3年越し 念願のミルフォードトラック
- GPS
- 27:17
- 距離
- 64.3km
- 登り
- 1,647m
- 下り
- 1,843m
コースタイム
- 山行
- 6:28
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 6:37
- 山行
- 9:07
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 9:41
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 8:22
過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
---|---|
アクセス |
写真
感想
コロナで随分と先延ばしになっていたミルフォードトラックへようやく行くことができました。
有り余る時間を使って書き溜めた長文旅行記です。気合を入れてお付き合いくださいw
Day1
ホテルから歩いて街中にあるUltimate hike centerに9:15集合。名札を取るだけで受付完了だそうな。飲水を汲む場所もあり。簡単な説明の後バスに乗り込む。
バスは空港の脇を掠めながら南へと向かって走るが右側は湖の眺望が得られて良さそうだった。我々は左側・・・
Mossburnという所まで一時間半ほど走りトイレ休憩の後更に45分ほど走るとテ・アナウの郊外についてここでランチ休憩。ビュッフェスタイルで屋根付きの外のベンチで頂く。今日は天気で気持ちが良い。
のんびり昼食ののち再度バスで移動。45分ほど。船着き場に着いたらサクッと船に乗り込み湖上の人に。
ここでも天気は良くデッキから眺めるフィヨルドが素晴らしい。帆船使っていた昔は二〜三日かかることもあったそうだか我々は1時間で登山口に辿り着く。船内に山盛りに積まれたザックを1つずつ渡すのは骨が折れるので取り敢えずどれでも一個を持ってサッサと降りるスタイル。船内が狭く且つザックをレンタルする人が多くて同じザックだらけだからこれは已む無し。下船時には桟橋上で洗剤を入れた桶で靴底を洗う。
下船して各々写真撮影後歩き出すが、30分少々であっという間に初日の宿グレイドハウスに到着。オプションでネイチャーハイクが用意されていたがほぼ全員参加。さすがにみんな30分では歩き足りない模様。宿から南東方向へのやや狭めゆるやかな登山道を小一時間登るが、ちょっとした沢(飲める)に出るくらいの外はガイドさんが自然解説を所々でしてくれるのでニュージーランドの自然を味わえる(2日目からは隊列が長く伸びるので4人いるガイドとあまり一緒にならない可能性が高い)。
宿に戻り夕食後は噂の自己紹介タイム。参加者はキゥイ(NZ)とオージーだけでも3割ちょい。あとはアルゼンチン・UK・イスラエル・カナダ・韓国・台湾・インドと幅広い。アメリカ人家族がいたがその時だけは微妙なイジリが起こるあたりが日本にいてはわからない世界の感覚に思えた。
日本と上下逆さまのオリオン座が雲間から垣間見えたが睡魔に勝てず10時の消灯前に就寝。
Day2
発電機の稼働は6時45分。
それより早く目覚めて星を覗くが厚い雲に覆われて見えず。
朝食の前に7時から昼食のサンドイッチを各自で作る時間が始まるが、7時半からの朝食が待てずにそれが朝食になる人も。
昨晩のブリーフィングで出発は8時半くらいと案内されていたが大体その時間になると誰となく歩き始めて特に挨拶とかもなし。拍子抜け。
ハットの目の前の吊り橋でクリントン川の右岸に渡るとこの日はほぼ全行程で右岸を進むことになる。
今日の行程は氷河でできた平らな谷底をひたすら進む。両側にそびえ立つ絶壁は屏風岩を思い起こさせるがそれより遥かに高くそして一日を通じて両側を延々と埋め尽くし至る所から落水を生じさせている。森はシダや地衣類に埋め尽くされ朽ちた巨木とともに深さを感じさせてくれる。この日は終盤以外ほぼアップダウンがなく、希少な湿地や雪崩でできた窪地の池などちょっとしたポイントがある以外は単調。言うなれば上高地から横尾の林道のようだが、それよりは人の手が入った感じは薄く且つ出会うのはほぼツアー参加者のみなので静かな雰囲気は満喫できる。
一日を通じて大きく崩れることはなかったが降ったり止んだりを繰り返し終日レインジャケットを脱ぐことはなかったものの、岸壁の至る所から流れ落ちる細かな滝を眺められるのはこの天候ならでは。ミルフォードトラックは雨のほうが美しいと言われるのが少し分かる気がする。
二泊目となるポンポローナロッジに着くとシャワーを浴びてすぐ洗濯。乾燥室もあるので夕食が終わる頃には乾き切って片付けられる。今日も快適。
Day3
最も高低差のあるマッキンノンパスを越えるハイライトの日。登りは700m、下りが900mで数字だけは大した事ないが昨日それなりに歩いていることもあり皆気合が入る。出発も1時間早く、7:30から7:31の間とのこと。こういう表現で伝えないと時間厳守の意図が伝わらないらしい(笑)
昨日よりはやや登り気味の快適なシングルトラックを2時間ほど進みミンタロハットでトイレ休憩。ここが頂上までの最後のトイレ。来た道を5分ほど戻っていよいよ本格的な登りの始まり。高度を上げるに連れ樹高もいよいよ低くなり、所々開けた箇所から荒々しい岸壁に囲まれた氷河地形が益々迫力を伴って眼前に迫ってくる。
出発して程なく雲は抜けて行ったが峠に近づくに連れ再び雲ともガスともつかないものが流れ出し時折冷たいものが顔に掛かり出す。最後のひと登りと思ったその時眼下にこれ以上無い程明瞭な虹が現れてくれた。一瞬の出来事だったが遅く歩くのも悪くない。
過去に見たマッキンノンパスの記録はどれも視界のない悪天候のものばかりで期待は敢えてしないでいたが、上がってみると雲は低く垂れ込めガスが次々流れて来るものの展望は効く。
遥か眼下に今日の目的地であるクィンティンロッジが見えそこから右に視線を転じるとこれから下るオーサー川のカール地形とボーロン山の鋭い先鋒が見える。
マッキンノンパス記念碑から今回の最高点1154mを越え避難小屋で昼食を摂るといよいよ長い下りの始まり。
峠までの登りは手前100mくらいが森林限界だったが、反対側は暫く低木帯の急斜面を九十九折に下り展望は良い。
広く緩やかなガレた沢を簡素な橋で右岸に渡って暫くトラバース気味に登山道は下るが樹林に入った途端に急傾斜となり道もよく整備された階段の連発になる。峠の前後での渓相の差異は降雨量の違いに依るものらしい。
樹林帯に入る直前にサザーランド滝の上部を望むことができたが以降は展望なく下るに連れて増す気温と湿度に耐えながらの歩行となる。
本日の宿となるクィンティンロッジへの到着が4時半までであればここから支流の先にあるサザーランド滝の滝壺までへと足を伸ばすことができる。
滝までは登り45分下り35分ほどだが、これほどのサイズの大滝の間近に近寄れるのはなかなか無く圧巻の一言。下ってくる人が皆笑顔になるのがよくわかる。
Day4
ミルフォードトラックガイドウォークの実質最終日にして最も長い21kmの区間を歩く日。
今日も7時半の出発だが深い谷の底には日が昇ってもなかなか日は届かず暫くは薄暗い森の中を進む。2日目のようにほぼ平坦な区間だが細かなアップダウンは多い。所々にある見所は甌穴のできた岩がひっくり返ってできたBell rockや、昨日滝壺まで行ったサザーランド滝の遠望の他滝が何箇所か出てくるが、全体をひっくるめて言うと退屈な時間が長い。まぁこれを歩かねばならないからこそのミルフォードトラックの価値なのかも知れないが・・・
8時間半程歩いてサンドフライポイントに着くと、そこから迎えのボートに5分ほど乗ってすぐにミルフォードサウンドの船着き場。船着き場からホテルはすぐだが有り難いことにバスに乗せて頂きこれまたすぐにホテル到着。
4日間のロングトレイルが終った。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
ちょうど来年の分を申し込もうと計画を立てている最中でとても参考になりました。
ヤマレコを海外で使ったことがないのですが、日本での使用と全く変わりなく使えるのでしょうか? 地図もyonetech さんのヤマレコに記載されているのをダウンロードさせて頂きましたが、これでGPSがちゃんと追跡してくれるのかも心配です。
あと 時期選択ですが、2月末には、まだお花が楽しめましたでしょうか。 3月初旬と迷っています。
コメントありがとうございます。
地図ですがガイドツアーに参加されるのであれば不要です。お花は我々の時期でも遅かったですね。詳しくは個別にメッセージ頂いても大丈夫です!
読み応えのあるレポートをアップしてくださって感謝しています。ありがとうございます。
天気に関してですが、正直我々の場合事前の予報は悪かったのですが行ってみたらそんなもんでした。ミルフォードトラックは雨の方が美しいとも言います。あまり気になさらなくていいかと思いますよ。
1人で参加予定ですが どのくらいの大きさのザックを使用されましたか教えていただけると嬉しいです。
感想にもありますが、食事全食付き、洗濯可なのでかなり身軽に行けます。
日帰りサイズでOKと思いますよ。
詳しいレポートをありがとうございます!
年末に歩く予定なのですが、サンドフライ対策を不安に思っています。
サンドフライポイントに多いと聞きますが、ほかのポイントはどうでしたか?
最初から最後までずっとまとわりついてくる感じなのでしょうか… ロッジ内でも刺されるのでしょうか…?
心の準備のためにも、情報がいただけたら嬉しいです。また、対策グッズについても何かおススメがあれば教えていただけると助かります。よろしくお願いいたします <(_ _)>
Sandflyグッズはバグネットですね。あとはできるだけ肌を露出しない装備を心掛けるくらいです。まぁいずれしにても刺されて死ぬわけではないんで鷹揚な気持ちで臨んで楽しんできてください。
Sandflyよりもウェカに食料を奪われない方が重要です。実際ガイドがサンドウィッチを盗られてました🤣
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する