記録ID: 55842
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沢登り
日高山脈
カウンナイ川→ヒサゴ沼→トムラウシ山→ワセダ沢→温泉小屋跡→五色沢→五色ヶ原→沼ノ原→大石狩沢→石狩沢→沼ノ原沢川→ヌプントムラウシ温泉→ヌプントムラウシ川9の沢→ニペソツ山→幌加温泉
1995年07月25日(火) 〜
1995年08月02日(水)


コース状況/ 危険箇所等 |
カウンナイ川→ヒサゴ沼→トムラウシ山→ワセダ沢→温泉小屋跡→五色沢→五色ヶ原→沼ノ原→大石狩沢→石狩沢→沼ノ原沢川→ヌプントムラウシ温泉→ヌプントムラウシ川9の沢→ニペソツ山→幌加温泉 1995/7/25〜8/2(8-1) L:銭谷竜一(6) AL:村山稔(3) M:山田智(2)、庵谷亮(1)、沼田雄人(1)、野入善史(1)、山崎真実(1) 7/24:ポンカウン沢出合C0 林道入り口には何やら看板があったようだ。しかし我々の行く手を阻んだのは大規模に崩れた林道であった。仕方なくサンダルから地下足袋にはきかえる。出合の広い河原を天場にして、焼き肉と花火で入山を祝う。 7/25 曇のち小雨:C0(5:45)→カウン沢出合C1(10:45) 出発直前にパラパラと雨が降るが、行勤時間中に増水することはなさそうなのでC1に向かう。河原は広く水量も多いので、渡渉は少し面倒くさい。天場で濡れた服を乾かそうとしていたらまた雨が降ってくる。しかしそれでもカッパを着て釣りに銚み、一人一匹のイワナを確保する。 7/26 晴れ:C1(6:15)→天沼(12:45-13:00)→トムラウシ(14:00-25)→天沼(15:20)→ヒサゴ沼避難小屋C2(16:20-40) コンタ1100mの10mの滝は広い幅で落ちていて、ここからが核心の始まり。草畦をつけて気合いを入れる。この滝を左岸の踏跡から捲くと沢幅いっぱいに光る滝の瀬十三丁が始まった。滑床を走る水が夏の日差しを反射して、下を見ているとくらくらと目眩がする。その上、苔に草鮭が吸い付く快適な歩行に笑いが止まらない。しかし気が弛みすぎてカメラ片手のLが滑落してプールにドボン。カメラは使用不能に陥る。気を引き締めつつも滑り台をしたりしてのんびり歩く。やがてナメも終わり、コンタ1360mの滝は右岸の踏み跡の上部でシュリンゲをたらし、ザックを吊り上げて掴んで登る。源頭部は踏跡もある開けたお花畑であり、快適このうえない遡行であった。空身でチンタラチンタラとトムラウシ往復。ついでにワセダ沢・石狩・ニペの雪渓の様子を偵察する。雪渓は特に多くもなく少なくもないようだ。テレテレと歩いて着いたヒサゴ沼はテント村となっており、とてもいつものようには泊まれなかった。 7/27 霧・風後量り時々晴れ:C2(6:25)→天沼の先(7:30-8:10) →ワセダ沢1600m(10:00)→温泉小屋跡C3(13:30) 避難小屋は人が多く夜も温かいが、朝早くから起こされてつい寝坊してしまう。しかし稜線は視界がないため時間待ちした後、前日の偵寮で確実に雪がなかった天沼からトラパースしてワセダ沢の源頭をはずすルートを降りる。上部のザレ地に駒草が可燐に咲いていた。ワセダ沢は通常の記録どおりに雪渓が残っており、コンタ1400mから小滝が連続する。上部は捲いて、下部はクライムダウンする。途中一度ザックを吊り下げる。下流部は捲きにくいがイワナはうようよいる。地獄谷の良い天場について早速釣りに出かける。リーダースタッフで合わせて30匹弱釣って帰ると、メンパーはみんな坊主。仕方ない。時聞を延長してポイントも教えて、何とか一人5匹の天丼を作る。飯を作っている間に交代で食器で掘った温泉にはいるが、石が熱い上に座っても腰までしか湯がないので、熱いの寒いのと大騒ぎ。すっかり夜更かしし、酒もつきてしまう。 7/28 小雨後曇り:C3(6:20)→五色ヶ原登山道(10:40)→沼ノ原C4(13:30) 前線の影響で朝から降ったりやんだり。コンタ1170mの10mの滝は左岸草付から高巻き、途中でシュリンゲをたらす。雪渓もなく、五色ヶ原に上がってから歩きやすい所を行くと五色沼に出る。ここはチングルマやエゾコザクラなど色とりどりの花が咲く一面のお花畑。晴れていれば申し分ないのだが、天気は小雨混じりの曇天。のんびりごろ寝することもできない。おまけに登山道は泥田の様にぬかるんで、ころころと転びながら歩いたため、消耗することしきり。大沼で人目を避けてテントを張っていると対岸からコールが聞こえてくる。不審に思いながらも返事をすると熊とお寺の小僧がテントを持って歩いてくる。 OBの毛利氏率いるテレピ撮影隊であった。なぜか尽きかけていた砂糖とビールを差し入れしてもらい、有り難く頂く。感謝感謝。 7/29 霧のち曇り:C4(6:30)→ペテトクのコル(8:45)→大石狩沢出合(9:40-13:15)→C5標高1270m (14:00) 朝方の濃いガスは上がったものの、沼ノ原からの夏道は薮に履われ、視界などは関係ない状態にあった。この道はあと何年保つのだろうか。今日は休養を兼ねた移動日であるので石狩沢でのんびりと釣り糸をたれる。ここは思いの外釣れる。昨年、今年と全く釣り技術が向上していないMが釣りを諦め、林道の野イチゴを集めたので、それをデザートとして素麺を食べた後天場に向かう。天場で再び釣りに挑んだMのイワナも加えて塩焼き、蕗の葉の包み焼き、味噌汁と、イワナ尽くしの豪華な夕食に舌鼓をうつ。 7/30 曇り:C4(6:20)→石狩岳(9:20-40)→分岐(10:45)→ペテトクのコル(12:00-30)→沼の字(14:00)→ヌプントムラウシ温泉C7(15:00) 夜に前線が逓過して雨が降るが朝にはやんだ。瓔珞みがく石狩の源を目指して出発する。コンタ1400mの雪渓は脇を乗り、コンタ1440mの 6-7mの滝は左岸の草付にシュリンゲをたらす。コンタ1600mからは雪渓が大きく残っている。下の二つは左岸、右岸と脇のテラス上を行き、二つ目上部で左岸に渡り3つ目の上に乗った。雪渓はコンタ1700mよりも上に着いているが、コンタ1700m二股を左に入り、薮こぎもなく稜線に出る。しかし稜線はガスの中だ。こんなことで気を落としてはいけない。各自グレープフルーツを持って頂上へ向かう。稜線はガスだが、川上岳から沼ノ原分岐までの東側はチングルマやミヤマキンパイの咲くお花畑。西側のザレ地には数十株の駒草の群落があり、気持ちの良い夏道だった。ペテトクのコルまで一気に下りきると、数年前に慶応大WVが整地した天場があり、水場への看板と踏み跡まであった。しかし踏み跡に入ってすぐメンパーが鼻から流血、しばし休憩した後再突入するが、ただのブタ沢だ。河原に出たと思ったらすぐにブル道となり、巨大な集材所に出た。数千本はあろうか。いったいどこでこんなに切ったのだろう。とにかく今日は確実に温泉付の小屋に泊まれる、そうとわかれは林道を無心に歩くだげである。 7/31 雨。停滞:C7=C8 小屋は快適、風呂は温度の調整ができる。しかし小屋から少し歩くため、一日読書と将棋をして過ごす。 8/1 曇り時々雨:C8(7:45)→9の沢出合(8:50-10:55)→C9標高980m (11:30) 今日は移動日であるし天気も快方に向かっているので小雨の中歩き出す。9の沢出合は如何にも釣れそうな所。早速試みるが、突然のにわか雨でたいして釣れなかった。崩壊したブル道はまだまだ続き、気持ちの良い集材所跡を天場にすることにしてまた釣りに挑む。沢が小さい割に数が釣れ、今日も岩魚づくしの夕飯であった。 8/2 曇り後雷雨後曇り時々晴れ:C9(5:00)→前天狗先コル(10:50-11:00)→ニペソツ山(11:40-12:00)→前天狗先コル(12:35-45)→石楠花コース登山口(16:15) 前日足を捻ったメンバーの足をテープで固めて出発、9の沢上流部は側面の崩壊した小汚い沢。赤茶けた凝灰角礫岩の岩盤が出てくると函状地形の中に 5mの滝がある。滝にかかった丸太を利用してザイルを張り、メンパーには水流の中を、ザイルを掴んでグイグイとのぼらせる。しかし非力なため空身で登らせたメンパーのザックつり上げに時間がかかった。その後いくつか小滝や段差が続き、ザック手渡しやシュリンゲを垂らしたりと対処した。前天狗に上がる二股は入り口からナメ滝や段差が続く。中程の3mハングの滝は丁度うまい具合に丸太がかかっていたため、上からシユリンゲをたらして後続も登れた。丸太がなかったら相当苦労するだろう。そのあとは源頭近くまでナメ滝が続き、50m程ハイマツをこいだだけで登山道に出る。しかしここでもまたガス。とにかくピークに向かい、パイナップルとグレープフルーツを食べる。予報のとおり天気は崩れ始めたので夏道を降りることにしたが、これもまたひどい道のうえに尾根の上で激しい雷雨となってしまう。這々の体で舗装道路に出、ビールの待つ幌加温泉に向かった。 |
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