西丹沢/鬼石沢〜畔ヶ丸(県連救助隊訓練)

過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
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計画書
(更新時刻:2012/08/24 13:59) |
写真
感想
■訓練概要
8/24 に鬼石沢へ入渓した単独行者が行方不明になったとの想定。
二日後の8/26、沢遡行班、尾根捜索班に分かれて、捜索、救助を行う。
今回の訓練では、前日に県連の方が遭難者の目印を沢のどこかに付けてくれていました。沢捜索班は目印を探しながら遡行。発見次第、無線で尾根捜索班に連絡し、全員で搬出活動を行う。
救出現場においては、梱包班、支点工作班、引き上げ班を編成する。
尾根まで1/3システムで引き上げ(3ピッチ)、山頂まで人力搬出、ヘリで運ばれる想定。
■参加者(13名)
沢班・4名(大滝橋〜一軒家避難小屋〜鬼石沢)
尾根A班・5名(大滝橋〜一軒家避難小屋〜畦が丸)
尾根B班・3名(大滝橋〜一軒家避難小屋〜屏風岩山方面)
本部・1名(一軒家避難小屋)
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【訓練前日】
大滝キャンプ場で訓練内容の確認と班分け、無線の確認、装備品の振り分けを行った。
事故者が提出した計画書(訓練用に作成してくれていました)から読み取れること、
・車種、駐車予定場所に車が残っているか→そもそも山での事故なのか
・行動予定、下山経路→捜索範囲の決定
・所持している食糧→日帰りの食糧しか持っていない。捜索は2日後・・・
・ヘッドランプ、防寒具などの非常時用装備の有無
時間があったので、1/3システムの練習をさせてもらった。
【訓練当日】
当日から参加の人もいたので、各班の行動を確認後、出発。
私は尾根B班に入り、登山道の捜索をした。
道迷い、滑落を考え、登山道外の踏み跡も進み、遭難者がいないか確認した。
沢筋や隠れた場所があれば、都度遭難者の名前を大きな声で呼ぶ。時折歩いた道を振り返り、上からの視点でも探してみる。
山中で人一人を探すって、どんなに大変か・・・
捜索ばかりに気をとられて、自分の足元を踏み外しそうだ。二次遭難ってやつですよね。
予定通りの範囲を捜索したころに、沢班から遭難者発見の連絡が入った。
無線にて遭難者の状態、発見場所、沢班長との合流地点を打ち合わせして、出発。
沢をつめたあたりの登山道で合流。怪我の程度と搬出方法の確認を行い、その後の役割を分担。
私は梱包班へ。
足元が不安定な場所だったので、まずフィックスロープを張った。自分自身、負傷者、ストレッチャーもフィックスロープにセルフをとる。でないと、ズルズルと落ちて行ってしまう。
ストレッチャーを広げ、負傷者をツエルトでシート梱包をする。搬出中に感じたことだが、ここでクッションになるものを沢山入れておかないと負傷者は引き摺られて相当痛い。(訓練は土嚢袋でしたが)
ツエルトの縛り具合もかなり重要で、ゆるいとストレッチャーの中でグチャグチャになってしまったり、逆にきついと負傷者の首を絞めてしまったり。。。
1/3システムで引き上げ(50mスタティックロープ)。予備のロープでバックアップのビレイをとる。上から引き上げつつ、舵取りとしてストレッチャーを脇から補助的に持ち上げる。
3ピッチ分引き上げ、登山道に到着。ここからは1/1システム…上部からバックアップとしてのビレイはするが、つまりは人力。これを5ピッチほど引き上げ、ようやくピークに到着。皆クタクタ。
訓練はこれで終了。
休憩ののち、大滝キャンプ場まで戻り、反省会、解散。
今回は救助隊員が半数、初めての参加の人半数くらいだったようです。
搬出地点に集合したのもそのためで、全員が搬出に関われるように配分して頂きました。人数がさほど多くなかったこともあり、休む間もなく作業に参加させてもらったので、作業手順の細かな勉強もできました。
また、全体の流れを把握しての行動は断片的に訓練をするよりも、作業効率もあがり、実際の現場状況に則するものが多かったのではないかと思います。
チームレスキューの訓練は初めてでしたが、もし誰かを捜索、救出しなくてはならない事態に直面した時、現場で救助隊がどんなことをしているのかを経験しておいただけでも、当事者になってしまった場合のパニックは軽減できるように思いました。
今回のような救助器具を使うことで、迅速な救出ができ、救助する側もされる側の負担も大幅に軽減できる。ただし、基本的なシステム構築はセルフレスキューと同様。事前にロープワークを予習して行ったにも関わらず、実際に現場でやってみるとすっかり忘れてしまっていた。焦っていてもできるように、定期的に練習しておくのが大切ですね。
カモでもセルフレスキュー訓練やりませんか?
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以下、本部・無線中継点の活動報告書より
【捜索活動】
6:30 予定通りに各班が大滝キャンプ場を出発
8:40 A班とともに一軒屋避難小屋へ到着し各班へ交信開始を通知
9:13 沢班から標高980m(F7)堰堤付近を捜索中だが遭難者発見せず
9:47 A班から大滝峠上へ到着しB班と合流を受信
9:50 沢班から1,160m付近で遭難者発見、目標物は遡行図の赤リボンの下
傷害の程度を確認し送信するように依頼し、AB班へ遭難者発見を送信
9:53 傷害は意識あるも大腿骨骨折で自力歩行は不可
応急処置終了後に尾根班が下降する際の目印を確認して送信するように依頼
9:56 沢班長が登山道まで登り尾根班の到着を待つこととなる
以上の内容を確認するように尾根班へ送信し了解を確認
10:27 尾根班が沢班長と合流
【搬出活動】
10:42 全員が現場で合流し搬出活動開始
11:27 梱包作業が終了しこれから引き揚げ(1/3システム)を開始する
11:47 1ピッチ目の引き上げが終了しこれから2ピッチ目を開始する。
12:04 2ピッチ目の引き上げ(1/3システム)が終了し稜線へ到着。これ
から畔が丸山頂へ向けて搬出する。
12:40 畔が丸避難小屋へ人力にて搬出し梱包解除中
13:14 撤収し下山を開始する。
13:43 大滝峠上へ到着
14:05 一軒屋避難小屋へ到着
14:55 大滝キャンプ場へ到着し訓練終了
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