山スキー納めは経ヶ岳狙うも牛岩の少し先で撤退
- GPS
- 05:05
- 距離
- 6.6km
- 登り
- 725m
- 下り
- 724m
コースタイム
天候 | 雪のち時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
国道157からは壁倉、大矢谷を経由してください。(小矢谷方面からは除雪されてません) |
写真
感想
予定にはなかったのですが時間ができたので福井県の経ヶ岳狙いで行ってきました。
福井県に入ると雨となり、テンションだだ下がりでしたが、登山口まで来ると雪に変わったのでしめしめとばかり準備します。途中で除雪されてない道に遭遇して大回りすることになってタイムロス、出発が遅れました。
実は経ヶ岳は昨年の秋に行っただけで、積雪期は今回が初めてです。かなりの急登があったのですが、先日の荒島岳で使ったストックで道を作る技を使ってどうか?とチャレンジしてみたくなった次第です。
保月山の稜線に上がる直前で急斜面になり、枝を掴みながらの登攀になりました。しかしこれはまだ序の口で、保月山を過ぎてしばらくすると60度くらいの急斜面の壁が登場しました。
これは掴む枝も少なく、スキーの踏ん張りも急すぎて雪が崩れて行きます。雪を踏み固めて安定させたり、枝にピックストックを引っ掛けて腕力で登ったりとものすごく苦労しました。多分これまでで一番大変なスキー登行だったと思います。
何とかよじ登ると、そこには痩せた雪稜が登場しました。
左手は70度くらいの急斜面、右手は雪庇がありその下は底なしの崖、最高にスリリングな稜線です。とにかく雪庇に乗らないよう、といって左に寄り過ぎてもそのままずり落ちますから、慎重にバランスを読みながら進んでいきます。
ある程度進み、突起を乗り越えるとその先にある下が見えません。下手に覗き込んで雪庇ごと落ちるかも知れませんし、カメラを突き出して写真だけ撮って、ダメだこりゃとばかりサバサバと撤退としました。
さて戻るにも狭い稜線なのでスキーで方向転換できず、そのままバックで戻ります。戻ったところは少し広く安定しているので、そこでお昼としました。
さてここからシールを貼ったまま歩くか、それともシールを剥がして滑るか?ですがもちろん山スキーヤーなら滑ってナンボ、シールを剥がして滑る準備をします。
スキーで滑るとスピードが出るので危険箇所も一気に通過できるメリットがあります。雪庇が崩壊しながら、あるいは雪崩に乗りながら逃げ滑るということも腕次第では可能です。しかしスピードが出るということは一瞬のミスが大きなミスにつながるわけで、狭い稜線上で転倒やコースアウトなど絶対に許されません。
そんな訳でこういうところに行く時は基本単独となってしまいます。誰かを連れて行くとしても、私の力では命の保証ができませんから、万が一同行者が滑落死して私だけ生き残って下山したシーンなど想像したくありません。誰かを同行させる場合は、そういう危険のない場所を選んで行くのが大前提となります。
幸い、痩せた稜線のスキー滑降は特に問題なく終わりました。登りの時と違ってそれほど不安はありませんでした。やばくなったら雪庇の反対側に滑り落ちればいいという感覚でしたので。
そして登りで大変苦労した急斜面に戻ってきました。かなりの疎林なので滑るのは問題ありませんが、斜面に入ると速攻表層雪崩が発生しました。今朝積もった10cm程度なので、雪が滑ってる〜程度でしかありませんでしたが、ドサー、ドサーと表層雪崩を起こしながら滑り降りるのは精神衛生上あまりよくありません。
もっとも雪崩よりも速く滑っているので、後ろを振り返って雪崩の様子を見ることになるのですが。
ここが終われば少し滑ってシールを貼り直して保月山への登り返し、そして稜線の滑降でここは雪質もよくとても快適な滑りを堪能できました。
稜線から林道に戻る斜面のころには雪も重くなって、薮地獄&拷問チックな滑りとなりましたが、これも山スキーです。
無事に登山口まで戻り、汗だくのアンダーも着替え、帰路につきます。
経ヶ岳への再挑戦は、このルートでは残雪期の3月くらいまでは厳しそうです。
一度大舟山からの稜線でチャレンジしてみようかなと思っています。
しかし万が一痩せ尾根の雪庇が崩れ落ちたらどうなるか?そのままの勢いで滑落というか300mほど空中転落して即死、あるいは崩れた雪庇に飲み込まれながらも崖の途中の薮に引っかかって止まることができるか?仮にそんなところで止まって自力で這い上がれるのか?そこから板が外れてなければ(今回はビンディングをロックして解放しないようにしてました)、体勢を入れ替えて崖を滑り降りるか?どうしようもない場合は何とか無線機を使って救助を呼べるか?もし悪天候ならヘリは飛ばないから崖の途中でビバークして一夜を明かす?低体温症にならない?・・・と非常時の想像力を働かせることが遭難を予防する大切な一歩となります。
この12月はなんと山スキーに9回も行けました。ラストの山行でスリリングな体験をしたことは、調子に乗るなよ、無茶するなよという警鐘として肝に銘じておこうと思います。
みなさま新年もよい年でありますように。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する