Ultra Trail Hong Kong (UTHK170)完走記
- GPS
- 1507:12
- 距離
- 156km
- 登り
- 6,800m
- 下り
- 6,857m
コースタイム
- 山行
- 0:1420
- 休憩
- 0:141
- 合計
- 0:00
第2回Ultra Trail Hong Kong (UTHK)
156km, 103km, 54kmの3つの距離がある
今回参加したのは156km, 累積標高は7460m
このコースの参加者は87名, 完走者48名
スタートは金曜日の13:00, 制限時間48時間
ドロップバッグは中間地点に1カ所
天候 | 19日(曇りのち雨) 20日(雨のち曇り), 21日(曇り) |
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過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
MTR中環→MTR Diamond Hill→ミニバス1A西貢→バスShui Long Wo ★復路★ ゴールからタクシーで自宅まで |
コース状況/ 危険箇所等 |
ハイキングコースで通常なら危険箇所はないが疲労して夜間区間には注意を要する箇所(徒渉、片側崖)あり。 GPSの軌跡がうまく取れなかったので主催者のものを載せています。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖Tシャツ 1
ソフトシェル 1
タイツ 1
トレイルパンツ 1
靴下 1
雨具 1
日よけ帽子 1
着替え 1
靴 1
ザック 1 5L Raidkight Olmo
行動食 1 飴、ジェル
非常食 1 バー2本
飲料 1 ボトル600ml
ハイドレーション 1 フラスク600ml
地図(地形図) 1
笛 1
ヘッドランプ 2
予備電池 2
GPS 1
ファーストエイドキット 1
常備薬 1
保険証 1
携帯 1
時計 1
バフ 2
カメラ 1
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感想
★記録★
1日目、自宅近くの駅から地下鉄に乗りバスを2つ乗り継いでスタート地点に45分前に到着、香港在住の日本人参加者と談笑しながら装備のチェックしたりのんびり過ごす。香港の大会はみなそうだがスタートに緊張感が全くない。第2回目のこの大会、1回目より距離も標高差も少なくなっており100マイルとしては楽な印象だ。CP1まではそれほど難所もなく淡々と進む。CP1では腹が減っていないのでオレンジ2切れだけ補給して先を急ぐ。暫くして雨が降ってきた。最初は小降りで雨具なしで走ったが徐々に雨脚が強くなりたまらず雨具の上を着る。日本人参加者のYさんと相前後してCP2に到着。ここで暗くなったのでライトを用意する。さて出発と思ったらYさんにトラブル発生。ライトが点灯しないと。「予備は?」と聞いたら予備のバッテリーはあるけどライトはないとのこと。たまたま私の予備のライトが同じ型だったのでそれをYさんに貸して進むことにした。どちらかのライトが故障するとまずいので近くを走って下さいとお願いした。そのうち本降りになったので雨具の下も着用した。CP3への途中でガスが酷くなりかなり進むのが遅くなる。視界は多分5m位で、ライトが利かず道の端を慎重に歩いた。CP3には20:00過ぎに到着。ここからは下り基調の舗装道路が続くのでリラックスして走ることができた。Yさんとはつかず離れず適当な距離で進む。しばらくして登りの山道へ入る。ここの登りは結構急な階段でつらいところ。CP4へは約2時間で到着。スタッフは1人のみ。記録したり食べ物の用意したり大丈夫かな?相変わらず雨は止まず辛い行程が続く。気温もどんどん低くなり保温ボトルを持参しなかったことを後悔する。
2日目、CP5に行けば暖かい飲み物にありつけると思い我慢する。とこらが13km先のCP5はなんと無人。トレランのレースのエイドステーションが無人なんてあり?良く事態が飲み込めなかったが先に着いた参加者が紙に時間を書けと言っている。え〜自分で到着時刻を記録?前代未聞だ。気を取り直してカップにお湯を注いでココアを作った。ようやく暖かいものが飲める、と口をつけた瞬間、注いだのは水でした。そうお湯はとっくの昔に水になり無人のエイドではだれも補給するわけもなくタンクには冷めた水が入っていただけなのでした。Yさんとぶつくさ文句を言いながら次はさすがに人いるでしょうと7km先のCP6を目指します。意外と早く着きました。なんとそこには立ち入り禁止のテープが張られた無人のテントに震える参加者が一人いただけでした。マジかよ。もう怒りを通りこして呆れるばかりです。ともかくお湯お湯、でもカップに注いだらまた水でした。「はぁ〜」食べないとばてるのでともかくカロリーの高そうなチョコやビスケットを詰め込んでポカリで流し込み先へ進みます。暫くしてYさんが先行して見えなくなりました。やたら間隔の開いたマーカーを頼りにコースが合っているのか間違っているのかもよく判らずに進みます。2日目の夜があけて6:00にドロップバッグのあるCP7に到着しました。ここにはさすがに人がいました。でも先行したはずのYさんの姿が見えません。暖かいスープを飲んでいたらYさんが入って来ました。ロストしたとのこと。そりゃそうだろうなマーカーがいい加減で必要な分岐になかったり、高くて見えなかったり。ここまでたどり着いたのが不思議な位です。Yさんは着替えもせずに寝てしまいました。私は全て乾いたものに着替えて仮眠しようとしましたが床げ冷たくて寝るどころではなく出発しました。
さて2日目の午前中は気温も少し上がってきますがまだシェルは手放せません。CP8は無人で時間を記録するだけ。CP9には人がいました。あれこれ世話を焼いてくれます。ここではみそ汁を飲みました。日本人でしょう?さっきのCPの友達は来るの?確かこのお姉さん前のCPで仮眠とっていたスタッフ。色々話をしました。出発する際には日本語で「ガンバッテ」と応援してくれました。CP10は街道沿いの一番アクセスの良い場所で人もたくさんいて天気も回復してきたので快適でした。ここでシェルを脱いで軽装になります。香港最高峰の大帽山まではコース中一番標高差のある登り。今回はストックを使用していないので登りはかなりスピードが落ちます。反対からは次々にトレイルランナーが下りてきてすれ違う度に応援してくれます。サムアップで応えます。時間的には徐々に貯金を減らしながらCP11に到着。スープ、コーラを飲んでサンドイッチを食べて出発。少し早いけどライトも用意しました。次は大刀刃というナイフリッジのある山です。ここも登りがきつい。ストックなしで足にこたえます。下りにかかったところで美しい夕日が見られました。さて再び厳しい夜に突入です。CP12は街はずれの商店がエイドになっており人はいましたがお湯がぬるくカップラーメンがあまり戻らずに固いまま食べました。ボランティアに文句を言っても仕方ないので先を急ぎます。この辺りから膝が痛くなってきました。登りも下りも厳しい状況ですがここまでくればゆっくりでもゴールできると腹を括り膝に負担が少ない歩きかたにして後ろから抜かれるがままにしました。CP14では人がいましたが食欲がないのでオレンジだけ食べてさっと出発しました。ところがここのCPの表示が間違っていて次のCPまでの距離が正確でなく水が足りなくなり後でとんでもないことになります。
3日目に入りすでに1晩完徹しているので意識が朦朧としてきます。つい歩きながら寝てしまい、ふと気がつくと道の端の際どい崖をフラフラしたりします。その度にいかんいかんと言いながら思いきり首を振って眠気を覚ましました。マーカーの間隔が広すぎコースが合っているのか判らなくなります。錯乱状態。途中でCPがないのでおかしいと思いロストしたと勘違いして戻ろうとしました。でも待てよ、動かないで後続を待った方が良いなと思い直しました。前のCPで人が数人いたので追いついてくるはずです。ここだけ一瞬冷静になれました。暫く立ち休憩しているとやはりその通り、ライトが見えてきました。香港人のランナーに尋ねるとCPではないが山の頂上に時間を計測するポイントがあるとのこと。現地の人なのでその言葉を信じて進みます。その山は香港で一番美しいと言われる「八仙嶺」という8つのピークからなる山です。そうするとCPはそのかなり先だから水が持たない。ボトルに残ったポカリをチビチビ舐めながら歩を進めます。寒くて眠気も覚め膝の痛みに耐えながら最後のCP16に到着。まだ2つ山が残っていますが、通ったことのある山なのでゴールまでの道筋ははっきりしました。まだ日の出前ですがゆっくりと朝飯を食べて最後のピークに取り付きます。急登で汗が出てきたのでシェルを脱いでベースレイヤーだけでガンガン登って行きます。日が昇ると反対から現地のハイカーや地元のおじさんおばさんがたくさんやってきます。すれ違う度に「ジョーサン(広東語でおはよう)」と声をかけると向こうも挨拶を返してくれます。そしてナンバーカードを見るとレースだと判るのでしょう「加油(広東語で頑張れ)と激励してくれます。こういうのありがたいですね。
最後に鉄道の線路を超えてすぐゴールかと思っていたら、とんでもなく先でした。天候が悪かったことやストックを使わなかったこともあり43時間22分かかってようやくゴール。高揚感とか達成感は湧いてこなくて「あ、ここがゴールね」という何か歯切れの悪い終わり方でした。先にゴールしていた日本人の参加者と挨拶を交わしシャワーをサクッと浴びてタクシーを飛ばして家まで帰りました。
★感想★
去年の参加者からマーキングがわかりにくいと評判は聞いてました。なので最初のうちは間隔が開いてもそれほど不安ではありませんでした。ところが進むうちにどう考えてもマーカーがあるだろうという分岐や交差点にもマーカーがなかったり、付け方が不適切で見えなかったりこれはロストたくさん出るだろうなと思っていたら一緒に参加した香港在住日本人の方も数名ロストして完走できませんでした。地元の我々でもロストするので初見でこのコースは厳しいものがあります。
しかしなんと言っても酷かったのが夜間エイドステーションに人がいなかったこと。無人のエイドなんて意味ないじゃないですか。それも食べ物がドーンと置かれたままでお湯は冷めて水になっているし、ポカリは袋にはいったままだし。オレンジ、バナナはそのままの状態でトレイの上に置かれ。到着時刻は自分で記入。寒そうに座って震えている参加者が何人もいましたが無事リタイアできたのでしょうか。
要項には自己責任みたいなことが書いてありますが前代未聞の運営です。それに参加費が他の大会と比較して高い(日本円で3万円強です)。まあUTMBのポイントになる(従って完走すればUTMFのポイントにもなる)レースですからそれ狙いなら良いのでしょうがとても日本からの参加をお薦めできる大会ではありません。
終わった後にもFBやWebで批判が続々出ています。これまで参加したトレイルの大会の中で最悪の運営でした。来年はもちろんでませんが多分これだけ批判が多いと参加者が少なくて開催できないでしょうね。
トレイルランニングレース#15
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