葛籠尾半島☆奥琵琶湖の秘境への小冒険
- GPS
- 05:28
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 21m
- 下り
- 22m
コースタイム
- 山行
- 5:29
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:29
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
月出集落〜菅浦集落の間には全く道はなし 葛籠尾半島の先端部の岩礁地帯は今回は琵琶湖の低水位(−48cm)によりなんとか靴を脱いで通過したが、基本的に通過不可能と思われる(詳細は感想にて) |
写真
感想
この日の前日に琵琶湖岸を歩きませんかとyamanekoさんから嬉しいお声がけ。
琵琶湖の水位が低いこの時期ならではの一味違ったお散歩?です。
琵琶湖岸は小石の浜はまだ歩き易いのですが、石がゴロゴロした所がよくありました。そこは歩き難いのです。と言っても水平移動なので心肺には優しいのです。
琵琶湖の小波の音を聴きながら楽しく歩けました。
懸念の岩礁地帯では靴を脱ぐ場面もありました。
背の高いyamanekoさんは膝辺りまでの水なのですが、yamaizuさんと私は太ももあたりまで💦
キャーキャー言いながらなんとか通過。冷たかったぁ。
ランチはいつもの通りyamanekoさん夫婦が美味しいランチを振る舞って下さいました。
琵琶湖岸歩きにふさわしいシジミと椎茸と小鮎の天ぷら入りの豪華なもの♡
メチャクチャ美味しかった〜😋
琵琶湖と山本山からの稜線、奥には伊吹山等を眺めながらゆっくりととても幸せな時間でした。
今回も常人では思いつかないような楽しい山歩きじゃない湖岸歩き。
ゆっくりまったり、ちょっぴりアドベンチャー。
とても貴重で楽しい体験が出来ました♪
yamanekoさん、yamizuさん、ありがとうございました〜〜😆
琵琶湖には三ヶ所、湖岸に道が通じていない箇所がある。一つは奥琵琶湖の飯浦(はんのうら)湾の東岸、山梨子(やまなし)から片山の区間であり、ここは昨年の一月にhanabanaさん、naojiroさん、uriuriさん達と共に縦走したところだ。この飯浦湾の西側で奥琵琶湖の突き出た葛籠尾半島はわずかに東岸の月出集落まで道が通じているだけであり、大部分は道がない。まさに現代における湖辺の秘境といえるだろう。ところでもう一つはどこかって?もしもご興味がある方は地理院の地図を照覧されるとすぐに見つけることが出来るだろう。
琵琶湖の水位は降水量に大きく左右されるのだが、例年、水位が最も下がるのが降水量の少ないこの時期だ、昨年はここの時期に-70cmほどと記録的な水位にまで低下していたが、それには及ばないものの、今年の秋もかなり降水量が少ないこともあって琵琶湖の水位が-48cmというのはかなり低い方だろう。本格的に雪が降ると琵琶湖の水位はたちどころに回復するので、葛籠尾半島の湖辺歩きに挑戦することにする。これまでにここを踏破した記録が見当たらず、果たして歩くことが出来るものか全く予断を許さない。
昨年のメンバーにお声がでするとnaojiroさんは先月の怪我のせいで本調子ではないせいかご辞退される。uriuriさんはお仕事とのこと、ご苦労様だ。hanabanaさんがお付き合い下さることになったので車を2台で半島の縦走をすることが可能となる。
以前は木之本から菅浦まで湖国バスが運行していたが、路線は廃止となり、今は塩津の道の駅「あじかまの里」と菅浦の間に一日四本ほどのコミュニティ・バスのオンデマンド運行があるばかりだ。しかも日曜日は運休日だ。
車でhanabanaさんと待ち合わせた菅浦に向かう。朝のうちは大浦湾の東岸は山の影になっているが、菅浦集落が近づくと途端に朝陽の明るい光の中に飛び込む。菅浦集落は道路が開通する以前は船でしかここに辿り着くことが出来なかった秘境だ。集落の手前にある須賀神社に到着すると二本の銀杏の大樹が朝陽を浴びて金色に輝いている。
菅浦から塩津まではまずは奥琵琶湖ドライブウェイのドライブの旅となる。葛籠尾崎の展望台は紅葉がピークを迎えている。朝陽を反射する飯浦湾が目に入る。葛籠尾崎の展望台から先は北向きの一方通行となる。ドライヴウェイからは随所で好展望が広がり、錦繍に染まった山肌の裾には浜辺が続いているのが確認できる。
塩津の道の駅に到着するとここに車を停め出発する。湖岸の道路にも数台分の車を停めることが出来そうな道路余地があった。湖岸に達すると最初は月出の集落に向かって車道が続いている。しばらく歩くうちに忽然と湖岸にひっそりと古民家を身を寄せ合うように集まったこじんまりした集落が現れる。上述の山梨子の集落もそうであったが、この月出の集落はほぼ完全に外から隔絶されたところで、タイムスリップした感がある。集落の前には小さな港があるが、おそらくは多くの人が琵琶湖の漁業で生業を立てておられるのだろう。
集落の奥の墓地を抜けると、いよいよ道のない湖岸歩きが始まる。かつては集落がかなり奥まで広がっていたのだろか。湖岸の段丘に立派な石垣が続いている。湖岸を南下すると、その後もr天面と苔むした古い石垣が現れる。
広々とした浜辺にでると半島の斜面の紅葉が綺麗だ。半島の遥か先に東に向かって突き出した岬が見える。かなり遠くに感じられるが半島の約2/3ほどのところだ。湖辺は倒木が頻繁に現れるが、水位が低下したおかげで浜辺が広がり、倒木を避けやすくなっている。足元にゴロゴロとした岩が現れると途端に歩きにくくはなるが、概ね歩きやすいところが多い。
単調な景色が続くが、浜辺を洗う漣の音を聞きにながら黙々と長い湖辺を歩くのは独特の味わいだ。湖の波の音は周期が非常に短く、海の波とは違った趣がある。場所によってはほとんど波がなく、滑らか水面が広がっている。
湖辺には漂着したものと思われるさまざまなゴミが散見するが、琵琶湖の水流のせいだろうか、以前に歩いた東岸の方が遥かにゴミが多かったように思う。地図で川が記された箇所に差し掛かる。渡渉に難渋するような川が流れている筈がないと思ってはいたが、実際には水の流れはなかった。その後も岸辺には石垣が連綿と現れる。こんな場所にまでかつては人の営みがあったことに今更ながらに驚く。
湖辺が大きく東に向かって湾曲する手前で、ランチ休憩をとることにする。この日は途中の道の駅で手に入れた椎茸でバターライスを調理し、琵琶湖のシジミの山椒煮と小鮎の天ぷらを載せる。食後はhanabanaさんのお庭でとれた柿とお手製のパウンドケーキを頂く。柿は渋みのなく、甘く美味だった。
再び湖辺を歩き始めると、湖岸が大きく湾曲するところでは浜辺が広がる。随所に焚き火の跡があるのはキャンパー達によるものだろう。キャンプのためにここまで遥々湖岸を歩いてきたとは思えないので、湖上から船できたのだろう。
岬に向かって東に進むと月出から歩いてきた湖岸を展望することが出来る。既にかなりの距離を歩いてきたように感じられるが、まだまだ先は長い。岬を越えると風景は一変する。波こそないものの、南岸が見えない琵琶湖は芒洋とした大海のように思えるのだった。
湖辺を南下し半島の先端が近づくにつれ、竹生島が近くに見えるようになる。これほど竹生島を近くに眺めることの出来る機会はこの葛籠尾半島の先端に来ない限りないということだ。
半島の南東の突端を回り込むといよいよ地図で岩壁が記載された箇所となる。果たしてここを通過することが出来るかどうかだ。湖岸には巨大な岩があり、湖辺を歩くことは到底不可能だ。斜面と岩の間を通過しようと試みるが、鉤爪のような棘を有する蛇結茨(ジャケツイバラ)が随所に繁茂しており、どこでも自由に歩ける訳ではない。なんとか山側の斜面をトラバースして、この岩礁地帯を通過することが出来る。
再び湖辺に出ると後は平穏な浜辺歩きが続くことが期待されたが、現実はそう甘くはなかった。唐突に岸から湖に突き出した大きな岩が現れる。わずかな距離ではあるが、岩を乗り越えることは到底不可能だ。ついに靴を脱ぎ、水に足を浸して岩を回り込む。問題となるのは水の冷たさよりもむしろ足裏に当たる岩の痛さだった。
岩を越えるると既に地図の岩壁の箇所は終わっている。この先には困難な場所はないだろうと思って安堵したのも束の間、岩壁が現れる。先ほどとは異なり、今度は距離も長そうだ。再び靴を脱いて水の中を歩き始めるが、今度は水深も深い。家内は太腿まで濡れることになったようだ。水位が-48cmでこの有様ということは、これ以上の水位では大変なことになるところだった。
もう問題箇所はないだろう・・・と思いたいところだが、三たび、湖辺から突き出した岩が現れる。石の先端部から浜辺まで2mほどではあるが、足場がない。私と家内は岩に登って乗り越える。hanaさんはといえば、靴の防水性能が良いせいだろう、つま先を水に浸して渡渉されたのだった。
ここから先は竹生島を間近に見ながら平穏な湖岸歩きとなる。南西に突き出した小さな突端まで来ると釣り人の姿を見て、ようやく安心する。半島の西側に回り込むと湖辺は鬱蒼とした樹林に覆われるようになるが、樹林の中に東屋が現れる。しかし、果たして誰がこの東屋に休憩しに来るのだろうか。
最後は菅浦の集落まで明瞭な道が現れる。林間の平地に出ると幾つもの夏みかんの樹がたわわに身を実らせていた。やがて湖辺の左手に菅浦の集落が見えるようになると今回の長い湖辺歩きも終わりが近づいたこと意味する。須賀神社の前の二本の大銀杏が遠くからでも明瞭に見てとれる。
菅浦の集落は数年前、膝蓋骨の骨折を患ったとき、リハビリのために訪れたところだった。真冬の寒いの日のことだ。集落の端から端までわずかな距離であるのだが、当時は松葉杖をつきながらもこれだけの距離を歩くのがやっとだった。集落を訪れたのはその時以来だが、護岸のための石垣に囲まれ、古い民家の多い集落の中を歩くとタイムスリップした感覚を味わうことになる。再び須賀神社の前に帰還すると、夕陽を浴びた大銀杏が黄金色に輝いているのだった。
もう一度、今回歩いた湖辺の道に行くかと云われればその答は躊躇なく否であろう。もちろん、到底、人に勧められるようなところではない。それでも、途中に靴を脱がさるを得ない箇所もあったものの、なんとか無事、歩くことが出来たことに大きな充足感、達成感を感じる湖旅だった。
Hanabanaさんの車に乗り込み、大浦湾に差し掛かると比良の山の上に落ちてゆく夕日が我々を惜別するかのように琵琶湖の上に長い反射を落としていた。
コメント
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えーつ こんなところ びっくりしました
海岸でも歩かれていますね
私はこの地図の黄いろい道路を自転車で通りました
まさか水際を歩くとは考えもしませんでした
コメントありがとうございます
こんなところ普通思いつきませんよね😅
yamanekoさんは思いもつかない所を計画して下さるのでとても楽しいのです🤗
奥琵琶湖ドライブウェイはそれなりの高低差があるので、自転車で琵琶湖一周する場合はここが核心部になりますね。
この葛籠尾半島の湖岸を歩くことが出来るのか・・・という命題は以前より気になっていたのでした。飯浦湾の東岸が歩けるのなら・・・と思って臨んだのですが、この仮説はほぼ正しかったのですが💦
余呉辺りをつぶしていて、この上の稜線を歩いて、集落に降りましたが
まさかの浜辺を歩かれる方が居るとは(*_*)
面白い企画でしょ
なかなか歩けない所を歩かせてもらいました♪
この上の稜線もいつか歩きたいと思っています😎
jionさんも 是非・・・水着着用で
若い頃から琵琶湖の岸辺を歩いてみたい冒険心があり、菅浦や月出の集落に様子見で行ったことがあります。今回この計画を伺ったとき、腰椎横突起骨折の痛みは取れたが歩き通せる自信がなく、皆さんに迷惑を掛けては申し訳ないと考えて辞退させてもらいました。
葛籠尾半島の東岸は果たして歩き通せるのか、途中で尾根に登ることになりはしないかと心配しておりました。結果、膝上まで浸かりながらも歩き通せたとのこと、やりましたね
葛籠尾半島東岸はネット情報がありません。そんな中、今回のレコは非常に大きな価値があると思います。素晴らしい記録です。
>もう一度、今回歩いた湖辺の道に行くかと云われればその答は躊躇なく否であろう。
私も山梨子から片山まで大きな石の湖岸を歩いたときは、もう二度と行くか!でした。しかしそんな湖辺歩きは今も記憶が鮮明に残っています。冒険心が満たされ楽しかったのです。
※レコに対する私の感想文です。レスは無用です。お疲れさまでした。
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