御嶽山剣ヶ峰(長野県側 田の原から)



- GPS
- 05:54
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 895m
- 下り
- 874m
コースタイム
- 山行
- 6:34
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 7:09
天候 | 山行開始早々まで晴天、無風。 山頂到着時ガスで見晴らせずも、 無風のお陰で、体温が奪われることなし。 下山開始後、山頂でおそらく降雨。 下山時、田の原権現前で神社参拝時における 祝福とおぼしき霧雨の中に身を置く。 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
到着までセンターライン有の片側一車。 7時過ぎ着、まばらに空きがある状況。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ゲイター着用するも、ぬかるみなし。 高低差がないように岩場を選ぶとコースから 逸脱することがあるため注意されたし。 |
その他周辺情報 | 道中、営業している入浴施設がないため、 岐阜県方向のアクアリゾート湯舟沢が最寄りとなる。 |
写真
信仰登拝の歴史は古く702(大宝2)
年、役の小角の開山に始まると
言われています。
国常立尊(くにとこたちのみこと)
天地開闢のはじめに出現し、
造化育成を司る神
大己貴命(おおなむちのみこと)
産業発展、縁結び、子宝繁栄を司る
神様
少彦名命(すくなひこなのみこと)
延命長寿、病気平癒、まじないを
司る神様
この三柱の神を御一体として
御嶽大神と称え、お祀りされて
いるそうです。
感想
ようやく、毎月どこかの山に登るようになった私に、
山が好きかと問われたら、
「それほどでも。」
と答えるだろうが、
今年ほど、まだ二ヶ月あまりを残して自分の中で山に
足を向けた年はなかった。
初心者の3000m級チャレンジとしては、今年最後の
タイミングとなるであろう10月の三連休に、先輩から
お誘いをいただき、通算3回目、今年2回目の御嶽山
に、初の長野県側のルートで挑戦することになった。
最高峰の剣ヶ峰は、未踏であったため、 「挑戦」
である。
が、岐阜県側濁河温泉から往復13kmを超えるとこ
ろ、今回は、往復6km。
私はもちろん獅子ではないから、兎を狩ることはな
いけども、山行も同じく全力を投じなければならない
ことくらいは想像できた。
私にとって「山登り」は「儀式」だ。当日の好天と
体調の万全を祈りながら、体調と装備を整え、前日の
装備の確認と夕食と睡眠で万全を期して当日を迎える。
だから、好きかと問われても、
「それほどでも。」
としか答えが出てこない。
予定日の天気は、三日前から好天が予報されるよう
になった。そして当日、田の原手前から顔を覗かせた
御嶽山は、車中の我々に、一糸まとわぬ姿で出迎えて
くれた。
7時過ぎ、広い駐車場の大半が他県ナンバーで埋ま
る中、ほどよく駐車位置を確保できた。
実は、自分の力が及ぶ範囲は、自分が思っているよ
りも、かなり狭い。だからこそ、人間には予見、予測
が不完全ながら備わっているが、あらゆる事象は、人
知をはるかに超えてくる。山に入る前から早くも救わ
れたと感じた。
儀式の本祭が幕を開ける。足の運び始めにいつも頭
をもたげる、山を登ろうとしている自分に対する疑問
と軽い後悔、そんな鬱々とした気持ちを振り切るよう
に、つとめてペースを上げる。
が、ミホノブルボンやメジロパーマーのように最後
まで足が続く訳もなく、やがて、向こう正面どころか、ペースも作れず、2ハロンと保たずにズルズルと馬群
に沈んでいくような足取りに。
それでも、自分の一歩、一歩が自分を山頂まで連れ
て行くことに疑いを持たなくなり、運動機械となった
自分の体を感じながら、空となった心に頭をもたげて
きたものがあった。
目の前を登る先輩の背中に目をやりながら、
「『背中を見せる』とは、さもありなん。向き合わず
して、向き合うとは、かくあるべし。」と一人うなづ
く自分がいた。
後ろの私に注意を払いながら、自分のペースを崩さ
ず、よどみなく着実に歩を進める私よりも年を重ねた
背中は、語り足らぬことなく、語りかけ過ぎることな
く、私が受け取れる分だけを確かに語りかけていた。
私にはその語りがしっかり届いた。
一方、私の背中はどうだろうか。職場で、家庭で、
それ以外の場で、これまで、私の背中は、伝えるべき
何かを語っていただろうか。
王滝頂上で待っていてもらった先輩に、ようやく追
いつき、更なる高みの剣ヶ峰に向かう背中を見送り、
深く腰を下ろした私は、九合目からの自分の体調がす
ぐれない原因に思い当たった。
ヘッドバンドをしている自分が、幼い頃に行った乗
鞍に持って行ってパンパンに膨らんだポテトチップス
の袋と同じことに気がついたのだった。
やにわにヘッドバンドを外し、先輩の背中を追う。
剣ヶ峰山頂の撮影待ちの列に並んでいる先輩を見つけ、
声をかけた。
山行後に、汗を流すようないい場所はありませんで
したが、霊なる山、御嶽山で、しっかりと先輩の背中
を勝手に拝ませていただきました。
下山後も儀式は後夜祭を迎え、湯舟沢で汗を流し、
腹ごしらえをし、ぐっすり眠ったいい天気の翌朝、
ぼんやりと空を眺め、衣類を洗濯し、登山靴とゲ
イターの汚れを落とし、調節できなくなってしま
ったトレッキングポールのメーカーに修理の手筈
を整えた、さらに翌日、寝具の冬支度を終えたと
ころで、私の儀式はようやく幕を閉じたのでした。
最後に、
志半ばにして、遭難された60名余りの方々の
ご冥福をお祈りして、合掌。
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