須金岳南面 杉ノ森沢左俣


- GPS
- 06:58
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 932m
- 下り
- 926m
コースタイム
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
旧北上川水系 江合川 杉ノ森沢左俣 体感2級上 ラバー△ SBなし 水量平水 魚影濃い ■アプローチ 下山口と杉ノ森沢の入渓地点が離れているため、車一台デポが有効だが、今回は下山口から杉ノ森沢入渓地点まで歩いてみた。 普通に車道歩きでもいいと思うが、駐車地点から仙北沢に向かって私道を歩き、適当に降りれそうな斜面から仙北沢に降り立ち、これを少し下降。 堰堤を巻きながら下り、左岸に走ってる林道跡に上がる。若干藪っぽい所もあるが、林道がはっきりしてくると歩きやすい。 そのまま林道を進むと車道に合流し、杉の森沢橋の手前で左の林道跡に入ると、すぐに杉の森沢に入渓出来る。 ここまで駐車地点から40分くらい。 ここですぐには入渓しないで、右岸の踏み跡を利用しながら堰堤を三つ越えてからようやく杉ノ森沢に入渓した。 結局駐車地点から入渓まで1時間ほどかかったので、やはり車1台デポがいいと思う。 ■杉ノ森沢左俣遡行 堰堤上から遡行開始。最初はチャラ瀬だが、すぐに渓相が変わりゴルジュに突入。水量豊富なゴルジュ内の小滝を楽しく越えて行く。 釜や淵をヘツリ、時には泳ぎながら快適に直登出来る滝が続くのでかなり楽しいが、気温が低い時は辛いだろう。 ゴルジュの渓相も素晴らしく、序盤から遡行意欲を掻き立てられる。 滝は全てフリーで登れるが、所々シブい場面もあるので初心者や初級者がいる場合はザイルを出す場面が増えると思うので時間が押すと思われる。 滝場が落ち着くとナメやゴーロ歩きがあり、若干中だるみ感あり。 710m付近に両門の滝。一見二俣の滝に見えるが、右の20m程の滝はなんと湧水の滝らしい。これを登ってもその先は沢になってないというのが信じられない程見事な滝である。 進むのは左の15m滝。ザイルを出すならここだろうが、なんかフリーで行けそうに見えたので、ザイルは出さず先行のヒロシーがサクサク落ち口まで登って行った。 私も中段までは続いたが、最後の5mが肩に力が入らず直登断念。すぐ右の岩場を登り小さく巻き気味に落ち口へ辿り着いた。 核心部は抜けたが、この先からやたらヌメリが気になり、ラバーの二人はタワシで磨きながら小滝を登って行く。 760m二俣は左へ入る。右には50mの涸滝があり快適スラブ登攀が出来るらしいが、詰めは藪漕ぎがあるらしい。 左へ進むと次第に水は枯れ、急登の露岩が続き最後の踏ん張り所だ。灌木に掴まりながら登り詰めると、最後の3mくらいだけ藪を漕いで登山道に合流。水沢森までは目と鼻の先であった。 ■下山 登山道は概ね歩きやすいが、滑りやすい泥土の場所も多く、ヒロシーは3回も尻餅をついていた。 下山は80分程。 |
その他周辺情報 | 鬼首温泉 目の湯 500円 |
写真
装備
個人装備 |
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備
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感想
待ち合わせ場所の須金岳登山口に向かって108号線の仙秋ラインを走る道中、荒雄湖畔公園のキャンプ場を過ぎると左手に禿岳が眼前に迫る。
1年を通して幾度となく通ってる道だが、毎回車のスピードを落とし、時には車を路肩に停めてその山容を眺めるのが恒例である。
冬なら尾根の雪付きを、今の季節なら沢沿いの残雪の確認であるが、禿岳全体を見ると残雪はほとんど残っていない。
禿岳東面の中央付近、顕著な深い切れ込みに目を移す。火ノ沢である。
そこには道路からでもはっきりと認識出来る程にびっしり雪渓が詰まっていた。
「まだ6月だ、さすがにまだ早いな」
禿の沢に思いを馳せながら、須金岳は残雪はどうだろうかと少し心配になった。
しかしその心配は杞憂に終わる。
残雪どころか、前日のまとまった雨の影響もなく増水も無し。
そして早朝までのガスの影響か、晴れ上がった後に立ち込める蒸し暑さが、沢の空気と相まってヌルい風を通している。
入渓してすぐに現れるゴルジュの連瀑帯に、二人共乱舞しながら取り付いた。
躊躇なく釜に入り、シャワーを浴びながら滝を登り、今シーズン4本目にしてようやく体が沢の感覚に目覚めた感じがした。
楽しい。やはり沢登りはこれである。
ゴルジュの中間地点辺りで突然現れる洞窟。その他にも明らかな人工的な石垣の残骸など、昔の遺構の出現にも心踊らされ、この杉ノ森沢の魅力を存分に味わう事が出来た。
肩の痛みで自分の右腕が自分のモノではないような感覚であり厳しい登攀にはかなり不安がある私だが、シブい滝も先行してサクサク登って行き、すぐにお助けを準備してくれているヒロシーさんが神のように頼もしく見えた、そんな杉ノ森沢であった。
この山域は中々マイナーな山域と言っていいだろう。最近は積雪期に本当の山頂を踏めるとして須金岳に登る記録も目にするが、やはり周りに禿岳や虎毛山、神室連峰と名がある山が多くあり、その狭間でマイナー感が拭えないのは否めない。
ただ、私としてはそれがまたこの山の魅力であり、沢登りに関しては東北の沢ヤの間だけで地味に知られているくらいがちょうど良いのかもしれない。
他にもまだ何本か遡行したい沢が残っている。また機会を作り訪れたいと思う。
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