鹿島槍ヶ岳 荒沢


- GPS
- 13:12
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 1,985m
- 下り
- 1,976m
コースタイム
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 6:32
- 山行
- 6:34
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:34
天候 | 晴れ(暴風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪はたっぷりだが高温で渡渉の水量はやや増えている。沢の側面の底雪崩も多くてややリスキー |
その他周辺情報 | 大町温泉郷で汗を流すか、雪解け水の大川沢にダイブするのも一興 |
写真
風が強く岩登りは危険と思って、北壁側に回り込んで北壁大橋ルートを雪壁登りで越えようと思ったが、トラバースを始めるとキックステップが半分しか入らずアックスのシャフトもなかなか入っていかない固さのところが多い。残念ながらこれでは北壁を滑るどころではない。
感想
鹿島槍ヶ岳は不思議な山だ。バリエーション豊かないくつものフェイスを持っていて、近くまで車道も来ているのに程よく開発から外れていて駐車場やゴンドラの問題もない。山として人気はあるけれどバックカントリーや雪山入門コースの賑わいを思うと冬山としてはまったく静かな山行を楽しめる。リフトアクセスできる山と比べるとお手軽ではないが、何度でも来たくなる。今時珍しい(?)山らしい山と言える。
北面にはレジェンダリーな冬壁、北壁を擁していて、適度に雪が締まり天候が安定する三月は意欲的なアルパインクライマーがやってくる。スキー滑降としても過去に大橋ルート、新井氏のDoze in Heavenの2つのラインが滑られている。どちらも聞く限りでは完全な(初滑降以上の完成度の)リピートはない。僕も一昨年にカクネ里からアプローチしているが、期待を裏切らず首尾よく敗退している。
ACL再建から11か月になり調子もいいので去年できなかった鹿島槍詣でをしておこうかな、ということで時期を探っていたが、パウダーばかりが調子よく、気づいたら三月も終わりになってしまった。しかもようやくプランニングしたら爆風予想である。
天狗の鼻に建てたイグルーは夜中の暴風にも耐え、無事に次の朝を迎えたものの、依然として風は強く、歩きだしたが時々風で引き倒されそうになる。天狗尾根のこの先にある岩登りセクションをソロで板を担いで突破するのはやめといたほうが良さそう。
そうだ北壁に続くトレースをたどって、大橋ルートを雪壁登りしていこう!名案!と考えるも、トラバースもスキーブーツのキックステップが半分も入らず、ピッケルのシャフトを刺すのも苦労するような固さが普通に出てくる。上の斜面を見上げると風で新雪が飛ばされて奇妙にフラットで変な色をした雪面が露出しているが、なるほどこういうことだったか。
今日は僕の日ではなかったということだ。ヨロヨロとイグルーに戻り、装備を風にさらして乾かして丸めていそいそとパッキングして、水と行動食を口に放り込んで逃避体制に入る。
エスケープは荒沢。斜面は滑らかだけれど雪質は素晴らしいクラストとストップ雪とで、ターンするたびに巨大な雪まくりが形成されて追いかけてくる。滑りの快適さから言えば最低のランクに属している。笑うしかない。
もう少しプッシュできたのかなあ、、とも思うが、帰り道では行きにはなかった底雪崩のデブリが随所で行きのトレースを覆い隠していた。いやむしろまたやり過ぎるほどやってしまったのかもしれない。今はとりあえず、膝の手術から一年近くが経ち、泊装備を背負って山に入りデブリを越えてスキーで帰ってこられた。靭帯も切れたりしなかったのだから、ビールでも飲んで喜んでいればいいのだと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する