また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 69266
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
志賀・草津・四阿山・浅間

真田の里で忍者に会おう。(角間山、湯ノ丸山、烏帽子岳)

2010年06月26日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
10:53
距離
21.8km
登り
1,903m
下り
1,891m

コースタイム

角間温泉06:00-07:49角間渓谷分岐-10:21角間峠-10:50角間山-11:17角間峠-12:16湯ノ丸山/休12:40-13:54烏帽子山-15:57角間渓谷分岐-16:59角間温泉
(行程22.6km/11時間)

天候 曇り時々雨
過去天気図(気象庁) 2010年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
自家用車:
上田菅平ICから国道144号で横沢まで北進し、県道4号を少し戻ると角間渓谷への看板が左手に出てきます。(真田の交差点で曲がって町を走るのも良いですが、横沢へ行くのがシンプルでわかりやすいです。)

駐車場:
岩屋観音から林道側に5台程度あり。

バス:
上田駅から菅平線、渋沢線で横沢下車(上田から30分/700円)その後、徒歩で30分ほどです。


コース状況/
危険箇所等
・角間渓谷から角間峠へのルートは土石流により道が無くなっていますので、完全なバリエーションルートです。
・角間山への道に2箇所ほど泥濘がたまっている箇所があります。すぐにわかりますが、案外深いので注意が必要です。
・湯ノ丸山から烏帽子岳への下りは急なガレですので慎重に下る必要があります。
・烏帽子岳から角間渓谷への下りはマーカーや道標はしっかりありますが、前半(1766基準点付近まで)笹がひどく足元が見えません。また、本原への下りと間違う可能性がありますので注意が必要です。後半は樹林帯の中で足元は確認しやすいつづら折れになります。

・その他、周辺情報はこちらが詳しいです。
http://www.mtlabs.co.jp/shinshu/hike/kakuma.htm
角間温泉 岩屋館の奥がわに駐車スペースがあります。
2010年06月26日 05:56撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 5:56
角間温泉 岩屋館の奥がわに駐車スペースがあります。
ツキノワグマ注意報、烏帽子岳へのルートなど情報盛りだくさんの林道入り口看板です。ていうか角間峠方面、通り抜けできませんか。。
2010年06月26日 06:06撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 6:06
ツキノワグマ注意報、烏帽子岳へのルートなど情報盛りだくさんの林道入り口看板です。ていうか角間峠方面、通り抜けできませんか。。
しばらくの間、広々した林道を歩きます。忍者の気配はありません。
2010年06月26日 06:20撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 6:20
しばらくの間、広々した林道を歩きます。忍者の気配はありません。
遠くに稜線が見えます。低いところが目標の角間峠です。
2010年06月26日 06:23撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 6:23
遠くに稜線が見えます。低いところが目標の角間峠です。
烏帽子岳への道標はありますが、角間峠への道標はなし。忍者が隠したに違いありません。
2010年06月26日 06:29撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 6:29
烏帽子岳への道標はありますが、角間峠への道標はなし。忍者が隠したに違いありません。
南東へ大きく曲がると堰堤が3回出てきますので、全てまとめて左岸側から巻きます。
2010年06月26日 06:48撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 6:48
南東へ大きく曲がると堰堤が3回出てきますので、全てまとめて左岸側から巻きます。
最初の支沢との分岐。角間山の西に伸びる尾根に詰めれそうですが、今回はパスします。
2010年06月26日 06:54撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 6:54
最初の支沢との分岐。角間山の西に伸びる尾根に詰めれそうですが、今回はパスします。
何度か川を渡渉しながら進みます。だんだん忍者修行っぽくなってきました。
2010年06月26日 07:24撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 7:24
何度か川を渡渉しながら進みます。だんだん忍者修行っぽくなってきました。
烏帽子岳へ向かう沢との分岐にたどり着きました。
2010年06月26日 07:49撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 7:49
烏帽子岳へ向かう沢との分岐にたどり着きました。
ここからが今回の山場です。沢ですが。
2010年06月26日 07:50撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 7:50
ここからが今回の山場です。沢ですが。
親切な忍者が道標を設置してくれています。
2010年06月26日 07:55撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 7:55
親切な忍者が道標を設置してくれています。
しかしその先は藪です。忍者、不親切です。
2010年06月26日 07:57撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 7:57
しかしその先は藪です。忍者、不親切です。
天然のかずら橋を渡ります。おお、なんだか忍者っぽいです。
2010年06月26日 08:05撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 8:05
天然のかずら橋を渡ります。おお、なんだか忍者っぽいです。
沢の色がすごいことになってます。ほぼオレンジです。
2010年06月26日 08:23撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 8:23
沢の色がすごいことになってます。ほぼオレンジです。
斜面を巻いていると、なにやら道らしきものに出会いました。忍者道でしょうか。この道に会わなければ、角間山の西尾根に上り詰めるところでした。
2010年06月26日 09:32撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 9:32
斜面を巻いていると、なにやら道らしきものに出会いました。忍者道でしょうか。この道に会わなければ、角間山の西尾根に上り詰めるところでした。
しかし忍法 土石流が行く手を阻みます。
2010年06月26日 09:38撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 9:38
しかし忍法 土石流が行く手を阻みます。
かなり上まで崩れてます。
2010年06月26日 09:48撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 9:48
かなり上まで崩れてます。
土石流を防止する山林のようですが、この斜面、土石流だらけです。
2010年06月26日 09:59撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 9:59
土石流を防止する山林のようですが、この斜面、土石流だらけです。
巻き道の途中の子尾根に、何かの石碑のような岩がそそり立っています。忍者が座禅でも組むのかもしれません。
2010年06月26日 10:04撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:04
巻き道の途中の子尾根に、何かの石碑のような岩がそそり立っています。忍者が座禅でも組むのかもしれません。
ひたすら藪を進みます。カラマツの新芽が鮮やかです。と余裕を見せてみますが、かなりゼエゼエ言ってます。
2010年06月26日 10:17撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:17
ひたすら藪を進みます。カラマツの新芽が鮮やかです。と余裕を見せてみますが、かなりゼエゼエ言ってます。
お!なにやら建造物が。
2010年06月26日 10:20撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:20
お!なにやら建造物が。
やっと峠に出ました!
2010年06月26日 10:21撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:21
やっと峠に出ました!
レンゲツツジと湯の丸山をセットで。ドリンクは水です。
2010年06月26日 10:32撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:32
レンゲツツジと湯の丸山をセットで。ドリンクは水です。
湯の丸の向こうには烏帽子岳が見えます。あそこまで到達しないと、車に戻るのに難儀します。しかし烏帽子まで行くのも難儀しそうです。弱ります。
2010年06月26日 10:34撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:34
湯の丸の向こうには烏帽子岳が見えます。あそこまで到達しないと、車に戻るのに難儀します。しかし烏帽子まで行くのも難儀しそうです。弱ります。
とりあえず、角間山を目指します。
2010年06月26日 10:41撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:41
とりあえず、角間山を目指します。
笹の間にレンゲツツジが点在しています。
2010年06月26日 10:43撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:43
笹の間にレンゲツツジが点在しています。
鎖のある岩場を少し登ると角間山山頂です。遠く四阿山の裾野が見えます。三角点もあります。
2010年06月26日 10:50撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 10:50
鎖のある岩場を少し登ると角間山山頂です。遠く四阿山の裾野が見えます。三角点もあります。
角間山の西尾根です。巻き道に出会わなければ、こんなところを進んでくるところでした。
2010年06月26日 11:01撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 11:01
角間山の西尾根です。巻き道に出会わなければ、こんなところを進んでくるところでした。
峠に戻り湯の丸を目指します。湯の丸への取り付きは樹林帯です。
2010年06月26日 11:16撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 11:16
峠に戻り湯の丸を目指します。湯の丸への取り付きは樹林帯です。
振り返ると角間山と四阿山がよく見えます。
2010年06月26日 11:48撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 11:48
振り返ると角間山と四阿山がよく見えます。
イワカガミでしょうか。群生しています。
2010年06月26日 12:00撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 12:00
イワカガミでしょうか。群生しています。
湯の丸山手前の三角点です。
2010年06月26日 12:04撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 12:04
湯の丸山手前の三角点です。
湯の丸山の山頂はガスが出ていました。そして人が多いです。ワラワラしてます。
2010年06月26日 12:16撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 12:16
湯の丸山の山頂はガスが出ていました。そして人が多いです。ワラワラしてます。
ツェルトをかぶって温まりながら、お昼にします。
2010年06月26日 12:24撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 12:24
ツェルトをかぶって温まりながら、お昼にします。
人がいなくなったのを見計らってこっそり撮影。
2010年06月26日 12:40撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 12:40
人がいなくなったのを見計らってこっそり撮影。
湯の丸と烏帽子岳の間は尾根があるわけではなく、単に互いの土石流などが堆積しただけという雰囲気です。ガレの急斜面を下ります。
2010年06月26日 12:48撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 12:48
湯の丸と烏帽子岳の間は尾根があるわけではなく、単に互いの土石流などが堆積しただけという雰囲気です。ガレの急斜面を下ります。
烏帽子岳との間の平坦部で下草を刈り取ってくださってました。感謝感謝です。
2010年06月26日 13:06撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:06
烏帽子岳との間の平坦部で下草を刈り取ってくださってました。感謝感謝です。
緩んだ土の上を南尾根に向かって進みます。
2010年06月26日 13:13撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:13
緩んだ土の上を南尾根に向かって進みます。
ミヤマツツジっぽいです。
2010年06月26日 13:19撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:19
ミヤマツツジっぽいです。
湯の丸山はようやくガスが晴れたようです。
2010年06月26日 13:40撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:40
湯の丸山はようやくガスが晴れたようです。
ミヤマハンショウズルのようです。
2010年06月26日 13:42撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:42
ミヤマハンショウズルのようです。
烏帽子岳山頂に着くと、上田市街が望めました。
2010年06月26日 13:53撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:53
烏帽子岳山頂に着くと、上田市街が望めました。
角間渓谷は忍法 霧隠れ中です。
2010年06月26日 13:54撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:54
角間渓谷は忍法 霧隠れ中です。
上田の市街方面を向いてパチリ。
2010年06月26日 13:55撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 13:55
上田の市街方面を向いてパチリ。
強い風がガスを払ったらしく、よく見渡せます。
2010年06月26日 14:03撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 14:03
強い風がガスを払ったらしく、よく見渡せます。
またしてもガレの斜面を下ってゆきます。
2010年06月26日 14:10撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 14:10
またしてもガレの斜面を下ってゆきます。
下りきった笹原にはキンポウゲなども咲いています。
2010年06月26日 14:17撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 14:17
下りきった笹原にはキンポウゲなども咲いています。
行く手はやはり藪です。
2010年06月26日 14:18撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 14:18
行く手はやはり藪です。
ところどころ開けて道標などがありますが。。
2010年06月26日 14:24撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 14:24
ところどころ開けて道標などがありますが。。
基本的には藪をこぎながらルートを探します。
2010年06月26日 14:32撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 14:32
基本的には藪をこぎながらルートを探します。
アヤメでしょうか。一面笹の中にぽつんと咲いているとひときわ鮮やかです。
2010年06月26日 14:55撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 14:55
アヤメでしょうか。一面笹の中にぽつんと咲いているとひときわ鮮やかです。
薄暗い樹林帯の中でギンリョウソウのような花を発見しました。でも白くなかったりいろいろ違うので何か別の花なのでしょう。
2010年06月26日 15:19撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 15:19
薄暗い樹林帯の中でギンリョウソウのような花を発見しました。でも白くなかったりいろいろ違うので何か別の花なのでしょう。
ほぼ藪ですが、それでも角間峠への道に比べればはるかに歩きやすいです。
2010年06月26日 15:28撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/26 15:28
ほぼ藪ですが、それでも角間峠への道に比べればはるかに歩きやすいです。
やっと分岐点まで戻ってきました。ここから再度川原歩きです。
2010年06月26日 15:57撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 15:57
やっと分岐点まで戻ってきました。ここから再度川原歩きです。
林道入り口が見えてきました。
2010年06月26日 16:59撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 16:59
林道入り口が見えてきました。
ようやく戻ってきました!
11時間も歩いたのは久しぶりです。
2010年06月26日 17:01撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 17:01
ようやく戻ってきました!
11時間も歩いたのは久しぶりです。
ちょっとだけ貫禄の出たTRANGO。
2010年06月26日 17:09撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 17:09
ちょっとだけ貫禄の出たTRANGO。
岩屋観音さまにお参りして、今日の無事を感謝します。(写真ぼけぼけですが。。)
2010年06月26日 17:22撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 17:22
岩屋観音さまにお参りして、今日の無事を感謝します。(写真ぼけぼけですが。。)
観音さまの祠は岩に埋まってます。手がかりはいっぱいありそうですので、忍者は日常的に登っていると思われます。
2010年06月26日 17:23撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 17:23
観音さまの祠は岩に埋まってます。手がかりはいっぱいありそうですので、忍者は日常的に登っていると思われます。
岩屋観音への階段を上から。ちょっと高度感がありドキドキします。
2010年06月26日 17:24撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 17:24
岩屋観音への階段を上から。ちょっと高度感がありドキドキします。
長谷寺に寄って、真田公の墓所にお参りしました。質実なつくりです。周りの墓石は家臣の方々でしょうか。それとも忍者のでしょうか。
2010年06月26日 17:45撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/26 17:45
長谷寺に寄って、真田公の墓所にお参りしました。質実なつくりです。周りの墓石は家臣の方々でしょうか。それとも忍者のでしょうか。

感想

角間山、湯ノ丸山、烏帽子山は地蔵峠、鹿沢温泉からのアクセスもよく、花の名所でもある人気スポットです。特に6月から7月にかけてはレンゲツツジが見ごろとなり、お祭りも行われます。
しかし、西側にある角間渓谷からのルートは辿る人が少なく、情報がほとんどありません。聞けば角間渓谷は真田十勇士の猿飛佐助が修行した場所とのこと。おそらく秘密の忍者修行スポットがあるため、情報操作されているに違いありません。昔から忍者には興味があるものの修行には興味がなかったため、この歳になるまで忍者になりそびれていました。しかし今回ならば山に行くだけで忍者に会えるかもしれません。そう考えるとなんだかワクワクです。

角間の集落を抜け、秘湯として有名という論理的に難解な温泉宿 岩屋館を過ぎるとすぐ左手に岩屋観音への階段が見えます。駐車スペースには車もなく、角間川を渡る風だけが吹いています。
準備体操をし林道へ向かいます。入口の看板によると角間峠への道は土砂崩れによって使えないとのこと。うーん、予想はしてましたが本格的にバリエーションルートを通る必要がありそうです。しかもツキノワグマが出るとのこと。忍者には会いたいですがツキノワグマには会いたくありません。
大きく南東へ折れる1129地点付近まで、広々とした林道を歩きます。ところどころ道の真ん中に赤いリボンの付いた針金が刺さっています。忍者の暗号でしょうか。1129地点すぐに堰堤が連続して出てきます。上流から流されてきた土砂や木々がせり出していて越えるためには大きく巻く必要がありそうです。と、左岸にまたしても赤いリボンが。巻き道の入口を示しているようです。最近の忍者は巻き道も用意してくれているのでしょうか。ありがとう忍者。
しかし、巻き道は予想外に狭くバランス感覚が試される箇所が何箇所かありました。さすが忍者、巻き道ですら修行しているようです。
堰堤を越えしばらく川原を歩きますが、堆積した大量の土砂や倒木が行く手をはばみます。そのうえ、岩がせり出すような箇所では川を渡る以外になく、予想外に水量の多い川をジャンプで何度も渡りこします。このあたりの忍者は麻を植えず、川を何度も渡り、倒木を飛び越えることで修行をしているに違いありません。忍者でない私はゼーゼーいいながら川を渡り、たまに渡りそこね、倒木と土砂をよじ登り、時に滑り落ちつつ進みます。
大きく蛇行する箇所を越え、川原が開けたところでようやく最初の目標地点である角間川の分岐点に到着です。ここからは東へ川沿いに進み、角間峠へ向かいます。最初は並行して走る涸れた沢を登ってゆきますが、すぐに大量の笹に囲まれました。腰まである笹をラッセルし、見えない足元を探りながら進みます。
右岸側に岩壁がせり出してきたため左岸側に大きく巻くように渡りこします。20mほど高度を稼ぎつつ進むと、行く手が大きく崩れて地肌が露出しています。仕方がないので手前側で沢に降りれそうな箇所を探しますが、笹の草つきのため足場が安定しません。危険なので巻き始めの地点近くまで戻ることにします。
結局、先ほどの土砂崩れを避けるため、右岸へ登り、大きく巻きながら進むことにしました。右岸を登ってゆくと、笹がやや薄く、黄色く枯れたラインがジグザクと走っています。忍者の通り道でしょうか。不明瞭なためしょっちゅうショートカットしてしまいますが、ところどころに昔の道標が残っています。
1720m付近を巻いていると、突如行く手に小さな岩峰が現れました。台座の上に石碑で藻載せているかのようです。近くで確認したかったのですが、切り立った尾根の先端だったため、怖くなりスゴスゴと引き返します。
笹薮をひたすらゼーゼーとこいでいると、急に平坦になり、笹薮の向こうにあずまやの屋根が見えました。角間峠です!!
呼吸を整えるため写真タイムにしてパチパチとやります。予定時刻を1時間もオーバーしていますが、角間山のほう花が多いはず、ということで急いで角間山へ向かうことにします。角間山の登山道はまったく忍者の気配もなく、笹薮の中のレンゲツツジを堪能できます。自分でも驚くほど足が軽く、気がついたら角間山山頂についていました。実は意識が朦朧としていて覚えていないだけかもしれませんが。
角間山山頂からは四阿山の雄大な裾野、バラギ湖などが見渡せました。本当であれば、ここで朝食としゃれ込みたいところですが、時間がないので行動食をリスのようにほうばりながら下ります。
峠を再度通過し、湯ノ丸山へ上り始めます。予想よりも急な傾斜にすぐに息が上がります。そのたびに写真タイムになるのでなかなか時間が短縮できません。そのうえ三角点を発見してパチパチとやっているうちに、山頂がわにはどんどんとガスが。。気がつくと、山頂がかすむような状態となってしまい、まったく視界がありません。霧隠才蔵の仕業か。仕方がないので、防寒をした上で昼ごはんにします。
サーモスのお湯とカップ麺をすすっているうちに、何とか道に迷わずにすみそうな程度に霧が薄くなってきました。
しかし、湯ノ丸山と烏帽子岳をつなぐ路はガレの続く急な下りで、下りの苦手な私は自然進みが遅くなります。飛龍溶岩流れの術でも使えれば楽なのですが、修行をしていないので使えません。地道にくだります。と、鞍で下ばえを刈っている方がいらっしゃいました。なんていい忍者なのでしょう。感謝しながら烏帽子山への巻き道を登ります。30分ほどかかって南側尾根に出ると、雨は降り続いているものの、周囲にかかっていたガスが晴れてきました。先ほどまで霧に隠れていた湯の丸山もよく見えます。遠く上田の市街などが見渡せるようになり、写真に収めます。徐々に強くなる風に押され、出発から8時間近くかけようやく烏帽子岳山頂に到着しました。あとはひたすら下るだけです。
角間温泉への看板を見つけ、地図から目標とする1766m地点を出し、そちらを確認します。が、一面の笹の原が見えるだけです。いやな予感がします。慎重にガレた斜面を下ると、わずかに踏み痕とマーカーテープが残る笹原に到着です。ああ、やっぱりここなんだ。。
角間峠までの道と異なり、いたるところにテープがありまれに看板や人の足跡もあるなど、整備され使用されている形跡はあるのですが、いかんせん笹が濃すぎます。広くてわかりずらい太尾根をひたすらマーカーと地図を頼りに進みます。しかしこのマーカー、わざとかどうか不明ですがレンゲツツジ色です。たまに見間違えてあらぬ方向へ進みかけたりします。こんなところでも忍者は修行しているに違いありません。
と、それまでの笹薮から一段高い丘の上の樹林帯を抜ける道に入りました。ここが1766m付近に違いありません。看板も出てきました。ここからは、沢を目指してはっきりしない北尾根を下りてゆかねばならないのです。慎重を期してストックを伸ばし、足元を探りながら笹薮を掻き分け進みます。徐々に笹の丈が低くなりつづら折れの道となり、やがて暗い樹林帯へと入りました。足元はだいぶ暗くなりましたが、笹も無くなりつづら折れで傾斜も緩やかなため、進む速度は上がります。せっかく伸ばしたのでストックも使い降りてゆきます。途中、何箇所か道を見失いかけましたが、その共通点はすべて樹林帯から一瞬明るいほうへ出る位置で、大抵木の枝が行く手を阻む上、笹薮の中を突っ切る形になるところだったりと、沢の上部へ出るころにはだいぶ忍者の罠も見分けられるようになっていました。沢筋の道を下り、沢の高さまで降りてきました。沢向こうの岸を登り越すと林の向こうに広い川原が見えてきます。朝に通過した角間川の分岐点です!
ここからは朝すでに越えてきた修行場です。道もわかり、ジャンプの精度も増している今となっては恐れるに足りないはずですが、なぜか体にキレがありません。
やむを得ず、非常用のチョコレートを切り崩すことにします。大体600m進むごとに2個ずつ食べてゆけば到着までにすべて食べつくしてしまうことも無いはずです。ということでまずは最初の2個を。うーん、甘い、おいしい!
こんなことだけでかなりお手軽に回復し、行動速度が上がります。先ほどの分岐点ですでに16時近かったため、日の長い季節とはいえあと一時間以内には下りきらねばなりません。可能な限り走れるところは走り、川原を駆け抜けます。朝には苦労した巻き道も楽々クリアーしました。今なら変移抜刀霞切りや四本しめじの術も使えるかもしれない!と有頂天になっていましたが、何のことは無くストックがあるためバランスがとりやすくなっていただけでした。
結局その後1時間ほど川原と林道をチョコをほおばりつつ歩き、駐車場に着いたのは行動限界時刻と考えていた17時でした。


・忍者には会えないままでしたが、きっと忍者はこのような山林で修行したに違いない!と考えるだけでも楽しく、笹薮こぎという苦行のなか、気を紛らわすのには最適でした。
・行動食を3食と昼食を持っていっていましたが、行動時間を読み間違えたため非常食も摂ることとなってしまいました。計画についてもう少し余裕を持たせる必要があったようです。
・実は靴(SPORTIVA TRANGO S EVO GTX)のテストも兼ねていましたが、予想以上に足になじみ、ガレでも比較的安心して下ることができました。また、濡れにも強くジャンプ失敗時には何度か助けられました。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:3486人

コメント

40年前遭難
 子どもの頃、家族同伴のハイキングで、角間渓谷から烏帽子岳に登る沢を登り、稜線直下のガレ場で断念して引きかえし、宿への帰着が遅れ、捜索隊が出る遭難騒ぎとなったことがあります。
 もう一度、あの道を行って、今度はちゃんと走破してみようかと思い、探していたら、このレポにたどり着きました。
 結構、大変な道になっているようで、躊躇しています。
 貴重なレポありがとうございます。
2013/9/6 11:50
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら