ろしく思え、いままでアタックできずにいました。今回登ることができてよかったです。
御前ヶ遊窟は「鍬ノ沢〜シジミ沢ルート」から登り、「ソウケイ新道」で下るというのがスタンダードなようです。おっしゃるとおり、スラブ経由で「シジミ沢ルート」から下るのは傾斜がかなりきつく、それなりの装備をしていかない限り困難なのではないかと思います。
もし行かれるようでしたら、どうかお気を付けください。私も今度は秋の季節に行ってみたいと思います(^^)
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