鎌ヶ岳

天候 | 山頂:西の風風力3/快晴/0℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2024年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
節分…初詣
山行記録672 令和6年2月3日 (土) 〜鎌ヶ岳 単独 地図:伊船
毎年立春までに、てっぺんの祠へあいさつに行くことに決めている鎌。コロナで3年間ご無沙汰しているので、今年は外せないのに、仕事の都合でいつの間にか2月。土曜日が節分、日曜日が立春。まさに滑り込みである。
南岸低気圧の影響で土曜日の夕方から日曜日の午前中にかけて雨か雪と言っているから、登るなら土曜日である。
土曜日早朝、天気は快晴。下弦の月がてんびん座のあたりに光っている。予報では、朝は冷えると言っていたが、それほど冷えている感じでもない。昨日18時の御在所の気温は−6℃(「三重の環境」のサイトによる)。この時期であれば全く不思議ではない。
先週は大雪で閉鎖されていた宮妻峡への道も、除雪跡以外には雪もなく、普段通りの様子。足ごしらえしている間に東の空が冬らしいオレンジに輝き、灯りがなくても支障のない明るさになって来た。宮妻峡にはほとんど雪は残っていないが、山の上の状況まではつかんでいないから、例によって制限時間を12時に設定し、それ以降は新たな前進はしない。果たしてどこまで登れるだろう。雲母尾根分岐が精一杯のこともあった。岳峠で時間切れになったこともあった。強風低温で戦意喪失となったこともあった。とりあえず、ヘンに頑張らずに行こう。
6:34宮妻峡を出発、カズラ谷口から入山。20分ほど登ってカズラ谷道分岐の道標に辿り着くころには体も温まってくる。徐々に雪が目立つようになり、水場下のジグザグのあたりからは雪を踏む場面も増えてきた。
水場で小休止。ここらでピッケルにご登場願おう。小腹が減ったので、ザックを下ろしたついでにヨウカンをついばむ。
7:55水場を出発。急登を登りきると雪道らしくなってきた。積雪が20cmあるかないかのザラメ雪。朝のうちは十分に体重を支えるぐらいの強度があり、ピッケルに体重をかけなければ地面に届かない。ちょうどいい具合のトレースも付いているからペースはそれほど落ちないで登っていけそう。ただ、天気が好いから陽当たりの良い斜面は午前中から緩んでくるだろう。それまでに下山に掛かれるかな。
雲母尾根分岐直下の広々とした斜面にさしかかる。節分の朝。陽も高くなり光に強さを感じられるようになった森。まだ雪はシッカリしているが、下山にかかる頃にはかなり緩んでくるだろう。そんなことを思いつつ雲母尾根分岐に顔を出す。尾根はどんな風が吹いているんだろうと思っていたが、それなりに冷たいが、強くない。
尾根に載る。陽当たりの良い南斜面は所々雪が消えているものの、そこそこ雪山になって来た。「どんなもんかな〜」。そんな感じで歩いて行く。夏道のような感触で登れるザラメ雪で、歩きにくさはあるが、段差が埋まっている分、大きなタイムロスはない。そのザラメ雪にピッケルをザクザク突き立てているうちに、雪山を3年さぼっている間に浮いて来てしまったサビも、一気にキレイになった。やっぱり道具は使ってナンボである。
9:05岳峠手前の乗越まできた。ここから峠直下の斜面を横切るか、それともキレット東ピークを越えていくか、ずっと考えながら歩いてきたが、何の迷いもなくアイゼンを履いて、斜面を横切ることにした。なんやかんやゴチャゴチャ考えすぎる、しかもアイゼンが嫌いなワシにしては珍しいことである。
斜面に踏み込む。北斜面でまだ陽が当たっていないから、アイゼンの爪が小気味よく効いてくれる。ピッケルのアンカーも安定感がある。2点確保で確実に進んでさえ行けば心配することはないだろう。4年ぶりの雪山で内心ドキドキしていたのがウソのようである。斜面を横切って、光にあふれる最後の登りを1歩1歩進む。峠には、コンモリとお辞儀した雪庇が盛り上がっている。たった1回の雪だった割には、立派に雪庇ができていたらしい。
9:25、思っていたより全然苦も無く岳峠まで来てしまった。ここで時間切れになった時のことを思い出しながら岩峰を見上げる。雪が若干緩み始めた感触はあるが、まだシッカリしている。本格的に緩み始める前にサッサと登って下りてくることに決める。
斜面には、ザラメ雪に真っ直ぐに踏み跡が続いているが、一番きつい所はすぐ右側に夏道が出ている。アイゼンで夏道を歩きたくはないが、安全策で行くことにする。斜面の詰めは再びザラメ雪をザクザク登って最後の岩場の基部に登り着き、そのまま岩をよじて、9:47鎌ヶ岳に到着。
早速、祠にあいさつ。「今年もよろしくお願いします」。
下界を見渡す。光の春というのに相応しい陽光が雲一つない空から降り注ぎ、伊勢湾口の島々が光る海に浮かび上がっている。ぐるりと眺めていくと、久しぶりに雨乞やイブネが白い。先週のたった1回の雪は相当なものだったらしい。御在所に目をやるとロープウェイが見当たらない。運休になるほどの風でもないと思うが、30分毎の隔時運転でもしているんだろうか?。
用事は済んだ。雪が緩む前にサッサと退散しよう。9:55下山開始。
大嫌いなアイゼンを履いているので、足を引っかけないように注意しながら下りにかかる。基本、足が滑らないから、腰を下ろして4点確保でええんとちゃうか!。ゴソゴソ降りていけばいい。岩場を下りて雪の斜面にかかる。ピッケルのアンカーを効かせながら岳峠に下りてきた。若干雪が緩み加減になって来たので、ヤラシイ斜面をサッサと片付けてしまおう。斜面を横切る手前ですれ違い待ちをする間、振り返って空を見上げる。今日の空は久しぶりに見る深い青。何となく懐かしい色である。
斜面を抜けた乗越の南側のジグザグ下でアイゼンを脱ぐ。爪に浮いていたサビもキレイに落ちている。
足も軽くなった。10:26出発。10時半にもなるとさすがに雪も緩んだところが多くなってきた。昼メシは少し下りてから、などと考えながら雲母尾根を離れ、さらに下って行くうちに、いつの間にか水場の上の急降下まで来てしまった。気がつけば、少々バテてきている。これはシャリバテか?。入山以来、コンビニヨウカンしか口にしていないから、そりゃあハラも減るだろう。自業自得以外の何ものでもない。
11:05水場で小休止。いつもだったら、お世話にならなかった非常食として家に持って帰るコンビニおにぎりを2つハラに収める。
この先、雪も少なくなってくる。ピッケルもここまで、ザックにくくりつけて出発。ただ、久しぶりの雪道は足に来る。ヒザを言わさないようにゆっくりと下ると、陽だまりの樹冠で鳥たちのざわめき。小休止ついでにざわめく方に目をやる。ヤシャブシだろうか、冬枯れの枝に散りばめられたように付く実1つに1羽ずつ、おそらく種を突っついてついばんでいる。逆光でよく見えなかったがシジュウカラサイズの鳥。賑やかなさえずりではないが、春が来て、活動が活発になってきた兆しかな。などと考えながら…。
そして沢まで下りてきた。陽射しを受けて流れがまぶしい。まさに光の春。最後の渡渉点でスパッツを洗って、12:12車に帰還。
立春までに登ることにしている鎌。ナントカ滑り込みで登ることができた。今日の山は、な〜んか迷いがなかったな〜。そんな感じで帰途に就いた。明日は雨の予報。家に着く頃には、そんな兆しの雲が広がり始めた。
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