二口 京渕沢 大東滝登攀 恐怖と歓喜の70m
mooree
Hiroshiiiii
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.0km
- 登り
- 724m
- 下り
- 716m
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| 天候 | 曇り後晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
＊＊＊＊注意＊＊＊＊ 大東滝登攀を予定されてる方で、詳細な情報を知りたくない方はこの先は見ないで下さい。 二口山塊 大行沢支流 京渕沢 大東滝70m登攀 ■アプローチ 大東岳裏コースの登山道を進み、京渕沢を渡渉してから入渓。スタートから2時間程で大東滝に至る。 ■大東滝70m登攀 まずヌメリだが、この日は雨の後ということもありそれほどヌメリは気にならなかった。 mooreeはフェルト、ヒロシーはラバーだったが、どちらも登攀に影響が出る程ではなかった。ただヌメリがない訳ではなくタワシは必須であり、磨いた所はバチ効きである。 京渕沢はヌメリの沢と云われているので、今回はたまたま運が良かったと思う。 1P目 15m �検檗．劵蹈掘璽蝓璽� 取り付きのラインは2通り。左の水線からドシャワーで取り付き右斜上して行くラインと、右の垂壁から直上するライン。 左の水線の方がホールドは豊富だが、今回我々は右の垂壁から直上するラインを選択。 ホールドスタンスはしっかりあり、滑りを落とせばそこまで難しくはない。残置は古いハーケンが2個。 あまり信用は出来ないが有り難く使わせて頂き上のテラスに至りピッチを切る。 この場所が2P目のルンゼ入口であり残置が2箇所ある。 2P目 35m �后檗�mooreeリード ルンゼ入口は狭くチムニー状になっている。下部は快適に登攀出来るが、上に行くにつれ脆くなってくる。 ルンゼ出口辺りが一番悪く、触る岩を1個1個確かめながら掴まないと大きい岩も動いてかなり危ない。 しかもこのルンゼ内で落石を起こすと、下のビレイヤーは逃げ場がないので小さい石1個も落とさないようにかなり慎重に登った。 残置は腐ったハーケンとボロボロのスリングとカラビナがあったが使えないので、ハーケン1個とカム3発でランニング。とにかくルンゼ出口が悪いので、あまり強引にならずに慎重に登る事をおすすめする。 ルンゼを抜けると草付きが出てくる。水線にはとても入れないので岩混じりの草付きに一旦逃げるが、ここも悪い。 斜度はほぼ垂壁に近いので後ろにひっくり返らないように悪い足場を慎重に登り、ようやく出てきた今にも引っこ抜けそうな灌木を2箇所程束ねて2P目終了。痺れた。 3P目 20m ��+ ヒロシーリード ピッチを切った場所は二人立てないので、ヒロシーにそのまま草付き帯から3P目に入ってもらう。 そのまま岩のせり出した草付きを登るより、上部は水線に戻った方が良さそうなので途中から水線復帰。 滑りが若干強くなるが、斜度は落ち着いてホールドはある。かなりの高度感なので下は振り向かない方がいい。 タワシで丁寧に磨きながら着実に登り水線右手の灌木でランニングを取りながら雄叫びを上げて大東滝の落ち口へ至る。 落ち口付近にある灌木でビレイ。 そのすぐ上にも容易なナメ滝が続くが、最後まで気を抜かずに登り切り、ようやく安堵出来た。 要した時間は二人でちょうど3時間。滑りが酷ければもっとかかっていただろう。力のある方なら2時間くらいで登れると思う。 そして取り付きから2P目が終わるまでと、3P目上部は常に水を浴びる。暑い夏でも震えが止まらなくなるので対策は必要である。 ■下降 大東滝の落ち口から少し登り、左岸の泥斜面に取り付き尾根を乗っ越して枝沢へ下降する。 枝沢の下降に懸垂10m一回。 枝沢を下降して行くとすぐに階段状の20m程の滝が出てきたので、ここも懸垂20m一回。 そのまま下降して行くと京渕沢本流に合流。下降した沢は大東滝の10m程下流の左岸から流れ込む沢だった。 大東滝を巻く場合もこの枝沢から巻くと1時間弱くらいで巻けると思う。 あとはそのまま京渕沢を下降して登山道に合流。 あ、それと、ヒルいます。 |
写真
なのでルンゼ出口はもう少し直上しますが、この岩がほとんど動きます。マジで怖い。ここで焦ると岩もろとも落ちてビレイヤーも巻き込みながら、ジ・エンドでしょう。
4
ここからもう少し上がって草付きに一旦逃げるが、草付きも悪くて写真撮る余裕なし。今にも崩壊しそうな灌木を束ねてなんとか2P目終了。
4
そして雄叫びと共に落ち口に到達したもよう。
装備
| 個人装備 |
30ｍザイル ガチャ類 ビバーク装備
|
|---|---|
| 共同装備 |
50mザイル
|
感想
沢登りを始めてから散々通い、慣れ親しんでいる二口。
行きの道中、こんなに緊張しながら二口に向かった事など今までない。
待ち合わせ場所の大東岳登山口に着き、いつものルーティンで朝飯に牛丼をかっ込むが、味がしない。
「やべぇ、緊張する、腹がイテー」
遅れて到着したヒロシーも、緊張のせいで夜中に目が覚め寝れなかったと言う。
いつものようにダラダラ駄弁りながら準備するが、ふざけた口調とは裏腹に緊張が高まり、二人共心ここにあらずの状態である。
二口沢を覗くと、今週にまとまって降った雨の影響で多少増水しているようだ。
「増水してたら無理だね〜」
なんて歩きながら喋っているが、内心は登りたい気持ちの方が強い。
だから二人共ここに来ている。
京渕沢に入渓してしばらく歩くと、まったく滑りがない事に気付いた。
強い雨のおかげか、これなら行けるかもしれないとさらに気が引き締まった。
大東滝を目にするのは二人共今回で2回目である。
私は初めてこの滝を見た時は、素直に「怖い」と思った。
あれから数年が経ち、色々な沢を遡行し様々な滝を見て、そして登ってきた。
今回、眼前に迫る大東滝70mと対峙してまず最初にしたのが登攀ラインを追う事。
怖いとかスゲーとか、これ登れるの？ではなく、すぐに頭の中で登るイメージを埋め込む作業だ。
それは私だけではなく、ふと横を見るとヒロシーも登攀ラインを指で追っていた。
気持ちの準備はオッケー。さぁ、登攀開始だ。
1P目は私がリードするつもりだったが、肩に不安があるのもあり、途中まで登ってクライムダウン。ヒロシーに行ってもらう事にした。
安定した登攀で無事1P目を登り切る姿を見て、なんと心強かった事か。
腹は決まった。ここまで来たら肩が痛いなんて言ってられない。2P目、水飛沫を浴びながらルンゼに突っ込んだ。
途中、腐ったハーケンやボロボロのスリングを見ると、先人達に応援されてるようで心強かった。
ハーケンを打つ度に岩が動く。
「クソ、決まらない」
水飛沫を浴び続けて指が悴む。
キーン！
ハーケンが手からこぼれ、下の岩に当たる音がルンゼ内にこだましたが、それもどこか他人事のように聞いている自分がいる。
集中マックス。ようやくルンゼを抜け草付き帯が見えた時は、早くピッチを切りたい。どこかいい場所はないか。と少し焦っていた。
悪い草付きを少し登り、人一人がようやく座り込める場所を見つけて岩に跨り、横にあった細い枝を数本束ねてようやく2P目終了の合図。
「ふぅ〜」
少し安堵したが、まだだ。まだようやく半分。
3P目はそのまま草付きを上がろうと思っていたが、水線上部が登れそうに見える。
ヒロシーにもそう見えたようで、草付きから悪いトラバースを経て水線に復帰。
タワシで磨きながらジリジリ上がって行くと、ヒロシーの姿はビレイ地点からは見えなくなった。
程なくして
「フォッフォー！」
と雄叫びが聞こえてくると、ザイルアップされ始めた。
登り切ったか。良かった。
フォローで登攀を開始すると、まさに一歩一歩、タワシで磨いた跡が見てとれた。
恐る恐る下を振り向くと、水線の途中からスッパリ切れ落ちており滝下は見えない。
落ち着いて見ればホールドスタンスはあり難しくはないが、ここにいる場所がヤバい。最後まで油断せずに集中と自分に言い聞かせながら一歩一歩攀じる。
最後は、これぞ大滝登攀といえる醍醐味を感じながらヒロシーのいる場所へ辿り着いた。
3時間の死闘がようやく終わった。
二人共顔が緩む。
ゆっくり休憩するのは下降の後にして、足早に枝沢を降りて、ようやく滝下で安堵の一本を味わえた。
大東滝登攀の記録は何件かあるし、残置の数を見ると記録は残さずとも登ってる方々は少なからずおられるだろう。
数少ない記録の中で、唯一ヤマレコに詳細な記録を残されていたyamakurumiさん、大変参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
今回我々は最初から大東滝登攀だけに焦点を合わせて京渕沢に入ったが、この沢は大東滝を越えた後も大東岳に詰めあげる事が出来る遡行価値のある沢である。
yamakurumi氏は登攀後、時間が押してもしっかり源頭まで詰めて山頂を踏んでおられる。
今回大東滝を登った事で、ようやく沢ヤの「さ」の字には到達出来たかなと自画自賛していたが、滝の登攀だけで下山するようではまだまだ沢ヤの道には遠いだろう。
これからも大滝登攀に限らず、身体いっぱいで沢登りの魅力を感じていけたらいいなと思う。
何はともあれ無事に完登して帰ってこれて、本当に本当に良かった。
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隣に居ましたけど私は水の冷たさに水線からひたすら逃げてました(笑)
小松倉にいたんですねー！そっちは水冷たかったんですね。こちらは足くらいまでならそれ程冷たくはなかったですよ。
そしてヒル笑。
私は家に帰ってきてからタイツからポトリと床に落ちました。
外で見るより家で見る方が凹みます。吸われはしなかったので助かりましたが。
大東滝の事で頭が一杯で二口にヒルが出る事をすっかり忘れてました笑。
この時期はもう二口は行かないと思います😁
その場に居られなかったのが少し悔やまれます。
その頃の俺といえば、のんびりまったりハイキングしてたけど…笑
目標にしてた大東滝！完登おめでとう！
次に行く時は全フォローでお願いします！
まったりハイキングはどうだったかな？😁色々噂してたよ。
大東滝はもう登らなくてもいいかな笑。タカシーさんが登る時はフリーソロでお願いします👍
こちらまでゾクゾクしてきます。
痺れました〜笑。
いまだ興奮冷めやらぬって感じです。
地元の有名な大滝を登れて満足です✌
記録を参考にしていただいて恐縮です。また核心ピッチのビレイ中に寝てたと言われてキレそうになった私の気持ちを共有できる方が増えて嬉しく思います。笑
今度東北の沢に行くときは、私がmooreeさんの記録を参考にさせていただきますね！
それにしても二口にヒルが出るようになったのは悲しいですね。自分はもう行けないかもしれません。。
コメントありがとうございます😊
記録を読んで、「悪い」て書いてたので覚悟はしてましたが、本当に悪かったですね笑。
パートナーがビレイ中に寝てたのはこの辺か、なんて登りながらぼんやり思ってましたよ😁
本当に参考になりました。あらためてありがとうございました。
二口にヒルが出てきたのは、ここ4〜5年くらいですかねぇ。山の生態系が変わってきたんでしょう。
二口はやっぱり４月５月くらいがベストですね。
yamakurumiさんの記録、これからも楽しみにしていますね。
滅多に見れない記録が多いので、頑張って記録上げて下さいね😁
ありがとうございました。
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