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Yamareco

記録ID: 7932743
全員に公開
山滑走
白馬・鹿島槍・五竜

鹿島槍ヶ岳 荒沢

2025年03月22日(土) 〜 2025年03月23日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
13:12
距離
17.7km
登り
1,985m
下り
1,976m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:29
休憩
0:03
合計
6:32
距離 7.7km 登り 1,369m 下り 74m
9:38
9:41
370
15:51
宿泊地
2日目
山行
6:34
休憩
0:00
合計
6:34
距離 10.0km 登り 616m 下り 1,902m
6:15
383
宿泊地
12:37
11
天候 晴れ(暴風)
過去天気図(気象庁) 2025年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
鹿島槍スキー場の大谷原駐車場は広い。
コース状況/
危険箇所等
雪はたっぷりだが高温で渡渉の水量はやや増えている。沢の側面の底雪崩も多くてややリスキー
その他周辺情報 大町温泉郷で汗を流すか、雪解け水の大川沢にダイブするのも一興
渡渉の準備もバッチリ
2025年03月21日 17:36撮影
3/21 17:36
渡渉の準備もバッチリ
稜線は風の様相。春の小川はピースフルだが。
2025年03月22日 09:51撮影
3/22 9:51
稜線は風の様相。春の小川はピースフルだが。
大ゴ沢の渡渉。かんたん。
2025年03月22日 09:55撮影
3/22 9:55
大ゴ沢の渡渉。かんたん。
先行者もいる。
2025年03月22日 10:18撮影
3/22 10:18
先行者もいる。
昭和電工の荒沢出合い取水口。この手前でもう一回渡渉。くるぶし丈以下で、これもかんたん。
2025年03月22日 10:46撮影
3/22 10:46
昭和電工の荒沢出合い取水口。この手前でもう一回渡渉。くるぶし丈以下で、これもかんたん。
荒沢へ。
2025年03月22日 10:56撮影
3/22 10:56
荒沢へ。
トレースはさらに荒沢奥まで続いていたが、適当に緩いところから天狗尾根に上がる。雪質がちょうどよく、シールでどんどん進める。幸先がいいぞ。
2025年03月22日 11:56撮影
3/22 11:56
トレースはさらに荒沢奥まで続いていたが、適当に緩いところから天狗尾根に上がる。雪質がちょうどよく、シールでどんどん進める。幸先がいいぞ。
雲も出て暗く徐々に風も強くなってきた。荒沢奥壁が大迫力。尾根が細くなるところで板を担ぐ。第一、第二クーロワールはけっこう傾斜があってヤバかった。荒沢奥壁を見ると午後のこの時間に谷底をダイレクトルンゼに向けてハイクアップしているパーティーが。僕も人のことは言えないが、なかなか冒険的ね。
2025年03月22日 14:46撮影
3/22 14:46
雲も出て暗く徐々に風も強くなってきた。荒沢奥壁が大迫力。尾根が細くなるところで板を担ぐ。第一、第二クーロワールはけっこう傾斜があってヤバかった。荒沢奥壁を見ると午後のこの時間に谷底をダイレクトルンゼに向けてハイクアップしているパーティーが。僕も人のことは言えないが、なかなか冒険的ね。
天狗の鼻でイグルーを作る。強風で氷の層が出ていたりして、吹きだまりを選んで建設。積んでる間にも突風が吹いて何度か崩されて焦る。吹き弱りをついて乱暴に屋根をかけ、上から雪を積んで強化。事なきを得る。
2025年03月22日 17:19撮影
3/22 17:19
天狗の鼻でイグルーを作る。強風で氷の層が出ていたりして、吹きだまりを選んで建設。積んでる間にも突風が吹いて何度か崩されて焦る。吹き弱りをついて乱暴に屋根をかけ、上から雪を積んで強化。事なきを得る。
ヘッドランプ忘れというポカをやり、早出はできず。
2025年03月23日 05:41撮影
3/23 5:41
ヘッドランプ忘れというポカをやり、早出はできず。
天気は良いが雲は不穏。時々担いでるスキーが煽られて押し倒されるような突風が吹く。
2025年03月23日 06:52撮影
3/23 6:52
天気は良いが雲は不穏。時々担いでるスキーが煽られて押し倒されるような突風が吹く。
このフィルムクラスト、厚くね?笑
2025年03月23日 07:13撮影
3/23 7:13
このフィルムクラスト、厚くね?笑
敗退を決め、天狗の鼻に戻ることにした。
風が強く岩登りは危険と思って、北壁側に回り込んで北壁大橋ルートを雪壁登りで越えようと思ったが、トラバースを始めるとキックステップが半分しか入らずアックスのシャフトもなかなか入っていかない固さのところが多い。残念ながらこれでは北壁を滑るどころではない。
2025年03月23日 07:23撮影
3/23 7:23
敗退を決め、天狗の鼻に戻ることにした。
風が強く岩登りは危険と思って、北壁側に回り込んで北壁大橋ルートを雪壁登りで越えようと思ったが、トラバースを始めるとキックステップが半分しか入らずアックスのシャフトもなかなか入っていかない固さのところが多い。残念ながらこれでは北壁を滑るどころではない。
美しいがドラマチックで恐ろしげな天気。
2025年03月23日 07:39撮影
3/23 7:39
美しいがドラマチックで恐ろしげな天気。
お世話になりました。吹込でちょっと雪は被りましたが夜の大風にもびくともしませんでした。
2025年03月23日 08:39撮影
3/23 8:39
お世話になりました。吹込でちょっと雪は被りましたが夜の大風にもびくともしませんでした。
敗退を決めると穏やかになった気がして後ろ髪引かれるのが定期
2025年03月23日 08:40撮影
3/23 8:40
敗退を決めると穏やかになった気がして後ろ髪引かれるのが定期
荒沢にドロップイン。いい斜面だが残念ながらストップ雪とクラスト。
2025年03月23日 18:04撮影
3/23 18:04
荒沢にドロップイン。いい斜面だが残念ながらストップ雪とクラスト。
滑る度に巨大な雪まくりができて追いかけてくる。滑りの気持ちよさは、推して知るべし。
2025年03月23日 18:14撮影
3/23 18:14
滑る度に巨大な雪まくりができて追いかけてくる。滑りの気持ちよさは、推して知るべし。
素晴らしい地形のなか、コケる。もはや気持ちいい
2025年03月23日 18:13撮影
3/23 18:13
素晴らしい地形のなか、コケる。もはや気持ちいい
荒沢に降り立つ。アイスクライミング対象のダイレクトルンゼはほとんど凍っていない。雪は多いほどいいように見えて雪の多い年には独特のコンディションの難しさがあるようだ。
2025年03月23日 09:21撮影
1
3/23 9:21
荒沢に降り立つ。アイスクライミング対象のダイレクトルンゼはほとんど凍っていない。雪は多いほどいいように見えて雪の多い年には独特のコンディションの難しさがあるようだ。
天狗の鼻を見上げる。稜線の上には僕の泊まっていたイグルーも見える(潰し忘れました。すみません、、)
2025年03月23日 10:29撮影
3/23 10:29
天狗の鼻を見上げる。稜線の上には僕の泊まっていたイグルーも見える(潰し忘れました。すみません、、)
アップ
2025年03月23日 10:29撮影 by  HW-01K, HUAWEI
3/23 10:29
アップ
荒沢をさらに下っていく。
2025年03月23日 19:56撮影
3/23 19:56
荒沢をさらに下っていく。
キノコ雪の尾根に篤志家のトレースが、、、いえカモシカです。僕もカモシカみたいに自在に山を上りたい。
2025年03月23日 11:00撮影
3/23 11:00
キノコ雪の尾根に篤志家のトレースが、、、いえカモシカです。僕もカモシカみたいに自在に山を上りたい。
また振りかえる。
2025年03月23日 11:00撮影
3/23 11:00
また振りかえる。
そこここに面白そうなマッシュルーム尾根が。
2025年03月23日 11:10撮影
3/23 11:10
そこここに面白そうなマッシュルーム尾根が。
ピースフルな斜面だがこれ以上ないストップ雪とその下に埋まったデブリで何度か転がされる。
2025年03月23日 11:19撮影
3/23 11:19
ピースフルな斜面だがこれ以上ないストップ雪とその下に埋まったデブリで何度か転がされる。
行きにはなかった底雪崩のデブリをいくつも越えていく。「カッチカチやぞ」こんなのに呑まれたらひとたまりもないな。
2025年03月23日 20:34撮影
3/23 20:34
行きにはなかった底雪崩のデブリをいくつも越えていく。「カッチカチやぞ」こんなのに呑まれたらひとたまりもないな。
戻ってきた。帰りはもう浸水も構わずそのままじゃぶじゃぶ川をわたる。
2025年03月23日 11:48撮影
3/23 11:48
戻ってきた。帰りはもう浸水も構わずそのままじゃぶじゃぶ川をわたる。
イグルーのなかではそこまで感じなかったが、そこら中に木の枝が散乱していて、大風だった事がわかる。
2025年03月23日 12:44撮影
3/23 12:44
イグルーのなかではそこまで感じなかったが、そこら中に木の枝が散乱していて、大風だった事がわかる。
撮影機器:

感想

鹿島槍ヶ岳は不思議な山だ。バリエーション豊かないくつものフェイスを持っていて、近くまで車道も来ているのに程よく開発から外れていて駐車場やゴンドラの問題もない。山として人気はあるけれどバックカントリーや雪山入門コースの賑わいを思うと冬山としてはまったく静かな山行を楽しめる。リフトアクセスできる山と比べるとお手軽ではないが、何度でも来たくなる。今時珍しい(?)山らしい山と言える。

北面にはレジェンダリーな冬壁、北壁を擁していて、適度に雪が締まり天候が安定する三月は意欲的なアルパインクライマーがやってくる。スキー滑降としても過去に大橋ルート、新井氏のDoze in Heavenの2つのラインが滑られている。どちらも聞く限りでは完全な(初滑降以上の完成度の)リピートはない。僕も一昨年にカクネ里からアプローチしているが、期待を裏切らず首尾よく敗退している。

ACL再建から11か月になり調子もいいので去年できなかった鹿島槍詣でをしておこうかな、ということで時期を探っていたが、パウダーばかりが調子よく、気づいたら三月も終わりになってしまった。しかもようやくプランニングしたら爆風予想である。

天狗の鼻に建てたイグルーは夜中の暴風にも耐え、無事に次の朝を迎えたものの、依然として風は強く、歩きだしたが時々風で引き倒されそうになる。天狗尾根のこの先にある岩登りセクションをソロで板を担いで突破するのはやめといたほうが良さそう。

そうだ北壁に続くトレースをたどって、大橋ルートを雪壁登りしていこう!名案!と考えるも、トラバースもスキーブーツのキックステップが半分も入らず、ピッケルのシャフトを刺すのも苦労するような固さが普通に出てくる。上の斜面を見上げると風で新雪が飛ばされて奇妙にフラットで変な色をした雪面が露出しているが、なるほどこういうことだったか。

今日は僕の日ではなかったということだ。ヨロヨロとイグルーに戻り、装備を風にさらして乾かして丸めていそいそとパッキングして、水と行動食を口に放り込んで逃避体制に入る。

エスケープは荒沢。斜面は滑らかだけれど雪質は素晴らしいクラストとストップ雪とで、ターンするたびに巨大な雪まくりが形成されて追いかけてくる。滑りの快適さから言えば最低のランクに属している。笑うしかない。

もう少しプッシュできたのかなあ、、とも思うが、帰り道では行きにはなかった底雪崩のデブリが随所で行きのトレースを覆い隠していた。いやむしろまたやり過ぎるほどやってしまったのかもしれない。今はとりあえず、膝の手術から一年近くが経ち、泊装備を背負って山に入りデブリを越えてスキーで帰ってこられた。靭帯も切れたりしなかったのだから、ビールでも飲んで喜んでいればいいのだと思う。

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