阿蘇山(高岳・中岳) ※バカ尾根を越えて、ミヤマキリシマが咲き誇る仙酔峡へ



- GPS
- --:--
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 786m
- 下り
- 781m
コースタイム
→ 中岳山頂13:10 → 仙酔峡14:40(ゴール)
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
今年は新たな事に積極的にチャレンジしようと、色々なことに挑戦することを心に決めた。その一つがバイクの免許取得だ。学生の頃からの憧れであり、常々機会があれば免許取得をしてみたいと思っていたが、なかなか踏ん切りがつかず30代も後半になってしまった。風を切る爽快感、男くさい格好、新たな視野が広がる事は間違いなく、バイクに乗っているところを想像するだけでワクワクする。その長年の憧れである免許取得を6〜7月に予定している。
そして8月は1年越しの夢である屋久島縦走を果たす計画だ。そのような長期計画を立てたことから、4〜5月は山登りに積極果敢に攻めて行くこととした。4月は「べっぷ鶴見岳一気登山大会」、「社内登山ハイク」、「霧島縦走」の三本立てを計画した。しかし……、一気登山大会は天候が思わしくないため、やむなく参加を取りやめ、社内登山ハイクは同伴者の体調不良で中止、霧島縦走は次男の風邪により後ろ髪を引かれながらとんぼ返りをするなど、消化不良この上ない。この頃特に山運に見放されているのだ。
5月はというと……、屋久島縦走を一緒にしようというS氏と一度足慣らしを兼ねて阿蘇山に登ろうということになった。二人で阿蘇山山行の登山計画を立て、あとは天気が良ければ決行という段取りまで付けた。すると、決行日二日前にS氏の奥さんが私もどうしても行きたいと言ってきた。いずれにしても3人で行くことになった。
と、ここまではまだよかった。決行日前日になっての話……。S夫人の友人であるHさんまで一行きたいと言ってきた。「オイオイ、マジかよ!」。一瞬絶対無理だと思った。しかも今回の山行はガレ場登りを延々と行く難所の「バカ尾根」もある。登山靴やザックはあるのか?なければ絶対無理だ。その辺を確認してみた。すると、ザックはないが、リュックはあるとのことだったが、肝心の登山靴は持っていないとのこと。こりゃダメだ。遠まわしに断ってみた。「ちゃんとした装備がないと厳しいよ!今回のルートはかなりハードだし……。」しかし、本人はどうしても行きたい!連れて行って欲しいとのことで、その情熱に負けてしまい、結局、「わかった!一緒に行こう」と、4人で行くことになった。
ところで、話は変わるが、4月の20日頃から、下痢が止まらない!特段無茶苦茶腹が痛いという訳でもないが、飯を食ったら必ず下痢が出る。1週間前の土曜日に医者に診てもらい、整腸薬のビオフェルミンを処方してもらったが、一向に効果がない。心配だ……。山登りの最中に下痢をもよおしたらどうしよう!はっきり言って、今の俺の体は山に行けるような状態ではない。とにかく、下痢をもよおさないよう祈るしかない……。
不安を抱え、当日の朝が来た。朝5時半に自宅を出発し、門司にある園元氏の自宅へ向かう。途中のコンビニで軽食をと思い、パンを頬張った瞬間、「ピーキー〜」。下痢だ!これは、ヤバイぞ。本当にちゃんと精密検査を受けて、治療してもらわないと大変な事になる。S夫婦の自宅に着くと、Hさんも来ていて、これで全員集合、と、思ったら、Hさんの格好が凄かった。真っ赤なサウナスーツばりのコスチュームにテニスシューズのようなスニーカー。ザックはなんとプラダのリュックサックときたもんだ。「プ、プラダっすか!」あまりの場違いの出で立ちにひっくり返りそうになったが、まぁ、とにかく出発だ。
新門司ICから九州道を南下、熊本ICで降りて、阿蘇方面に向かう。ちょうど仙酔峡のミヤマキリシマの満開時期と重なり、なるべく早く行かないと仙酔峡へと続く道路は大渋滞となる。早めの出発が功を奏したのか、駐車場へはひどい渋滞もなく到着できた。これがもしあと30分遅れていたら、駐車場に停めるのは苦労したろう。登山靴を履き、ザックを背負い仙酔橋で集合写真を撮って出発した。
ミヤマキリシマはほぼ満開状態で、快晴の天気と相俟って素晴らしい。ミヤマキリシマを鑑賞しながら、遊歩道を上がっていった。遊歩道が終わると、いきなりガレ場が現れた。これが「バカ尾根か!」確かに、見渡す限りガレ場がバカのように延々と続いており、少し危険度も高い。しかし、そんなことよりも気になるのがケツの方であるのは言うまでもない(笑)。同行している3人はもはや息が上がってきたようで、「ヒーヒー」言い出しているが、俺は全く息も上がらず、涼しい顔だ。やはり3人は山に慣れていないのか、休み休みのゆっくりペースで行かないと厳しいようだ。これは後になって聞いた話だが、3人ともあまりの危険な山に途中でギブアップ寸前だったとの話だ。
高度を上げるごとに、阿蘇からくじゅうのやまなみが素晴らしく、先程停めた車も小さな豆粒くらいにしか見えない。さらにガレ場を上がると、難所のトラバース地点にやってきた。落ち着いて渡ればなんてことないが、女性二人は少し怖がっている。しかし、今さらこのガレ場を下りて行く方がもっと危ない訳だし、行くしかない。意を決して慎重にロープを使い、なんとかクリアした。
登り始めて2時間、高岳火口壁に着いた。ここまで来たらホッと一安心。みんなあとはケガもなくなんとか来れた。あとは高岳山頂まで尾根道を歩くだけだ。高岳山頂に着くと、山頂標識の前で4人での集合写真を撮る。みんな満面の笑顔だ。山頂に着いたので、メシにしよう。メシは園元さんの奥さんの弁当だ。どんな弁当が待ってるやら。ドキドキ。おっ、実に旨い。おいしいので全て平らげ、奥さんに丁寧にお礼をする。
問題はここからだ。ここで便意をもよおしたら、ジ・エンドだ。ケツに相談すると、まだまだ大丈夫との返信が返ってきた。メシを食ったら長居は無用だ。次の中岳へ向かって、出発だ。中岳は高岳の尾根道を進むだけで、問題ない。中岳は大きくぽっかりとあいた火口からモクモクと噴煙を上げる凄まじいエネルギーだ。そのまわりは荒涼とした大地が広がっていて、阿蘇の凄さを感じる。その中岳山頂にはあっという間に到着した。ここで軽く記念写真を撮ってから、仙酔峡の方へ下って行く。
中岳からの下りは、遊歩道までは砂地が続き、かなり滑りやすい。と、「ズザザザーーー!!」。前に歩いていたHさんが予想通り滑って、自慢のプラダのバッグがドロドロだ!さすがにこの砂地にテニスシューズは厳しい。その後は慎重に下って、なんとか遊歩道まで来た。ここまで来ればもう安心だ。途中、仙酔峡ロープウェイの火口東駅の横を通り過ぎるが、営業を中止しているようで、ロープウェイは動いていなかった。しかし、この遊歩道結構長い。長々と続く遊歩道を下って行くうちに膝がだんだん笑ってき始めた。中岳山頂から下りること1時間半、ようやくゴール地点の仙酔峡に下りて来れた。心配していた下痢の方もなんとか粗相もなく無事でホッと一安心だ。
仙酔峡で少し休憩をとってから、温泉に入りに行くことにした。この辺りは温泉がたくさんあり、どこに行くか迷うが定番の黒川温泉に行くことにした。黒川温泉に着くと、またどこにするのか迷う。第一候補の黒川荘が空いていないということで、自分の中ではどこに行っても同じだったので、みんなの意見を聞きながら、旅館にしむらに行くことにした。駐車場のおっさんに入浴料500円を払い、露天風呂に向かう。と、思った瞬間、えっ、露天じゃない!ヤ・ラ・レ・タ!露天じゃなく、半露天の風呂であった。今さら引き返すわけにもいかない訳で、風呂にどっぷり浸かれば、疲れた足が和らいで気持ちがいい。やっぱ、下山後は温泉に限る。しばらく温泉を堪能していると、ん?ここでケツからの緊急交信が入った。ヤ・バ・イ!急いで風呂から上がり、服を着てトイレに直行。やっぱ下痢だった!これは本当に腹か腸が大変なことになっている。心配で顔が蒼くなってきた。なんとか登山は無事に事なきを得たが、本当に病院に行こうと決意した瞬間であった。
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