思い出より色鮮やかだった鳥海山


- GPS
- --:--
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,288m
- 下り
- 1,269m
コースタイム
御浜小屋08:50/09:00
扇子森09:30
七五三掛10:10
文殊岳10:40
伏拝岳11:00
新山12:00/12:20
御室12:30/13:00
七五三掛13:40
扇子森14:10
御浜小屋14:30/14:40
鉾立16:00
天候 | 曇のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
往路(前日): 新宿09:43(JR埼京線) 大宮10:15/10:42(上越新幹線Maxとき317号) 新潟12:21/12:29(JR羽越線特急いなほ5号) 象潟15:15 (当日) 象潟駅06:20(象潟合同タクシー) 鉾立06:55 復路: 鉾立16:25(象潟合同タクシー) 象潟駅17:05 象潟17:29(JR羽越線特急いなほ14号) 新潟20:10/20:19(上越新幹線Maxとき350号) 大宮20:02/22:10(JR湘南新宿ライン) 新宿22:42 |
写真
感想
鳥海山には13年前に登っている。
大学の研究室で登ったので麓でテント2泊、山中で小屋1泊したのだが、初めてテント泊した山なので思い出深い山だ。
秋田駒ヶ岳と鳥海山と昔行った山ばかり登って思い出に浸っているのは現状の生活に満足していない証拠かもしれない。
鳥海山自体の山頂往復のコースでは日帰りで充分なのだが、行くのに時間がかかるので前日に象潟で1泊した。
象潟は鳥海山の山体崩壊でできた小島群であったが、その後の地震で陸化してしまったという面白いところだ。
象潟駅から登山口となる鉾立までのバスは象潟合同タクシーのバスになるが、これは時刻表はあるものの乗客がいないと運行しないようで、完全予約制である。
しかも片道¥3000もするので、人数が多ければ普通のタクシーの方が安くなるかもしれない。
6:20象潟駅前のバス乗るとほぼ満席。
これだけ乗れば普通のバスでも成り立ちそうだが、乗客がいないときはまったくいないのかもしれない。
この日の天気予報は曇のち晴。
鉾立から登り始めた時は陽射しも弱く山頂も見えなかった。
ただ、霧にまかれてしまうというわけではないので、この山は花を見に来たのだからいいやという気持ちで登っていく。
途中賽ノ河原はその名に似合わず花のきれいなところで、残雪とともにはっきりと記憶している所だったが、こんなにも近かったかなというくらいに近く感じた。
当時は登山ではなく自然観察が主だった(しょっしゅうそんなに速く歩くなと言われた。)ので、ここまでけっこう時間がかかったのかもしれない。
あと、当時はもっと人が連なっていたように思う。
2001年というと中高年の百名山ブームの真っ最中だったはずだ。
人もそんなに連ならず、心地よい鳥のさえずりとともに高度を上げると、御浜小屋に到着。
やはりこんなに近かったのかなと感じる。
この御浜小屋は身動き取れないくらいに混んで、眠る時息苦しかった思い出のある小屋だ。
今見ると、こんなに小さかったのだなという印象だ。
鳥の海(鳥海湖)の周辺にある水を作るために採った雪渓は記憶にあるとおりだった。
そしてこの鳥の海の周辺の高山植物はすごかった。
当時はこんなに花が咲いていたかなというくらいに咲いていて、思い出よりも色鮮やかだった。
階状植被の観察のため何時間か費やした扇子森から見た鳥海山の姿をまた見たいと思っていたのだが、残念ながら雲の中。
ただ周囲の残雪とハクサンイチゲの群落が織りなす景観はすごかった。
七五三掛辺りまで来ると天気予報どおり雲がとれ始めた。
七五三掛の分岐からは前と同じルートで外輪山経由で山頂を目指すことにした。
外輪山を歩いていると東側から雲が流れてくるが、徐々に晴れてきたようだ。
そして外輪山から千蛇谷ルートを見ると雪渓がかなり残っていてそこを登っていく人が見える。
軽アイゼンを持ってきていなかったので、登りはこちらにして正解だったかなと思った。
外輪山を七高山方面へ向かい、山頂を左回りに回り込んでいくと、山頂直下にものすごい残雪がある。
前に来た時もほぼ同じ時期だったが、その時はこんな残雪はなかったので今回は軽アイゼンを持ってこなかったのだが、やはり4本爪ならコンパクトだし持ってくるべきだったなと思った。
外輪山から一度カルデラ内に下りるが、そこも雪渓。
そこから火口丘の新山の登りにかかるわけだが、そこも残雪。
しかもそこは傾斜がそれなりにあるので滑りやすい。
新山に登る頃にはかなり雲も切れ、日本海までときおり見晴らすこともできた。
山頂からの下りは残雪の所を通りたくなかったので、登りとは別の真っ直ぐに御室方面に下る道を通った。
この道は今までとは打って変わって人が多い。
千蛇谷を通り山頂まで真っ直ぐに登る人が多いのだろう。
大物忌神社前は今までの静かな山の雰囲気とは違い大賑わいだった。
下りは千蛇谷を通ることにする。
おそらく13年前もこの道を下ったのだろうが、まるっきり記憶にない。
当時はまだデジカメが普及し始めた頃だったので、持ってきたカメラはフィルム式の一眼レフカメラだった。
今は1回の山行で300枚位は写真を撮るのに、フィルム式の場合これが24枚撮り、38枚撮りとかだったので、桁が違う。
なのでほとんど写真も残っていないのだ。
記憶に残っていないのは、その時はそんなに雪渓が残っていなかったのかもしれない。
さすがにこれだけ雪渓が残っていたら、記憶にも残っていそうなものだ。
七五三掛まで戻ると、さっきまでよく見えていた山頂がまたときおり雲に隠れるようになった。
13年前に扇子森から山頂の写真を撮ったので、同じ場所から写真を撮りたかったのだが、扇子森まで戻るころには山頂は雲に隠れてしまった。
思えばあの時も同じような天気で、扇子森に何時間もいて山頂が見えたのはその瞬間だけだった。
扇子森は風が吹き抜ける場所になっているので雲の流れも速い。
階状植被も一種の風食地形なのかもしれない。
御浜まで戻る頃には天気予報どおりどんどん晴れてきて、日本海まで見渡せる。
目の前に飛島が浮いている。
その海へ向かって下っていくような爽快な道を行くと、傾き始めた陽射しはまだ強烈だが、どこか秋の気配も感じた。
同じ山でもまた登ってみるとこんなにも印象が違うのだなと思った。
天気予報どおりその後は雲も消え、帰りの電車内の酒田付近では「出羽富士」と称される美しい姿で鳥海山が見送ってくれた。
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