山行記録: 【白山】ナナコバ山 陽春

天候	晴れ
過去天気図（気象庁）	2025年03月の天気図
アクセス	大杉谷林道は除雪されておらず、起点の200mほど手前で除雪が終わっている。除雪終了点付近に2台分ほどの空き地があったため、そこに駐車した（降雪直後は除雪の邪魔になるため、あまり停めないほうがいいかも）アクセスを調べる my出発地登録
コース状況／危険箇所等	・　大杉谷林道にはまだ除雪が入っておらず、1m以上の残雪あり。・　今週中ごろに降った新雪が山中で30～40㎝ほど積もっており、早朝はバリズボのモナカ、日が昇ってからは泥濘のような腐れ雪となり、かなり状態が悪い。もう少しすれば雪が締まると思われる。

備考	スノーシュー使用

感想

hillwanderer

　先週末は、天候悪化のため、御前峰の山頂目前で撤退した。「自分、山頂にはこだわらない主義なんで…」とクールに構えていたほうがカッコいいのだろうが、そんな素敵な大人になりきれない私は、今週末の晴天の予報に居ても立ってもいられず、再び同ルートを目指した。
　が、ちょっと心配していたとおり、今週中ごろに降った新雪が結構しっかり積もっており、それが最近の陽気で盛大に腐って、悪絶なモナカ雪と化していた。普通のラッセルならとことん付き合うが、バリズボモナカ君には対処のしようがない。開始後1時間で「あ、無理」と早々に悟りを開き、ナナコバ山のぽかぽか陽気の山頂で2時間ほど昼寝して帰ってきました。めっちゃ気持ちよかった。
　しかし、晴れた日のこの山の、なんと美しいこと！　山頂付近のブナ林では、コガラがよく澄んだ声でしきりにさえずっていました。

＜「ナナコバ山」　山名の由来について＞
　早々に山行が終わってしまって、時間が余ったので、ちょっとうんちく。「ナナコバ山」は何とも不思議な山名で気になりますが、「コバ」とは山中や森林内のひらけた平坦地で、樹木伐採や炭焼き等の山仕事で小屋掛けし、根拠地とする場所のことを指し、「ナナコバ」もこれに該当するとのこと（「白山麓焼畑出作り民の山地語彙　その1ー地形中心にー」橘礼吉・山口一男著　より）。
　ナナコバ山には確かにいくつか平坦地があり、それが七つあるので「ナナコバ」と呼ばれたのかも？　山頂の三角点である「三等・七古葉」（相変わらずすごい当て字だ）を点の記で調べると、俗称として「七ツ古葉」とも記されており、やっぱり「七つのコバ」なのかな、という気がします。ナナコバ山の北麓にはかつて苛原（えらばら）の出作り集落が点在していたので、山仕事の人たちがよく入っていたのでしょう。
　ちなみに「コバ」という地名自体は、比良の「牛コバ」「イブルキのコバ」や、鈴鹿の「日本コバ」など他の山地にもあり、やはり山中の平坦地や山仕事の休憩場所という意味で使われているようです。