富士山 御殿場口八合目敗退 -小説・八甲田山の如く-



- GPS
- 10:13
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 1,025m
- 下り
- 2,744m
コースタイム
- 山行
- 4:57
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 5:26
- 山行
- 3:36
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 4:07
天候 | 1日目 くもりどきどき晴れ 2日目 強風と土砂降り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新宿駅からツアーバス利用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1日目 富士宮口からプリンスルート利用 宿泊先は赤岩八号館 2日目 赤岩八号館出発 強風のため、途中まではブルドーザー道を利用 その後登山道に入り、富士宮口の馬の背まで来ました 馬の背での強風により歩行困難となり、山の斜面に避難 強風は収まる気配なく、その斜面から御殿場口ルートへ向かい下山 |
予約できる山小屋 |
御殿場口七合四勺・わらじ館
|
写真
感想
富士山。
去年に引き続き2度目の敗退です。
悲しくないと言えば嘘になります。
今回は、警報級の大雨・強風によるツアー中止でした。
山小屋は3300Mに位置する赤岩八号館。
見えない山頂はすぐそこのはず・・・
思えばツアー前日。
バックパックのチェーンベルト突然の破損。
嫌な予感。
新宿スタートのツアーバス。
あれ?出発時間間違えた?
バスの中にいらっしゃる人、、ん?一名?
バスは遅れての出発かな?
そして、極めつけの大渋滞。
車は全く進みません。
運転手さん、本当にお疲れ様でした。
バスの中からお友達や家族にLINE。
厄は全部落ちたからもう大丈夫⁉︎
怪しいな~本当に?
結果は冒頭の通り。
1日目。
楽しく歩けました。
プリンスルートお勧め出来ます。
渋滞がありませんし、傾斜は緩く、思ったほどには歩きにくさはありません。
一つ困るとすれば、途中しばらくトイレなしになります。携帯トイレを使うには隠れるところもありません。
私は高山病予防のため、既に1ℓの経口補水液を摂っていました。
トイレが待ち遠しかったです。
赤岩八号館。
令和の天皇陛下が、皇太子の時にお泊まりになった山小屋です。
・・・えーっ!
ブース、仕切、カーテン、何もない⁉︎
1人のスペースは畳一畳分もありません。
入り口入ってすぐの大広間は、雑魚寝布団が敷き詰められています。足の踏み場がない!
山友さんと私は顔を見合わせ、あまりの非日常さに大笑いで大喜びしました。
でも、ちょっとちょっと、私の隣は超かっこいいガイドさん!
ところがここで、私、突然の高山病症状がで始めることになったのです。
軽症頭痛は正常範囲。
問題は悪心・気分不快でした。
ちょっと考えて、車酔いと同じ症状と気づき、酔い止めを飲んでみました。
そんな状態の中でも、外に出た時の夜景の素晴らしさが心残りで、とても寒かったけどダウンを着込んでもう一度外に出ました。
目に焼き付けたいほど。
泣けちゃう。
180度の素晴らしい夜景。
写真は一枚撮るのがやっとの状態でした。
またまたの夕食不食。
消灯時間前に横になり、何度も寝返りを打ちながら、それでも、消灯の声を聞いた後は眠りについたようです。
0時。
頭痛も気分不快も消失。嬉しい!
心から嬉しい!
高山病に勝った?
外に出ると夜景はまだまだ顕在。
月がなくなって、ますます綺麗。
でも、スマホを取りに戻るのは迷惑だから、ここはおとなしくトイレ利用のみとしましょう。
その後は、外の風の音の変化に耳を傾けて過ごしました。
2日目。
起床は4時。
ここで発表されたのが、天候の悪化が前倒しになっている事。
外はすでに雨と強風。
ご来光を見ることはできず、その後の天気の回復は見込めず、更にその後の警報予報。
下山を急ぎますとの事。
では、朝食開始時間までまだ少し寝て下さい。
ガイドさんすごい山男!
それを発表するとすぐに眠りについていました。
でも、もしかしたら、私の迷惑な咳と物音で眠れなかったのかも。
頭の位置を逆にしていました。
本当に迷惑者ですみません。
朝食を美味しくいただいて下山開始。
外はすでに暴風域。
途中まではブルドーザー道を使うと案内がありました。
すごい風。前が見えない。雨粒が顔に痛い。
何度も吹き飛ばされ倒れそうになりながらの歩行です。
足が出ない。足を踏み止めるのがやっとの時も。
それでもこの時はまだ、まるで八甲田山だね~なんて声もありました。
いよいよ馬の背。
ここが一番の強風との宣告。
ガイドさんと、再度風除けの姿勢や方法を確認します。
ここまで来ると、全員真顔で声も出なくなりました。
3名のガイドさんはいたって冷静。
すごいな~って感心しかありません。
馬の背に踏み出しました。
ところが予想以上の暴風でガイドさんから、斜面への避難案内が。
斜面に足を入れるのも怖いかも。
でも、案内通りにしなきゃ転がり落ちちゃう。
皆んなで丸くなって過ごす間、ガイドさんが馬の背確認へ。
風はひどくなる一方との事。
「富士宮口へ戻るのは危険なため、御殿場口へ行きます。御殿場口も風がないわけではありませんが云々、そのためにはこの斜面を下ります」
もうちょっと、もうちょっと、がんばれ、がんばれ、踏ん張りながら斜面を下りました。
いつ、登山道に出られたのかも分かりません。
ただ、いつの間にか登山道を歩いていました。
負傷者数名。
ガイドさんは、ツアー者の荷物を背負ったり、付き添い歩行したり、はたまた負傷者を背負ったり。
前が見えない雨の中、皆んな二列になって離れないでと、何度も点呼しながらの行進。
男性のツアー参加者からは
「男手が必要なら」
と、申し出があったり、私の山友さんは膝を痛めた人に自分のサポーターを貸し出したり、皆んなで乗り切った下山でした。
私?
私は、何をできるでもなく、迷惑をかけないように歩くのが精一杯でした。
そうそう、雨の中ジップロックに入れていたスマホをポケットから取り出した時、親子で参加していたTさんから、この動画が欲しいとリクエストがありこの暴風と大雨の撮影をしました。
吹き飛ばされそうになるほどの風と雨の迫力は伝わらない動画となりましたけど、AirDropで動画を差し上げたら、とても喜んでいただけたので良かったかな。
こんな中でも大砂走りは経験しました。
私は喜びの3歩目。
風に煽られ激しく転倒。
またまたの破損品を作りました。
修復可能かな?
それでも懲りずに、大砂走りを続けるのだから、もしかしたら私、なかなかの根性ありだったのかも知れません。
とても記憶に残る富士登山となりました。
快晴・無風の富士山。
それはそれはきっと素晴らしいのでしょうね。
私はどうかな。
年齢的に、高山病がこの後好転する事に期待もできず、富士山は今年で最後かな?と今は少し寂しく思っています。
登頂出来なかったのは残念無念😭心中お察しします🥲
悪天候の中歩くのは本当にしんどいですよね😣頼もしいガイドさんたちで本当に良かったですε-(´∀`;)ホッ(多くは語りませんw)
高山病は順応できればなんとかなりますよ(*•̀ㅂ•́)و✧またぜひ富士山チャレンジしてくださいね!😊
(カモシーが可愛いくチャームになってますね🤭💕)
こんにちは〜
今読み返すと、感情任せのレコでお恥ずかしい限りですが、コメントとても嬉しいです。
ありがとうございます。
心強いカモシーさんも、あの暴風には勝てなかったのかも知れませんが、なんだか、高山病にうち勝てた気がするのは、カモシーさんの力?
気のせいだけではないと信じています(笑)
おかげさまで、無事下山もできました。
頭痛や悪心から解放されたなら、どんな素晴らしい世界が待っているのかな。
順応できる事を夢見て、もうちょっと頑張ってみましょうか・・・
今はまだ、いろんな感情が混在していて忙しいです。
さぁ!明日からまた仕事しますよ〜。
ありがとうございました♪
富士山お疲れ様でした。
今回はとても残念でしたが、きっと次に繋がったのではないかなと思います。
高山病も時間とともに慣れて克服?できたようですし(^^)v、
暴風の中の対処方法も身をもって体験できましたものね・・😀
きっと来年チャレンジできます、諦めないでくださいね。
レコトップの夜景の写真とっても素敵です〜✨
こんばんは〜
富士登山結果はご覧の通りです。
読んで下さって、ありがとうございます。
高山病、なかなか手強いです。
水分を意識するあまり、水分と塩分を摂り過ぎ?
全く加減というものを知りません。
次回の課題とします。
経験して、対処方法を模索して、また試練。
身体が持つかな・・・😅
赤岩八号館からの夜景は素晴らしいの一言。
あの夜景の感動は、山頂からの景観に匹敵する感動かも知れません(未踏の山頂ですけど)。
夜中、寒さの中で、一人きりで見た夜景は涙ものでした。
諦めずに、またトライできるでしょうか。
頑張っても、頑張っても、登れないかもの不安。
富士山に嫌われちゃったかも。
富士山への山行、お疲れ様でした。
やっぱり登られたんですね。
渋滞から始まって、高山病に悩まされたり、警報級の大雨と強風に行く手を阻まれたり…と本当に大変でした。
(13)火口歩きの時の稜線、ぞくぞくっと来ましたよ!
このような景観は大好物です。私も見てみたいものです。
(41)ぱんぱんのパンですか(笑)
なんか、前回の富士山レコにも同じような写真があったような…(^^ゞ
(42,43)酸素飽和度が81%!
高山病について調べ、高度順化も試しているpizzicatoさんはご存じかも知れませんが、この数値は機械の故障によるものではなく、多分実際の値ですよね。
高度が高い所に行くと酸欠になり、高所で睡眠を取ると、さらに酸欠が悪化するそうです。
先日私が日記で紹介した『登山と身体の科学』という本に「富士登山と低酸素の影響」という項目があります。それによると、富士山頂付近で眠っている人の酸素飽和度を計測すると、場合によっては50%台まで落ち込んでいるとか。その数値を、富士山で測定したということを伏せて医師に見せると、生死の境をさまよっている患者だととらえるそうです。
富士山はやっぱりかなりシビアな環境ですね。
(44)富士山って、こんな夜景が見られるんですね。ステキです。
(55)雨がっぱの損傷…
先日の女峰山の時のキュロットはリフォームされたんでしょうか?
思い出の戦利品ですから、今回もかわいいアップリケでも貼って、復活させちゃいましょう\(^O^)/
pizzicatoさんのレコ、拝見していつも思うのですが、感想がステキです。
思いがあふれていて、つい読み入ってしまいます。
もう目前の山頂を前にしての撤退、さぞかし悔しかったでしょうね。
でも、迷って迷って登頂をあきらめた前回よりは一歩前に踏み出せたのではないですか?
きっと天候が悪くならなかったら登頂できましたよ!
女峰山も行けたんですから、富士山は今年で最後かな?なんて言わずに、また来年挑戦してください(^-^)
(と、高山病がひどい私が偉そうに言うことでもないですが…)
まだ体調も万全ではなかった中での登山、本当に大変でしたね。
ゆっくり休んでください。早く咳も収まりますように。
ありがとうございます。
大笑いできたのに、今度は涙。
私にとっての富士山は・・・、
それは皆さんにとっての富士山も・・・
なのだと思いますが、
永遠の憧れの対象なのです。
富士山に嫌われちゃったかな?と思うと、辛いですね。
でも、感動の夜景を見せてくれたし・・・と、開き直る私もおります。
またチャレンジできるかな?
体力が残っていないんじゃ・・・(笑)
感情任せのレコですが、気持ちをお伝えできたのでしょうか?
とても複雑な心境が絡み合って顕在していますけど、なんとなく理解していただけましたら、=共感していただけた、と、プラス思考で嬉しく思います。
赤岩八号館からの夜景。
ハレルヤさん、ぜひ見て下さい。
ハレルヤさんなら登れます。
切磋琢磨して、高山病克服。
いかがでしょうか?
思いやりに溢れるコメントを、いつも本当にありがとうございます。
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