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Yamareco

記録ID: 5042534
全員に公開
ハイキング
房総・三浦

【探索】千葉県君津市奥米の廃双子吊り橋と古道

2022年12月31日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
02:25
距離
9.0km
登り
562m
下り
590m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
2:26
休憩
0:00
合計
2:26
距離 9.0km 登り 562m 下り 594m
8:33
146
スタート地点
10:58
ゴール地点
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2022年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
今回は奥米2号隧道南口近くのスペースを利用
古道歩き目的の場合は県道から入り、林道より更に少し入ったコース反対側が現実的
コース状況/
危険箇所等
・吊り橋は実質廃橋状態。立ち入った場合身の安全は保証できません。また、長浦橋の方は共用が継続されている様です。規制標識に不備はありますが、立ち入りは道路法上の問題になる可能性もあります。清水橋は君津市の資料によると管理下にないとの事です。
・素堀トンネルは不安になる箇所は無し。
・コース全体としては踏み跡も良く残っているが、崩れやすい砂っぽい地面の急登も。倒木複数。
まずは車で通過した奥米隧道を見学。こちらは2号隧道の南側坑口。昭和三十年三月竣功とある。この年月は後の吊り橋とも無関係ではあるまい。
2022年12月31日 08:33撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:33
まずは車で通過した奥米隧道を見学。こちらは2号隧道の南側坑口。昭和三十年三月竣功とある。この年月は後の吊り橋とも無関係ではあるまい。
南側入口付近は普通のコンクリート巻き立て。
2022年12月31日 08:34撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:34
南側入口付近は普通のコンクリート巻き立て。
少し進むと手掘りのコンクリート吹付けに。
2022年12月31日 08:34撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:34
少し進むと手掘りのコンクリート吹付けに。
洞内はカーブしており反対側は見えない。水も滴っているので車で通過する人は慎重に。
2022年12月31日 08:36撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:36
洞内はカーブしており反対側は見えない。水も滴っているので車で通過する人は慎重に。
退避坑・・・?にしては小さすぎるか。間違えた導坑とか?
2022年12月31日 08:37撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:37
退避坑・・・?にしては小さすぎるか。間違えた導坑とか?
奥米2号隧道の北側坑口。扁額はなし。
2022年12月31日 08:38撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:38
奥米2号隧道の北側坑口。扁額はなし。
二つの隧道間の脇にあるスペースから撮影。左が2号隧道で右が1号隧道。3号隧道はこの道を鴨川方面へ進んだ先にある(奥米台トンネルのそばで地形図からは抹消済)。
2022年12月31日 08:39撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:39
二つの隧道間の脇にあるスペースから撮影。左が2号隧道で右が1号隧道。3号隧道はこの道を鴨川方面へ進んだ先にある(奥米台トンネルのそばで地形図からは抹消済)。
奥米1号隧道の南口。こちらのトンネルは短く先まで見通せる。
2022年12月31日 08:40撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:40
奥米1号隧道の南口。こちらのトンネルは短く先まで見通せる。
出口の先に赤い橋が見える。
2022年12月31日 08:41撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:41
出口の先に赤い橋が見える。
奥米1号隧道北側坑口。まるで一連の二つのトンネルを合わせて一つの扁額にまとめているかのような付け方だ。「奥」が完全消失しちゃってるけど直す気無いですかね?
2022年12月31日 08:42撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:42
奥米1号隧道北側坑口。まるで一連の二つのトンネルを合わせて一つの扁額にまとめているかのような付け方だ。「奥」が完全消失しちゃってるけど直す気無いですかね?
三島湖の様子その1。
2022年12月31日 08:43撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:43
三島湖の様子その1。
三島湖の様子その2。ボートレジャーが盛んなのかしら。
2022年12月31日 08:43撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:43
三島湖の様子その2。ボートレジャーが盛んなのかしら。
ポニーワーレントラス橋の奥米橋。
2022年12月31日 08:44撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:44
ポニーワーレントラス橋の奥米橋。
昭和28年竣功。トンネルができるまでこの後2年間かかったということになる。
2022年12月31日 08:44撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:44
昭和28年竣功。トンネルができるまでこの後2年間かかったということになる。
隧道を戻ると足元のコンクリにケモノの足跡が続いているのを見つけた。まるで足跡化石のようだ。
2022年12月31日 08:49撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:49
隧道を戻ると足元のコンクリにケモノの足跡が続いているのを見つけた。まるで足跡化石のようだ。
今日のメイン目的へ向けてここを左に降りる。
2022年12月31日 08:54撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:54
今日のメイン目的へ向けてここを左に降りる。
林道大鹿倉線。でもそこのガードレール切れているところまでは市道の方の大鹿倉線。
2022年12月31日 08:54撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:54
林道大鹿倉線。でもそこのガードレール切れているところまでは市道の方の大鹿倉線。
これから渡る「新橋」たる大鹿倉大橋。
2022年12月31日 08:55撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
1
12/31 8:55
これから渡る「新橋」たる大鹿倉大橋。
大鹿倉大橋より。かなり水位が低いようだ。
2022年12月31日 08:58撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 8:58
大鹿倉大橋より。かなり水位が低いようだ。
徒歩道の分岐点。画像中央が入り口です。
2022年12月31日 08:59撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
1
12/31 8:59
徒歩道の分岐点。画像中央が入り口です。
地形図だけ見てやってきたので、二つのつり橋が並んでいて驚いた。え、通行止めは困るぞ!?
2022年12月31日 09:01撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:01
地形図だけ見てやってきたので、二つのつり橋が並んでいて驚いた。え、通行止めは困るぞ!?
まず左側、今回の進行方向の橋。踏み板はひどい状態だが、主索などの主要構造物の状態は人の通行には耐えられそうに見えた。市の管理下にないので封鎖ももはやほったらかしの様だ。看板もこっちの橋のものではなかった可能性すらある。
2022年12月31日 09:02撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:02
まず左側、今回の進行方向の橋。踏み板はひどい状態だが、主索などの主要構造物の状態は人の通行には耐えられそうに見えた。市の管理下にないので封鎖ももはやほったらかしの様だ。看板もこっちの橋のものではなかった可能性すらある。
清水橋。昭和三十年三月竣功。奥米隧道と同じ竣工年月だ。そして三島ダムの完成も昭和30年。水位上昇で交通が妨げられる為に設置されたとみて間違いないだろう。
2022年12月31日 09:02撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:02
清水橋。昭和三十年三月竣功。奥米隧道と同じ竣工年月だ。そして三島ダムの完成も昭和30年。水位上昇で交通が妨げられる為に設置されたとみて間違いないだろう。
振り返って右側の橋。こちらの方が状態は良さそうだが市により全面通行止。後で調べたが、この橋までは市道として共用状態にあるためバリケードも管理しているのだろう。だけど肝心の「通行止」標識がない。
2022年12月31日 09:02撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:02
振り返って右側の橋。こちらの方が状態は良さそうだが市により全面通行止。後で調べたが、この橋までは市道として共用状態にあるためバリケードも管理しているのだろう。だけど肝心の「通行止」標識がない。
ながうらばし。竣工年月は読めないが、トンネルと対岸側の橋が昭和30年で間にあるこの橋が違うということもあるまい。
2022年12月31日 09:02撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:02
ながうらばし。竣工年月は読めないが、トンネルと対岸側の橋が昭和30年で間にあるこの橋が違うということもあるまい。
清水橋を通過。しみづはし。
2022年12月31日 09:05撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:05
清水橋を通過。しみづはし。
こちら側の踏み板は緑に覆われていたが、かなりしっかりとしている印象だった。斜面に設置された主索の基部もまだ大丈夫そうだ。
2022年12月31日 09:05撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:05
こちら側の踏み板は緑に覆われていたが、かなりしっかりとしている印象だった。斜面に設置された主索の基部もまだ大丈夫そうだ。
すぐに表れた素掘りの隧道。荷車程度は通れるだろうか。
2022年12月31日 09:06撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:06
すぐに表れた素掘りの隧道。荷車程度は通れるだろうか。
反対側の坑口。
2022年12月31日 09:07撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
1
12/31 9:07
反対側の坑口。
階段らしき物も。
2022年12月31日 09:10撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:10
階段らしき物も。
まださび付いておらず、そんなに古くなさそうなスチール缶。
2022年12月31日 09:12撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:12
まださび付いておらず、そんなに古くなさそうなスチール缶。
切通しを抜けて、
2022年12月31日 09:14撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:14
切通しを抜けて、
杉林が広がる平地に出た。かつては農耕地だったようで、耕作をやめる際に財になればと杉を植えたのだろう。
2022年12月31日 09:15撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:15
杉林が広がる平地に出た。かつては農耕地だったようで、耕作をやめる際に財になればと杉を植えたのだろう。
朽ちた一輪車。この辺りまでは新しい人の足跡が所々にあり、見かけたサルだけではなく人もまだ入って来ているようだった。
2022年12月31日 09:15撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:15
朽ちた一輪車。この辺りまでは新しい人の足跡が所々にあり、見かけたサルだけではなく人もまだ入って来ているようだった。
倒木に道を塞がれてしまった。右側から迂回。
2022年12月31日 09:21撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:21
倒木に道を塞がれてしまった。右側から迂回。
境界標が出てきた。
2022年12月31日 09:24撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:24
境界標が出てきた。
千葉県の杭のようだ。この先あちこちに同様の杭があった。
2022年12月31日 09:25撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:25
千葉県の杭のようだ。この先あちこちに同様の杭があった。
小ピークで少し休憩。山頂に馬酔木が生えるのはいかにも低山らしい。
2022年12月31日 09:27撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:27
小ピークで少し休憩。山頂に馬酔木が生えるのはいかにも低山らしい。
またもちょっとしたピーク。ここの登りは傾斜がきつい上に崩れやすい土の斜面で、樹木を手掛かりにして登らざるを得なかった。
2022年12月31日 09:36撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:36
またもちょっとしたピーク。ここの登りは傾斜がきつい上に崩れやすい土の斜面で、樹木を手掛かりにして登らざるを得なかった。
このピークには祠があった。安置された物はなく、どこかに移設されたのかもしれない。結構古いかも。
2022年12月31日 09:37撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:37
このピークには祠があった。安置された物はなく、どこかに移設されたのかもしれない。結構古いかも。
降りる方向を間違えてこちらの尾根に来てしまった。
2022年12月31日 09:39撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:39
降りる方向を間違えてこちらの尾根に来てしまった。
だがこちらは展望ポイントだったようで、鹿野山がよく見えた。怪我の功名。そして本日最初の茨トラップに引っかかった。
2022年12月31日 09:40撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:40
だがこちらは展望ポイントだったようで、鹿野山がよく見えた。怪我の功名。そして本日最初の茨トラップに引っかかった。
引き返して登り返し、正しい方向に降りてから振り返って撮影。まだ綺麗に紅葉していた。
2022年12月31日 09:44撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:44
引き返して登り返し、正しい方向に降りてから振り返って撮影。まだ綺麗に紅葉していた。
201m独標にて。
2022年12月31日 09:48撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:48
201m独標にて。
ピンク(ブルー)テープ発見。この日唯一の目撃だった。
2022年12月31日 09:55撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 9:55
ピンク(ブルー)テープ発見。この日唯一の目撃だった。
車道と呼べる広い場所に出た。転回できるスペースもあり、駐車場代わりに使えそうだ。地形図にあった徒歩道の調査はこれにて終了。
2022年12月31日 10:01撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:01
車道と呼べる広い場所に出た。転回できるスペースもあり、駐車場代わりに使えそうだ。地形図にあった徒歩道の調査はこれにて終了。
あとは舗装路をひたすらに歩く。まずは林道東山線。
2022年12月31日 10:07撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:07
あとは舗装路をひたすらに歩く。まずは林道東山線。
途中に袋小路の支線があった。
2022年12月31日 10:13撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:13
途中に袋小路の支線があった。
路肩に打ち捨てられた注意標識。柱が木製である。
2022年12月31日 10:15撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:15
路肩に打ち捨てられた注意標識。柱が木製である。
紅葉に彩られたひがしやまトンネル。
2022年12月31日 10:16撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:16
紅葉に彩られたひがしやまトンネル。
東山トンネル北口。
2022年12月31日 10:18撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:18
東山トンネル北口。
2022年12月31日 10:18撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:18
はーい('ω')ノ
2022年12月31日 10:22撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:22
はーい('ω')ノ
ここで林道東山線は終わり。次は県道92号線を歩く。
2022年12月31日 10:23撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:23
ここで林道東山線は終わり。次は県道92号線を歩く。
県道からも鹿野山が見えた。帰りに立ち寄ろうかな。
2022年12月31日 10:26撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:26
県道からも鹿野山が見えた。帰りに立ち寄ろうかな。
なかなか立派な擁壁をお持ちで。歩道はないが路肩が広く歩きやすい区間が長かった。
2022年12月31日 10:27撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:27
なかなか立派な擁壁をお持ちで。歩道はないが路肩が広く歩きやすい区間が長かった。
林道大鹿倉線の反対側の入口に到着。今度はここを降りていく。
2022年12月31日 10:35撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:35
林道大鹿倉線の反対側の入口に到着。今度はここを降りていく。
こちらも紅葉が残っていた。名前の通り周囲の森では鹿も駆け回る。
2022年12月31日 10:47撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:47
こちらも紅葉が残っていた。名前の通り周囲の森では鹿も駆け回る。
二つの吊り橋が見えるポイントがありましたよ。
2022年12月31日 10:57撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 10:57
二つの吊り橋が見えるポイントがありましたよ。
荒廃した市道を降りてまだ見ぬ長浦橋の反対側へ。橋の上も植生が豊かだこと。
2022年12月31日 11:00撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 11:00
荒廃した市道を降りてまだ見ぬ長浦橋の反対側へ。橋の上も植生が豊かだこと。
昭和三十年三月竣功というのがはっきりと読み取れた。(奥米橋+)トンネルから二つの吊り橋と素掘り隧道までがセットで建設されたのだろう。
2022年12月31日 11:00撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 11:00
昭和三十年三月竣功というのがはっきりと読み取れた。(奥米橋+)トンネルから二つの吊り橋と素掘り隧道までがセットで建設されたのだろう。
清水橋よりもこの長浦橋の方が耐風索の間隔が明らかに狭く、構造的にも台風などに強そうだ。午前の探索はこれにて終了。
2022年12月31日 11:02撮影 by  Canon PowerShot G7 X Mark III, Canon
12/31 11:02
清水橋よりもこの長浦橋の方が耐風索の間隔が明らかに狭く、構造的にも台風などに強そうだ。午前の探索はこれにて終了。

感想

房総の素掘りトンネルでも見に行こうかなぁと、地形図だけ見て適当に当たりをつけて出発。ついでにレコがない徒歩道がどうなっているのか確かめてみたかった。

現地に着いてみると、現道の手掘りトンネルもさることながら予想外の吊り橋が出現。しかも二つ。ちゃんと素掘りトンネルもあったし、実りの多い探索だった。せっかくなのでちょっと考察してみたい。

先に余談となってしまうが、この双子吊り橋、同時に竣工し同じように危険と判断されたはずだが、対応にちぐはぐな印象を受けた。より危険度が高そうな清水橋の封鎖はおざなりで、より状態の良さそうな長浦橋の封鎖は割としっかりしていたのである。

その訳は君津市が公表している市道指定に関する資料から推察できそうだ。資料によると、長浦橋は市道大鹿倉線として共用中で、清水橋は市道指定を受けていなかった。つまり、供用中の市道である長浦橋は君津市が道路管理者であるが、市道の指定を受けていない清水橋に関しては市には権限がないのだ。どちらも「全面通行止め」の看板が一度立てられた様だが、後から気づいて放置したのだろうか。尚、国土交通省公開の橋梁点検結果とりまとめによると、長浦橋は今後廃止予定とのことだ。

また、長浦橋であっても法令で定められた「通行止め」標識の設置ではなく、「全面通行止め」の看板だけなのも不思議だ。市は管理者なのだから正式に「通行止め」にできるはずだ。通行規制時に必要な通行止(301)、期間、理由等の標識・表示もなく、法的な効力があるのか良く分からない。登山道や林道でよくある「お願い」状態なのかもしれない。(だからといって立ち入るのがよろしくないのは言うまでもない)

吊り橋本体に話を戻そう。長浦橋、清水橋共に車両の通行が想定されていた様で、どちらにも「車両の通行はご遠慮ください」との表示がされていた。しかし、清水橋の先にある隧道はどう考えても歩行者用の大きさである(軽車両ぐらいは通れるだろう)。橋に降りる市道の大鹿倉線は急峻なつづら折りの舗装路であったが、軽トラぐらいなら通れたかもしれない。現林道側に抜けられる長浦橋の上を自動車が走ったこともあったのだろうか。

過去の地形図を調べてみたところ、今回歩いた徒歩道とそこから伸びる林道東山線の県道側区間は、明治初期の迅速測図に描かれている程の古い道であることが分かった。しかし、昭和19年の地形図でも今回の隧道は描かれておらず、隧道のあった地点は通らず谷に降りている。したがって、元からあった隧道へのアクセスとして橋を掛けた訳ではなく、隧道もダム建設とセットだったのでは無いだろうか。そうすると、隧道の竣工も橋と同じ昭和30年と考えられる。また、平地の杉林は元は水田だったようで、その頃は耕作が続いていたため建設されたのだろう。

一方長浦橋に関してであるが、使われ方としては林道大鹿倉線に隣接した民家や耕作地があり、生活道路としての側面があったと思われる。林道大鹿倉線の通っている道も、元々は明治期以前よりの徒歩道であった(ただし、昭和55年の地形図では消えている)。地形図ではそうでもないが、1963年の航空写真を見ると、長浦橋は元からあった道と直線的に繋がっていた。

その後、長浦橋の役割は大鹿倉大橋に移されたと言って良いだろう。大鹿倉大橋の竣工年は調べられていないが、昭和55年(1980年)修正の地形図には無く、昭和59年(1984年)には登場している。その時点では林道大鹿倉線は少なくとも完成してはいない。橋の車両交通への能力不足や老朽化、住民の利便性向上などの考慮から架橋を先に行う決断になったのかもしれない。

以上が現状手元にある資料を参考にした考察である。あくまでも個人的な考察なので誤った箇所があってもご容赦頂きたい。

今回は結果的に古道を歩くことになったわけだが、房総らしい尾根上のハイキングであった。所々にある小ピークから降りる際は尾根筋が複数方向に伸びていることも多く、進行方向に迷うことがあった(実際に1度間違えた)。正確な地図も無い古の時代の人達がどうやって迷わず通行していたのか気になるところである。
また、菜の花が咲いていたり、紅葉が残っていたり、歩いていると結構暑かったりと、房総の暖かさを感じられた。

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