記録ID: 48211
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ハイキング
九州・沖縄
トホレコ(日本縦断徒歩旅行の記録)53・島原半島周遊
2006年12月14日(木) 〜
2006年12月17日(日)


- GPS
- 80:00
- 距離
- 64.7km
- 登り
- 99m
- 下り
- 104m
コースタイム
12/14 瑞穂にて日がな一日。
12/15 島原城跡、湧水など。
12/16 天草へ渡る。
12/17 初雪、若宮にて。
12/15 島原城跡、湧水など。
12/16 天草へ渡る。
12/17 初雪、若宮にて。
過去天気図(気象庁) | 2006年12月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
12/14 今日もまた雨である。昨日の様に朝のうちザーッと降ってカラッと晴れてくれれば都合がいいのだが、そう上手くは行かない。寒いので濡れて歩くのは気が進まない。これがちゃんと今夜の宿が決っているというなら話はべつである。多少消耗しても、熱い湯に浸かって湯上がりにファンタグレープでもきゅーっと一杯やっとけば問題なさそうなものだ。野宿生活だとそうもいかない。雨はどうにもはっきりしない感じで降ったり止んだりしている。せめて本降りならスッキリするのだが。 テントの中で雨音を聞いていると気分が腐ってくるので、その辺をふらついてみる。傘なんてなくても、カッパを着ていればそれで済むような雨足だが、小一時間もうろついているとずぶ濡れになってしまう。なんとも煮え切らない雨。 運動公園の敷地内に温泉を発見。夕方6時を過ぎると半額になるというシステムだったので、宵闇を待っておもむろにタオルを提げて繰り出してみる。まあ、よくある無理やり汲み上げて沸かし直してるような奴だった。湯上がり、休憩室でファンタグレープなど啜ってみる。テレビではサッカークラブ世界一決定戦をやっている。バルセロナとクラブアメリカの取り組みを放映中。クラブアメリカにはヨーロッパで干されたロートル選手が渡ってくるようだ。クラウディオ・ロペス、ブランコなど懐かしい顔も見える。試合は3ー0と一方的になってきたのでテントに引き上げる。晩ご飯はもやしとコンビーフの炒め物。 12/15 朝モヤだ。またーりとした、霧が辺りを包んでいる。日が昇るにつれ、それもどんどん晴れていく。晴天の予感。 ちょっとしたショッピングセンターに寄ってみる。そろそろ寒くなってきたので手袋など買ってみる。百均でフンドシほどの大きさの薄手の板を購入。ストーブの風除けを作ってみようという魂胆である。隣のパン屋で焼きたてのパンを買って、頬張りながら歩く。くるみパンと揚げたてのカレーパン。僕はパン屋に入るとどうしてもカレーパンを買ってしまう質である。そのくせ僕は別にカレーパンがそれほど美味しいと思っている訳でもない。こういうのはわりと困った性癖である。似たような傾向の食べものとして、立ち食いの天ぷらソバというのがある。僕は電車で都心に出かけて行った場合などに、9割近い確率をもって天ぷらソバを食べる。腹が減ってようがいまいが、どうしてもあの立ち食いの暖簾を潜ってしまうのだ。あれだって別に大して美味いものでもない。なんなんだろう。 有明海を左手に見遣りつつ歩いていく。海はひたすら凪いでいる。なんとも退屈な風景だな。海はやはりざぱーんとやってくれてるほうが気分が出る。この辺の海沿いには「カキ小屋」とかいうものが多い。掘っ立て小屋みたいなものの中を覗いてみると、コンクリートブロックを積んだ焼き台が据え付けられている。ここでバーベキューみたいに牡蠣を焼こうという趣向のものらしい。多分有明海は牡蠣が採れるんだろう。何度か実際、牡蠣を焼いている姿を見た。エプロンをするのが流儀のやうだ。家族連れとか友達同士で楽しそうにやっている様子だったが、あえて試してはみなかった。「独りカキ小屋」というのは「独りバーベキュー」と同じくらいにバカバカしくも恥ずかしい行為なのではないかと想像される。 途中ミカンを買って食べながら歩く。三時を過ぎる頃になって漸く島原到着。湧水群があるというので見物に行く。ロクに調べもせずにテキトーに歩いて行くと島原城跡に出た。城には別に興味はないが、折角なんで散策してみる。アーケードの脇に足湯を見付けて一服。火山が近いとあって、良い泉質と見たよ。おばちゃんなどが湯に足を浸しながら楽しげに団欒している。肝心の湧水は結局どれのことなのか良く分からなかった。たしかに湧水池と覚しきものもあったが、色鮮やかなコイなど泳いでいる。飲み水ではないのか?もう少し歩くと浜の川というところに湧水があるらしいのでそちらに期待してみる。古くさい家並みを抜けていくと、道の真ん中に水汲み場がある。どうやら歴史のあるもののようだったが、現役という風情では無い。無理やり残してあるという感じがするのは否めない。生活水として利用するには水量が乏しいだろう。 さてそうこうするうちに日が暮れてしまった。内海沿いの干潟には野営に適した砂浜が乏しい。島原の郊外まで行くと「島原復興アリーナ」というのがあるらしいので、その辺りを目星を付けて行く。あたりも暗くなった頃、ようやく到着。 「あれぇ、船がないなあ。」 などと至ってトンチンカンなことを思ってしまった。今夜はヨットでも眺めつつ独り酒か?などと思っていたのだが、それはマリーナだっつーの。 12/16 なにやら外が騒がしくて目が覚める。漏れ聞こえてくる会話や物音から察するに、グランド整備をしているらしい。ちゃんと目立たない辺りにテントを張ったのに何だってんだろうな?外に出てみると高校生がサッカーグランドにライン引いたり、ゴールを運んだりと、試合の準備に余念が無い。そうだった、今日は土曜日だったんだ。まったく、週末って奴ぁ。炊事などしてると照れ臭いので、さっさとテント撤収。近所のコンビニでオニギリとカップ麺で済ます。 明日は何と雪の予報だ。今日中に天草へ渡ってしまおうと考える。どこかに眺めのいい天場でも見付けて、明日は朝から雪見酒と洒落ようじゃないか。カメラも殆どウェストポーチから出さずに、せっせと歩いて行く。今日も海はモヤに霞んで沖の方はなーんも見えん。天草諸島や九州本土の熊本あたりが見えてもおかしくないのだが。 口之津というのが島原半島南端の港。天草へはここから船で渡るのが風流だろう。スーパーで買い物して、フェリーターミナルについたのが5時ちょっと前。丁度フェリーが入港してきたところ。しかしここは敢えて一本見送る。冒頭でも言ったが、今日は土曜日。ここでお酒でも舐めつつアバンティを聴いたらさぞや風情だろうと思ったのだ。さっそくラジヲを取り出してスイッチを入れてみると、何としたことか、電波が入らない。電波が、電波がぁ、などと嘆いてみても後の祭り。もう船は行ってしまった。そうこうするうちにぱらぱらと雨。無駄な事をしたものだ。 天草側の鬼池港に着く頃にはすでにあたりは真っ暗である。明日は雪見酒と洒落るんだから、ラジヲなんて聴いてないで快適なキャンプサイトを探した方が良かったよね。ちょっと考えれば分かりそうなものだが。アバンティってそんなに楽しい番組だろうか?カレーパンとか天ソバと似たようなものだという気がする。それにしてもあたりが暗すぎる。いい加減に若宮という所まで歩いて、海辺の埋立地風な所で野営。 夜中、用足しに出ると見事な星空だった。それから程なくして風が吹きはじめる。 12/17 朝のうち、風と雨。なんとも寒々しい風景。起きてみようという気も起きない。さひわひにして、昼近くになるにつれ晴れ間もチラホラと見えはじめる。北方の空には分厚い雲が控えているのが見える。干潮が近いのか沖の小島と地続きになっている。亀島というらしい。カメラを持って、干上がった海を歩いてみる。風が非常に強くて寒い。 真っ白な雨具を着込んだ人が独り、何やらせっせと採っている。結構怪しげな風貌のおじさんだったが、気さくな風を装って、頑張って話しかけてみる。 「こんちわー。寒いっすね。何か採れますか?」 「ガネだがね。」 洒落ではない。この辺ではカニの事を「ガネ」と呼ぶのだそうで。なるほど言われてみれば道中、「多比良ガネ」などという看板を随所に見かけたと思う。バケツの中を見せてもらうと、いるいる、ちっこくて泥だらけで小汚いガネがうじゃうじゃと蠢いている。こんなもの喰えるのか?と思ったが、聞けば釣りの餌にするそうで。そうこうするうちにひと雨来やがった。慌ててテントに逃げ帰る。ラジヲ聞きつつしばらくうたた寝してみたが、風は強まる一方だ。これでは炊事もままならないぞ?ということで新たな天場を物色。昨夜は暗くて分からなかったが、明るくなってから探してみると、高台の見晴らしのいい辺りにおよろすい感じの四阿があるじゃあないか。さっそく移動。 近所に産地直売店みたいのがあって、店頭で天プラを揚げてあつあつなのを盛んに売っている。天プラといっても魚のすり身を揚げた、薩摩揚げみたいなものである。白いのとねずみ色のがある。ねずみ色の奴は骨ごと擂り潰して使っているそうだ。プラスチックの容器にてんこ盛りで一つ300円。お買い得である。そして美味い。酒の肴にうってつけである。 テントに帰って焼酎をお湯割に。寒さに震えつつ敢えて外で海を見ながら啜ってみる。寒いので足だけシュラフに突っ込んだままのだらしないポーズ。これが良いのよ。そうこうするうちに、白いものもはらはらと落ちてきたようだ。うーん、盛り上がるなあ。亀島の上に大きな虹が二重に架かった。潮は満ちて亀島とは既に地続きではない。おぢさんはね、したたか酔ってしまったよ。もう今日はこのまま何事もなく終わって欲しいものよ・・・。 |
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