神秘的な龍鎮渓谷から紅葉の盛りの室生寺へ
- GPS
- 05:02
- 距離
- 16.2km
- 登り
- 711m
- 下り
- 715m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険箇所なし 龍鎮渓谷は谷沿いにハイキング・コースが続いている |
写真
感想
久しぶりの平日の休みなので室生寺を訪れることを考える。室生寺が目当てというより、室生寺にたどり着くために龍鎮渓谷沿いの道を歩くというのが目的だ。
大和八木で近鉄電車を乗り換えて東に進む。桜井の駅を過ぎると車窓の両側に山が近づいて来る。三輪山の山肌が綺麗な錦繍を見せているが、残念ながらこの山はコロナ禍を理由に長いこと入山禁止が続いている。
室生口大野の駅は周辺には何もない殺風景なところではあるが、意外にも多くの人が下車する。その全ての人はすぐに発車する室生龍穴神社行きのバスに乗り込んでいった。駅前から歩く人影は我々の他には見当たらない。
室生ダムに向かう。タムの傍らには殉職碑が立っている。その裏側には3名の名前が刻まれていた。この規模のダムの建設では殉職した人の数は悲惨という他ないような数を記録しているところが多く、3名というのは数がかなり少ない方だろう。
ダムのほとりを歩く。龍鎮渓谷への入口が近づくと女子、果たして男性は何をしているのだろうか・・・思うが、よくよく考えるとこの日は平日であることに今更ながらに思い当たる。きっと仕事をしているのだろう。
深い谷、急に薄暗い谷に入る。谷の左岸には良好に整備された遊歩道が続いている。まもなく大きな淵が目に入り、谷に向かって下降する小径が現れる。淵は驚くほど透明な美しいエメラルド・グリーンを呈している。対岸には小さな祠があり、龍鎮神社であることがわかる。
淵の下流にで大きな岩盤の上を沢水が流れているが、ところどころで窪みが出来て特異な景観を呈している。窪みは長い年月の間に沢水によって穿たれた甌穴なのだろう。淵の上流には岩盤の上を滑り落ちる小さな滝がある。龍鎮の滝と呼ばれるもののようだ。
淵のほとりでは二人組の中年の女性がおられたが、そのうちの一人が大きなガラスの器を縁を擦って音を立ている。ボーッという大きな音が谷に鳴り響いていた。
龍鎮神社を後に谷沿いの道を先に進む。龍鎮神社から先には全く人が歩いている気配はないが、綺麗に整備された道が続いている。頻繁に沢を渡るが、その沢にはコンクリートの橋がかかっている。紅葉を見ることが出来るかと期待していたが、谷沿いには植林が続く。
平流が続き、沢の流れは細いが、驚くほと沢の水は綺麗だ。唐突に林道が現れるが、道はすぐにも林道を離れて再び沢沿いを進む。谷には黄色く色づいた広葉樹の樹々が現れるが、道は細くなる。やがて道は谷の左岸をトラバースしながら登ってゆく。
谷の上流で再び谷が大きき広がり平坦になると林道に出る。室生古道と合流する手前に瀟洒な東屋があるので、ここでコーヒーを飲みながら竹田の駅で購入したあんぱんとパンケーキで一息つく。ここからは舗装路歩きとなる。
室生の集落の西側に出ると一気に展望が大きく広がり眼下に室生川の流れる谷を見下ろす。室生寺のある対岸の山の斜面が鮮やかな錦繍を見せている。民家が散在する斜面には大きな桜の樹が目立つ。桜の樹々はすでにすっかり落葉した後だが、桜の花が咲く季節は綺麗そうだ。
道なりに室生寺の方向に歩いていくと途中にあさぎりの里という公園があり、ここからは集落の中をショートカットする道が続いている。川の対岸に室生寺が見えるようになると山門のあたりは一際鮮やかな紅葉に彩られている。
室生寺の境内は急に人が目立つ。平日でこれほどの人が訪れているのだから週末は大変な賑わいが予想される。色づくモミジを眺めながら境内を奥へと進む。奥の院へは長い階段を登ってゆくことになる。紅葉した樹はほとんどないが、その両脇に立ち並ぶ杉の巨樹の壮麗さに圧倒される。
室生寺を後にすると帰路は東海自然歩道を歩く。先ほどのあさぎりの里の公園まで戻ると公園の手前を右折して、室生山上公園に向かう。民宿のある小さな集落からは石畳の道が始まる。
公園を過ぎると鬱蒼とした薄暗い植林の中に石畳が延々と続いている。室生の集落の北にある峠は門森峠というらしいが、峠には祠の類はなく、東海自然歩道の道標が立っているだけだった。峠を越えると谷筋を緩やかに下降していく。苔むした石畳の道は古道の風情があるが、植林の単調な景色が続く。
後半は緩やかな平流に沿った林道歩きとなる。室生寺からの県道に合流するとモミジ公園なるものがあり、芝生の上でイロハカエデが真っ赤に紅葉していたが、公園は最近作られたばかりのものなのだろう。いずれの樹々も若木であった。谷にかかる橋が長谷橋とあったので、歩いてきた谷は長谷というようだ。
大野に戻ると大野寺の川の対岸には刻まれている巨大な磨崖仏が、行きには山影だったのだが、夕空に照らされて明るく輝いている。線刻の磨崖仏は相変わらず模様が不明瞭であったが、磨崖仏の下ではモミジが赤と緑の鮮やかなグラデーションを見せていた。近鉄電車で大和八木に向かうと大和盆地の向こうに夕陽が沈んでいくところだった。
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