【西表島ジャングル沢旅】ヒナイ川〜板敷川〜ギンゴガーラ川〜仲良川
- GPS
- 80:00
- 距離
- 27.8km
- 登り
- 656m
- 下り
- 671m
コースタイム
11日:C1ー(1:30)ーマヤグスクゴルジュ上ー(0:40)ーマヤグスクの滝ー(0:45)ー板敷川出合ー(2:00)ーカンピレーの滝C2
12日:C2ー(1:00)ーギンゴガーラ沢出合ー(1:00)ー大滝下ー(2:30(タイムロスあり))ー大滝上ー(2:00)ー北斗三股ー(2:00)ー分水嶺ー(2:00)ー仲良川本流ー(0:15)ーC3
13日:C3ー(1:15)ーうるわしの滝下ー(1:00)ー船着場ー(4:00)ー白浜
天候 | 概ね太平洋高気圧圏内 晴れ時々にわか雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
分水嶺付近の地図読みは難しい |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
タイツ
ズボン
雨具
ザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
ナイフ
カメラ
ロープ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
スリング
ロープスリング
ハンマーバイル
渓流シューズ
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感想
さて、今年の夏は大胆にも10連休をとって、学生時代の思い出の島、西表を訪れた。
大学1年のとき、北海道とは違うその強烈な自然の有り様に圧倒され、そして魅了され、大学4年のとき再訪することとなる。
4年のときの計画は、1年のルートを踏んで更にその先へというものだったが、西表の奇っ怪な地形に阻まれ完遂できず。
今回は、ユツン川だった入山ルートをヒナイ川に変え、完遂できなかった沢を目指すという目論見だ。
9日 5年ぶり3度目の西表島
台風14号と入れ替わるように石垣島に入り、船も無事に出たので翌日には西表へ。
まだ台風の爪痕が島のいたるところに残されていた。
10日 いざ南国のジャングルの沢へ
毎度お世話になるミトレアキャンプ場に一泊し、荷物を預けて夜明けとともにヒナイ川の河口を目指す。
干潮には少し早く干潟は現れていないが、歩く分には問題ない。干潟の奥の森に白い筋落とすピナイサーラの滝を目指す。
黎明の干潟を歩を進め、再び西表の大自然に入り込んでいく期待と不安の両方が高まる。迎えてくれているのか、阻もうとしているのか分からないマングローブ林を進んでいくといよいよ沢らしくなってくる。
最初は踏跡を歩いて、ピナイサーラの滝へ。
沖縄県下最大の直瀑を誇る滝で落差50mほどあるはずだ。
いつもなら、滝壺遊んだりするところだが、今回ははじまりの通過点でしかない。
カヌーの船着場まで引き返し、少し迷いながらも巻き道を見つけ、滝上へ出る。
滝上からは南国の海が望め、すでに干潮を迎えたのか干潟がその姿をあらわしている。こんな景色はやはりここでしか見れない。次に海を見るのは下山の時だ。
そして、振り返ってヒナイ川の上流部を進んでいく。
西表の沢らしく緑色の淵が続き、胸まで使って泳いでいく。
沢の規模のわりには明るく、ときおり出てくるナメも美しい。
鬱蒼としたイメージの強い西表のなかで、巨岩もないヒナイ川はかなり癒し系だ。
しかし、植生は本州とはまったくことなり、巨大なシダや照葉樹が繁茂している。
少し進むと10mの滝が出てくる。登れないので右岸巻き。
西表はスパッと切れた崖地形が幾重にもあり、そこに滝が滝となっている地形が多く、滝は取り付く島もないものが多い。
思ったより人が入っているのか、巻き道はしっかりしていた。
そこからも淵が連続するが、そのなかをピューッと動いていく生き物がいる。
最初はカエルかと思っていたが、よくよく見るとテナガエビだ。大きい物はアメリカザリガニくらいもある。食べたら美味しいのかな?
続いて、すだれ状4mの滝が現れる。これはなかなか綺麗。
やっぱり直登できないので、左岸からまく。
上流部でもなお、水量はなかなか減らず淵と川幅いっぱいのナメが交互に出てくる感じだ。
水が少なくなってからは、地図とにらめっこ大会。
西表の上部は微沢・微尾根が入り混じり、地図読みがとても難しい。
かくいう自分も、4年生のときに、ユツン川からユツン川にのっこすという痛い目をみているので、なおさら慎重だ。
丁寧に微沢を確認しつつ、いくも最後の方は結局わからなくなり、コンパスを頼りに進んでいく。
ツタ混じりの鬱陶しいブッシュをかき分け、なんとか向こう側の沢に出るが半信半疑。蛇行しているのか、コンパスの方向はあったり合わなかったり。枝沢を確認するも確証が持てない。
少なくとも、目指す方向とは違う沢には入っていないだろうということで、どんどん下っていく。
大きな滝はほとんどなく、うまく巻いたりしながら下っていける。
滝で合流するco220二股を過ぎた当たりでお恐らく正しく板敷川の支流に入っているだろうと確信する。
co205付近に7・8mほどの滝があり、左岸から大きく巻いて下る。
そうこうしているうちに、大きく緑色で曲がりくねった板敷川本流に辿り着いた。一安心。
本流合流直前に、巨大なウナギが慌てるように岩間からあらわれ本流の流れの中に消えていった。
あとは適当に泳ぎながら下っていく。
左岸に出ているナメ岩の上にテンパって行動終了。初日から充実した行動。
今回導入したモンベルの防水袋は素晴らしく浸水は無し。買ってよかった。
晩御飯はレトルトだが、コンビーフいれたりしてなかなか長期の沢とは思えない充実っぷり。
でもこれくらいのほうが英気が養えていい。
日が暮れるのは7時すぎくらいで8時位までぼんやり明るい。
ぼーっとしていると、アブラコウモリなんかよりはるかに大きいコウモリが飛んで行く。あれはいわゆるフルーツバットの大きさだ。ヤエヤマオオコウモリだろう。
しまいにはホタルまで飛び立ち始める。時期は5〜6月らしいがピークを過ぎても年中いるんだろうか。今年はホタルを見そこねたのでよかった。
ときおり謎の鳴き声がこだまするなか就寝。
11日 マヤグスクを超えろ
今日は今山行の核心の1つ、マヤグスクのゴルジュを突破しなければならないので、少々緊張気味。
まぁ、懸垂するポイントを見誤らなければなんも問題ないのだが、1年生ときの懸垂宙吊り事件のトラウマを払拭せねばならない。
朝イチから緑色の淵に飛び込んで泳いで行かなければならないが、全然寒くないので苦にならない。
むしろ背中の重みを忘れられて、楽なくらいだ。
いくつかナメを見て、巨岩帯を超えると、川幅いっぱいのナメが何段もの滝となり、まるで遺跡のような地形となる。
朝日に照らされ美しさここに極まれりといったところか。8年前に来た時から忘れられない光景だ。
そして、大きい板敷川の流れが、狭いゴルジュへと収束していく。
ついにゴルジュだ。その入り口はおどろおどろしくもある。
ゴルジュ手前の滝やナメを眺めながらしばし休憩して、突破にとりかかる。
右岸のバンド状を進んでいく。
大ゴルジュは、それまでの遺跡のような地形ごとゴルジュに収束されていき、さながら要塞のような地形だ。
ゴルジュの底まで2~30mはあるだろう。
落石等が転がるバンドをブッシュをかき分け行けるところまで進んでいき、ほぼ出口に近いところの灌木をピンに懸垂する。
最初ピンにしたところかは届くか微妙な気がしたので、再度5mほど段差を下りたところの灌木をピンとする。
ロープを投げて慎重に降りていく。こんなに高いところからの懸垂は久々で緊張するが、振られたりすることもなく、無事滝のテラスの上へ。
ゴルジュ内の水流の強いところに下りてしまうのでは警戒していたが、なんとかいいルートを選べて一安心。ロープの残り的に20m強の懸垂。50mザイルじゃないと心もとない。
tentyoも無事降りてきて無事突破。なかなかに嬉しい。
せっかくなので、ゴルジュの中に入りなおして見学。入り口の段差は左岸から慎重にへつる。
奥に大きな滝も懸かり本当に迫力の大ゴルジュだ。
かつて宙吊りとなったねずみ返しもよく分かる。
迫力もさることながら、この収束した流れがマヤグスクの滝上のテラスに末広がりに一気に開放されていくのも見事といえる。
ゴルジュを見学し、テラスでひとしきり遊んで、マヤグスクを下ろしていく。左岸が降りやすい。
そして、滝下へ。10mほどの幅広の階段上の滝といってしまうと魅力が伝わらないが、見ていて飽きない美しいく大きな滝。
マヤグスクとは「猫の城」という意味だ。ゴルジュの両岸を耳にでも見立てているのだろうか。
見た目もそうだが、板敷川の入口付近に位置し、入渓するものの行く手を阻む名実ともに城と言えるだろう、
また来ることができてよかった。ゆっくり休んでその姿を目に焼き付けた。
マヤグスクから下は規模も大きくなり、もはや川だ。
飛び込んだりナメを楽しんだりしながら板敷川出合へ。
ここで、西表の横断道と合流。道を歩いて行くが、台風の影響下道が荒れまくっていてとてもだるく、おまけに暑い。
ときおり不明瞭となる道をデポ旗たよりに進んでいき、倒木を越えツタにからまれ、ピナイサーラの滝まで辿り着いた。
ここはこれ以上ないというような巨大なナメ滝。
日当たりも良くてとても暑い。荷物を広げて乾かし、プールで泳いだり、テナガエビを探したりして遊ぶ。
晩御飯は沖縄名物ジューシー。今日もつまみもいっぱいで泡盛を飲んでご満悦。
夜はとんでもない星空が見えたが、ときおり雨が降ってきたりしてテントに逃げたり少し慌ただしかった。
12日 ギンゴガーラのっこし
今日はギンゴガーラを遡行し、のっこしまで狙う。コースタイム的には長丁場だ。
時間の懸かり方次第では、もう1日追加もありうる。
マリュウドの滝を通り過ぎ展望台から適当に下ろしていき、浦内川本流をちょっと下りてギンゴガーラに入っていく。
ギンゴガーラは苔むした沢で他の西表の沢とは少し違う雰囲気。
少し進んだところにある3mの滝はsamoa荷物を上に放り投げ空身で右岸直登。tentyoは右岸から巻く。
その上からは苔むした巨岩帯が続く。なかなか面倒な巨岩帯をでルート取りが重要。ときおり巻きも迫られる。
ギンゴガーラの大滝手前から左岸を大きく巻いて、大滝下へ出る。
大滝はco150の崖マークの切れ目だ。ピナイサーラには高さは劣るが3段になって迫力を持って降り注ぐ見応えのある滝だ。
さて、4年生のときはここまでだったが、今日はその先を目指す。
記録では100mほどもどった右岸の支沢を詰めるとなっているが、左岸を進んできたので見落としてしまった。
少々探して、なんとか記録通り滝を持った支沢を見つけることができた。
滝は2つ続き、1つ目は直登できるが、2つ目は右岸から巻く。微妙な段差を超えるところは落石注意。
そこからは滝の落ち口の高さを見ながらブッシュを漕いでトラバース。そして大きな沢型へ出るが水はない。
これは、記録でいうところの横切る微沢と思い、滝の水が出てる落ち口を目指す。
しかし、巨岩や大きな段差に阻まれ、なかなかたどり着かない。なんとか段差を越えて、落ち口に来るも、落ち口が登れない巨岩に塞がれているので、巻かなければならない。
落ち口の左手から段差を登りブッシュを漕いで落ち口の先にあるはずの沢に合流しようとするもどういうわけか、右手から聞こえていた滝の音が左手から聞こえるようになる。
??? なかなか状況が飲み込めないが少し考えた結果、さっき横切った大きな沢型こそが本流で、あの大滝の落ち口の上には巨岩が積み重なっていて、沢型などないという結論にいたった。
かれこれ今年で沢は9年目でが、こんな奇っ怪なことは初めてだ。
体力と時間を浪費し、さきほどの枯れ沢に戻り、入口の滝を越えて奥へ進んでいくとやはり本流のようで、水をたたえた淵が現れた。
気を取り直して本流を進む。
相変わらずの緑の淵と巨岩帯を進んでいく。西表を訪れた先輩が「グリーンストリーム&ロックプリズン」と表現したのがよく分かる。
ときには淵を泳ぎながら巨岩をくぐったりもする。
途中、高さは3mほどだが下部がハングした滝が出てくる。
攻めあぐねて結局、巻こうとしたところ、岩の上にセマルハコガメを発見。
思わぬ出合いに興奮する。それにしてもかわいい。びっくりしているのか、なかなか顔を出してくれないので、そっとしておくことにした。ちなみに右岸巻き。
その先のナメ床でのたうち回るオオウナギを見つめ興奮する。ここまではっきり姿をみれたのは初めてだ。オオウナギの名に恥じることのない大きさ。やはりあの大きなテナガエビを食べてあの巨体を維持しているのだろうか。
それからしばらく進んで、8mほどの滝。これも巻かと思っていたら、なんとか右岸から直登できそう。ザイルは必要ないが荷物が重いので、空身で登って釣り上げる。
沢幅が狭くなってきて巨岩帯は一段落。どん詰まりのような壁で屈曲した沢を進むとco270北斗二股へ辿り着いた。
ほとんど源流部だというのに、美しい釜をもったいいところだ。
ここを右俣をとって進んでいきいよいよ分水嶺超えへ。今回はほとんど初日ほど難しくはないが気は抜けない。
しかし、それ以上にアトラクションチックな沢が待ち受けていた。
よくわからない巨岩の穴の中をくぐったり、ザックを背負ったままでは通れないような細いゴルジュ(しかもチョックストーン付き)が出てきたりと、まさしくジャングル探検だ。
ちなみに細いゴルジュはsamoaがサスケのように突っ張りと人間ブリッジで突破。
tentyoがザックを押して体を横にして突破した。
そんなこんなで、水も枯れ分水嶺越え。トゲ付きのツルや鋭い葉っぱ、倒木、ブッシュをかき分けて暑さにも負けずに進む。ああ、源頭でブッシュに悩まされるのは久々だ。ときおり日本最大のヤスデ、ヤエヤママルヤスデさんもいらっしゃる。
なんとか、沢型に転がり込むもいきなり10mくらい枯れ滝があり、いきなり懸垂下降。ピンは左岸の木。
それを越えしばらく進むと今回は、早々に地図と方向が一致し一安心。
co300付近の屈曲に8mスダレ状の滝があり、左岸を木をピンに懸垂、3年前の後輩が来た時の物であろう捨て縄があったので回収する。
小さいゴルジュなんかを進んでいくと今度は5mの滝(co220〜250くらいか)。
今度は右岸の木をピンに懸垂。最初が少し滑りやすい。
co180で右俣が綺麗な滝で合流し、その先は階段上の綺麗な滝が続く。ちょっとマヤグスクを思い出させる形状だ。
その後co150くらいからゴルジュが始まる。マヤグスクのように大きなものではないが、中にはいくつか滝が懸かる。
飛び込んだり、ザックを落として足場にしたりして降りていく。
出口付近はナメで綺麗だななんて思って進んでいくと、ナメの中にポットホールがあり、それに躓いてsamoaが右脛を強打ししばし悶絶。不注意でいらぬ怪我をしてしまった。
出口の少し先に10mほどの滝があり、左岸の木をピンに懸垂。これで今日4度目。
こんなに下降で懸垂したのも初めてかもしれない。
懸垂を終えて進むと程なく仲良川本流へ。時間にして10時間以上動いている。
ようここまで辿り着いたもんだ。少し進んだ左岸に適地を見つけテントを張る。
今日は麻婆春雨。最後ということでスパムやらフルーチェやら色々登場。
今日の疲れが癒やされる。適度に食事を貧相にしなかったのが勝因の一つかもしれない。
今日もホタルが飛び交う。一昨日よりも多い。ヘッドライトを消すと落ち葉がぼんやり光っている。なにか発光菌がいるのか落ち葉や朽木が蛍光するのだ。
まるで、星空を地面に映したかのようだ。神秘的な光景を目に焼付け西表のジャングルの中での最後の夜を過ごした。
13日 旅の終わり 終着の海へ
今日で山行は最終日。最後の大滝うるわしの滝を越えて仲良川を川下りして河口の海を目指す。
微妙に天気が悪く少し雨も降ったがほどなく回復した。
テンバからうるわしの滝上までは規模も大きくなり、ときおり滝が現れる。
後輩は段差と表現したが、滝だろう。まぁ、対処もせずに適当に下りれるので段差っちゃ段差だが・・・。
うるわしの滝上からは、さすがに海は見えなかった。
左岸の巻き道とやらを探しながら適当に下りる。途中微妙に行き詰まったあたりで周囲を探すとトラロープを発見。
ロープを辿ったり踏跡っぽいところをいって、ほどなく滝下へ。
そして、今山行最後の大滝であるうるわしの滝へ。
これまでの西表の大滝とはまた違う、水量の多い末広がり型の見事な滝だ。
ここまでなんとか辿りつけて本当に良かった。滝の感動もさることながら、そんな気持ちになった。
記念写真撮ったり、滝行したりして思い思いに過ごし最後の滝をあとにした。
その先は特になにもなく、飛び石をしたり踏跡使ったりしながら船着場まで。
ここからは本当に川だ。なんかウグイみたいなフナみたいな魚も泳いでいる。
みかん缶を食ったりして大休止をとって、ここまで温存してきた浮き輪を膨らます。
ザックと合わせてイカダでも組もうかと思ったが、普通に浮き輪をつけて泳いでいくのが楽そうだ。
大きなザックに浮き輪というアラサー男子と女子がするにはあまりに無様といえるような格好で仲良川下降が始まった。
もう考えることなど何もない。泳いだり、そこに足が着くところは歩いたり、白い雲と青空と南国の日差しのもとのんびりと進んでいく。
西表名物サガリバナなんかも一緒にプカプカ浮いている。
うるわしの滝に行くのだろうか、カヌーツアーの人たちとすれ違ったりもした。
さぞ奇っ怪に見えたことだろう。
いつのまにか両岸の植生もマングローブとなり、川の水とは違う温かい水が交じるようになったな〜と思っていると、河口付近の広大な干潟に辿り着いた。
思っていたよりも広大で、気持ちが良い。
思い思いに干潟を歩く。シオマネキやトビハゼ、シギの仲間など干潟の生き物がたくさんいる。
コメツキガニの作った泥つぶはあるが姿が見えないと思っていたら、少し水が残っているところにいた。
それも尋常な数ではない軍隊のようだ。近づくと慌てて泥に潜っている様がかわいらしい。これだけいるのならば、無限とも思える泥つぶの量もなっとくだ。
干潟を越えて、少し浅くなった川を歩いたり泳いだりして屈曲を越え再び干潟が始まろうというところで、右岸に仲良川の起点の石柱を発見。
ついに海へ辿り着いた。思えば入山も干潟だったので、海から海を繋ぐ山行となった。
仲良川の入口を回りこむとまたしても広大な干潟が。
しかし、今度は白浜の街が見える。後輩の記録に、この干潟に辿り着いたときの気持ちは行ったものにしか分からないと書いていあったが、確かにそのとおりだ。
ああ、これは山行の終わりしては最高の部類に入るんじゃないだろうか。
内離島に向かう船などを眺めつつ干潟を歩いて、途中の小滝でベトベトになった体を洗い流したりして、街の端っこにある学校跡に辿り着いた。
3泊4日の沢旅を完遂したのはいつ以来だろうか。そもそも3泊4日の山行自体が久々ではないだろうか。
楽しいことばかりではなく、しんどいことも多かった。けれどそれを含めて山行だ。
日帰りや1泊2日では、この胸一杯の充実感と達成感は得難いものだ。
ここまで辿り着けて本当によかった。
白浜でのんびりバスを待ってミトレアキャンプ場へ帰る。
キャンプ場の近くのぽっけという居酒屋に行って現地慰労会。これが大当たり。
アカマンボウやリュウキュウイノシシの刺し身、さまざまな島料理を食べ泡盛を飲んで、大満足。
キャンプ場への帰り道の星空は本当に素晴らしい物だった。
14日
昼過ぎの便で西表を出るためしばし時間がある。
散歩でもと思ったが、せっかくなのでバイクを借りて自然センターで。
無料で入れるが、展示はなかなか充実。山行でみた生き物を再確認したりする。
そして、食堂で八重山そばではなく豚丼を食ったりして、高速船に乗り込み西表をあとにした。
もうしばらく来ないかなとちょっと思ったが、西表の自然は唯一無二だ。
この野性的な自然があるかぎり、どんな形になるかは分からないが、必ずまた足を運ぶだろう。
来るたびに快く迎え入れてくれて、忘れ得ぬ経験を思い出をくれる西表に感謝しつつ眠りに落ちていった。
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