小川山 烏帽子岩左稜線
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
1P目スタート6時過ぎ-最終ピッチトップアウト15時過ぎ ※稜線上の岩はけっこう風化が進んでいて、スカスカの岩も多いので注意が必要。 ※アプローチは100岩場に詳しく出ています。 ブログなどより100岩場を参考にした方が正確。 烏帽子沢から取りつきの踏みあとに入るところにはケルンが積まれています。 |
写真
感想
三つ峠は暑かったので、涼しい小川山で長いマルチの練習をしましょう!ということで、cherroさんと烏帽子岩左稜線(5.8)に行って来ました。
…と思ったら小川山も猛暑で、遮るもののないこのルートは特に暑かったのですが(^^;
クライミンググレードは低いとはいうものの、何せ18Pという長いルート。
時間と体力だけが心配だったのですが、無事完登することができました。
自分はチャレンジすることが大事だと思っており、結果にはあまり拘っていないのですが、完登できればやはり嬉しいものですね^^。
思っていたより残置ピトンが沢山ありましたが、懸垂下降の捨て縄以外は全て残置無視。
プロテクションはカムとスリングのみ、オールフリーで登ることができました。
トポありの練習だったのでトポや他の人の記録は見ており、オンサイトとは言えませんが、現場では自分たちの目で登るラインを決めました。
今回は100岩場のトポを参考にしたのですが、登るラインまで書いてあって、ちょっと詳しすぎるような気がします。
見なければいいと言われても、見てしまうのが人情というものでして^^。
課題は今回もロープワーク。
クライミングやルーファイにかかる時間はそれほどでもありませんでしたが、ロープワークが洗練されていないために、かなり時間がかかってしまいました。
ピッチを切る場所、ビレイポイントの移動、歩きに近いところや藪っぽいところでのロープの取り回しに課題が残りました。
それとロープの捻れ。
恐らくリードがロープを引き上げるときに交差した状態で確保器をセットしてしまうこと、リードにせよフォローにせよ不用意に体を回転させてしまうことが原因だと思うのですが…。
ちなみにロープをダブルで使っているのは我々だけでした。
懸垂下降用に2本持って行くにしても、リード&フォローで使うのは一本にして、屈曲しそうなところでは短くピッチを切った方が結果的に速いような気もします。
※後日実験した結果、ロープ引き上げ時の交差は関係ないことが判明(考えてみれば、当たり前のことですが)。
リードとフォローのどちらかが回転してロープを跨ぐか潜るかしないと、交差は発生しない。
フォローが回転することはほとんどないので、主にリードが原因。特に終了点付近での行動や途中で戻ったりするときに注意が必要。
もしリード側のロープに交差が発生してしまった場合、釣瓶で次にフォローするとき自分側に交差が残っているので、体を回転させて交差を解消してから登ること。
そうしないと、次のピッチをリードするとき、ビレイヤーの確保器直下に交差が残ってしまい、ロープを繰り出しにくくなる。
もう一つは荷物の軽量化。
ゲレンデだからかも知れませんが、他のパーティは皆さんザックが小さかった。
我々はそもそも他の人たちよりギアが多いので、厳選して最小限にしなければならない。
今回完全に余計だったのは、PASと長スリング二つのうち一つ。
長スリングはピナクルにビレイポイントを作るのに有効なのですが、180cmと240cmのどちらか一つでよかった。
ピトン、ハンマーは結局使いませんでしたが、本チャンを見据えると、これは割愛できないかな。ナッツキーはやめてもいいかも。
それとカムの取捨選択。
キャメロット#3番までを2セット+4番を一つ持って行きましたが、やはり多すぎるような…。
いや、でも我々レベルで初めてのルートではフルセットでも仕方ないか…。
ランナウトに耐えられるようクライミング力を上げて、岩を見極める判断力がつけば、1セットで済むのかも知れませんが…。
まだまだ時間がかかっているし、課題も残りましたが、何はともあれ最後まで登りきることができてよかった。
長いルートの練習という意味合とは別に、マルチピッチを始めてからいつかは行きたいと思っていたルートだったので、お付きあいいただいたcherroさんに感謝です。
クライミングそのものはどのピッチも簡単でしたが、全体の核心でもある最終ピッチだけは、ビレイしていて緊張しました。
ドランナウトしながらも落ち着いていて、素晴らしいリードでした。
[以下ピッチごとの備忘メモ]
オンサイト狙いの方は読まないでね^^。
・1P 5.6 -2P 5.7…g
簡単なフェイス。1P途中まで上がってからスタートしたので、2Pを繋げて登った。
・3P 5.7…c
ダブルクラック。フェイスのホールドで登れる。
・右に移動…g
cherroさんが3Pを直上したところでピッチを切っていたので、右に移動して引き続き4Pをリードしてもらう。
・4P 5.8…c
トポには残置ピトンに導かれと書いてあるが、特に気にもせずカムでプロテクションを取れるラインで頂上の木へ。
・5P 5.4…g
ほぼ歩き?よく覚えていない。
・6P 5.4…c
同上。
・7P 5.5-8P 5.5…g
繋げて。先に行ってもらったパーティが8Pを左から登っていたので、右から登った。
・9P 5.7…c
右サイドの弱点からだったかな?残置ピトン使わなくても、カムでプロテクションを取れる。
・10P 5.6-11P 5.6途中…g
10Pは大岩の左側をトラバース。一瞬怖いと言われているように、本当に怖い。
フォローは重いザックを背負っているのでもっと怖いだろうと思い、ビレイ点を移してザックを渡してもらったら、ロープが絡んでしまった。
その上屈曲しながら11Pを繋げたため、ロープが重く、途中でピッチを切った。
ロープが藪に絡んだりして、ここでかなりの時間をロスしてしまった。
ここからダブルロープ2本をやめて、1本で登った。
・11P途中-12P 5.5…c
ここも藪があり、ロープが絡んだ。
・13P 5.7…g
ハンドジャムバチ効きの短いクラック。
クラックをやっている人なら極簡単。やっていないと、フェイスにホールドがないので苦労するかも。
・14P…懸垂下降
・15P 5.5…c
14Pの懸垂下降で岩の基部にそのまま下りてしまえばスルーできそうだったが、若干ロープが足りなかったので、ピッチを切ってリッジからチムニーへ。
チムニーと言っても左右別の岩峰の間を登るといった感じで、反対側は階段状になっている。
・16P…懸垂下降
・17P 5.7…g
ワイドクラックだが、フェイスのホールドを使って登れる。
・18P 5.8…c
これは本物のワイド。全ピッチの中で一番手強い。
多少なりともワイドの登りかたを知らないと、フリーでは登れないかも。
上部2/3ぐらいはプロテクションが取れないので、リードはメンタルの強さが試されると思う。ナイスリードでした。
岩に挟まっているうちはいいが、最後に体を外に出して反転するところで足を滑らせたらグラウンドかな?
あとはもう登りきるしかないところまでランナウトしていたので、正直ビレイしていて緊張した。
フォローで登る分にはそれほど難しくないけれど、cherroさんにそこで体を反転させなさい!と言われたところが間違っていたため、危ないところだった(^^;。
もうちょっと上がってから反転したように見えたけどな〜と思いつつ、言われた通りにしてみると、どう考えてもそれでは難しい。
ということで、さらにズリズリ体を上げてから反転したら無事ガバに手が届いた^^。
※追記
最終ピッチのチムニーはフォローが登ってからザックを荷揚げしようとしたが、上部が狭くなっているため引っ掛かってしまった。
後続パーティの方が押してくれようとしたりしたが無理で、結局cherroさんをロアーダウンして取ってきてもらったのだが、これはなかなかいい方法だった。今後も使えそう。
さすがに暑くて長かったですねー。でも無事にトップアウトできてよかったです。ありがとうございました。
少しずつでも進歩できているのはgera塾のおかげです。
なにやら面白そうなルートですね。
でも18Pもあるのですか!
トップまで所要9時間!
でも魅かれる〜。
マルチ始めたら連れてってくださいな。
cherroさんの姿を探すのがタイヘン。
写真22は完全に岩と同化しちゃってますね
えっ?映ってないの?!
炎天下で9時間も行動してれば、疲れて当たり前でしたね。
少しどころか、目覚ましい進歩なのでは?
ワイドでは師匠と呼ばせていただきます!
あっ!でも、わざと間違いムーブを教えるのはナシでお願いしますね。
9時間もかかったのは我々が初心者だからで、できる人なら5〜6時間で済むみたいです。
岩峰の縦走なので、kanosukeさん好みだと思いますよ。
ぜひ行かれてみてくださいね、自力で。
写真22ってチムニーですね。
写っていない? そんなはずないですけどね〜。
チョックストーンに見えるのがcherroさんです。
1つ1つ、積み重ねてきた結果だと思いますよ。
キッチリ完登、という話は意外と聞かないので、立派な成果だと思います。
ちなみに、小川山ではピトンは打たないで欲しいです。
だから、そもそも持って行かずに登った方が良いかと。
クラックのサイズが変わってしまったりすると、クライミングルートとして変わってしまいますので。
また、残置ピトンの見た目も汚い感じがします。
フリークライミングのエリアには、NPとミニマムボルトが似合うと思いますので。
講習で、越沢と三ツ峠ではピトン打ち&回収をアリでやっていますが、あそこはアイゼントレーニングにも使われているので、多少は岩が変化しても問題なしと判断してのことです。
最後まで行けたのは、実力不足ゆえ朝早く出発したからです。
自分はともかく、cherroさんはついこの間まで講習を受けていたことを考えると、すごい成長ぶりだと思います。
ピトンを持っていったのはピトンを使ったという記録を読んだからで、残置無視するには必要かと思ったのですが、カムで十分対応できました。
初登時はピトンしかなかったのでしょうね。
我々(私?)は今回トポを熟読したのですが、取りつきさえ分かれば講習生でも十分トポなしで行けると思います。
クライミングそのものは簡単ですし、懸垂下降して藪こぎすれば旧林道にエスケープすることもできそうなので、講習にいかがでしょうか?
割りに合わないとは思いますが。
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