記録ID: 65075
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ハイキング
アフリカ
キリマンジャロその3ラスト(写真はサファリ編)
2010年01月03日(日) 〜
2010年01月04日(月)
NUMASAN
その他2人 - GPS
- 32:00
- 距離
- 59.4km
- 登り
- 4,232m
- 下り
- 4,232m
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標高グラフを拡大| 天候 | 晴れ/曇り・雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2010年01月の天気図 |
| アクセス | |
| コース状況／ 危険箇所等 |
Day5 5日目キボハット(4703m‐ウフルピーク5895m‐ホロンボハット(3720m)‐ キボハットで仮眠をとり22時起床。軽く朝食をとるはずなのですが、昨夜からの下痢で軽くクッキーをかじりお茶を飲む程度。トイレを済まし23時に小屋を出発する。外はさほど寒くなく雲がキリマンジャロに浮かんでぽやぽやしたお天気です。 ほぼ満月のお月様は、頂上アタックルートを煌々と照らしています。さあやるぞと闘志も湧いてきます。 しかし、肝心の自分の体調は、いままの努力の甲斐もむなしく、昨夜の睡眠不足(結構周りがうるさかったのさ。)に下痢からくる水分不足という状態。その上に朝食もクッキー数かじりと最悪です。(後ほど死ぬほど苦しむんだなぁ) 昨夜のハードネゴでガイドとオーナーの比率が3:3となったので、心配していた同行者の体調も一晩寝てそこそこ良くなっておりでどうやら大丈夫そうで、同行者の心配は無用となりました。 登山中他人のペースに合わせるのは、とても大変ですし、私のようにサクサク歩いて景色のよいところでじっくり写真を撮影するタイプには歩き続けることは結構苦痛だったりするので別々は正直ありがたいです。 道は表面に粉雪の散らした砂礫の一歩一歩進みます。マイペースで登ればさほどつらくありません。歩き始めてから1時間くらいのウィルマンズポイントという大岩の付近でちょっと大休止する。岩に腰かけて、すぐ防寒着を着こみ体温を低下させないようにしてから写真撮影を楽しみます。正面には、マウエンジ峰が見え、マウエンジ峰とキリマンジャロ本峰の間の鞍部はとてもなだらかな乾燥地帯が続いています。向かって左手がケニアで右がタンザニア領です。星は綺麗に瞬いていて生まれて初めて南十字星を確認しました。 休憩中も定期的にエネルギーと水分摂取のため軽食や紅茶を飲みます。 休憩後防寒具を脱いでしまったのち(行動中は暑いので汗をかかないように体温調整します)歩きだす。後ろから、ヘッドライトをつけた登山者がいっぱい登ってくるのが見えます。とにかくみなさんゆっくりゆっくり登っています。 私はウィルマンズポイント辺りまでは、体力もありガイドと歌を歌って登っていました。しかし、ウィルマンズポイントを30分程すぎ、斜面が急になりだして風が出だしたなぁと感じ始めたころ。ついにモンスターが私を襲撃してきました。 そうついに来たんですその時が・・・「シャリばて・睡眠不足・水分不足」トリプルパンチ。うーんトリプルはつらいんだよぉ。普通の人だと3つのうち一つでもダウンする症状を同時に三つ。こりゃぁきつい。山ずれした私だとひとつくらいなら鼻歌歌ってごまかせるのですが・・・。トリプルパンチは数年に一度だけの大ピンチ。日本の3000m級の山でも死にそうな位なのに、なんで5000m超えで発症するか・・。 まあ死ぬほどじゃあないし、ゆっくり歩いても頂上は射程圏内だからどうにでもなるさ。と腹をくくる。 でも、自分の荷物を自分で持って山頂で日の出を迎えるという大目標が今のペースじゃ・・・。やばいです。 今回は、下痢から来る水分不足が主要因なので温かいお茶を持っていても飲めない・・・。という悲惨さ。軽食も胃がむかむかしたのでちょっとずつしか食べれませんでした。仕方なしに予備食のパワージェルに手をつける胃に負担がかからないので便利でした。 でも、高所で100や200kcalなんてすぐに消費されてしまいます。きちんと消化のよい高カロリーな食事を夕食で摂ることはとても重要ですね。 私のガイドであるMr.ビンセントが多分見るに見かねて(本人はそれほどではないが・・。)荷物を渡せと言います。うーん山屋が自分の荷物を背負わないのはポリシーとして許せねぇなどちょっと心の中で葛藤しましたが、結局ご来光の誘惑に負けて荷物を明け渡す。(別に一眼レフと三脚さえ持たなければ軽いのだが・・・趣味だからねぇ) ギルマンズポイント(5682m)には、結局4時ごろ到着。まあ予定通りです。まだ本日2組目だからTOP集団。 東の空は少しだけ赤みを帯びています。気になっていた天気は、雲も夜のうちに西へ去り東側は雲海が広がっている程度。山頂付近の雲も薄くそして気流に乗って行く動きの速い雲なのでこれは山頂での景色期待できます。 しかし、まだ4時。日本の4時だと結構明るかったりしますが、タンザニアは6時過ぎに夜明けなので、まだまだ夜の女王の支配下です。月夜に周囲の氷河が青白く浮かび上がりとても幻想的。 ここから先は、火口壁沿いの道幅の狭いなだらかな粉雪の積もった登山道を歩きます。雪山経験者なら何てことない道です。 日本の山ならうひょーって叫んで走れる道も5500mOVERではさすがに ひーこらいいながら喘いで登ります。 ギルマンズポイントからウフルピークまでの標高差は、たった200mしかないのですが、この標高ともなるとトレーニングを積んだ身でも、体調が悪いととっても厳しいです。 その上私の靴は、トレールラン用のシューズだったのでちょっと足先が冷たすぎました。 (凍傷になるほどではありません。しもやけのきついの程度かなぁ) たまに写真撮影がてら立ち止り、足を脇に入れてあたためてからモミ モミして血流を良くします。 ライトを消して歩いても月明かりが雪面に反射して足元は十分明るく、まだ登山客の少ないこの時間は、ひっそりとした高山を独り占めできて素敵です。生物のいない無機質な光景ですが、氷河と雪と月の織りなす光景に圧倒されました。 写真� 〃遒肇Ε侫襯圈璽� 写真�◆〔詭世荏哀皀靴粒垢氾仍骸圓離悒奪疋薀ぅ� 次はいよいよ頂上。 藍色の空の奥にウフルピーク5895mが見えます。空も次第に淡く周囲も色彩を帯びてきました。心は急いても体はまったくついて行けません恐るべし!!一歩一歩でも確実にガス欠で死にそうな体を引き上げます(ちょっとホラですが)。日本の山なら30分で行ける感覚の山道を60分以上かけて歩くのです。 シャリばて・睡眠不足・水分不足のおかげでかなり体力を消耗していてつらいけど、とにかくあきらめず歩き続けることが大事です。 ふと後を振り返ると、東の空は赤くなり始めていて、登山者がちらほらと見え始めます。別のルートから登ってきている登山者のヘッドライトが点々と山道を照らしていました。 頂上付近までくると、山容も月山のようになだらかになります。左手には氷河も見えてきました。50m歩いては、30秒休みを繰り返して6:20ついに頂上に到着。 ヒャッホイ!!人生で一番高い所に今私はいます。数万年前アフリカを出発した人類がアジアを通ってきて・・・。遠いご先祖様は、たぶん朝夕キリマンジャロを眺めていたのだろうなぁと思うと万感。そう、この付近は人類発祥の地です・・・。6日前にはまだ東京で執務していたことを考えるとびっくりするくらいの速さで生まれ故郷に帰ってきたわけですね。 ちょうど地平線から太陽が雲海の上に顔を出し、ピンカンの青空が広がっています。 ケニア側もタンザニア側も雲海の下ですが感激。 ところで、日の出直後の頂上は、ちょっとした人だかりができます。みなさん日の出を目指してやってくるからです。日本人の若い社会人の団体は10名中10名みなさん元気に登頂されましたリーダー良かったのでしょう。尚一緒に行った日本人は、若い方は(40歳前)ほとんど頂上まで登頂されています。ご年配の方は(60歳以降)、50:50ですね。ギルマンズポイント(5682m)までレベルを下げれば7:3くらいでしょうか。 周囲に方々は三々五々記念撮影をして、たった10〜20分程度で下山しちゃいます。ああもったいない。 私は、写真を撮影したりのんびり氷河を見たりして30分以上頂上でゆるりとしていました。本当は、500m位下にある氷河までいってかき氷を食べたかったのですが、もうその体力はありません。でも、いいや。ここはアフリカで一番高い場所なのですから。 最後には、私たちひと組だけが残されました・・・。私は、腹ペコなのでもう解禁とばかりに日本から持参した甘いお菓子を食べる食べる。100%のオレンジジュース(寒さでシャーベットだった)などでガイドと登頂の喜びを分かち合いました。 キリマンジャロというと、ヘミングゥェーの小説で、頂上にチーターの屍が・・という冒頭の部分がありますが、同行のガイド氏いわくそれほど遠くない場所にあるらしいとのこと。また、数年に一度野良犬が頂上を目指して登ってきて討ち死した死体を見かけるとのことです。山には何かをひきつける引力があるのですねぇ。 7:10下山開始。今までの体のきつさがうそのようで足取りも軽く下山します。でも、低体温となっていたのでとにかく体力は消費しているし、何より眠い。歩きながらでも寝れるくらいです。ギルマンズポイントまでは、目の前に広がる雄大な景色を堪能しながら下れます。 ギルマンズポイント(8:00頃)を過ぎると、景色も単調で植物も生えていない須走りのような状態となります。ストックを使ってブレーキをかけながら、飛ぶように下山できます。でも、足のつま先がつらいです。(足の爪が内出血を起こしてしまいました。) ここまでくると、あとはもう「ベット獲得の争い」です。とにかく1分1秒でも早く寝たい。頭の中は寝ることだけでいっぱいです。(笑) キボハットに9:00に到着し軽い食事を流し込んだ後、ベットで仮眠しました。体温はびっくりするくらい低下していて、普段は人間湯たんぽといわれる私が、2時間寝ている間中ずっと足先が凍るように冷たかったです。登山中に体温検温したら驚きの数値だったかもね。 眠りからいやいや覚めて、昼食を食べてから荷物(宿泊用具は小屋に置いているのです。)をかたずけて、ホロンボハットを目指す。 2時間だけだけどぐっすり寝たし、食事をしてエネルギー補給ができたので体力的にはかなり良くなりました。 あまりに低体温だったので、かなり着こんでからキボハットを出発する(11:30頃)。飛ぶような速さで(あんた朝死にそうだったんじゃない?)ホロンボハット(14:00着)。 キボハットに到着し正規の夕食を待たず、持参の予備食を食べたのち15時就寝。 足先はやはり冷たい・・・ZZZ。 下山編は、キリマンジャロの花々について書きましょうか。 |
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