剱岳 (馬場島から早月尾根をピストン)


- GPS
- 11:55
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 2,301m
- 下り
- 2,301m
コースタイム
天候 | 午前中は晴れていましたが,10時ごろからわきたつ雲が多くなり,午後には雨に。 ときおり雷も鳴る。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ボクが前日23時前に到着したときには,空きは2〜3台。 歩いて少し先に行ったところに,キャンプ場のトイレがあります。 ただ,もっと先,登山口付近に路駐している車も20台くらいありました。 (700K) |
コース状況/ 危険箇所等 |
早月小屋から1時間ほど上部に,1ヵ所だけ残雪がありますが,比較的平坦なので, 危険はありません。 そのまた上部,核心部の岩場には鎖場が5〜6本連続していますが, ここも慎重に行けば問題ないでしょう。 カニのタテバイ・ヨコバイのほうがもっと怖いと思います。 ただし,日帰りピストンしようとしたボクは, ここまで来たときにはもうヘロヘロで集中力が切れ気味だったので, そういう方は自分も含めて要注意ですよね。 |
その他周辺情報 | 馬場島荘のお風呂を利用させてもらう。(500円) 4〜5人も入ればいっぱいですが, 汗にまみれ,雨でビショビショになった身にはありがたかったです。 |
写真
感想
剱岳・早月尾根の日帰りピストン…このヤマレコを見るようになって,そんなとんでもない山行をする人がいることを知りました。
早月尾根といえば,「積雪期に剱をめざす人たちが,数日をかけてヒイコラ言って登る,とてつもない長大な尾根」というのがボクのイメージ。実際,標高760mの馬場島から剱岳山頂までの,2200mをこえる標高差を一気につめる早月尾根は,日本でも屈指のきびしい尾根道といえるでしょう。
その早月尾根を日帰りするなんて…。トレランをする人が増えたことが,こんなすごい日帰り山行の増えた原因なんでしょうが,とんでもないと思ったこの日帰りも,こうして日帰り弾丸ツアーをする身になってみると,「早月尾根日帰りピストン」がひとつの憧れになっていきました。
「この夏の最大のチャレンジは,早月尾根の日帰りだ」,そう思っていたボクに,ついにその日がやってきました。剱岳に行くのは31年ぶりです。前回は,早月尾根なんてまったく考えることもなく,8月初旬,友人と2人で黒部ダム→タンボ平→一ノ越→雷鳥平とやってきて,翌日,剱沢までテントを上げておいて,別山尾根経由で剱岳に登ったのです。
さて金曜日,仕事が終わるとそのまま富山に向かって出発。23時前に馬場島に着きました。そして,車中泊。朝4時に起きて,4時半すぎに歩き始めました。登山口にある「試練と憧れ」の碑。まさにそのとおりです。早月小屋までは,ひたすら樹林帯の登り。標高が低いこともあるのでしょうが,汗がしたたり落ちます。いつもに比べて,体調が今ひとつという感じがします。それでもタイムをみれば,ほぼいつものペース。
早月小屋をこえて,2400m付近からやっと視界が開けて,目の前に早月尾根上部と剱岳がデンと見えるようになりました。2600mで雪渓をトラバースし,尾根は次第に岩ばかりになってきました。2800mから上が,この早月尾根の核心部の岩稜帯です。鎖場が続きます。ただ,そんなにきびしい岩場でもありません。30年前の記憶からすれば,別山尾根のカニのタテバイ・ヨコバイのほうがもっと高度感があって,レベルが高かったと思います。そうは言っても,ボク自身がここまで来たときにはすでに消耗しきっていて,「立ち止まりたいところだが,前後に人がいるからそうそう止まるわけにもいかない」という状態。
フラフラしながら,やっとの思いで剱岳山頂(2999m)に着きました。「やっと着いたぞ!」という感動よりも,「またこれだけ下りなければならない」という先行きの不安感のほうが大きいという情けない心理状態でした。山頂でのまっ青な空と大展望を期待して来ましたが,もう少し早く登ってこられればよかったのでしょうが,かなりガスがわきたって,展望もイマイチでした。それでも,31年前には小雨が降っていて,まったく何も見えなかったことを思えば,これだけでも,登ってきた甲斐があったというものです。
山頂でゆっくりしたい気持ちと,時間をかけて下るために早く歩き出さなきゃという気持ちが葛藤しました。それでも30分ぐらいは,山頂でご飯を食べたりしていましたね。次第に「5月の鹿島槍から見た、あのカッコイイ剱のてっぺんに久しぶりに今いるんだ」という達成感に包まれてきました。
が…,とうとう下りです。左ヒザに違和感があるので,ゆっくりめに下ります。ところが,途中から雨が降り出し,小降りになったり,本降りになったりのくり返し。そのおかげであせって,ちょっと下りのペースがあがり,そして,早月小屋から下の樹林帯では,濡れた木の根に手こずって,今度はペースダウン。ひたすら「一歩一歩前へ進めば,いつかはこの下りも終わる」と念じながら,本当にやっとこさ馬場島に到着したのは,出発からちょうど12時間後でした。疲れ切って,汗と雨にずぶ濡れになった身には,馬場島荘のお風呂が最高でした!
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