利根川水系片品川根羽沢大薙沢右俣遡行・利根川水系小川四郎沢下降


- GPS
- 06:20
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 898m
- 下り
- 705m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
四郎沢は、沼田から鎌田乗り換えで丸沼高原スキー場までバスがある。 ただし、いずれも本数は少ない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回のルートは危険箇所なし。 |
その他周辺情報 | 下山後は丸沼高原スキー場にある座禅温泉で入浴 |
写真
右から簡単に登れる。
下降する場合は、上段と下段は問題ないだろう。
初心者同行の場合、中段は経験者が先に降りて、指示しながら降りてもらうのがいいのではないかと思う。
装備
個人装備 |
沢靴(1)
沢用靴下(1)
ヘルメット(1)
ハーネス(1)
環付きカラビナ(2)
カラビナ(3)
スリング(60cm)(2)
スリング(120cm)(1)
水筒(1)
行動食(1)
地形図(1)
コンパス(1)
トイレットペーパー
GPS
カメラ
ザイル(8mm×30m)(1)
|
---|
感想
1 記録
(1)序
以前から、根羽沢大薙沢(右俣)と四郎沢が気になっていた。
前者はトポでは2級となっていることから、
後者は公共交通機関利用だとなかなか行きにくいことから、
いずれも計画を立てていなかったが、記録を見ていて大薙沢右俣と四郎沢とは
いずれも四郎峠に詰め上がることに気がついた。
また、大清水まで夜行バスを使い、帰りは丸沼高原スキー場まで歩けば、
夜行日帰りも可能であることにも気がついた。
そこで、大薙沢右俣と四郎沢をつないで歩くこととした。
(2)入渓点まで
新宿発の夜行バスは3時50分に大清水に到着する。
朝食を食べたりベンチでうとうとしたりして明るくなるまで待って出発。
大清水の休憩所からほんの少しだけ沼田方面に戻ったところで
片品川に架かる橋が大清水橋で、ここから根羽沢沿いの林道を歩く。
1箇所井戸沢に向かう支線が分岐するが、まっすぐ進めば問題なし。
30分ほど歩くと、入渓点の物見橋に到着。
この物見橋の際が大薙沢の出合である。
ちょっとゆっくりして6時15分ころ入渓。
(3)二俣まで
入渓後すぐに5m滝が見えてくる。
右壁を登れそうであるが、単独行であったこと、
寝不足のせいか何となくふらつく感じがしたこと、
および朝食べたものが良くなかったのか何となく気分が良くなかったことから、
少し逡巡して巻くことに決定。
トポには右岸を巻くとあるが、バランスを崩したら落っこちることに
変わりはないので、右岸上部の軌道跡まで登って高巻いた。
後ろめたい気持ちになりながら立入禁止の柵を乗り越え、
次の柵の手前の適当なところから笹をつかんで沢床へ降りた。
軌道跡が大薙沢を渡るところにある、深めの釜を伴う
1mくらいの小滝は右岸側をへつって通過。
それほどよいホールドやスタンスがあるわけではないが、それほど難しくない。
もっとも、初心者にはお助けがあるといいかもしれない。
この小滝を通過してからは、時折ナメが姿を現すものの、
ゴーロが卓越していてあまり面白くない。
二俣には7時20分ころ着いた。
(4)3段10m滝まで
二俣から右俣に入り、多少ナメが増えてくるが、依然としてゴーロが優越しており、
本当にこの先ナメがあるのかと少し疑問に思い始める。
トポには3段10m滝から上にナメ記号の記載があるので、それを頼みに足早に通過。
3段10m滝は、普通にクライムダウンされるだけあって特に問題はない。
なお、下段は初心者でもクライムダウンできそう。上段は歩いて降りられそう。
中段は、ある程度力のある人が先に降りてスタンスを指示するのがいいと思う。
(5)四郎峠まで
3段10m滝を越えるとトポのとおりナメ。
倒木や石が堆積しているところも少しあるが、
しばらく先の崩壊地までとにかくナメ。
これまで歩いた沢の中でナメの長さでは相当上位にあることは間違いない。
しかも、今回はフェルトソールを用いたが、フリクションはしっかり利く。
このあたりで体調も回復してきたのでテンション上がりまくり。
気の赴くままにガンガン進むと、トポにも記載のある崩壊地に着く。
ナメはここまでで、ここから先はゴーロ/ガレであってナメはない。
四郎峠に詰め上がることが目的だったので、二俣ではきっちり読図。
そのため、ダイレクトに四郎峠に詰め上がることができた。
なお、今回は峠直下まで水流があった。
水量や沢形から本流と合理的に推察される方を選んでいけば、
峠直下までは問題なく行かれるだろう
(ダイレクトに詰め上がる沢形には峠直下で水流がなくなったが、
その辺りまで登れば稜線(登山者がいる場合は登山者も)が見える。)。
登りづらくなってきたあたりで踏み跡に出合ったので、
そこからは踏み跡を用いて四郎峠へ。
四郎峠着9時5分。
(6)丸沼温泉まで
登ってきた踏み跡の真正面に丸沼方面に降りる登山道がある。
この登山道は地形図には記載されていないが、丸沼温泉まで続いている
(通っていない部分もあるので推測。)。
一部不明瞭なところもあったが、テープの類いは大量に設置されている。
すぐ沢形に降りてもヤブこぎに終始することになりそうだったので、
1660mくらいの二俣まで登山道を通り、そこから沢を降りた。
この付近は沢がやや荒れ気味で楽しくないが、1605mくらいの二俣まで降りると、
右俣(水量はこちらの方が多く、こちらが本流と思われる。
地形図にも右俣には水線の記載がある。)はしばらくナメが続くのが見える。
丸沼高原スキー場11時35分発のバスを諦めつつあったことや、
この先ナメが出てくる保証がないことから、
ザックを二俣にデポして右俣上流へ少し散歩。
ナメが終わるところまで行って引き返した。
しばらくの間は時折ナメが出てくるが、それほどは続かない。
ナメが終わってからはゴーロが続き、程なくして堰堤が現れる。
把握した範囲では堰堤は全部で5つあるが、いずれも右岸側を歩いて越えられる
(上から4つめの堰堤は、どうやら左岸側に登山道がついているようである。
この区間は登山道をロストしたが、上がる時に登山道を追うことは容易である。)。
5つめの堰堤から下は護岸工事が施されているので、
そのまま右岸側の登山道を通って丸沼温泉へ。丸沼温泉着10時27分。
ここで沢装備を外して丸沼高原スキー場まで歩く。
丸沼高原スキー場着11時42分。
もう少しいろいろとテキパキやっていればバスに乗れたと思いつつ、
温泉で汗を流して次のバスで鎌田へ。
2 感想
(1)大薙沢
これまで歩いた関東の沢の中では、最もナメが素晴らしい沢だと思う。
ここまで素晴らしい沢だとは思っていなかった。
普通は大薙沢左俣を登ったあとの下降ルートという扱いのようであるが、
右俣それ自体も十分に登る価値のある沢だと思う。
ただ、下山方法が問題である。
物見橋まで大薙沢を降りる方法と、今回のように四郎沢
(または沢沿いの登山道)を降りる方法とがある(他にもあるかも知れない。)。
前者はちょっとだれてしまうかも知れない。
後者は四郎沢がそれほどぱっとした沢ではないことと、
自動車の場合は回送の必要があり、公共交通機関利用の場合は
道路を5km弱歩かなくてはならない点が問題である。
この問題さえクリアできれば、初心者を連れてきても良い沢だと思う。
(2)四郎沢
寄り道した右俣の上流には難しい滝もあるようであるが、
今回下降したルートの場合は難所はない。
難所がないことに加えて、癒やし系との評価もあったため期待していたが、
大薙沢のインパクトが強すぎたせいか、あまり印象には残らなかった。
やや古い記録も参考にしていたのであるが、その後で少し荒れたのかも知れない。
とはいえ、二俣付近のナメは、そこだけ見れば十分に素晴らしいナメである。
四郎岳や燕巣山に丸沼から登る場合は、
四郎沢でナメを楽しんでから登ってもいいかもしれない。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こんにちは!
楽しまれたようですね
数年前に下降に使いましたが、左俣よりはるかにきれい!
その時はビバーク(焚き火)痕が2カ所ありましたが、
ここでの宴会も良いかもしれませんね
比較すると四郎沢左俣はちょっと残念ですが、
下降沢としては安全で良いようですね。
gankoyaさん
しばらくログインしていなかったのでレス遅くなりました m(_ _)m
左俣を遡行して右俣を下降するのが一般的なようなので、
正直なところ、そんなには期待していませんでした。
このところ、期待を裏切る沢が多かったのですが、
逆の意味で裏切ってくれてとても興奮しました。
おかげで、次週に計画していた遡行があまりにショボく感じられてしまい、
無期限延期になってしまいました ^^:
今回のビバーク跡は、大薙沢の出合に1箇所だけありました。
ここで宴会するとなると、出合までは林道歩きなので、
お酒を持ち込みすぎるかもしれません。
右俣は初心者でも登れるでしょうし、大清水までも簡単に戻れますし、
初心者にビバークの楽しさを覚えてもらうためにはいいルートかもしれません。
四郎沢も、きれいなところはきれいなのですが、比較対象が悪すぎました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する