八方BC


コースタイム
天候 | ピーカン |
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過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
この日は、私にとって待ちに待った初滑りの翌日だった。前日の日曜日はゲレンデでパウダーをそれなりに楽しんだが、それはどこか味気なかった。職場や家庭のような予定調和と大きくは変わらないもので、ゲレンデで感動するようなことはまずない。風が出て一時アルペンリフトが止まった。午後には上がって、倉下の湯、漫画喫茶、ショップ巡りなどを終え、翌日の山を楽しみにしながら眠りについた。他のメンバーと自分で異なるのは、片道3時間半かけて白馬に来ていること。平日に溜めたエネルギーと欲がすごい。
前日のうちに場所とメンバーは決まっていたので、当日は計画通り二股に車をデポしてアダムに乗り込んだ。自分は少し列の前の方にいたので、パノラマのコーデュロイを1本楽しんでから、今度はアルペンに乗った。ラッセルがしたかったので、先頭で入山。途中でonestoneと交代して八方池山荘まで。そこで白馬のガイド軍団と遭遇。彼らはプロービングをして積雪観察をしながら、ゆったりといった感じで余裕があったと思う。再び先頭集団で歩き出し、トイレまで。積雪は例年の1月のようなコンディションだったが、12月初旬の平日ということもあり、人はハイシーズンよりずっと少ない。当初、唐松岳まで計画に入れていたが、風と雲でとても望めなかったので、北面を回すことに。
少しトラバースしてガラガラのドロップポイントを探る。標高1900mの稜線上でいったんリグループし、私だけ稜線をカット気味に滑ってからレフト側の斜面を滑り、ガラガラ沢の崩壊地の上に移動。無線でやりとりした結果、他のメンバーはリグループポイントから北東の斜面を滑って、ガラガラ沢に合流することになった。最初にonestoneが滑り出したところ雪崩れた、との連絡が入った。埋没はしていないとのことだったので、その場は現場の上方にいた3名に任すことに(自分の場所からは、登り返しても20分近くかかったと思われる)。
4名が合流してガラの淵に現れたところで、ガラガラを一本(気持ちよく)ボトムまで滑ってリグループ。そこで雪崩の詳細を聞いた。one氏には目に見えるようなダメージも自覚症状もなかったが、ポールを1本失くしたことや精神的ショックを鑑みて、登り返しはやめてそのまま押出沢を下ることにした。途中、私がGoProを失くしたと騒いだが、ふたたび滑り出した直後に、その場の足元に埋まっていたそれを、かなこ氏が見つけて拾ってくれた。二股で2本目に行くかどうか話し合う。one氏からは「お茶して待ってる」という言葉も出たが、最終的に同行することになった。
ふたたび上がってくると、さっきよりも雲が下方にあり、また早く流れている。当初の予定よりも手前からドロップ。2本目は何事もなくスムーズにいって無事終了。雪はとてもよかった。かちょ氏は、常にしんがりを務めてグループをケアしてくれていたように思う。何より、みなさんどこか心に余裕があった気がする(少なくとも私よりは)。
今回の雪崩に関しては、孤立した地形の局所的な不安定性だったと思っている。地形を俯瞰して、積雪も含めて置かれた状況から、より安全な斜面選択をするという観点が欠けていた気がする。滑り面は観察していないためわからないが、どこかでピットチェックをしていたとしても、予測まではできなかったと思う。幸いポールを1本失くしただけで済んだが、次はどうなるかわからない。気を引き締めてシーズンを生き抜きたいところだ。
唐松に行くつもりで装備も持ってきたが、ガスがなかなか抜けず近場で遊ぶことになった。ガイドさんたちが何人か同じようなタイミングで登ってきて、八方池山荘付近で気象観察などをしていた。私たちは先へ行きガラガラ沢を落とすことにする。Tomahawkさんはスキーヤーズレフトの少し離れたところへ移動、残り4人は同じ場所からドロップすることにした。1番手で私が斜面に入った。出だしは少しパックで、柔らかくなってきたなと思った瞬間、左の小さな尾根の雪が割れていることに気づく。尾根に乗ってかわすか迷う間もなく足元の雪もどんどん崩れていった。そのあとは何回転したかわからない。早い段階で両足のスキーとストックが体から離れた。ヘルメットに軽く石がぶつかったように思う。ようやく止まって頭を上げると完全に目が回っていたが、埋没してないことに安心した。痛いところもなさそうだ。手を振って、無事であることを上の人たちに伝える。みんなが降りてくる途中も小さく雪崩れる。ストック1本以外はすぐに探し出してくれたが、落ち残りもありその場にとどまる危険を感じ、早く降りるよう声をかけた。しかし実際は滑走中雪崩れた場合に助けに行きやすいという理由で高めの位置からTomahawkさんの滑走を見届けてから降りることになった。かちょさんはそのまま沢心を滑り、tb、かなこさん、私は中尾根から合流した。
正直に言うと、帰り道での2周目はどうするだとか雪がよかったとかいう会話も、自分の感覚と周りの感覚がずいぶん離れているように思えた。それはおそらく自分の側に恐怖心のバイアスかかっていたのだろうし、トラウマにしないためには早めに上書きしたほうがいいかもしれないと思い、あまり気乗りしないが2周目に行くことにした。
2周目もトップからボトムまでとてもいい雪だった。しかしヒャッホーで記憶を上書きするはずが、正直ちっとも楽しめなかった。とりあえずタスクをやっつけたという小さな達成感は得られた。
今回一番反省しているのは、歩き始めからことが起こるまで雪崩れるというイメージをあまり持たずにいたこと。右側はややノールぽくて落ちそうだな、こっちならいけるかな、となんとなくで滑り出した。穴も掘らなかったしスキーカットくらい入れるべきだったと思う。そして思い返して見るとここのところそういうチェックや緊張感をすっかり失っていたように思う。メンツが強くて、頼りきってしまってたところもあった。
結局雪崩れるかどうか分からない、自然は人間が把握しきれるものではないというのはよく聞くフレーズではあるが、それは大前提の話であって、それを理由に思考停止をしたらそれはただの快楽主義者だ。「おもしろさ」をとるとリスクはついてまわるが、おもしろくならないようにリスクを減らすには警戒と想像を止めてはならず、人間ならそれができると思う。
反省点が多すぎてかなりへこんでいたのだけど、体験する前と後では雪崩に対する感覚がずいぶん変わった。そういう体験ができてよかったと思う。
降雪後の天気のいい月曜日。
元々onestoneさん、私、かちょさんでどこか行こうか〜と話していたところに、日曜日トマさんもナンパして、tbさんも加わり5人に。
私は朝から複数のポカをやらかしました。反省、、、、。
早速トマさんがラッセルしてリーゼンを上がっていく。そこにonestoneさんが続いて、他3名も続く。みなさん速い、、、。
八方池山荘について、その後尾根を上がっていく。斜面はそんなに硬くなく、上がりやすい。2シーズン前の年末年始より尾根上は雪がついているように感じた。
トイレぐらいまで登ると、風と雲が出てきた。行けるところまで、という話だったが、斜面が見えなくなってはしょうがないので、ガラガラドロップすることに。
ドロップポイントまで移動するも、岩が露出しているところも多く、ボーダーのtbさんは移動に時間がかかってしまう。無線を持っていたのがトマ&かちょだったので、tbさんと一緒にいるonestoneさん達の様子がわからなかった。
無事に全員揃ってトマさんは尾根上を移動し、少し先のドロップポイントへ。手前の方がいいかも、ということだったので私含めた4人は手前からドロップすることに。
一人目誰がいく?となり私は基本ファーストにはこだわりがなく、斜度もきつめの斜面だったので、誰かどうぞ〜と言ってonestoneさんがファーストに。
ドロップして2ターン目くらいで雪崩が発生。
発生して、地形的にはそんなに大きい地形ではなかったこと、破断面の深さもとっても深そうではない(50cmとか)、onestoneさんが表層にいて見えていること、幸いにも上に3人おり、この大きさの雪崩なら埋まっても絶対に見つける、と思っていたが、私はスキーの転倒で板が外れず骨折したことがあったので、onestoneさんに骨折など怪我がないか、と祈るような気持ちで眺めることしかできなかった。
かちょさんが大きな声で、「大丈夫ーーーーー??」と聞いたところ大きく手を振って応えてくださったのでちょっと一安心。とりあえず、降りて板とストックを探す。
破断したのでもうスラフは出ないかなと思ったけれど、その後もちょくちょく小さく雪崩が起こる。
板は2本とも見つかった。ストックは1本は紛失。とりあえず、ここから移動しようと、尾根の方まで移動。
そのあともいい斜面はあったが、あんまり滑る気にならず、尾根上のセーフティーと思われるところを滑って、下山。
雪は降って概ね埋まっているが、短時間の大量降雪が影響したのか、表面上は普通でも突然穴ボコがあったりして、注意が必要そう。
二股まで降りてきて、迷いながらも2本目いくことに。(雪は良かった。)
上まで上がるも、雲がまた出てきて、風も朝より強まり、これはもう早めにドロップだねーと、八方池山荘の裏くらいから良さそうな斜面を探して、ドロップすることに。
一箇所目の候補は1周目の雪崩と斜面方位、斜度感も似ていて、私的にはあんまり居心地が悪かったので、対岸のもうちょっと斜度を落とした斜面がメロウで良さそうだったので、そちらに移動。
私は3人目にドロップ。
雪はかなり良く、最高。
滑走を終え5人無事に揃って、パーティーランで下までいく。沢地形っぽくてここも悪くなかった。
夕方二股に下山し、解散して、白馬組は夕飯を食べに行った。
【全体的な感想】
どうしても八方BCに行くとすぐドロップする傾向があるが、
基本的な
・スキーカットを入れる
・ジャンプしてみて斜面が雪崩ないかチェック
・歩いてる時の風紋などから危険な方位の推定
等はやっぱりやった方がいいなと思った。特に今回の斜面は斜度感もあった。
トマさんみたいに出だしを直滑降で雪面にストレスを与えずに滑れるだけの技術もないので、自分のレベルに見合った斜面の選択が大切だなとも感じた。
コンプレッションテストをすることもあるが、毎回しているわけではない。
自分の行動を省みる山行でした。
とりあえずはonestoneさんが無事で良かった。
そして本当に怖かっただろうなと思います。気持ちが落ち着くまで(落ち着く時が来るかはわからないけれど、、、)ゆっくりしてください。
本当に無事で良かったけど、そうじゃないシナリオがあったことも絶対に忘れてはいけない。
八方BCに行ってきました。
前回も色々あったが、今回のはちと焦った。
自分が何ができて、何をしなければ行けないのか?
考えさせられた山行でした。
雪は最高でした。
2週目も日射の影響を受けず生きていた。
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