栗駒 ゼッタ沢下降 三途ノ川遡行

- GPS
- 06:17
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 560m
- 下り
- 556m
コースタイム
| 天候 | 晴れのち雨 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
北上川水系 磐井川支流 ゼッタ沢下降 三途の川遡行 体感2級 水量多い SBなし 魚影なし フェルト○ 飲料不適 ■アプローチ 須川温泉から登山道を進み、名残ヶ原を越えて最初の渡渉の沢がゼッタ沢である。 スタートから20分程でゼッタ沢入渓。 ■ゼッタ沢下降 ゼッタ沢の下降を開始すると、沢はすぐにゴルジュ状になる。登山大系には泥ゴルジュと記載があったが、確かに側壁はボロボロの壁のようであり、土石流の通った跡のような抉られた壁も見える。 その中に樋状や小滝が続くが、どれもクライムダウンや釜にドボンしながら下降して行ける。 下流方向が開けてくると、10mクラスの滝が2本続く。これはどちらも懸垂下降。上流側の滝は空中懸垂になる。 その先には赤い滑床が出現し、何個かある小滝を下ると、830mで磐井川本流に合流する。 ゼッタ沢は短いながらゴルジュと懸垂の滝が2本あり、下降してても中々面白かった。 遡行してもある程度楽しめると思うが、10m級の滝2本は直登は厳しそうである。 遡行したら2級下くらいだと思う。 ■磐井川本流〜三途の川出合い 遡行 磐井川本流に合流すると、連日の集中豪雨でかなり増水している。 ラバーの二人は本流に入った途端滑ると言っていたが、フェルトは変わらずまずまずの効きである。 三途の川出合いまでの区間に難しい所はないが、8mの滝は水線右をザイルを出して突破。これは直登にこだわらなくても小さく巻けると思う。 磐井川本流は渓相が素晴らしく、増水のせいもあり迫力と癒やしの2つの顔を持つ素晴らしい沢だった。 特に釜の色がブルーに輝いてる渓相は、尿前の沢を思わせるような素敵な空間であり、そのまま磐井川本流を遡行しても充分楽しめる沢だと思った。 ■三途の川遡行 1000m付近で右から流れ込む沢が三途の川。 三途の川に入っても水量は変わらず小滝を越えて行くと、今回のメインイベント、鬼姫の滝が姿を現す。 大系には40mと記載されているが、滝は段瀑になっており、下の滝から全て数えると、4段80mくらいはあるそれはそれは見事な滝である。 しかも今回のこの水量で迫力も充分。まさに空に向かって駆け上がる素晴らしい滝であった。 そしてこの滝、名前とは裏腹にフリーで容易に登っていけるとても優しい滝である。 最上段の6mの滝だけ少し立っているのでパーティーによってはザイルだが、登るラインも選べるので難しくはない。 鬼姫ノ滝を越えると一気に癒やし系となり、ナメ滝や小滝を越えてゆるゆる進むと、1210m付近で登山道が横切っているので、藪漕ぎもなく脱渓出来る。 ■下山 三途の川渡渉地点から一般登山道を須川へ30分程で下山。 |
写真
装備
| 個人装備 |
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備
|
|---|---|
| 共同装備 |
30mザイル
|
感想
栗駒の三途の川と鬼姫ノ滝
登山大系には載っている沢だが、記録はほぼ皆無に近い。
唯一1件だけ見つけたネットの記録には、遡行図こそあったが、写真は1枚もなく、そんな恐ろしい名前の沢に鬼姫ノ滝なんてさらに恐ろしい滝があるのかと震え上がる気持ちであった。
同じ栗駒にある大地滝を今シーズン登攀していたヤマップのきつつきさんと、鬼姫ノ滝を登りましょうと話しがまとまり、3人でいよいよ三途の川へ足を踏み入れる事になる。
三途の川だけだと早く終わりそうだったのもあり、車道歩きを省く為にも、最初にゼッタ沢を下降して三途の川に入ろうとなった。
このゼッタ沢も、記録は写真なしの1件だけで気にはなっていたが、結果的には大正解。短い区間の中でのゴルジュ下降と空中懸垂2回の内容は、今回の沢旅を充実させた大きな要因となった。
そしていよいよ三途の川へと入って行くが、出合いからは恐怖や威圧感はまるでなく、むしろ磐井川本流から続いている明るく開放感な素晴らしい渓相のままである。
ワクワクドキドキしながら歩みを進めると、それはすぐに正体を現す。
そこにあったのは、想像していた極悪で険悪な滝ではなく、なんとも素晴らしい癒やしの要素満点の段瀑であった。
中段のナメ滝は逆くの字に折れ、空に向かってまるで龍のように登り詰めている。
増水で水量は多かったが、それでも鬼姫ノ滝の優しさは失われていない。
いや、寧ろ水量があった方が美しく優しいのではないか。
そんな想いにもさせられた鬼姫ノ滝を3人で見上げる。
下からでは最上段は見えなかったが、目の前の美爆に3人で歓声を上げながら、待ちきれないとばかりに思い思いに取り付いた。
姫の足にしがみついて登り、その美しいクビレを持つ胴体を這うように登ると、まるで姫の優しさに包まれているような不思議な感覚に陥る。
最上段では、物凄い水量を吐き出している姫の顔に、まるで接吻するかの如く飛び込み、ありったけの姫の唾液を浴び続けた。
しかし、最後の最後に姫に拒絶されたかのように水線から押し戻され、泣く泣く脇の岩場を攀じってフィニッシュ。
ちょっと遊びすぎて姫の機嫌を損ねてしまったらしい。
何はともあれ、目的の三途の川遡行と鬼姫ノ滝登攀を成し遂げた。
3人共々大満足。まさに想像以上の楽しさを得、そして姫の名残をどこか感じながら帰路に着いた。
栗駒の沢は遡行下降合わせて今回で7本目だが、今までで1番面白かったと言っても過言ではない。
もちろん大地滝登攀のようなヒリヒリした面白さには劣るが、その渓相の素晴らしさには目を奪われた。
ゼッタ沢下降も合わせて、期待以上の沢登りを体感させてくれた三途の川と鬼姫ノ滝には感謝したい。
素晴らしい栗駒の沢、これからも驚きと感動を求めて、人知れぬ場所へ入って行きたいと思う。
きつつきさんの記録
https://yamap.com/activities/26256668
mooree
Hiroshiiiii











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