都幾山〜金嶽〜勝手に命名「七重峠前山」
埼玉県
eikobo
体力度について
- GPS
- 07:02
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 742m
- 下り
- 746m
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| 天候 | 快晴、尾根筋寒風強 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
1）金嶽からの下降途中で、赤い印があるところに分りにくい微妙な二股分岐。気づかずまっすぐ降りるとコースアウト。戻って左が、ルートの七重峠方向。要注意。 2）碑原峠からの上りで、七重峠直前に過激な急登のピーク（山名不明）があり、踏み跡が曖昧で足場がなく、ロープか鎖が欲しい荒れた急登、20mくらい危険。 |
写真
県道172号の慈光寺入口のところの堂平山ハイキングトレック用と謳っている駐車場。隣にウォシュレット付きの公共トイレがあり、便利。早朝私の車、たった1台。標高は140mくらい。
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都幾山からは、400m超えの尾根道。あっという間に育代山の山頂。頂上感も眺望もない。山名板に気づかず、通り過ぎてしまった。戻って撮影。
山名がないピーク。「七重峠前山」と、私は名づけたい。碑原峠から少しずつ上りとなり、行く手を阻む急斜面の山が出てくる。足場が悪くルートがあやふやな危険な斜面を数十メートルくらい登ったところのピーク。この手前の急登には、ロープか鎖が必要と感じた。今回唯一の危険なところ。
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慈光寺よりさらに奥地になるここ、霊山院まで、ときがわ町の乗り合いタクシーが利用できる。越生タクシー（049−292-8181）で予約。500円。
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
飲料
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
タオル
ストック
カメラ
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感想
◎ときがわ町トレッキングコース
ときがわ町のホームページ、https://www.town.tokigawa.lg.jp/info/600 から引用する。
「ときがわトレッキングコース」は、「慈光寺入口」バス停そばのインフォメーション施設から、数多くの文化財を有する坂東9番札所・慈光寺や東国最古の禅寺・霊山院を経て、日本の天文学を支えた堂平天文台（旧東京天文台堂平観測所）まで、約7.5�劼量ノ呂△佞譴襯魁璽垢任后０貪塹燦�を一望できる堂平山頂にゴールした時、その素晴らしい眺望と達成感で、きっと感動いただけるはずです。
トレッキングコースは、30〜50キロにもなるロングコースで、老齢の私には無理だ。が、どんなコースなのか、ちょこっと覗くつもりで、ときがわ町で有名な古刹、都幾山慈光寺の入り口、県道172号の慈光寺入り口というところの駐車場に車を停めて、早朝からトレッキングコースを登り、堂平山までピストンをするつもりで来た。
車で登山に向かう私には、駐車場とコースの関係が重要だ。ときがわ町の山並は、都幾川の谷の流れの北と南に分かれて二つある。川の南側には、弓立山、新柵山などの山並みがあり、北側には、慈光寺を抱く都幾山から堂平山に至る山並みがある。トレッキングコースは、都幾川の北側の慈光寺から始まる。
因みに、都幾川は、ときがわ町のシンボルのような存在である。東西に細長い土地の西側に水源があり、町の中心を流れている。ときがわ町の水龍である。
◎都幾川とは――埼玉県でも屈指の清流
都幾川の特徴を、https://fukadasoft2.sakura.ne.jp/bridges/tokigawa/river/index6.html から引用する。
都幾川（ときがわ）は延長約30Km、流域面積162Km2の荒川水系の一級河川。
埼玉県の高篠峠（標高約740m、秩父市、秩父郡横瀬町、比企郡都幾川村の境）付近を源流とし、都幾川村、玉川村、嵐山町、東松山市、川島町を流れ、最後は越辺川（おっぺ）に合流する。合流地点は東松山市、坂戸市、川島町の境界となっている。都幾川の流路は概ね、比企郡の西端から東端に及んでいる。
主な支川には橋倉川、外川、大羽根川、空堀川、七重川、氷川、後野川、雀川、槻川がある。最大支川であり都幾川の北を並行して流れる槻川は、白石峠付近を水源としているので、都幾川の水源地とほぼ同じ所から始まる。白石峠が都幾川と槻川の分水界となっている。
都幾川という名前の由来は定かでない。音が同じなので、槻川と混同されていた経緯がある。中世の庄名である都家の訛化（武新編蔵風土記稿比企郡総説）や名刹慈光寺（都幾川村西平）に由来するとする説もある。慈光寺の山号は都幾山慈光寺である（新編武蔵風土記稿 比企郡平村 9巻、p.320）。
都幾川は埼玉県でも屈指の清流である。流域に広がる森林は湧水を生み出し、それが都幾川の豊かな水を育んできた。伐採された木材は筏流しの舟運によって、遠く東京にまで運ばれた。（以下略、以上引用）
◎慈光寺と霊山院
慈光寺（じこうじ）は、都幾川周辺で一際威光を放つ天台宗の寺院である。山号は都幾山。院号は一乗法華院。本尊は千手観音で、坂東三十三観音第9番札所。これまで何度かときがわ町を訪れたが、なぜか慈光寺には行ったことがなかった。理由は、大野線（県道172号）から分け入って山の中腹に登らなければならないことと、訪れるゆとりがなかったからだ。広い道路があるので、車なら簡単に行ける。その先には、関東で最古と言われる禅寺の、臨済宗の霊山院がある。
慈光寺の創建は、「天武天皇2年（673年）、興福寺の僧慈訓が千手観音を安置し、その後宝亀元年（770年）道忠が開山」したとされる。興福寺は、法相宗の大本山である。奈良時代にあたるこの当時は、南都六宗の時代だ。最澄が天台宗を広めたのは9世紀になってからなので、慈光寺は、奈良に都があった時代に、埼玉のこんな山奥に建てられていたというのは、いったいどういう理由なのだろうか？ 今でこそ、車で登れる標高300mほどのところだが、奈良時代には、未開の山奥であったことは間違いない。そんな昔、なぜ、ここに千手観音が安置されたのだろう？
慈光寺は、都幾山の東側中腹に位置していた。
霊山院は、慈光寺からほぼ同じ標高にあり、都幾山の南側中腹にある。
歴史的には、慈光寺の別院のような形で設けられたようである。慈光寺の別院としては、平安時代から周辺にいくつもの寺院が設けられた経緯がある。この山並の下、都幾川近くには、正法寺（現在、臨済宗）がある。いくつかできた別院は、鎌倉時代ごろに、新しい仏教が誕生する度に勢力的な問題が生じて、慈光寺の天台宗から分化して、独立して行った経緯があるようだ。その中心になったのが、霊山院であったようで、真言宗、臨済宗など、宗旨が変わっていったと聞く。
つまり、この周辺の山は、慈光寺を中心とする信仰の山であったことが分かる。
ただし、都幾山の頂上から尾根筋を金嶽まで歩いても、途中に座禅岩と冠岩があるだけで、信仰の対象とするような石像などは一つもみかけなかった。山の尾根筋には、信仰の跡がない。
◎都幾山〜育代山〜金嶽（ここからの下山の二股、要注意）
見どころの多い慈光寺と観音堂を後にして、登山道は歩きやすい林間の道である。山なので、それなりの勾配はあるが、ほどなくお碗型のピーク。そこに、ちっちゃな色の薄い山名板があって「都幾山」とあった。見晴らしがない。そこから尾根筋を緩やかに下り、ゆるやかに登って、「ここらへんが、次のピーク？」と感じ、山名板を探す。少し戻ってみたら、「育代山」を見逃していた。
やっと林間が裂けたところに、座禅岩と冠岩があった。分け道があり、慈光寺に戻れる。
そこから少し登りがきつくなる。が、道は明確。登り切ると、お碗型のピークで「金嶽」の山名板。だが、景観がない。杉林権蔵スタイル（サロメ）。頂上感が薄く、感動がない。
七重峠方向に向かう。途中、問題発生。
ずかずかと降りて行き、少しルートが右に曲がり始めると、ヤマレコアプリからルート違いの警告。地図を開くと右にずれていた。仕方なく、登り返して分岐を探す。何となく、左に薄い踏み跡があり、その方向が、ルートだった。ヤマレコの警告がなかったら、やばい道迷いになる。こんなヤバイ分岐に、標識がない。危険である。どうもこのルート、人気がないのかも？
◎碑原峠から……危険な登りと謎のピークを「七重峠前山」と名づける
金嶽から標識がないヤバイ分岐から碑原峠に出た。南方が開けてやっと眺望が得られた。快晴で日差しもよく、すこし休憩した。ここから南に下り、慈光寺に戻ることができる。さて、どうしようと考えた。じつは、尾根筋を歩いてきて、ときどき強烈な風が刺し、寒くて寒くてブルブル。動いていないと凍えてしまう。峠に降りて、やっと陽射しを得て暖まる。「ここで戻ろうか？」、寒くてとても堂平に登る元気がない。地図を見る。七重峠がどういうところか、そこまで行ってみることにした。
山道に入ると、だんだんと登りが続き、しばらく行くと目の前に大きな山影が聳えている。
ヤマレコで地図を確認すると、目の前を上に登るのがルート。だが、急登な斜面は、もろい小石まじりの泥のようで、足場が悪い。つかまれる木や根っこもない。踏み跡もわからない。どこを登るのか、どこかに登れそうなところがあったのかどうか？ 分からないまま、一歩一歩足場を確認しながら登った。「ここは下りはものすごくやばい」と思いつつ。
これほどの場合は、ロープか鎖が必要である。こんなあぶない斜面があるなんて、聞いてない。後で調べてみたら、このルートはトレッキングコースではなかった。トレッキングコースは、このやばいピークを南に巻いていた。
やっと登りきると、お椀型のピークがあったが、何の標識もない。結構な山なのに、どうして山の名がないのだろう？ 謎だ。私はこのピークを、七重峠前山と名づけることにする。
ここをなだらかに降りていくと、途中に慈光寺への分岐があった。どうもトレッキングコースは、この分岐で合流するようだ。
◎七重峠休憩所で折り返し、霊山院から慈光寺へ
とにかく寒い。そして歩き疲れた。堂平山へは、ここから300mほど階段を登るらしいが、寒くて疲れて堂平山は諦めて戻ることにした。下山ルートは、上りが都幾山からの尾根道の南側の下を巻く、林道だった。舗装路とジャリ道。細かな上り下りはなく、ゆったりした上りと下りで歩きやすいが、面白みはない。とにかく歩く。山の脇なので風は強くない。冠岩の下のところに休憩所があり、日溜まりがあったので、ここで火でお湯を沸かし、カレーメシとおにぎりを食らう。とにかく腹が減っていた。しばらく陽射しで身体を暖めてから、霊山院と慈光寺を経て、出発した駐車場に戻った。
堂平山に登れなかったのは、残念だった。老齢なので、体力の問題があり、もう一つ、この駐車場からのピストンでは、片道8キロ以上にもなる。今回の都幾山から金嶽、そして今回名づけた七重峠前山のルートで堂平山に登るのは、かなり体力的にきつい。トレッキッグコースでなら、登れるかもしれない。
ときがわ町の山なので、あぶないことはないと思ったが、やばいところが2か所あった。
一つは、金嶽からの下山途中の二股の分岐。たぶんだれでも間違えるだろう。二股分岐の標識が必要だ。なぜ、標識がないのだろう？ 私が見過ごしたのだろうか？
もう一つは、碑原峠から七重峠へのルート最後の、急登のピーク。この急登には、ロープか鎖が必要だ。とくに下山では、ずれ落ちてしまう可能性が高い。危険な斜面である。しかも、踏み跡らしきがない。たぶん、ここを使う人は少ないのだろう。
登山道として、都幾山から金嶽へのルートは、眺望がなく林間ばかりで、ピーク感がほとんどない。おおむね歩きやすいのだが、面白くないので、人気がないのだろう。
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