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記録ID: 822684
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沢登り
丹沢

つどいの沢(左俣右沢)/谷太郎川水系/丹沢

2016年03月05日(土) [日帰り]
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kawamasa その他4人
GPS
--:--
距離
10.5km
登り
907m
下り
894m

コースタイム

広沢寺駐車場 7:45 → 8:45 つどいの沢出合 9:10 → 10:19 525m付近二俣(ロープワーク訓練)11:15 → 11:21 560m付近二俣 → 11:59 20m涸滝(640m付近) 1330 → 14:40 境界尾根(770m付近) → 15:26 七沢山 → 16:17 不動尻 → 17:20 広沢寺駐車場
天候 曇り時々晴れ
過去天気図(気象庁) 2016年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
出合から
最初に出てくる5m滝
最初に出てくる5m滝
12m滝(左から)
560m付近二俣でロープワーク訓練(リード、支点構築、セカンド引き上げ、懸垂下降等々) ※この滝は右俣
560m付近二俣でロープワーク訓練(リード、支点構築、セカンド引き上げ、懸垂下降等々) ※この滝は右俣
右俣の出合にかかる滝でのセカンド引き上げ
右俣の出合にかかる滝でのセカンド引き上げ
右俣の先をちょっと覗いてみる。涸滝があった
右俣の先をちょっと覗いてみる。涸滝があった
懸垂下降
訓練後、左俣を進む。ここは560m二俣
訓練後、左俣を進む。ここは560m二俣
左俣の左沢は10mの涸滝がかかる
左俣の左沢は10mの涸滝がかかる
右沢を行く。少し行くと、苔の生えたスラブ小滝が連続する
右沢を行く。少し行くと、苔の生えたスラブ小滝が連続する
滑りやすい
640m付近の20メートル枯滝
640m付近の20メートル枯滝
右側のクラック状を登るが、かなり険悪
右側のクラック状を登るが、かなり険悪
45mロープいっぱいに伸ばして立木でビレイ
45mロープいっぱいに伸ばして立木でビレイ
上部が被っていて、かつボロボロ
右側にトラバースするが、そこも悪い
上部が被っていて、かつボロボロ
右側にトラバースするが、そこも悪い
なんとか右の支尾根に上がり、境界尾根を目指す
なんとか右の支尾根に上がり、境界尾根を目指す
七沢山につき一安心
七沢山につき一安心

感想

夏は蛭の巣窟となる谷太郎川水系は、そろそろシーズンオフ。
今日は気温も高く、ヒルも活動を始めたらしい。今回、実害なしだが、一人、蛭に吸い付かれた。

つどいの沢は不動沢の出合は、林道からは、注意していないと見落としてしまう。以前は、標識や東屋があったらしいが、今は取り壊されており、めぼしい目印はない。そんなアプローチと沢の短さから、当然ながら入渓者も少なく、記録もほとんど見られない。

ただ、谷太郎川の左岸、すなわち三峰山側の支流は、どの支流も、「表丹沢」らしからぬ深みのある渓相が展開していて、今回の『つどいの沢』も、短いけれど、噛み応えのある沢であった。

今回は、流程も短いこともあって、メンバー間で沢でのロープワークを確認しながら遡行した。右俣の記録はいくつか見られるので、左俣を選択した。右俣の方が明るい渓相ではあるが、どちらかというと、左俣の方が本流と考えられる。

左俣に入り、560m付近の二俣を右沢に進むと、苔が生えたスラブ上の小滝が連続する。どれも滑りやすく、ツッパリ、ステミングで突破する。

小滝を超えると、前衛を持った涸滝が見える。前衛に涸滝が二つあり、それぞれ5m程度で容易に越せるが、その先の640m付近に、20メートルの涸滝が壁のように聳えている。基部から見た感じは傾斜も、それほどという感じではなく、左右どちらからも攀れそうだが、そんな簡単には行かないぜ、というオーラを発している。沢は往々にして簡単そうに見える滝や巻が極めて厄介なものだ。

見回すと、右手のクラック状が、立木もあり、支点も取れそうなので、そちらを行くこととする。少し登ったところのクラックの上下2か所に、リンクカムを固め取りにねじ込み中間支点を取り、脆い礫岩をステミング気味に体を持ち上げる。岩の上に深く積もった落ち葉を払い、かぶった土砂に沢靴を蹴りこんでステップを確保し、高度をあげるが、上部の岩がハング気味になっていて、ホールド、スタンスとも不安定で、せりあがることが出来ず、やむを得ず、右手にトラバースする。

 トラバース上に、30センチ弱の浮石があり、落とさないように慎重にトラバースすることを心がける。しかし、石の上部を距離を取って通過したときに、斜面の土砂が小さく崩れ、それとともに下部の石を巻き込んで落石を起こしてしまった。石は斜面を跳ねて、基部で待機する4人の背後に落ちたが、斜面を跳ねるときに割れた破片が、ビレーヤーの額に当たり、かなりの出血となってしまった。

基部にいるその他のメンバーはベテラン二人と、医学部の学生であったので、落ち着いた連携で、止血処置を行ってくれたが、出血に加え、頭痛もあるとのことなので、しばらくの間、待機することにした。時刻は12時15分頃であった。

この間、下降撤退か、上部に抜けきるか、思案したが、下降支点がなく、すでに沢の上部に来ていることから、稜線に抜けることがベターであると判断し、会の山行責任者に状況を報告し(幸いドコモの携帯が通じた)、状況によっては稜線上での救助要請を行う可能性もあることから、最寄警察の連絡先も確認した。この間、いろいろな想定が駆け巡った。

止血後、本人に状況を確認すると、幸いに頭痛も軽減して、動けるようなので、稜線に上がることにする。予定では沢の左岸か右岸の尾根を下降する予定であったが、万一に備え、一般道を下ることに変更した。

ベテランのメンバーに介助をお願いし、ロープで、引き上げ気味に涸滝を登り、その後の支尾根の上部までロープで確保しつつ、稜線の境界尾根に抜けたのは14時40分。七沢山を経由し、広沢寺駐車場に戻ったのは17時20分。なんとか、日没前に所属会への下山連絡をすることが出来た。

下山後、診察で、CT検査等で異常なしとのことで、まだ、経過を見なければいけないが、本当に安心した。


(現段階での見解と反省点)

●ビレイヤーのビレー位置について、CLとして、もっと気を使ってアドバイスを行うべきであった。
●落石の危険があったため、落ちるかもしれないと、基部のメンバーに声をかけてはいたが、どっち方向に避けて欲しいと指示をすることはしなかった。言うとしても一般的かつ曖昧な指示になってしまう(石の落下方向は避けて等)という感覚があった。どうしたほうが良かったのか、現段階では判断が難しい。
●トラバースルートは、そこしかなく、落石を避けることは難しかったと思う。
●落石の避け方のセオリーがあるかどうかは、不勉強でわからない。岩肌に近づいたほうがベターというが、咄嗟の瞬間にどこまでできるか…?
●地元警察の連絡先を控えておらず、会責任者に確認・メールをしてもらった。控えておくべきであると痛感した。

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