谷川東尾根

コースタイム
天候 | 3/17 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
・登山指導センターを出て、ほどなく山側に登るが、すぐ右に折れ、車道を歩く。 ・RW駅〜一の倉沢出合までの車道はトレースばっちりだがところどころトラバース時に滑りやすい箇所あり。一抱えもあるブロック雪が2箇所ほど落ちていた。 ・雪は概ね締まっていた。時間がたつと雪が腐り若干あるきづらい。雪庇の崩壊に要注意。特に稜線直下の雪庇。 |
ファイル |
非公開
6545.xls
計画書
(更新時刻:2013/03/14 13:57) |
写真
感想
前週末は異常な高温の為、トライを見送った。今週は土曜、日曜と機会があったが、私の仕事の都合で土曜を見送り、日曜にトライすることになった。
谷川東尾根はものの本には雪稜入門と書かれているが、入門の言葉で向かってはいけないルートだ。それぐらい山の難しさがつまっている。あくまで雪山経験を十分積んだ上でないと痛い目にあいそうだ。
土曜日に引き続き、日曜も天気は上々の予報。気温は両日同じぐらいか。前週は近頃の急速な気温上昇を受けて、全般的に気温高め。相当融雪が進んでいるか。まずは、天候判断が最初の関門。後半崩れるような天気は避けたい。その意味では日曜は問題なさそう。あとは気温だ。
RW駅駐車場で2時間ほど寝る。スキー客の到着のせいか、たびたび起きて寝た気がしない。寝る前に登山装備の人がヘッデンつけて出て行った。ルンゼを登る人たちだろうか。
登山指導センターに向かうと、1Pと会う。受付の窓には神奈川の山岳会の計画書が挟んであった。今年は禁止期間が3/22〜4/30になっているので、最後の週末となる。天気もよいので相当数のPが入っているだろう。
一の倉沢出合に向かって車道を進む。トレースはばっちりあったが、まだ朝早いのでところどころ雪が固く、すべりやすいところもある。途中一抱えもある雪のかたまりが車道上に落ちていた。この道も決して安全地帯ではない。
一の倉沢に着く頃にはあたりはすっかり明るい。荘厳な眺め。この中に入っていくのか、と思うと身がすくむ思いがする。やがて朝日で赤く染まっていき、山は一層美しさを増していく。出合で写真をとっていた方が、すでに何人も入ってるよと教えてくれた。金曜日から暑いが今日は何度になるかねー。暗に気をつけろと言っているようだ。だがその通り。
一の倉沢に入り、すぐに左手に顕著な沢が分かれ、その先にコルが見えた。一の沢だ。すでに上部には米粒のような人がいる。雪は締まっている。悪くない。しばらくはつらい登りが続く。右手に凍った滝が見え、登っている人たちがいた。一の沢右壁左方ルンぜのようだ。面白そうだが、結構難しい部分もあるようだ。アイスをやるようになったら是非チャレンジしたいと思う。一の沢は上部に行くにつれて傾斜を増していく。ペースも落ちる。しかし時間はかけられない。
ようやくコルに着いたが、あまり広くない。数えられる限りでも4〜5Pは取り付いているようだ。休まず第二岩峰に向かう。コルの前の岩場は右の雪壁を上がっていく。ところどころ出ているブッシュを手がかりにしながら登るが結構悪い。
第二岩峰に着くと、前のPがロープを出して登っていた。我々は右手の広いスペースで休憩。準備をする。後ろからは別Pと、さらにガイドPらしい3人Pが追いつき、混雑気味に。スタートにあるブッシュに支点をとり、shigeリードで行く。雪が融けて岩が出ており、特に難しいところはない。草付きもよくアックスが効く。
ここを通過するとしばらく雪稜続き。右から一の沢・二の沢中間稜が合流する。その後、マチガ沢側に雪庇がはりだした箇所を通過するが、雪壁にへばりつきながら、トラバースしていく感じ。トレースがあるのでそれほど足元に不安はないが、落ちたらそのまま行ってしまうことは間違いない。ピッケルを差しながら慎重に足を進める。
ほとんど休憩できるようなスペースや安全地帯はない。午前中だというのにじりじり太陽が照りつけ、気温は上がっていく。とても暑い。雪も腐りはじめている。
第一岩峰は右から巻いた。その後にようやく休憩できるスペースがあったが、そこは既に稜線もまぢかに見えるような場所。しかししっかり休憩する。
稜線直下には雪庇がはり出している。右の岩場付近に切れ目があり、そこから抜けた形跡があった。また雪庇の一番左はしにもトレースが続き、抜けた形跡がある。我々は岩場に向かったが、ここが非常に悪い。雪庇がはりだして頭がおさえられるのと、雪がやわらかく、アックスが効かない。足場もない。なんとか中段にある氷の層にピックを効かせ、シャフトを雪に埋めながら、足が崩れてもなんとかなるように登る。
雪庇を抜けるとそこは稜線。天神平方面から来たPの方たちが祝福してくれた。嬉しい。2つ後ろのPは雪庇の左から抜けたようだ。すぐ上がってきた。良い判断だと思う。順番待ちしてる間に雪庇が崩れたら・・・。
すぐそばのオキの耳で証拠写真をとる。shigeも念願の東尾根が突破できて嬉しそうだ。時間はまだ午前中。やはりコンディションが抜群によかったせいだ。それでも帰りは天神平でRW経由。すべてが贅沢な山行。途中、ボードで滑りに行く方に話しかけられたら、警備隊の方だった。なんでも前日、最後の雪庇で3人落ちたらしい。うち1人は沢まで滑っていたらしいが、全身打撲で済んだと。奇跡的だ。しかし、同じ部分の悪さを体験しただけに、人ごととは思えない。怖い怖い。
数少ないトライの機会をモノにできて非常にラッキーだった。
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