掃部ヶ岳(かもんがたけ:榛名山)


- GPS
- 05:16
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 392m
- 下り
- 393m
コースタイム
- 山行
- 3:41
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 5:16
天候 | 快晴・微風・適温 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
硯岩直下20メートルくらいは、厳しい急登で斜面が少し濡れていて、とても危険。ここは鎖かロープがあってしかるべき。硯岩分岐からのと掃部ヶ岳への800mの、ほぼ半分くらいが小丸太の階段で整備されていますが、すでに土礫が洗い流されているところが大半。とても登りにくい。濡れていると、丸太の上はとても滑りやすいので、要注意。 |
写真
感想
♠連休、絶好天候、紅葉狩り――榛名山?
連休で絶好の天候と紅葉狩りシーズンです。どこか山に行ってみたい。できれば高齢になったKAMIさんにも山と紅葉の自然を味わわせてやりたいけど、どこがいいだろうか? KAMIさんは普段山登りはしないので、初心者でも登れる山じゃないと……。
こうして、榛名山に決めました。しかし、ここにはルートがたくさんあります。代表的なルートは榛名富士。ロープウェイもありますが、多分メチャ込みするだろうし、ハイキングでは物足りない。その対岸に「掃部ヶ岳」のコースがありました。調べたら、初心者コースで階段が整備されていました。
♠KAMIさんの登山しない派の高齢者
KAMIさんは大病をしたことがありますが、今はジムにも通い、体力がついてきていたので、二、三度山に連れて行ってみましたが、ジムとは違い、山は大変です。バスで3000m級まで登れる乗鞍岳では、少し登っただけで酸素が薄くて難渋。2000mの美ヶ原の高原の水平移動は問題なし。超低山で100mくらいは何とかクリア。30年くらい前に一度富士山には登っていますが……。
さて今回は、初心者コースとはいえ本格的な登山です。KAMIさんには300mくらいの登りと伝えましたが、どうなるか。シューズは履き慣れたハイキングシューズですが、ローカットで不安でした。
いざ登ってみると、硯岩分岐のところまでで「フウフウ」。頑張って硯岩だけは登ろうと誘いましたが、何と硯岩は分岐から数十m程度の登りですが、急登でした。しかも少し土砂が濡れています。ストックが使えないところでは木の根や岩や石を掴んで登らせ、やっとのことで硯岩からの超絶景を堪能できました。
♠限界を訴えるKAMIさんに上りスイッチがカチリ
問題はこれからです。急登は20mくらいなのですが、「どうしてここにロープか鎖がないのだろうか?」と疑問を感じるほど、簡単ではない急斜面でした。やっとのことで無事下山。
分岐のポイントで、「さあ、どうする? 登る? 下りる?」と確認。「普通の道ならいいんだけれど……」というので、「登れるところまで行って、ダメだったら引き返そう」と、掃部ヶ岳へのルートに踏み出しました。
最初は緩く、歩きやすかったのですが、だんだんと登りが始まり、小丸太の階段の道になりました。これがかなり足場が悪く、滑ってバランスを取るのが難しく、難渋しました。
上から何人も下山してくる方とすれ違いました。そのお一人にあとどれくらい階段が続くのか伺うと、20分くらいという情報。そんな下山者との会話をしているうちに、KAMIさんのプライドにスイッチが入りました。
♠高齢者、体力の限界を超えて、めでたく登頂(拍手)
苦しそうなので「下りる?」と聞くと、「せっかくここまで来たので、登る」というのです。
こうして、「はあはあ」としばしば立ち止まるKAMIさんは、ついに400mほどの登りを登りきりました。
体力が低くても、それなりのペースでトライすれば、山はなんとかなるものです。下山はまた大変でしたが、登りよりもずっと早く(標準より遅いですが)できました。
そんなわけで、今回は私は普段のように汗もかかず、息も切れず、疲れもほとんど感じませんでした。足指のずれや大腿部の筋肉疲労もほとんどなかったのです。
この登山ルートは、シンプルな山型で、アップダウンはほとんどなく、登りと下りだけ。しかし短距離で400m近く高度を上げるため、そこそこ力を使います。どこでもこれくらいの登山をすると太ももに乳酸が溜まって筋肉痛になりますが、今回は筋肉痛がありませんでした。ゆっくりと休みながら登ると、休んでいる時に乳酸が解消できるのでしょうか? それで筋肉痛がなくなるのでしょうか?
♠登り方の改善
この山に登る数日前、長い階段を登っていて登り方に一つの気づきがありました。
これまで、一歩登るたびに脚力で蹴り上げるようにして登るよう心がけてきました。蹴り上げると、一歩上ったところで膝が伸びきります。ところが、たまたま脚力で蹴り上げるのではなく、段差を上る分だけ脚を前に出して下ろし、次には逆の脚を上げるという方法で、体重だけを前にずらす方法で上ってみたのです。この方法だと、一歩昇る度に膝が伸びきることがありません。絶えず少し縮んだ状態が維持されます。この方法で上ると、なんとなく疲れが小さいことに気づいたのです。
この上り方のヒントはなんば歩きです。決して大股にならず、必要最小限の分だけ前に脚全体を片方ずつ動かします。着地ではベタ足です。つま先やかかとに体重をずらしてかけません。足裏全体にそっと体重をかけます。
なんば歩きは能の歩き方だと聞きました。常に両脚は伸びきらず、少し屈折していて、この状態で体重だけ水平に移動させると、この走法になります。これを階段の上りに取り入れてみたのです。
一歩一歩脚で蹴り上げて膝を伸ばして上ると、結構体力を使い全身が疲れます。ただし脚のふくらはぎは楽です。
山歩きでは、私はしばしばふくらはぎがパンパンになって痛くて困窮しました。なぜか分かりませんが、自分の歩き方の問題で、どうも私は歩くときにふくらはぎの筋肉を主に使う走法をしてきたようです。その歩き方は山歩きではすぐに上れなくなるほど疲れました。そこで考えたというか、教えてもらったのです。脚の太ももの裏の筋肉で蹴るようにして上る方法を。
確かにこの方法は時々高い段差を上るときに使います。そこでこの走法を普段の山歩きでやるようになりました。確かにふくらはぎは楽になってそれほど痛むことがなくなりました。ところが、身体全体の疲労感がありました。身体を上に上げるので、疲れることは当然です。そう思ってきたのです。
ところで今回は、その走法ではなく、数日前にやってみた、ちょこっと脚だけ前に移動させ、膝を伸びきらせない上り方で実験してみました。その結果なのかどうか、今後もっとやってみないと言い切れませんが、何となくとても楽に上れるような体験をしました。
その結果なのかどうか、とりあえず400mほど上り下りしたのに筋肉痛がほとんどないことが不思議です。歩行が極端に遅いKAMIさんの速度に合わせたため、上っては休み、上っては休みを繰り返すたびに、乳酸疲労が解消されたのかもしれません。
また、次の登山でやってみます。とても楽しみです。
♠因みに紅葉は、もう少しあとか?
因みに榛名湖畔や山々の紅葉は、黄色く色ついたところは多々ありましたが、紅葉シーズンといえるのは、もう少しあとかもしれません。この快晴のすごしやすい日でしたが、陽射しがピーカンで半袖でも歩けるほどでした。もう11月の初冬のはずなんですが、暖かいのです。
それから、折角来たので、榛名富士にロープウェイで上ってみようかと行ってみました。15時くらいで、まだ太陽がたっぷりあり、ロープウェイから絶景を愉しむつもりでしたが、なんと100人を超える乗車待ち。残念ですが、榛名湖畔をあとに、伊香保温泉の有名な階段があるルートで、途中で温泉饅頭を土産に買って、渋滞の帰路につきました。
あとの祭りですが、榛名神社を経由して帰る道路もあったのですね。ぜひ神社にお参りすべきでした。ところで、榛名富士と榛名神社は、私の大好きな[鬼門]方位関係にあることを、あとで確認しました。思い起こすと、掃部ヶ岳には、信仰の社的をものが、ほとんど痕跡も含め、見あたりませんでした。これはとても奇異なことです。頂上にはただ頂上があるだけでした。
そもそも、「掃部ヶ岳」の「掃部」……最初は、どう読むのかわからず、調べたところ、「掃部とは、古代の職名で、宮中の掃除や敷物・設営などを担当していた」役職で、古くは「かむもり」と訓じ、「かもん」と言われるようになったことをしりました。正直、教養なき私は、このことを生れて初めて知りました。無知で不教養な自分を恥じます。
それはそうとして、なぜ、榛名湖の外輪山でもっとも標高が高い(榛名富士より50mほど高い)のに、頂上に社の痕跡らしきすらないのか、いまになって、むくむくと疑念が湧いてきましたが、それはまた、次にしましょう。
快晴・無風・快適な秋の季節に、山行をKAMIさんといっしょに登れたことの幸せを、ひっそりと胸の奥にしまうことにします。みなさん、そのことは見もせず聞きもしなかったことにしてください。約束です。
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