春雨の鳥海山 祓川コース 撤退
- GPS
- 05:28
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 813m
- 下り
- 810m
コースタイム
天候 | 小雨 曇り 爆風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
序盤夏道極一部。 他雪道でした。 |
その他周辺情報 | 鳥海荘 |
写真
感想
鳥海山 祓川コース
【山はいつも晴れているとは限らない。】
7時前、小雨降りしきる中、矢島登山口より出発した。
雨足は強くなる一方で、七ツ釜避難小屋で足止めを食らう。
ベースレイヤーの上にハードシェルを着ただけの格好、あっと言う間に体が冷えた。
ウールの手袋は雨でグショグショ。予備の手袋を使ったのはこれが初めてだった。
フリースを着るべきか悩むが、先へ進み雨風に煽られたら、もっと寒さは増すだろうと、最終兵器にすることに決めた。ズボンのポケットにひとつカイロを忍ばせた。
低体温症のことがチラリと頭をかすめたが、避難小屋から出たとき雨は止んでおり、一瞬青空が垣間見えたことと、自分たちの体力や装備を加味し大丈夫だと判断。
そして、何よりも3つの天気予報から導き出した、午後から晴れ、を信じていた。
避難小屋を出て、歩を進めると霧が濃くなって行くのがわかった。9合目手前からはホワイトアウトの状態だ。
BCの方々が撤退し滑り降りてくる。上部は相当な爆風のようだ。「何も見えないし、風で立ってられない!気を付けて!」
サングラスを上げては、霧の中、一瞬姿を現すルート旗を探す。その方向に向かって歩く。大丈夫、足元は見えている。
確か、舎利坂からルート旗は途切れるはずだ。完全に白の世界になるだろう。
ラストのルート旗に辿り着いたところで、いつの間にか歩を止めていたガッケちゃんから声がかかる。
「ここを今日の山頂にしよう。」
鳥海山の2000m地点、風吹き荒れる白の空間。
今日はここが、山頂だ。
「山頂でみんなで写真撮りましょうよ!」
新潟のフォトグラファーYちゃんの提案に、4人で固まって写真を撮った。
この日は、七ツ釜避難小屋撤退が最も多かった。
後続の埼玉勢は舎利坂で撤退。
地元の山岳会チームも私たちより、少し進んだところで撤退したとのこと。
この厳しさを含めて山が好きだと思った。
山頂に行きたい気持ちがなかったわけではない。
雨、強風、ホワイトアウト。そして、撤退。
それでも、いや、だから?
充実感があった。体験できた喜びがあった。そして、怖さはなかった。
経験と判断力を兼ね備えたガッケちゃんの苦渋の決断、どんな山行も楽しくしてしまう心強い仲間uさん、今日出会ってくれたyちゃんの存在のせいだろう。
みんながいたから、楽しかった。
そして、こういう日は入山した全員が仲間になるんだってことも分かった。
いつの日もありのままの姿を見せてくれる鳥海山に。
ありがとう。
(個人メモ→uさん、ガッケちゃん、yちゃんと
いつか、このメンバーで晴れの鳥海山祓川コースを歩きたい。また、ひとつ、夢が増えました。)
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