大宝谷を大宝滝まで遡行
asakinu
kinuasa
体力度について
- GPS
- 04:20
- 距離
- 4.2km
- 登り
- 284m
- 下り
- 281m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:41
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 4:21
| 天候 | 晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
右岸を高巻く古い仕事道は崩壊して危険 |
| その他周辺情報 | 食堂「みやなか」が鹿伏にある。 |
写真
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図（地形図）
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
ヘルメット
地下足袋
ワラジ
|
|---|
感想
暑い日が続いている。こんな時どこに行くか。高い山、歩程の短い山、沢、この三択で、しかも天気がいいところ。まず天気はというと、ここ二日、陽射しがあるからと油断していると、いきなり激しい雨に見舞われるというパターンだ。山中でこうなると悲惨なことになる。短時間で登って降りることができる未踏の山としては、奈良・三重県境の高見山があるが、てんくらを見ると15時台に2�个旅濘緲汁曚箸覆辰討い襦�まさにここ二日の天気激変パターンに一致している。15時には下山している筈ではあるが、雲の動態には予想のつかないところが大きい。天気分布の全体的傾向を見ると南に行くほど不安定で、日本海側はより安定している感じだ。大山などは終日晴マークだ。しかしやっぱり遠いので、先週に続き因幡の沢に行き先は落ち着いた。兵庫県―鳥取県の県境尾根を越えてすぐの加地川の支流に大宝谷があるが、まだ行ったことがない。今日はここを訪ねる。
大宝谷は宍粟50名山の一峰、ハサリ山から北に流下するもので、その一本東側にはハサリ谷がある。この谷には深い思いがある。数年前に県境尾根を南から北に向かって縦走しようとしたことがあったが、その際ハサリ山北の痩せ尾根の先で幅広の支尾根に誘い込まれ、誤りに気付きつつそのまま下降して降り立ったのがハサリ谷の上部だったという因縁の場所なのだ。降り立った地点に出会いを持つ支谷の堰堤に、鳥取県森林管理署の名が記されており、植林の管理状態も兵庫県とは違う。慌てて危うい急傾斜地を県境尾根まで必死で登り返したのだった。その時、西側の谷の源頭部を走り去るクマの姿を見た。この谷の対面の尾根の向こうが大宝谷である。また隣接する尾根はハサリ山の西から出て大ボウシにつながる。大ボウシから東に派生する尾根を下降した時にも稜線を突き切って移動するクマを目撃しているので、この山域はクマの生息密度の高いところと言えるだろう。
中国道山崎ICを降り、国道をまっすぐ北上して新戸倉峠トンネルを抜け、鳥取県に入る。山中最初の集落は落折というところで、平經盛とその配下の者たちが落ち延びたとされ、住人は皆、平さんだそうである。さらに下って加地集落から林道に入る。左手の川が右に屈曲すると本道も右に曲がる。ここからまっすぐに支谷に入っていく林道が大宝林道、今日はそちらが目的の地だが、林道の状態が不明なので、この分岐点の広くなったところに車をとめる。まずは地下足袋に履き替える。手入れの良い成長したスギ植林下で、気温は25℃くらい。風が吹き抜けて涼しいこと。
大宝林道は舗装されており、ところどころに落石や枯枝があるものの、不安なく走行可能である。ほどなく林道終点に達する。ここは広い駐車地となっている。この先、わずかの距離、非舗装の作業道が続き、大宝谷の水線を渡渉して渡るとその道は終わる。この渡渉点でわらじを水流に浸してしばし時を過ごす。わらじをつけて遡行を開始するが、最初は平凡なゴーロである。やがて小さな段差があらわれて沢らしくなっていく。周囲は自然林となり、山深い雰囲気が濃くなる。沢筋は徐々に小滝を交えるようになり、水量は少ないものの潤いを感じさせてくれる。ホールドがぬめっていたりして見かけよりバランスが要求されるところもある。ひそかに期待していた夏の貴婦人との出会いもあった。が、その株はやっと蕾が伸びだしたところであった。その後も何株か目にしたが、花をつけたものは残念ながら見当たらなかった。すでに終わったらしい株もあって、早すぎたのか遅かったのか、よくわからない。まあ、その姿に接することができただけでもありがたいことと思わねばなるまい。
谷が左に曲がると、前座の小滝の奥に立派な滝が落ちているのであった。大宝滝である。見ごたえのある立派な滝で、差し込む陽の光を浴びて躍動している。瀧見をしながら昼飯とする。
左岸は絶壁となっているが、右岸には踏み跡のようなものがあり、道がついているのかと辿ってみると、下流側はハングした断崖である。上流側は少し弛んだ地形で、一面にイワウチワが広がっているのだった。踏み跡に見えたのは、イワウチワを愛でに来た人たちの痕跡だろう。ここからの瀧の眺めもなかなかのものだ。
この沢にも作業道がついているという話があり、それを見つけて下山に使うつもりだったが、少なくともこの滝場の周囲は両岸とも絶壁であり、道のつけようがないだろう。しばらくは水線を下る。しばらく下っていくと、右岸側から山道が伸びだしているのを見つけ、それを辿る。だが、尾根側からの石屑の崩落や小谷の浸食で道は崩壊している。水線に近づいたところで谷底に降りることにした。細い窪の岩の段々を利用しasakinuがまず着地する。続いて降りるkinuasaが足を踏み外して（というか、段差に届かず）転落しかけた。asakinuが下から担ぐように保持して難を逃れた。水線を少し下ると、右岸のザレ斜面の上に道のようなラインが見えたので、微妙なバランスで登ってみたが、道型は確認できず、またあったとしても危険なトラバースを強いられると判断して再び水線に復帰する。少々降ると右岸は植林、左岸もわずかの区間植林となる。ここに古い堰堤があり、これを左岸から越す踏み跡が現れた。今度はこれを辿る。間もなくこの踏み跡は水線を渡って右岸に移るように見え、それを進むがトレースは不明瞭だ。しかし、水流はゴーロとなっているので間もなく遡行開始点だろう。実際、すぐに作業道があらわれ、今朝遡行を開始した入渓点に出たのだった。
駐車地に戻って温度計を見ると27℃。何と涼しいこと！この後、高速を走行時には37℃まで気温は上がった・・・。自然度の高い山域でクマにも遭遇せず、爽やかに山行を楽しんだ我々であった。
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