浅間山〜外輪山はお花畑!
- GPS
- 06:27
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 885m
- 下り
- 878m
コースタイム
- 山行
- 4:45
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 6:19
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■時計回りの外輪山周遊は、トーミの頭まで登ってしまえば前半戦ほぼ終了。黒斑山からJバンドまでは稜線漫歩の部類です。 ■Jバンドは下の方の踏み跡が不明瞭で、果たして正しいルートを降りたのか自信ありませんが、岩場&砂地のルートを読む経験があれば外しても危険はありません。 ■草すべりは、わずか300m内外の登りながら猛烈な急勾配ルートでした。高所恐怖症は足がすくむでしょうが、できれば下りで使いたい。登攀時、トーミの頭北寄りに出る最後の難所の二股は左へ。右へ行くとロープ支柱の残骸が見つかって正しそうに見えますが、すぐ這松で行き詰って立ち往生します。 |
その他周辺情報 | 絶景ロビーの高峰高原ホテルの日帰り入浴は800円。露天風呂があるわけでもないですが、ゆっくりできて、ロビーからの眺望も最高。生ビール620円。 |
写真
感想
35度を超す都会の猛暑から逃れて、Dr.エモンと昨秋以来の浅間山に向かった。火山警戒レベル2ということで今回は中央の前掛山には近寄れないが、代わりに未踏の外輪山をぐるりと一周することにした。
宿をゆっくり出て9時半に車坂峠を出発。ここの標高は1973mもあるから、日差しは強くても暑さは感じない。ホテル裏のトイレに寄って駐車場に回ると、南の方に富士山も見えた。行く手の黒斑山方面には高く雲が湧いているが、他は青空が広がっている。
朝夕2本が発着するバス停脇から登山道へ。景色の良い表ルートを選び、登山道補修作業に赴く男性4人に先んじて車坂山を越える。ただ、当方の気管支不調につき登りのスピードが出ず、ほどなく彼らを先に通した。400mも登れば外輪山の稜線に出るのだから焦る必要はないが、Dr.の「この上から北アルプスが見える」という言葉が気にかかる。
林を抜けて視界が開けた所で期待して振り返ってみたが、あいにくそれらしき北西の方角には雲がかかっていた。分厚い曇り空ではないので、帰りに気流が変わって見えてくれることを期待することにしよう。
オオシラビソなどの林をあえぎ登って行くと、先ほどの作業員が木段整備にかかっていた。ヘリで荷揚げしたらしい材木が登山道に山積みされて少々通りにくいが、こうした整備のおかげで我々が山登りを楽しめるのだと思うと、感謝しなくてはならない。Dr.が「火口の方が通行禁止なので外輪山の整備に多めの予算が回ってきたのかな」と推理した。
やはり作業資材がデポされたシェルターの前を過ぎれば、ほどなく浅間山中央の山体とトーミの頭が姿を見せた。若干下ってから奇岩がそそり立つその峰へ登り返すと、小学生3人を連れたお母さん、初老の夫婦という2組が休んでいた。ほぼ垂直に切り立った崖の上に立つと、急傾斜の草すべりから続く鮮やかな緑のじゅうたんが、まるで箱庭のように見えてくる。北アは相変わらず雲の中だ。
一休みして尾根伝いに黒斑山へ向かう。右は切り立った崖線なので、道は左のオオシラビソ林の中を出たり入ったりして尾根をトレースしている。ほどなく電波施設のピークを経て黒斑山山頂に着いた。浅間中央火口にかかっていた雲が切れ、代わって火口からモワッと吹き出す噴気由来の水蒸気がはっきり見え始めた。
「レベル2は、やっぱりダテじゃないな」などと話しながら歩くうちに蛇骨岳。7、8人が休憩中でコッヘルを使っている人もいる。北を眺めると、高原野菜の畑に混じって田代池が見えているが、ここからだと木々が邪魔して北アルプスの方角の見通しは利かない。朝が遅めで腹も減っていないので、我々は次の仙人岳で昼食休憩とすることにした。
蔵王山系でよく見たヤマハハコに見送られ、ゆるゆると下って登り返したところが仙人岳。木々が消えて火山らしい荒地になっている。ここでカップ麺主体の昼食とした。くだんの母子連れが追いついてきて、この先のJバンドなどの難易度を尋ねられた。昨年秋に歩いたDr.が、途中の藪がひどかったものの、岩場や草すべりは子供でも通れないほどでもない〜と説明している。
母子と別れて鋸岳の岩場を難なく通り、下り始めると程なくJバンドの看板が見えた。Dr.によると、昨年秋に通った時はこのあたりの藪がひどかったのだという。その心配は杞憂だったが、Jバンドは岩棚のトラバースで頭上の岩壁が少々おっかない。地震でも来たら落石でひとたまりもなさそうだ。
早く降りてしまおうと急いだが、岩場だけに踏み跡がわかりにくい。早めに右へ砂地を降りるルートらしき所もあったが、追って岩棚が行き詰まる少し手前で下りて行くかすかな足跡を辿った。多少靴に砂利が入った程度で無事に外輪山火口底へ着地。なおしばらく踏み跡を探すのに戸惑ったが、大きな岩の所からはっきりしたトレースになった。正面右には緑の草すべり、左には砂色の中央火口が好対照をなしている。
ほぼ平坦だった道が樹林帯に入ってじりじりと下り始め、ロープで火口側を通せんぼした賽の河原分岐が見えた。休憩せずさらに下り、空が開けてアヤメが見えてきた所が湯の平分岐だった。水も十分あるので火山館はパスすることにして右へ草すべりを目指す。仰ぎ見るトーミの頭への斜面は相当の角度がありそうだ。
予想通り「直登」ということばが当たりそうな草すべりをあえぎあえぎ進む。幸いにも今を盛りと咲く高山植物たちが目を楽しませてくれ、ついで撮影タイムという絶好の息継ぎ休憩の機会を与えてくれる。いよいよ最後の詰めという二股で右の古いルートに入りかけたが、すぐミスに気づいて戻ることができた。
トーミの頭はもはや人っ子一人いない。休んでも北アが雲から出てこないので、諦めて出発した。森が切れた所で最後の望みをかけて北西の雲の方を見てみると、すっと雲が薄くなる瞬間がある。「あれは大キレットじゃないか?」とDr.に声を掛けて間もなく、二人ほとんど同時に「槍だ!」と叫んでいた。
じきにまた雲の中に沈んでしまったが、とにかく北アも現認できて心残りはなくなった。車坂山の50mほどの登り返しこそきつかったものの、思ったより早く登山口に戻ることができた。これでゆっくりホテルの温泉に浸かることができる。
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