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記録ID: 61327
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無雪期ピークハント/縦走
阿蘇・九重

阿蘇山系縦走(中岳・高岳) ※砂千里からミヤマキリシマが咲き誇る仙酔峡へ縦走を敢行。

2007年05月13日(日) [日帰り]
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marnim その他1人
GPS
03:20
距離
7.0km
登り
405m
下り
739m

コースタイム

(スタート)砂千里登山口8:50 → 岩壁下9:05 → 岩壁上9:50 → 中岳山頂10:20〜10:35 → 高岳山頂10:50〜11:10 → 火口東駅〜仙酔峡駅12:00〜12:10(ロープウェイ) → 仙酔峡12:10〜13:00 → タクシーと合流13:30 → 宮地駅13:40 → 宮地駅〜阿蘇駅(JR)13:51〜13:57 → 阿蘇駅〜阿蘇山西駅(バス)14:10〜15:00
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2007年05月の天気図
アクセス
砂千里登山口からスタート。
砂千里登山口からスタート。
一面の砂漠に伸びる一本の遊歩道。
一面の砂漠に伸びる一本の遊歩道。
荒涼とした大地、まるで月面を思わせる光景だ。
荒涼とした大地、まるで月面を思わせる光景だ。
砂千里を歩き終え、ここから岩壁登りが始まる。
砂千里を歩き終え、ここから岩壁登りが始まる。
中岳火口と砂千里が一望。
中岳火口と砂千里が一望。
中岳山頂付近から見る中岳火口。世界有数のカルデラを見下ろしながらの山行は最高だ。
中岳山頂付近から見る中岳火口。世界有数のカルデラを見下ろしながらの山行は最高だ。
中岳山頂にて。
高岳へ向かうナリ。
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高岳へ向かうナリ。
阿蘇最高峰の高岳。絶景を独り占めだ。
阿蘇最高峰の高岳。絶景を独り占めだ。
満開のミヤマキリシマ。仙酔峡の斜面は一面のピンクに覆われる。
満開のミヤマキリシマ。仙酔峡の斜面は一面のピンクに覆われる。
ご朱印をもらいに阿蘇神社へ。
ご朱印をもらいに阿蘇神社へ。
満願寺温泉露天風呂(1)。横で野菜を洗うおばさんがいい感じ。
満願寺温泉露天風呂(1)。横で野菜を洗うおばさんがいい感じ。
満願寺温泉露天風呂(2)。
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満願寺温泉露天風呂(2)。
川底温泉「蛍川荘」。底には小石が敷き詰められて、足が気持ちいい。
川底温泉「蛍川荘」。底には小石が敷き詰められて、足が気持ちいい。
こちらも名湯である、壁湯温泉「福元屋」。
こちらも名湯である、壁湯温泉「福元屋」。

感想

 今年のGWは当初阿蘇山に登る計画を立てていたが、せっかく登るならミヤマキリシマが咲き誇る5月中旬にしようと思い直し、結局GWは祖母山に登ることにした。さて、GWも終わりミヤマキリシマの時期が来た。阿蘇市のホームページや観光センターに電話をするなどこまめに開花状況を確認、絶好の行楽日和との予報が出た5/13(日)に決行することにした。

 実は今回の山行では事前のルート設定にかなり頭を悩ませた。通常阿蘇山の高岳、中岳を登るにはミヤマキリシマが咲き誇る仙酔峡から出発、通称「バカ尾根」と呼ばれる仙酔尾根をひたすら登り、高岳→中岳と廻り、仙酔峡に戻る周遊コースを行くことが一般的だが、小学2年のナリが行くにはバカ尾根は少しハード過ぎる。しかも、深田久弥が辿った砂千里を歩いてみたいという思いも強く、結局中岳火口西から仙酔峡まで縦走する計画を立てた。

 ココで頭の痛い問題がある。この時期仙酔峡は人・人・人で渋滞のひどさは凄まじく、麓の宮地から仙酔峡駐車場まで数時間掛かることもしばしばで、しかも仙酔峡発着の公共交通機関は無い。つまり、火口西から縦走し仙酔峡に下りてきたはいいが、どうやって火口西に戻るのかという大問題が出てきた。仮に、仙酔峡から出発し火口西に行く逆ルートでも結局仙酔峡に戻れない事は変わらない。いろいろ考えたが結局、火口西から出発し砂千里を経由し中岳・高岳を行った後、仙酔峡に下りミヤマキリシマを愛でた後、ロープウェイで中岳まで戻りまた砂千里を通って火口西まで戻るという往復縦走を計画した。

 出発当日、朝4時起床、成彬を起こして4時半には自宅を出発した。国道10号を南下し、途中宇佐別府道路を経由しやまなみハイウェイを南下する。くじゅうの山なみを越えるとついに阿蘇が見えてきた。通常阿蘇山とは高岳・中岳・杵島岳・烏帽子岳・根子岳の阿蘇五岳を言い、それぞれが全く異なる山容を示している。しかしいつ見ても物凄い存在感、周囲の外輪山も含めればとてつもない規模である。まずは中岳の火口西駐車場へ向かい阿蘇パノラマラインを走る。青々とした草原を走る道は最高のドライブウェイだ。

 7時半ようやく火口西駐車場に着いた。車から降りてみると、強く冷たい風が吹いており、しかも薄曇りで日差しが弱くとにかく寒い。こんな天気じゃ寒くて登山どころの騒ぎじゃない。それでなくても阿蘇は木が全くなく、風が強いと吹きさらしだ。天気が回復するまで待つことにしたが、結局、天気が回復するまで1時間も待ちぼうけを食らった。8時半になり、阿蘇公園道路も開通、砂千里駐車場から出発することにした。

 これは凄い!砂千里の名前の通り一面の砂で、月面のような荒涼とした大地が広がっている。その砂大地の上に1本の遊歩道が伸びており、その上を歩いていく。心配していた砂ぼこりは、昨日夜の雨のお陰で無く助かったが、いやいや物凄い風だ。風速10m以上は軽く吹いており、太陽は出てきたものの寒いのなんの、この分だと頂上付近ならさらに風が強く、寒さで動けなくなる可能性もある。いっそ引き返そうかとも思ったが、もう少し歩いてみることにした。

 砂千里も歩き終え、今度は目の前にゴロゴロとした岩の壁が迫ってきた。「ゲッ!この壁を攀じ登るのか!」前回の祖母山でナリが負傷したこともあり、危険な所はご法度だ。そそり立つ岩壁を見ると、小学低学年が登るようなレベルではない。風も強いこともあり、本当に帰ろうと思ったが、まずは行けるところまで行って見ることにした。所々の岩にペンキの矢印があり迷うこともなく高度を上げていく。滑落したりしないか心配していたが、登ってみるとそれほどでもなく、なんとか岩壁の最上部に立った。

 「おおー、今歩いてきた砂千里の他、中岳火口が一望の素晴らしい景色だ。」この行程で最も厳しい難所をクリアし、中岳山頂までは世界最大のカルデラを見ながらの稜線歩き、こんなに気持ちのいい山歩きは久々だ。爽快な気分で中岳山頂に着いた。山頂から見ると中岳火口から荒々しく噴煙が上がっており、凄まじいエネルギーを感じる。ナリも凄い凄いの連発で、きっといい勉強になったことだろう。ここでふと思ったのだが、「帰りにさっきの岩壁を下りるのは厳しいなぁ。」と思った。

 さてさて、中岳で景色を堪能した後、高岳に向けて出発した。20分弱くらい歩いたら、苦労することなく高岳山頂にたどり着くことができた。阿蘇最高峰である高岳からは、周囲の外輪山やくじゅうの山なみ、これから行く仙酔峡のピンクの花々がよく見え最高の気分だ。心配していた強風もそれほどではなく、天気もピカピカの快晴でむしろ暑くなってきたぐらいだ。今から思えばスタート直後の強風が一番強かったと思われ、心底引き返さないでよかった。絶景を見ながら気分良く昼食とした。やはり山頂で食べる食事は最高だ。食事後、仙酔峡に向け下山の準備にかかった。

 まずは先程の中岳、そしてロープウェイの火口東駅へと向かう。中岳山頂通過後、少し滑りやすい急斜面があり注意しながら下りていった。しばらくすると、火口東駅から伸びる遊歩道にたどり着いた。ここまで来ればもう登山者だけでなく、ハイヒールを履いた姉ちゃん達もおり、実質的に山登りは終了したと考えていい。問題はこの先どうするかということだ。当初の予定では、これから仙酔峡に向かいミヤマキリシマを鑑賞した後、ロープウェイで火口東駅まで戻り、そこから中岳へ登山、そこから危険な岩壁を下り、砂千里を通って駐車場まで戻るという行程だ。自分の体にそれができるのか聞いてみた。すると、「あほ!そんなん無理に決まってるやんけぇ。」という返事が返ってきた。「きっとナリも無理に決まっている。そうなれば仙酔峡からどうやって脱出するか?いや、大丈夫だ。何とかなるし、何とかするのがいつものオレだ。」こんな風に色々考えながら歩いていた。

 ロープウェイ火口東駅に近づくと、もうすぐ出発するとのアナウンス、急いで切符を買い、満員でギュウギュウ詰めのロープウェイに飛び乗る。少しズルしたが時間短縮のため仕方が無い。乗車時間9分、仙酔峡に着いた。おおー、満開のミヤマキリシマで斜面が一面のピンクだ。天気も良くちょうど良い時に来たもんだ。しかし、予想通りバスやタクシー等はあるはずもなく、おまけに仙酔道路は大渋滞だ。とりあえず、たこ焼きやらアイスなどを買い、小腹を満たした。その後、疲れた体にムチを打ち、仙酔橋を越えてミヤマキリシマ鑑賞のため遊歩道を登っていく。一通りミヤマキリシマを見た後、懸案の仙酔峡脱出計画を練る。

 まずは、一宮にある「一宮タクシー」に電話をし、仙酔峡まで迎えに来てもらえるか聞いてみた。すると、「仙酔道路は渋滞が激しく、仙酔峡まで辿り着くまでもの凄い時間が掛かる。タクシーも麓から上っていくので、お客さんも仙酔峡から歩いて下りてきて欲しいとのこと。」なるほど、なるほど。確かにそれ以外に手立てはなく、こちらも快諾した。

 仙酔峡から下るオレ達、麓から仙酔峡に向かうタクシー、合流しないまま20分が経った。しかし、もの凄い渋滞だ。「なかなか会えないね。」とのナリの言葉。その時、見晴らしの良い曲がり角に差し掛かり、下の方を見下ろしてみた。「おおおーー。いたいた!自家用車や観光バスしかいない渋滞の列の中に1台だけ白いタクシーが並んでいる。間違いない!アレだ。」ドライバーさんも気付いてくれたようだ。結局歩き始めて30分で合流。ようやくタクシーに乗ることができた。ドライバーの方もとても優しく話の花が咲く。あっという間に宮地駅に着いた。ここからJRで2つ隣の阿蘇駅まで移動。阿蘇駅から九州産交バスに乗り、火口西駅まで向かう。火口西駅に着くと、今度は阿蘇山ロープウェイに乗ってようやくスタート地点の砂千里駐車場に着いた。仙酔峡からここまで苦労したがなんとかたどり着けた。ご褒美の温泉は、満願寺温泉、川底温泉、壁湯温泉をチョイス。どれも素晴らしい温泉だった。

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