小文字山・足立山 ※行きはよいよい、帰りは……。最後に屈辱の事件が待っていた。
- GPS
- 05:00
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 599m
- 下り
- 579m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2006年07月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
単独の由布岳登頂に成功し、山登りが益々楽しくなってきた上、自信もついてきた。前回から1ヶ月以上も間隔があいており、そろそろ体がうずいてきたようだ。いろいろ調べたところ、近場ではあるものの展望が素晴らしい小文字山、企救山系の最高峰足立山の2座を目指すことにし、土・日のうち、天気が最高の日を選んで行くこととした。
いよいよ決行の日、天気は快晴で心配ないが、予想最高気温が35℃と、この暑さが心配である。しかし、水分を多めに持っていけば特に問題ないであろう。それに、この先1ヶ月はいつ行っても35℃近くまで上がるので、本日決行の日とした。コンビニで食料、お菓子、そしていつもより多めに水分を購入し、スタート地点であるメモリアルクロス前から出発した。
おおーー、のっけから凄い急坂である。息を切らしながら上がっていくが、これは予想以上にハードである。歩いて10分で既に汗ダクになっていた。あまりの急勾配でこまめに休憩を挟みながらでないとやってられない。そのせいで、水分ばかり摂ってしまう。ようやく頂上かと安堵したら、そこからまた階段があり、ガックリ。気を取り直して急坂を登っていくが、どうやら小文字山をなめていたようだ。正直ここまで苦しいとは思わなかった。コレが1つ目の誤算である。最後の大岩を越えヘトヘトになり、ようやく小文字山に着いた。
おおーー、小倉市街はもとより、関門海峡、皿倉山、反対側では貫山を中心とした山々が一望の素晴らしい景色だ。天気もよく景色がクッキリ見え、しかも吹き付ける風が気持ちいい。素晴らしい景色を見ながら頂上のベンチに座って大休憩とした。
休憩後、足立山に向けて出発、ジリジリと太陽が照りつける中歩き出す。しょっぱなから急登が始まり登りきったところから、急降下という具合にアップダウンの連続となる。森の中を進み、最後の急登を登りきるとようやく足立山に着いた。歩く距離も予想以上にありかなり疲れた。ここで少し遅くなったが昼食とした。ひとつ心配なのがここまでで水分をかなり消費しており、切り詰めていかなければ、帰りまで持ちそうにない。暑さは午後に入ってますますひどくなっており、気合で出発した。
順調に下って行ったが、どうも変な所に来たようだ。どうやら道を間違ったらしい。急斜面を登り返し、すぐに正しい道に引き返すことができたため、大事には至らなかったが、ここで体力的に大幅なロスとなってしまった。コレが2つ目の誤算である。休みながら小文字山に向かうが、距離はまだまだあり、水分も残り少ない苦しい状態となっていた。これは、ちょっとやばい。成彬はというと、まだまだ体力的には余裕があるようで、「ナリ、お前は大丈夫か?」と聞いたら「全然大丈夫とのこと。」なんという体力であろうか、オレなんかより遥かに凄いスタミナだ。とりあえず、オレが倒れたら終わりだ。1歩、1歩少しずつ歩いて行こう。その後ペースはだんだん落ちてきた。ついに、最後のポカリを成彬と半分ずつ分け、1滴の水もなくなってしまった。非常に厳しいが、ここからは気合で行くしかない。
ちょうど、小倉市街地にある北九州市民球場で夏の甲子園の福岡県地方大会をやっており、応援団の声が聞こえてきた。よし、行くしかない。小文字山への最後の登り、ここが最後のヤマ場である。上からは容赦なく真夏の太陽がギラギラ照りつける中、物凄い急坂を登っていくうちに、脱水症状寸前の状態になった。わずかな木陰を見つけ、倒れるように休憩。実際、もう少し続いていたら熱中症であの世行きになったかも知れない。やはり今回の山登りは水分の準備不足が最大の誤算である。結局、夏の低山を甘く見たということである。
しばらくそこで休むと、少しだけ回復できた。「よ、よっしゃーーーー。いくでぇーー。」死ぬ気で最後の急坂を登りきり、やっと小文字山に着いた。ゆっくり休む暇はない。ココは木陰もなく、座っていても疲労が蓄積するだけである。そのまま、行こうとしたときに、なんと麦茶のペットボトルを見つけた。「こ、これは幻覚なのか?」砂漠で彷徨っている放浪者が限界を超えたときにオアシスなどの幻覚を見ることがある。一瞬、俺の脳がパンクしたのかと思い、おそるおそるペットに手を伸ばしてみる。幻覚ではない!コレはまさに神様からの贈り物だ。小躍りしながら、早速飲もうとしたら成彬が「父さん、落ちているものは飲まない方がいいよ。毒が入っていたら死ぬよ。」と注意された。それを制するように、「アホ!ココで飲まんかったら、どっちにしろぶっ倒れて死ぬわ。」と訳の分からない理由で、正当化した。これじゃあ、どっちが子供で、どっちが大人か分からない(笑)。麦茶は炎天下に放置されて熱くなっていたが、のどを潤すのには十分であった。ようやく、元気になりメモリアルクロスまでの急斜面を一気に下り、ゴールに着いた。車に乗るとコンビニに急行し、水をガブ飲みしようやく生きた心地がした。今回の登山は今までで一番きつく、夏場の登山の怖さを思い知った格好になったが、何より落ちたものを拾い、息子に注意しながらもそれを飲んだという屈辱の山行となったことが悔やまれる。
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