記録ID: 577769
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ハイキング
丹沢
世附・山神峠周辺を歩く
2015年01月18日(日) [日帰り]
神奈川県
knot
体力度
2
日帰りが可能
体力度について
- GPS
- 06:19
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 728m
- 下り
- 728m
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7:25 浅瀬・駐車場
8:35 悪沢出合
9:30 二俣(悪沢取水口)
10:30 山神峠(着)
10:40 〃 (発)
11:10 水ノ木幹線林道
12:15 吊橋(土沢出合)
12:45 廃屋
13:35 浅瀬・駐車場
8:35 悪沢出合
9:30 二俣(悪沢取水口)
10:30 山神峠(着)
10:40 〃 (発)
11:10 水ノ木幹線林道
12:15 吊橋(土沢出合)
12:45 廃屋
13:35 浅瀬・駐車場
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
自分の名前を思い出すのにややタイムラグのある昨今。 山名、地名、場所名等の詳細までは手が回らない。 オッカムの剃刀として勘弁してもらいたい。 まぁ、この拙レポートを見て、うかつにも目からウロコなんて事になれば当方としてはシメシメなのだが。 |
写真
浅瀬の駐車場手前100m。河原の迷彩色監視テント横で男性一人が動けなくなっていた。バードウォッチング中の体の異変なのか。男性の動静も気になったが、野次馬的興味は捨てて出発する。
浅瀬の駐車場手前100m。河原の迷彩色監視テント横で男性一人が動けなくなっていた。バードウォッチング中の体の異変なのか。男性の動静も気になったが、野次馬的興味は捨てて出発する。
天獏魔王社。最初の崩壊地の対岸、世附川左岸の杉林にひっそりと佇んでいる。昭和の初期、私財を投げ打って後醍醐天皇の財宝発掘に命を懸けた人がいた。足柄村(現小山町)中島に住む和田久治さんがそのひとだ。
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天獏魔王社。最初の崩壊地の対岸、世附川左岸の杉林にひっそりと佇んでいる。
昭和の初期、私財を投げ打って後醍醐天皇の財宝発掘に命を懸けた人がいた。足柄村(現小山町)中島に住む和田久治さんがそのひとだ。
昭和の初期、私財を投げ打って後醍醐天皇の財宝発掘に命を懸けた人がいた。足柄村(現小山町)中島に住む和田久治さんがそのひとだ。
対岸の崩壊地を見る。和田さんは、この社から子の方角に三間を中心にして三間四方の発掘を手始めに、黄金千盃、漆千盃を追い求めたそうです。その姿は「信仰的発掘」となって神々しく感じられたといいます。
対岸の崩壊地を見る。
和田さんは、この社から子の方角に三間を中心にして三間四方の発掘を手始めに、黄金千盃、漆千盃を追い求めたそうです。その姿は「信仰的発掘」となって神々しく感じられたといいます。
和田さんは、この社から子の方角に三間を中心にして三間四方の発掘を手始めに、黄金千盃、漆千盃を追い求めたそうです。その姿は「信仰的発掘」となって神々しく感じられたといいます。
和田さんは発掘の様子を一冊の本(自費出版・非売品)にして詳しく書き記しています。これは和田さん手書きによる発掘場所の地図。巻末に折り込まれていた。
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和田さんは発掘の様子を一冊の本(自費出版・非売品)にして詳しく書き記しています。これは和田さん手書きによる発掘場所の地図。巻末に折り込まれていた。
旧版地図「御正体」悪沢から山神峠までは、山神沢を経て小径が引かれている。左下方、破線の途切れている場所が山神峠。903は現在902の椿丸。悪沢分は別載の「駿河小山」を参考にしてください。
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旧版地図「御正体」
悪沢から山神峠までは、山神沢を経て小径が引かれている。左下方、破線の途切れている場所が山神峠。903は現在902の椿丸。悪沢分は別載の「駿河小山」を参考にしてください。
悪沢から山神峠までは、山神沢を経て小径が引かれている。左下方、破線の途切れている場所が山神峠。903は現在902の椿丸。悪沢分は別載の「駿河小山」を参考にしてください。
悪沢はおしなべて滝らしい滝のない沢だ。だからこそ沢沿いに径がつけられたのかもしれない。
炭焼窯跡。入渓してわずか5分の左岸。ここで焼かれた炭は峰坂峠を越えて駿河国へ売りに行かれたのだろうか。
悪沢取水口の建つ二俣で、山神沢とクマ沢にわかれる。直進(左)の山神沢に向かう。
沢筋の陽射しは当てがない。辛うじて集めた光が水面に反射してきらきらと美しい。
後半になると、所々に現れる倒木や朽ち木に苦しめられるが、何とか最後のツメまでやってきた。正面が山神峠。
訪れるたびに退廃は進んでいる。台座に16花弁の菊花紋が打たれていることでも有名。このことから、山北の河村氏一族が推した後醍醐天皇の御陵説や先述の財宝埋蔵説が浮上。西丹に一大発掘ブームが起きた。先述の和田さんが手掛けた発掘はこの財宝のこと。
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訪れるたびに退廃は進んでいる。台座に16花弁の菊花紋が打たれていることでも有名。このことから、山北の河村氏一族が推した後醍醐天皇の御陵説や先述の財宝埋蔵説が浮上。西丹に一大発掘ブームが起きた。先述の和田さんが手掛けた発掘はこの財宝のこと。
本当は山神峠を乗越したいのだが、乗越した先は崩壊しているため、すぐ上(椿丸方面)の富士山が頭を出す所から西側の急斜面を下りた。
降り立ったところは倒木だらけの谷間。沢である。「西丹沢頂稜河川土地名称図」にも載っていない夕霧橋上流の無名沢である。
鎌田鉱山跡は水ノ木幹線林道沿いにあるが、注意していないとまず見つからない。現在、坑口はブロックで塞がれ周りの岩に同化しつつある。
旧版地図「駿河小山」世附川沿いの林用ガソリン軌道にスイッチバックが見られる(地図左)。長い林道、ただ歩くのはもったいないのでこの遺構を見学していく。797は山神山。東の破線が悪沢沿いに付けられた山神峠への小径。
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旧版地図「駿河小山」
世附川沿いの林用ガソリン軌道にスイッチバックが見られる(地図左)。長い林道、ただ歩くのはもったいないのでこの遺構を見学していく。797は山神山。東の破線が悪沢沿いに付けられた山神峠への小径。
世附川沿いの林用ガソリン軌道にスイッチバックが見られる(地図左)。長い林道、ただ歩くのはもったいないのでこの遺構を見学していく。797は山神山。東の破線が悪沢沿いに付けられた山神峠への小径。
注意して物欲しげに物色すれば、赤く錆びた当時のレールを見つけることもできる。
山百合橋で左岸へ渡った辺りから勾配はきつくなり、森林鉄道としてはスイッチバックを利用して登り切るほかなかったのだろう。広河原にはその遺構が残っている。
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山百合橋で左岸へ渡った辺りから勾配はきつくなり、森林鉄道としてはスイッチバックを利用して登り切るほかなかったのだろう。広河原にはその遺構が残っている。
スイッチバック地点は土沢出合の吊橋が見えるところまで続いていた。写真は土沢出合と吊橋。
水ノ木幹線林道を歩いた人なら見覚えがあると思うが、湯ノ沢橋と山百合橋の間で現れるちょっと気味の悪い廃屋。切り出された木材の集積場、土場のすぐ下流にあるやつだ。ついでなので偵察することにした。
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水ノ木幹線林道を歩いた人なら見覚えがあると思うが、湯ノ沢橋と山百合橋の間で現れるちょっと気味の悪い廃屋。切り出された木材の集積場、土場のすぐ下流にあるやつだ。ついでなので偵察することにした。
実は世附には受刑者が炭を焼く「三保製炭作業所」という炭焼き場があったそうだ。これは奥野幸道氏が「丹沢今昔」の余話として書かれているので間違いない。
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実は世附には受刑者が炭を焼く「三保製炭作業所」という炭焼き場があったそうだ。これは奥野幸道氏が「丹沢今昔」の余話として書かれているので間違いない。
奥野氏はその炭焼き場を「丹沢今昔」の取材から悪沢出合付近ではないかと当たりを付けたようだが、特定はしていなかった。ならば、と腰を上げたのが「丹沢を探る」の丸福氏。氏はこの怪しげな廃屋の造りに疑問を持ち、普通ならば窓がある部分に押入れがある筈だと検証に訪れている。
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奥野氏はその炭焼き場を「丹沢今昔」の取材から悪沢出合付近ではないかと当たりを付けたようだが、特定はしていなかった。ならば、と腰を上げたのが「丹沢を探る」の丸福氏。氏はこの怪しげな廃屋の造りに疑問を持ち、普通ならば窓がある部分に押入れがある筈だと検証に訪れている。
中に入ってみると丸福氏の指摘通り、長い年月による荒れすさみようはともかく、一番高い場所に明かり窓程度の窓がお座なりに取り付けられ、不気味で変わった造りになっていた。
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中に入ってみると丸福氏の指摘通り、長い年月による荒れすさみようはともかく、一番高い場所に明かり窓程度の窓がお座なりに取り付けられ、不気味で変わった造りになっていた。
感想
西丹沢の世附川沿線は相模、甲斐、駿河三国の山並みに囲まれているため、良しにつけ悪しきにつけ峠越えを目指して交易路、戦路が多く交差していて、あらかた消えてしまった古道もあるが、訪れる人も少なく、まだまだ楽しめる領域であると個人的には思っている。
今日は、脈絡のないランダムなハイクになってしまったが、いつかは和田さんのように穴掘りに邁進して、黄金千盃、漆千盃、はたまた朱千盃をこの手に抱く日を夢見て山徘徊を続けるつもりである。
●旧版地図データ 謄本交付される方参考にしてください
写真��7「御正体」
◎縮尺 1/25000
◎図名 御正体
◎測量年 昭和29年修正
◎発行年月日 昭和31年11月30日
◎リスト番号 84−4−1−3
写真��25 「駿河小山」
◎縮尺 1/25000
◎図名 駿河小山
◎測量年 昭和29年修正
◎発行年月日 昭和31年10月30日
◎リスト番号 84−4−2−3
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この山行記録の写真
mammupon さん
興味深く拝見させていただきました。
自分は普通の山道しか歩くことしかできない、初心者ハイカーではあります。おそらく今後も間違って遭難しない限り、knotさまのような徘徊コースをとることはないと思いますが、歴史も混じった過去のレコ等、大変勉強になり興味があります。是非とも、今後もレコを読ませて頂きたいと思いますため、フォローさせていただきます。 chiaky
chiakyさん、こんばんは。
およそ、ヤッホーの声でも聞こえそうなヤマレコにあって、末席を汚すような拙レポートにお目通しいただきありがとうございます。なかんずく、フォローに至っては一族郎党恐縮しまくっております。
拝見するに、単独行が多いとのこと。最近、なんやかんやと単独行のことが話題になっていますが、僕は丹沢のパイオニア、植木知司さん同様に「丹沢を知りたければ一人で行け」の言葉を胸に丹沢に出かけています。
お互い、安全な山遊びを楽しみましょう。
knotさん、はじめまして、こんにちは。
世附川周辺は、何回か歩いていますが、悪沢→山神沢→山神峠→本谷方向へ下山は、やった事がありませんでした。
歴史を知った後の、登山って素晴らしいですね。山行記録としてより、一種の読みものとして、拝見させていただきました。(どうも私には、そういう部分が、欠けている様にも、思いました。) 山行の幅が広がりますね。
トレジャーハンター、いいですね。今度この辺に入る時、折り畳み式スコップを持って行きたくなりました。
丹沢は、まだ何本か行く所があるので、「丹沢今昔」を購入、読後、臨みたいです。
shuchanさん、こんばんは。また、散らかし放題の我が家へ訪問ありがとうございます。
お礼に、shuchanさんだけに耳よりの情報を教えます。「現代に活きる山の神伝承」という本があるのですが、その中に、財宝埋蔵地として「芦沢出合」、「本州製紙の山小屋上の平坦地」、「大栂の頭」、「高杉の上方部」、「ブッツエ平」の五か所が書き記されています。著者・佐藤芝明氏の理路整然とした推理に、おもわず納得してしまいます。これで黄金千盃はshuchanさんの手中に間違いなしです。お出かけの際はスコップ、ツルハシをお忘れなく。
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