高柄山 千足ピストン
- GPS
- 03:40
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 690m
- 下り
- 699m
コースタイム
天候 | 晴れ 猛暑 |
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過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
装備
MYアイテム |
へるにゃん
重量:0.18kg
|
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感想
学生時代に痛めた腰が治ってきたのもあり、運動不足の解消にと山を再開した。
しばらくは底沢からの陣馬山周回をルーチンしていたのだけど、ひょんなことから山梨東部の低山を中心としたルートを紹介している個人サイトに出会う。そこの記事によると山梨東部の山はいわゆる里山かつ「バリエーション」にあふれていて、登山道も古かったり道標がなかったりと一定以上の技術が要る山が多いらしい。いわゆる百名山や関東の一般ルートの人の多さに辟易しかけていた自分は静寂を求め未知の山へ出かけることにした。
とはいえ山道具のほとんどが手元に残っておらず、ザックだけは立派なデイハイク用のものがあったけど足回りは山靴まがいのサンダルという出で立ち。果たしてこの辺りの山に通用するのだろうかという不安がよぎる。それにこの日は真夏日だった。
町を離れるとすぐに田園風景が広がり、桂川の渓谷を渡す吊り橋や小滝が現れる。蝉時雨の田舎道を歩いていくだけでちょっとした冒険気分を味わえ、初めて一人で山に入った時のような高揚感に包まれる。沢沿いという事もあり暑さもさほど気にならなかった。
そんな余裕も千足峠の登りに入るまでだった。谷を離れてからの九十九折れの道はひどいザレに加え、いいかげんな靴で来たものだから思うように登れない。一歩踏み出すごとに足元の砂が崖下に流れていく。木が周りに無くて手を預ける場所もなかった。この辺りは崩壊した後で、当時の山と高原地図では破線表記の状態だった。幸い道は不明瞭というほどでもなかったものの下りも同じ所を通る事を思うと肝が冷えた。
息も絶え絶えに立った高柄山の頂上はしっかりと山頂然としていて、霞んではいたけど麓の町がよく見えた。陣馬山の開放的な山頂も勿論好きだけれども素朴な里山から覗き見る風景だって悪くない(当時は今よりも開けていて眺めが良かった)。この頃はピークハントには興味がなく、ただただ汗がかけて眺望が楽しめれば良かったので何の気なしにザックを立て掛けた標柱が山梨百名山のものだったという事には気付く由もなかった。
しばし登頂の喜びに浸っていると、辺りを羽ばたいていたチョウが休んでいた切り株のそばに留まった。スミナガシだ!思わぬ出会いにまた一段と嬉しさがこみあげてくる。
登頂の余韻が冷めてくるとじきに暑さを思い出す。山頂で飲む水は殊のほか美味しく感じるものの短いピストンと高を括っていたのでボトルは残り僅か。風はそよとも吹かず汗は一向に収まらない。千足峠からの急坂だけは慎重に、後は概ね緩やかな下り坂を一息に引き返した。
かくして里山の魅力に目覚めた山行だった。以来、何度も高柄山には足を運ぶことになるのだけどスミナガシには一度も出会っていない。
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