葦津渓谷ピカソの沢(仮称)遡行

- GPS
- 03:48
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 424m
- 下り
- 425m
コースタイム
- 山行
- 5:04
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:04
天候 | 曇時々晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道なし。 |
その他周辺情報 | 山菜料理「三滝園」 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
地下足袋
わらじ
ヘルメット
たわし
捨て縄
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感想
今夏の沢登りは先々週に氷ノ山南西を流下する久曾木谷を遡行した(記録ID: 5817529)が、大きな滝はあるものの、なんとなく消化不良の状態であった。一方、下界の酷暑は続いている。もう一度くらいは沢に入りたい。鳥取・兵庫県境の静かな谷でどこかいいところはないか、と物色していると、若桜在中の山ボーイさんのブログに気になる記事を見つけた。芦津渓谷の北側、鳴滝山の西から流下して大川に注ぐ支沢の遡行記事である。山ボーイさんとは面識はないが、若桜の沢筋をくまなく歩いておられるので、ブログ、『若桜から山便り』は大いに参考にさせていただいている。その沢は短い流程に小滝を幾つも懸けていて、楽しく遡行できるという。記事は今月初めの山行を記したものなので、沢の現況を反映しているであろう。宍粟からこの辺りの山、特に沢筋にはナツエビネが分布しており、山ボーイさんが入った時にはまだ蕾だったということなので、今なら咲いているだろう。少し遅いかもしれないが。問題は天気だ。沢の美しさは、陽の光に輝きほとばしる水流、陽光を反射してきらめき爽やかな風を受けてさざめく林、その全てを見下ろす青空の透明感で決まる。そんな晴れ渡った日にこそ、沢に行きたい。天気予報では今週は月曜、火曜が一番よさそうだったので、早々と火曜に休暇を取ってこの日を待った。いざ現地についてみると、ちょっと不安を感ずる空模様で、妙に涼しい。が、そのうち晴れてくるさ、と、二ツの滝へ出発する。大川本流は、いつものように水量豊かに瀬を流れ下り、小滝を落として豪快な音を響かせていた。まずは二ツの滝見物だ。川幅いっぱいに滝となり、見ごたえがある。さて、右岸にある出合へは遊歩道の橋を渡って行けると見込んでいたのだが、遊歩道を下流へ向かってみても橋はない。これは見込み違いだった。ということは、二ツの滝の下を渡渉である。ということで、二ツ滝の下にて遡行準備となる。わらじを水に浸し、地下足袋に履き替える。と、そこで大変なことに気が付いた。ポケットに入れていた車のキーがない!!! iPhoneを取り出すときに落としたに違いない。写真を撮ったところを一つずつ巡って探すが見つからない・・・とりあえずkinuasaのキーで何とかなるものの、一大事である。時間は間もなく10時、一旦は諦めて、気持ちを切り替え遡行の準備を進める。
大川はなかなかの水量で流れも速い。浅瀬を拾いつつ、膝まで浸かって渡渉する。今日遡行する支沢は本流の右岸側から目立たない出合で合する。周囲は深い落葉広葉樹林で、すでに深山幽谷の気配だ。清冽な流れと戯れながら、水線を進む。大きな岩の間を流れ落ちてしぶきをあげる沢水にこもれびが反射する。やがて、わりに新しいブナの倒木が沢をふさぐように横たわっているところに来る。倒木の向こうには連瀑をなして水流が走り落ちるのが見える。おおっ、滝だ。そして目を足元に向けると、期待していたナツエビネが密かに、しかしあでやかに花を付けていた。
倒木をくぐって流下する斜瀑に取り付き、ぐいぐいと登る。上を見るとまだまだ滝は続いている。うきうきしてカスケードを越える。この辺りがこの沢の核心部だろう。一旦傾斜が緩まり、あとは平凡な沢になるのかと思っていると、目前にトヨ状の滝が現れる。これも難なく越えると、周囲はなだらかな地形となり、ブナの大木が空間を開けて聳え立つ心地よい場所に出る。もう稜線がすぐそこに迫り、源頭部に差し掛かったことがわかる。ここで休憩とする。休憩地点からわずかに上がったところで左から小沢が合する。この小沢に入り、すぐまた左のリッジに乗ってそのまま稜線に這い上がると、そこは広々とした原となり、ブナの大木が天に向かって大きな枝を広げていた。芦津の倉谷から沢を登って来た時(記録ID: 3106055)、また三滝ダム北岸から稜線伝いに来た時(記録ID: 3488350)にこの広場の一角を踏んでいる。この辺りをよく歩いておられるハセッチさんのブログに「ピカソ広場」として出てくるのがこの場所だ。地形図の等高線の配置からピカソの顔の絵を連想したものと想像する。ここから、元の計画では鳴滝山を周回して下山するつもりだったが、車のキー紛失と言うハプニングで計画変更となる。今乗っかっている稜線をそのまま下ってピカソの沢出合に戻り、再度、徹底探索を行おうというわけである。この稜線、踏み跡というには薄い獣道様のラインがある。これを辿り、958mPKの先で左に派生するリッジを下る。リッジが不明瞭になるあたりで、右下に大川本流、左下にピカソの沢が見えてくる。傾斜の多少とも弱いところを拾って左加減に下れば、難なくピカソの沢に降り着くことができた。再度、キーの探索。そういえば、写真はとらなかったが出合の位置を見るために遊歩道でもiPhoneを取り出したぞ。あっちにも行って探そう。一歩ずつ足を進めて地面を走査していく。すると、黒い土の上に黒い見慣れたキーが! あった〜!! まるで金の延べ板を見つけたような興奮が襲ってきた。というわけで、全て満足、満足の山行を終えるasakinuなのであった。
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