南アルプス 冬季聖岳東尾根【白蓬ノ頭まで】

コースタイム
2月8日 出会所小屋跡(4:55)→ジャンクションピーク(9:30)→2600m幕営地(14:50)
2月9日 幕営地(7:00)→白蓬の頭(8:30)→聖岳登山口(11:40)→沼平ゲート(15:05)
天候 | 2月8日:曇り時々晴れ(強烈な冬型) 2月9日:快晴 2月10日:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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その他周辺情報 | 白樺荘で入浴 |
写真
感想
「厳冬期の3000m峰を見に行きたい」
冬になるたびに母とそんな話をしながら、数年が過ぎてしまっていた。元々は両親の影響で始めた登山。決して母親をガイドすることが面倒だった訳でない。厳冬期の登山は夏山とは比較にならないほど厳しく、山頂は狙わないと割り切ったとしても、50代後半になる母が楽しめるほど甘いものではないと思っていたのである。
そんな自分が認識を改めたのは、2024年10月、母と甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根に行ったときだった。自分は8合目付近に、岩場の開拓道具を残置しており、冬が来る前にそれらを回収することが目的だった。
そこにフラリと付いてきた母が、8合目で岩場へ向かう自分と別れた後、甲斐駒ヶ岳の山頂を踏み、あっさりと黒戸尾根を日帰りしたのである。黒戸尾根ワンデーというのは健脚の証明だ。それを登山すら久々の状態、どう見ても近所を散歩するオバちゃんにしか見えない装備で成功させてしまうというのは、ある種の才能だと感じた。この体力なら厳冬期の登山にも対応できる。近いうちにガイドしなければならない、と妙な義務感を感じた。今は健脚の母も、あと何年それを維持できるか誰にも分からないからだ。
とにかく雪山らしい体験をしてほしいと思い、行先は聖岳東尾根を選んだ。十分に山深く、それでいて危険個所が比較的少ないのが嬉しい特徴だった。白蓬ノ頭が良い展望地である点もポイントが高い。時期は南アルプスがしっかりと雪山らしくなる2月中旬とした。多忙な母と日程が合わず、事前山行は日帰り布引山の一度きりになってしまったが、よく話をして準備を進めたように思う。
聖岳東尾根に入った3日間は強い寒波で、出発前は不安になったりもした。しかし、「雪山らしい」という意味では、良い条件だったかもしれない。
雪道を恐る恐る車で走り、長い林道を歩いた1日目。
厳しいラッセルをこなして高度を稼ぎ、夜は-20℃まで冷え込んだ2日目。
そして強風で登頂を阻まれ、森林限界から聖岳と赤石岳を拝んだ3日目。
雪煙を纏う3000m級の山々は「神々しい」という表現が良く似合う。雪山らしい厳しさと、それ故の美しさを十分に味わうことができ、母も自分も大満足だった。
少し刺激が強すぎたのではないかと心配したが、後日母に感想を聞くと、「あれくらいならもう一回行っても良いかな」とのこと(笑)
来年は赤石岳の富士見平か、北岳のボーコン沢の頭かな??
…最後になりますが、ウチの母、毎朝4時に起きて仕事の前に2時間くらい裏山を歩いています。本人にとっては努力というより、いつもの習慣なんですね。
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