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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
巨大なカルデラを有する熊本県の活火山

阿蘇山は火山であり、「火の国」と謳われる熊本県のシンボル的存在です。

日本百名山の一座を担い、活発な噴煙や荒涼とした地形など、火山のダイナミズムを感じられるところが魅力とされています。

複数の峰から成る山で、中心となる5つは高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳です。まとめて「阿蘇五岳」と呼ばれており、最も高いピークは標高は1192mの高岳です。
絶え間なく続く火山活動

阿蘇山の火山活動の始まりは、約27万年前とされています。約9万年前までに4回の大規模な噴火を引き起こし、巨大な「阿蘇カルデラ」を形成しました。その大きさは南北に約25km、東西は約18kmで、阿蘇五岳は中心部に後から発生した火山体(中央火口丘)です。
阿蘇カルデラ内には農地や鉄道、市街地も構築されており、世界的にも珍しいと注目されています。

現在も火山活動は旺盛で、気象庁の常時観測対象です。噴火警戒レベルが設定されており、入山前には最新の情報を確認しておく必要があります。
特に活動が盛んな山は中岳です。7つの火口があり、第1火口はよく火山性のガスを噴出しています。

火口を含む周辺は、常時立ち入り禁止区域が定められています。また、その外側に設けられた見学路には退避壕がいくつも設置されています。
ミヤマキリシマが作る紅紫の絨毯

火山のイメージが強い阿蘇山ですが、花の山としても知られています。
新・花の百名山に選ばれており、毎年5月中旬から6月上旬は、ミヤマキリシマが見頃です。花は紅紫色でよく目立ち、山肌を豪華に彩ります。名所は、高岳東峰そばの天狗の舞台、仙酔峡、草千里ヶ浜などが挙げられます。
九重連山や祖母山のパノラマが楽しめる

山頂部は展望が良く、火山の迫力と開放的な気分を感じることができます。

ザレ場が広がる火山地形の奥には、九重連山や祖母山などを眺めることができます。
草と砂、2つの千里ヶ浜

杵島岳と烏帽子岳の間には、広大な草地の草千里ヶ浜があります。約3万年前の噴火による二重の火口跡で、新旧の火口底はそれぞれ雨水が溜まり池を成しています。
阿蘇山の絶景スポットのひとつに数えられており、放牧や野焼きなどで植生が保たれています。

また中岳火口の南西部に位置する平原は、砂千里ヶ浜です。こちらも火口跡ですが、黒い火山灰で覆われています。溶岩の塊が点々と存在し、まるで月面のような雰囲気を醸しています。
人々が祈りを捧げてきた山

たびたび火を噴く阿蘇山は、古来人々に畏敬の念を抱かせてきました。
山中には火口を御神体とする阿蘇山上神社が、また麓は2000年以上の歴史を有する阿蘇神社が鎮座しています。どちらも主祭神は健磐龍命(たけいわたつのみこと)で、農耕の神としても崇められています。

かつては山岳信仰の修行場として栄えたこともありました。中岳火口の西の「古坊中」には、僧侶や山伏が住まう坊舎と庵が多く建ち、室町時代から江戸時代は最盛期は36坊52庵に達したそうです。
定番ルートは観光地から登る

阿蘇山高岳を目指す人気のルートは、阿蘇山上広場の阿蘇山上ターミナルまたは、阿蘇山火口避難休憩所を起点に、南岳と中岳を経由します。

阿蘇山上広場は広い駐車場とバスターミナル、また阿蘇山上神社と西巌殿寺奥の院もあります。

阿蘇山火口避難休憩所は、有料の阿蘇山公園道路の終点に建つ施設です。ここへは自家用車か、阿蘇山上ターミナルからのシャトルバスでアクセスすることができます。周辺は中岳火口を見学するための小路や退避壕が設けられており、観光客で賑わっています。

南岳から中岳を結ぶ稜線上は、中岳火口や砂千里ヶ浜といった火山の痕跡を間近に望むことができます。

月見小屋は、高岳のすぐ東にある無人の避難小屋です。
登り応え満点の仙酔尾根

もうひとつ、主なルートとされるのは仙酔峡から登る道です。

地名の由来は「千人が酔うほど美しい峡谷」の意味からで、ミヤマキリシマの景勝地として名を馳せています。
四季折々の自然や、比較的落ち着いた雰囲気を求める登山者によく選ばれています。

高岳北方の仙酔尾根は、別名「バカ尾根」のひたすら急な登りです。ガレ場も多く健脚向けですが、登り切れば充足感を得ることができます。
登山口 |
阿蘇山火口避難休憩所 阿蘇山上ターミナル(阿蘇山上広場) 仙酔峡登山口 |
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周辺の山小屋 | 月見小屋(※無人の避難小屋) |
基本情報
標高 | 1592.3m |
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場所 | 北緯32度53分03秒, 東経131度06分14秒 |
山頂 |
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山の解説 - [出典:Wikipedia]
阿蘇山(あそさん、あそざん)は、日本の九州中央部、熊本県阿蘇地方に位置する火山。カルデラを伴う大型の複成火山であり、活火山である。阿蘇火山は、カルデラと中央火口丘で構成され、高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳が阿蘇五岳と呼ばれている。
最高点は高岳の標高1592m。カルデラは南北25km、東西18kmに及び(屈斜路湖に次いで日本では第2位)面積380km2と広大である。
2007年、日本の地質百選に「阿蘇」として選定された。2009年(平成21年)10月には、カルデラ内外の地域で、巨大噴火の歴史と生きた火口を体感できる「阿蘇ジオパーク」として日本ジオパーク、世界ジオパークに認定されている。「日本百名山」の一座としても取り上げられている。また、阿蘇くじゅう国立公園にも含まれる。
阿蘇山は、世界でも有数の大型カルデラと雄大な外輪山を持ち、「火の国」熊本県のシンボル的な存在として親しまれている。火山活動が平穏な時期には火口に近づいて見学できるが、活動が活発化したり、有毒ガスが発生した場合は火口付近の立入りが規制される。
阿蘇山のカルデラ内部に出来た中央火口丘群のうち、その中核を成しほぼ東西に一列に並ぶ根子岳、高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳の五峰を阿蘇五岳(あそごがく)と呼ぶ。北側の阿蘇谷方面から阿蘇五岳を見た姿は、釈迦が寝ている姿を表した涅槃像に似ていると言われている。阿蘇五岳の中央に位置する噴火口のある山が中岳、最高峰が高岳、ギザギザの山が根子岳である。各山の山頂付近は九重連山や雲仙岳と並ぶミヤマキリシマの一大群生地となっており、最盛期には南郷谷から烏帽子岳の斜面がピンクに染まる山肌を見ることができる。根子岳は地層調査によって他の山よりも古くからある山であることが分かり、カルデラ形成前からあったものであると推定されている。阿蘇山の南麓には名水として知られる白川水源がある。
阿蘇山は外輪山の内側を中心として阿蘇くじゅう国立公園に指定されており、温泉や観光・レジャースポットが点在する有数の観光エリアとなっている。夏になると多くのライダーがツーリングに訪れる。
噴火時の災害対策として、中岳火口周辺には退避壕が9つ建てられている。