裏岩手縦走路・大深沢ナイアガラの滝


- GPS
- 11:10
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 948m
- 下り
- 929m
コースタイム
- 山行
- 11:08
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 11:10
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
縦走路→激藪地獄→沢下り。危険個所は特にない。 |
その他周辺情報 | 大葛温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ヘルメット
|
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備考 | 沢靴でもラバーソールは相性が悪い。特に、ビブラム系はかなり滑る。 |
感想
秋田県と岩手県にまたがる、安比高原・八幡平・岩手山を繋ぐ裏岩手縦走路は、ロングトレイルコースとして人気ですが、この稜線を挟んで、岩手の葛根田川と秋田の玉川にはたくさんの名渓があります。
その源流部の一つ、大深沢の上流には、なかなかお目にかかれないナイアガラの滝があります。
今回、日帰り可能なルートを使って、行ってきました。
<アクセス>
八幡平アスピーテラインの八幡平山頂付近、見返峠駐車場から、松川温泉・藤七温泉方面に向かいます。
畚岳登山口にも数台分の駐車スペースはありますが、狭いので、その下の未舗装の駐車場に駐車します。
<アプローチ>
裏岩手縦走路にある畚岳登山口から稜線を南下していきますが、稜線歩きとはいえ、粘土質で滑る上に、意外と岩が転がっていたり、登山道が抉られていたりしています。
歩き始めて約1時間35分、嶮祖森より少し手前の標高1350m付近から笹薮地獄に突入します。
藪の太さ・硬さもさることながら、頭を超える高さに加え、とてつもない密集度。
完全な笹藪地獄は約200mとそれほどの距離ではないですが、なかなか進みません。
約15分ほどで、地形図では水線はまだありませんが、源頭部付近の沢筋(2か所あり、どちらも地形がストンと落ち込んでいる。)が見えてきます。
ここからは笹薮のトンネルの中を沢筋に沿って下っていくと、標高1310m付近で、通称・赤い滝の落ち口に出ます。
ここを左岸から巻き下ったら、またしばらくの笹藪のトンネルの後、なだらかな渓相の沢を下ります。
ゴーロ帯となりますが、それでもまだ先は長いです。
これが傾斜が増し、大きな岩が増え始めたら、だいぶ近づいています。
途中、右岸の苔むしたところに湧水があるので、喉を潤します。
更に慎重に下っていくと、沢の合流地点に出ます。
大深沢の源流部になっていて、ここに支沢の仮戸沢が合流しますが、大深岳に端を発する北ノ又沢、東ノ又沢が同じところで合流して、大深沢となります。
ここの合流地点も絵になりますが、目当てはナイアガラで、しかも時間は限られているので、コンデジで撮っただけで先を急ぎました。
ここからナメを下ると、いくつか小さなナメ滝があり、200mほどでナイアガラの落ち口です。
ここから左岸を巻き下り、下が見えないところをやり過ごしてすぐ、安全に降りられそうな場所が見えます。
そこから対岸に渡って上流に向かえば、ナイアガラの滝です。
畚岳登山口をスタートしてから約3時間45分(休憩等を含めると約4時間半)、ようやく念願の滝に出会えました。
上空には青空、左右の対岸にはまだ少しだけ早い紅葉が出迎えてくれました。
そのスケール感に圧倒されますが、帰路のことも考えるとタイムリミットは刻一刻と迫っています。
気に入った角度からそれぞれ撮影し、昼食も取りつつ。
さて、少しだけ帰路に就く時間を遅らせ12時15分としましたが、結局、集合写真撮影やらなにやらで、スタートできたのは12時半頃です。
左岸から巻き上がり、落ち口付近に降下したら、ナメの遡行。
通常であれば楽しい遡行なのですが、黒い苔とラバーソールという最悪の相性・・・転ばないように、途中、膝をついて踏ん張り、わずかの岩の凹凸に指をかけ、その力だけで這い上がりました。
いや、むしろ、普通に流れているところで深くないところを選んだほうが楽だったかもしれませんが。
仮戸沢に戻ったら、できる限り右の樹林帯を突破して体力を温存しました。
しかし、それができるのも少しの間なので、諦めて途中から巨岩地帯を中央突破。
なだらかになってもここからが長く、笹藪のトンネルののち、赤い滝を越えるとまた笹藪のトンネルに覆われた沢筋を少し進みます。
最上流部にはいくつか水線跡があるようで、往路の最初の水線地点とは少し別の場所に着きましたが、下から登り返してくると、ここが主線のようです。
そこから急斜面を這い上がったら、地形図で登山道の方角を確認してなるべく方向を変えないように、足元の少しでも藪が薄く見えるところからの笹薮地獄。
顔中に藪が当たりますが、目に入らないように気を付けながら進んで、午後3時35分頃、やっと稜線に戻りました。
登山道に戻ると、朝はガスで視界が悪かった稜線が、青空の下、紅葉もそこそこ進んでいるのが確認できました。
ですが、ここからもまだ先は長いのです。
秋田のメンバー曰く、「自分たちは登山道になると途端に遅くなるから先に行け」とのことで、待たずに行くよう前々から言われていました。
ここからあまり休まず、稜線を戻ります。気づけば後続は見えず、ただ一本道だし、歩くのは早いのですぐ来るだろうと見込んで。
ちなみに、本来であればメンバーの隊列が大きく離れるのは御法度なのは重々承知しています。
紅葉が綺麗でもここは我慢してコンデジのみ。
その撮影以外はノンストップでペースを守り、後ろを振り返ることなくもくもくと歩き続け、午後5時25分頃、ぎりぎりヘッドライトを使わずに下山できました。
さて、登山道方面を見るも後続が来る様子がなく、しかし何よりも標高1500m付近で朝晩の気温が低いこの時期、水に濡れた身体を気温6度の冷え込みが一気に体温を奪います。
保温着を中に着込み、濡れたスパッツを外して、残っていたパンを食べてから、仲間の一人に電話すると、脚を痛め、ゆっくり向かっているところ、とのこと。
そうこうして震えること約1時間、関東からの仲間2人が到着し、装備をバラして見返峠下の駐車場で2台に戻り、温泉に向かいました。
※装備について
ザイルや登攀具・下降具は不要ですので、ヘルメットと沢靴推奨となります。
肝心の沢靴ですが、登山道は小さな岩がゴロゴロした場所もありますが、粘土質の滑りやすいところも多いです。
できることなら登山靴が良いですが、一足で済ませるなら、ラバーソールの沢靴でしょう。
ですが、メインの沢主体で考えると、上流部から結構滑りやすく、しかも、更に終盤は黒い苔が岩にへばりつき、何度も転倒したことから、フェルトソールの沢靴でしょう。
特に、ラバーでもCaravanのビブラムとの相性は最悪と感じました。
同じソールの経験者曰く、モンベルのアクアグリッパーのほうが滑らないとのことでした。
フェルトソールにチェーンスパイクという体制が一番安心かなと感じました。
※おおまかなコースタイム
【往路】
登山口〜(1時間35分)〜笹藪突入地点〜(15分)〜仮戸沢源頭部(水線の最上部)〜(5分)〜赤い滝落ち口〜(1時間10分)〜湧水地点〜(20分)〜大深沢合流〜(10分)〜ナイアガラの滝落ち口〜(10分)〜ナイアガラ滝下
【復路】
ナイアガラ滝下〜(10分)〜ナイアガラの滝落ち口〜(10分)〜大深沢合流〜(25分)〜湧水地点〜(1時間15分)〜赤い滝落ち口〜(8分)〜仮戸沢源頭部(水線の最上部)〜(20分)〜笹藪突入地点〜(1時間45分)〜登山口
※その他
今回、紅葉とセットで見ることができましたが、我々はそこそこ早いペースでしたので、通常で往復9時間程度と見積もり、更に撮影も含めると時間が足りないのは明白です。
日帰りを狙うなら、日の長い時期を推奨します。
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