雨でも楽しい深田久弥氏思い入れの雨飾山。バス・タクシー乗り継ぎで雨飾山荘へ
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その他1人 - GPS
- 06:40
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 1,174m
- 下り
- 1,084m
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| 天候 | 雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
新宿10:11（JR湘南新宿ライン） 大宮10:44/10:57（北陸新幹線はくたか559号） 糸魚川12:47 糸魚川駅（日本海口）BS13:15（糸魚川バス05系統根知線・別所行）￥700 山寺上入口BS14:04 観音堂14:20 （糸魚川タクシー 約7�辧 �2800）※ネットで予約できる 雨飾山荘14:40 ※季節運行の雨飾山登山乗合タクシー（糸魚川⇔雨飾山荘）は土日祝のみ。 復路： 雨飾高原13:29（小谷村営バス）￥850 南小谷駅14:10 南小谷15:00（大糸線・中央本線特急あずさ46号） 八王子18:30 |
写真
およそ20分で雨飾山荘に到着。迎車料金100円を加えて￥2800。2人で乗ったので1人￥1400。バス代の￥700を加えても1人￥2100で、糸魚川駅から雨飾山荘まで移動できた。
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感想
2019年に計画した雨飾山は台風19号で北陸新幹線も中央本線も走らなくなってしまったので中止。
2020年に計画した時は、自身の異動が重なってしまいキャンセル。
今年は夏に行ってみようと7月に計画したが自身の体調不調で延期し、そして延期した8月末には一緒に行く友人の体調不良で中止。
こうなると雨飾山にはもう縁がないのかなと思っていたのだが、友人が再度雨飾山荘を予約してくれた。
が、全国的に晴が予報されているこの土曜日もなぜか北陸地方を中心に日本海側で天気が悪い予報。
気象解説によると、弱い冬型になるので日本海側で天気が悪くなるそうだ。
でも、曇りの可能性もあるので行ってしまうことにした。
雨飾山は新潟県側の雨飾温泉から入って長野県側の小谷温泉へと抜けられ、2つの温泉を繋いで歩けるのが魅力的だ。
一緒に行く友人は2年前に泊まった新潟県側の雨飾山荘がお気に入りとのことで、今回も雨飾山荘に前泊して行くことにした。
先月、雨飾山荘を予約しようとした時点で土日は取れなかったので金曜日、遅めの夏休みを使って泊まることにした。
10月の雨飾山は紅葉の季節で、友人曰くディズニーランド並みに混む「雨飾ランド」になってしまうらしいので、土曜日泊で日曜日に登るよりは多少は山も空いているだろう。
雨飾山荘へは糸魚川駅から季節運行で雨飾山の乗合登山タクシーが出るのでそれを使うつもりでいた。
が、2週間前三ツ石山へ登った帰りのバスで乗り合わせた方と話をしていると、「その乗合タクシーって確か土日祝しか走らないのでは？」とのこと。
しまった、うっかりしていた。
ということで、これはもう糸魚川駅から普通のタクシーで行くしかないかなと思った。
糸魚川駅から雨飾山荘までGoogleマップ計測で22�卍�。
タクシー代はかなり嵩みそうだ。
そこで思いついたのが、いつも見ているテレビ東京の「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅」でよく使われる、バスでぎりぎりまで行って、タクシーに乗り換える手法。
雨飾山荘方面に一番乗り入れるバスを探したところ、糸魚川駅から根知地区の別所バス停まで行く05系統・根知線というのを発見した。
この路線で「山寺上入口」というバス停まで行けば、雨飾山荘まで約7�辧�
今回は雨飾山荘へ行く金曜日は雨予報なのでタクシーを使うことにしたが、天気が良ければ歩いても行けそうな距離だ。
季節運行の雨飾山乗合登山タクシーの料金は糸魚川駅〜雨飾山荘が￥2000。
今回のルートで行けば、糸魚川駅〜山寺上入口が￥700。
山寺上入口（タクシーを予約する時は分かりやすいように近くの観音堂からにした。）〜雨飾山荘が迎車料金込みで￥2800だった。
今回は2人だったのでタクシー料金は半額の￥1400。
結果的に￥700+￥1400＝￥2100と乗合登山タクシーとほぼ同じ料金で行くことができた。
糸魚川駅から乗った別所行のバスは地元の人もほとんど乗っておらずガラガラ。
地方のバス路線ではありがちなことだが、廃線にならないようにもっと登山者も利用してほしいなと思った。
今回、天気が悪そうなのに決行した理由は複数あるが、ひとつはこのバス・タクシーで行けるルートをせっかく発見したということもある。
金曜日に雨の雨飾山荘に泊まり、味わいのある山荘と温泉をじっくりと堪能し、明日の晴、いやせめて曇りを願いながら就寝。
が、土曜日の朝は朝から本降りの雨だった。
1時間ほど早く5位時半頃、まだ暗いうちに同宿だった登山ツアーの方々が出発したが、その時間など土砂降りといってもいいほどの降りだった。
6時半位まで雨の様子を見ていたが、かなり明るくなってきたので渋々出発。
結局天気予報どおり、今日は1日雨らしい。
雨飾山荘の露天風呂の横が登山口で、すぐに急登が始まる。
日本海側らしい立派なブナが多い。
急登ではあるものの、危険な岩場などはなくグイグイと高度を稼いでいくが、その代わりレインウェア内がすぐに汗だくになった。
乾いていたシャツがすぐに濡れ始め、アンダーウェアも濡れてくると一気に不快感が増す。
いつもは雨の予報の時はキャンセルするのに、なんで今回は決行したかなあなんて後悔しながら登っていたのだが、不快感もある一定以上を超えると何も感じなくなった。
全身汗でびしょびしょなのだが、なぜかまったく不快ではない。
人間の感覚というのはうまくできているものだ。
レインウェアが外の風を防いでくれていて寒くないし、皮膚の間のびしょびしょのウェアは体温で温められているので、ちょうどウェットスーツを着ているのと同じような感覚だろうか。
晴れていれば山頂や見晴らしのいい場所でゆっくりすることもできただろうが、結局ずっと雨なのでほとんど歩き続けている。
山頂付近は標高の割には多雪地帯なので高山帯のようになっている。
丈の低い木がきれいに色付いていたが、これはミズナラの高山型のミヤマナラだろうか。
山頂から下りてきて笹平辺りに向かっているときに、長野県側から登ってきた人とすれ違う。
途中の沢（荒菅沢）が増水していて怖かったので、帰りは新潟県側に下りることにしたとのこと。
今回色々調べていたので、一応新潟方面の交通手段の話ができる。
大糸線の根知駅と話すと「ネチ？」と聞き返される。
確かに知らなければ漢字が思い浮かばないかもしれない面白い地名だ。
友人が増水って腰のあたりまでですか？と尋ねていて、思わず笑ってしまう。
いや、腰まで増水してたら流されちゃうでしょ。
その荒菅沢、確かに増水していたが、予め話を聞いていたからかそんなに驚くこともなく通過することができた。
荒菅沢脇で咲いていたアザミは、アザミにしては柔らかそうなアザミだった。
後から調べてみると、中部地方北陸側に分布するアザミで、茎に刺はなく全体に刺が少ないノリクラアザミという種類らしい。
長野県側はフトンビシなどの有名な岩場もあるように新潟県側より岩場が多かった。
本降りの雨の中なので、木の梯子などはいつも以上に慎重に下りていくことにする。
紅葉で有名な雨飾山もまだ色付き始めで、途中きれいに紅葉していたのはオオカメノキが多かった。
そして圧巻だったのが、ブナ。
ブナの巨木がこれでもかこれでもかと現れて、時期になればこのブナの紅葉もきれいなのだろう。
最後少し陽が出てきたので、これは晴れてくるのかなと思ったのだが、雨飾キャンプ場を過ぎるとまた本降りの雨となった。
雨の中、木道脇の沢の大きなイワナなどを見ながら楽しく歩く。
身体も冷えているので雨飾荘の日帰り入浴がやっていれば寄ろうかと思っていたのだが、やっていなかった。
友人は2年前に来た時もやっていなかったので例の感染症の関係でやめてしまい再開されていないのだろうと言うが、もともと近くに野天風呂もあるし、そもそも以前はやっていたのだろうか。
雨の中自然の中にある野天風呂では次のバスの時間まで2時間以上も潰せそうもないため、急遽着替えて予定していたバスの1本前の13:29発のバスに乗ってしまうことにした。
これに乗れば南小谷駅から1日1本だけある15:00発の直通の特急あずさに乗ることができる。
深田久弥氏が何度も登り損ねて、ようやく頂に立てた雨飾山。
雨飾山は標高や歴史からしても、百名山に選ばれる可能性の低かった山だと思う。
それが、「幾度か登り損ねたあげく、ようやくその山頂を得た」ことから深田氏の思い入れの強い山となったようだ。
深田氏は、この「久恋の頂」に立った時に、ゲーテの「旅人の夜の歌」の訳詩を引用して「すべての頂には憩いがある。梢にはそよとの風もなく、小鳥は森に黙した。」と書いている。
深田久弥氏の「百の頂に百の喜びあり」の元になったといわれるこのゲーテの訳詩は雨飾山で登場するのである。
自分も雨飾山は2つの温泉を繋いで歩ける山として行ってみたかっただけなのだが、何度も登り損ねて、やっと登れた山になった。
雨の中でもこれだけ楽しかった雨飾山だから、晴れていればもっと楽しいだろう。
今度はシラネアオイの花の時期にでも再訪してみよう。
そして小谷温泉の野天風呂にも入りたい。
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