板馬見渓谷遡行


- GPS
- 04:47
- 距離
- 5.5km
- 登り
- 344m
- 下り
- 354m
コースタイム
- 山行
- 4:38
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 4:48
天候 | 曇のち晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
鉈取り淵の悪場。 少数の悪場を回避すればザイル、三つ道具なしで可。 |
その他周辺情報 | 道の駅「南波賀」 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
地下足袋
わらじ
ヘルメット
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感想
連日、信じられない暑さだ。そんな中、山に行くって正気じゃない、と思いつつ、なぜか山行に思いを巡らす不思議。とにかく標高の高いところに行って涼むか、水に馴染んで涼をとるか、その二択になる。先週は兵庫県内宍粟市北部(千種町)の植松山の小河内川を遡行し、美渓をたっぷりと楽しんだが、天気がなぜか曇で、光に踊る清流の輝きは、今一つ精彩を欠いていた。その「満たされない感」を今週充足させたいというkinuasaの思いもあって、今週もまた沢の遡行に決定。今回も同じく千種町に狙いを定め、岡山県境近くの板馬見渓谷を歩いてみる。
板馬見渓谷は、兵庫県第2高峰で岡山県最高峰の後山から東に流下する千種川支流で、後山への兵庫県側からの主要な登山ルートがこの川に沿ってついている。いわゆる「登山口」(ヤマレコにP記号がある)まで、セメント舗装の林道が千種川合流点から伸びているが、途中から車両通行止めとなって久しい。我々も兵庫県に引っ越してきて間もなくこの林道を歩いて登山口に達し、そこから「一般コース」で山頂に立った。その後、3月に降雪後、同じルートで登った。三度目は、北側の千種スキー場側から秋に登っている。今日は、千種川合流点から登山口までを水線沿いに辿る。
合流点には松の木公園がある。駐車スペースとトイレ、有料の天然水給水所がある。「西大峯、平成の大馬鹿門」という大きな木製看板が立ち、林道入口には「板馬見」と書かれた大鳥居がある。後山は播磨(兵庫県)側では板馬見山と呼ばれ、修験の地であったらしい。岡山県側には修験の拠点となった寺院があるが、果たして今はどんな姿になっているのだろう。女人禁制は解かれたのか?一度、探検してみたいと思う。一方、平成の大馬鹿門は、後山の東の尾根上にあるおごしき山に立つ塔で、三室山の南にある空山山頂のもう一つの塔と対をなして二つの門柱に見立てられている。空山の塔は実物を見たが、おごしき山にはまだ行ったことがない。
さて、我々は地下足袋に履き替えてまず林道に入っていく。水力発電用の大きな土管が右の斜面につけられ、板馬見川をくぐって通るためなのだろう、古い石積の堰がある。修験者用ということか、休憩所がある。それを過ぎてすぐ入渓し、わらじをつける。水量も結構多く、小滝や深い淵などがあって、修験の場にはもってこいの渓相である。一歩踏み出してすぐにasakinuがすてーん、ときれいに腰まで水没。これで水になじんだ遡行ができるってもんだ。この沢の岩は実によく滑る。わらじ履きでも警戒しながら進む。やがて深い釜の悪相の滝がある。様子をうかがうが、さらに上も悪場となっている気配である。左に巻きあがることにする。巻くとちょうど小橋の掛かったところで、橋を渡ると上流側には深淵を備えた滝が落ちていた。鉈取り淵、と看板が立てられている。橋を渡ると林道に出るので、少し林道を進むと堰堤がある。この上で再び沢に降りる。ここから先は打って変わって穏やかな渓相となり、小滝やナメをひたひたと進んでいく。途中、右岸側には小道が現れる。そういえばこの辺り、林道から散策路が付けられていて、初夏にはクリンソウがあちこちに花をつけていた。その探索路だろう。遡行開始時にはパッとしない空模様で、今日も肌寒い一日になるかと恐れたが、幸いにも曇っていた空に青空がのぞくようになり、陽が降り注いできた。たちまち水は躍動し始める。キラキラと輝いて待望の沢ならではの爽快感が支配していく。
途中、深い釜を備えた直瀑がある。これは右壁にバンドが走っているのでここをへつり、階段状の岩棚を登って落ち口に出る。また、3mほどの九の字型の滝は、右壁手前を斜上したのち瀑心を上る。谷が開けた感じになると、右手上方に渓流荘の建物を見る。その先、陽射しの届く平らなところで昼食とする。程よく陽が届き、風が吹き抜けて行く。暑くもなく肌寒くもない、心地の良いひと時を過ごす。
昼食後、水量の減った谷を再び遡行するが、傾斜は次第に増し、倒木も目立つようになる。林道とクロスする2か所で水流は土管を通るようになっており、都度、林道に上がって上流側に出る。左手の斜面は緩やかで、上を走る林道が目視できるようになったので、沢を離れて杉植林の下をわずかに登ると林道に出た。すぐ右に林道終点の「登山口」が迫っていた。林道終点の祠でお参りしてから下山開始だ。
asakinuが沢登りにはまっていた数十年前には、わらじは一回の遡行で捨てていたが、kinuasaが再利用を試そうというのでやってみると、案外使えるのがわかった。今回など、3回目の使用である。遡行終了時にはわらじの先っぽが吹っ飛んでなくなっていたが、それでも十分フリクションが得られていた。さすがに下山時にはずたずたになったが、大したものである。
帰路、道の駅「南波賀」でまたも丸ごとスイカを購入して、ほんとに最後の最後、本年4個目のスイカを大切に持ち帰る我々なのであった。
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