兵庫県佐用町&岡山県美作市 郷鴫山〜今春誕生!総検行山



- GPS
- 03:33
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 543m
- 下り
- 529m
コースタイム
- 山行
- 3:19
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 3:28
歩行距離8.5km、歩行時間3時間20分、歩行数14,100歩
天候 | 曇り時々霧雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
この施設を利用する場合は、利用日の2ヶ月前から大阪市青少年活動協会で電話受け付け(土日をのぞく10時から18時)となっていました。予約者がいないときは閉鎖で管理棟などには立ち入り禁止のようです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
総じて、佐用町(兵庫県)側はワイルド、美作市(岡山県)側は整備されています。 出発点<写真01>から舗装道路を北上し、標高450m地点を越えた辺り<写真03>で、郷鴫(ごうしき)山に向かう作業道が西北西の谷沿いに標高680m地点(作業道終点)まで続きます。ここから黒土の細い踏み跡を辿り、郷鴫山ピークを目指します。途中から防獣ネットの左側を進み、標高775m辺りで踏み跡が南西にどんどん下りそうになったので、西に少しヤブコギしました。 郷鴫山から北方向に延びている尾根伝いに防獣ネットの右側の踏み跡を辿って進みます。防獣ネットが倒れてきたら、ネットの左側(西側)を進みます。(行き過ぎて引き返し、ネットの下をくぐりました。)途中、道なり(枯れススキ?原方面)に進むと予定ルートを逸れて、最初のピーク789mに行くことになります(実際にその方向に進んで引き返しました)。尾根が大きく二つに分かれるポイントは、北の尾根(左側の樹林帯)を進み、二つ目のピーク789m<写真14>に向かいます。 県境ピーク789m地点<写真14>から総検行山(そうけんぎょうさん)<写真15>までは県境尾根の兵庫県側(南側)をトラバースします。尾根のトップは倒木が多く歩き難いので、トラバース道の踏み跡を見つけて進むとよいでしょう。たまにあるピンク色のテープが参考になります。アップしている地図を地形図表示で見ると、総検行山の山名が入っています。他の地図にはまだ反映されていません。 総検行山<写真15>から奥海乢(おねみたわ)<写真24>までは、道がたいへん整備されていて、ファミリーや初心者の方でも容易に山行ができます。地元の有志の方々(愛の村元気プロジェクト実行委員会)が時間をかけて整備されたのでしょう。 奥海乢からゴール地点までは舗装道路を進みます。佐用川沿いの道で花もたくさん観察でき、心地よい終盤を迎えます。 |
その他周辺情報 | 後山に来たら、「愛の村パーク」のベール・ドーで食事をすることがアフター登山の楽しみとなりました。1,080円でビュッフェ形式で、常に地元の旬の野菜を食材とした料理や、固形燃料で茶碗2杯分ずつ炊く釜飯が出てきます。宿泊や温泉施設もあります。 |
写真
この日は人の気配がありませんでした。管理棟やトイレも鍵がかかっており、予約者が利用するときのみ開放されるようです。この写真の向かって右側に数台分の自動車を停められるスペースがあります。
道路の向かい(西側)に郷鴫山(ごうしきやま)へと延びる作業道の入口があります。佐用川は高度差があるので、断続的に小滝が出てきます。この日は気温が高かったのですが、この川沿いのコースは涼しく感じました。
時期的にアジサイ科の植物が多数観察できます。その名の通り、葉の形など木の雰囲気がウツギに似ていて、ガクがガクウツギより小さいです。砂利道の南側に沢が流れ、たまに水たまりができかけている所がありました。
花をつけるつるの先端部の葉は、花期に白化し、送粉昆虫を誘引するサインとなっていると考えられています。ネコ科の動物がマタタビ特有の臭気に強い反応を示すことでも有名です。つぼみが多数見られました。
ウツギもアジサイ科でウノハナ(卯の花)、あるいは茎が空洞のためウツギ(空木)とも呼ばれています。旧暦4月を卯月というのは、卯の花が咲く季節からその名がきているようです。今回、何度も見かけましたが、花は傷んでいるものも多く、見頃を過ぎつつありました。作業道の砂利は石に変わり、わずかながら水が流れている所がありました。標高680m辺りで作業道は終わり、滑りやすそうな黒土の細い踏み跡を進みます。
防獣ネットの左側の踏み跡を歩いていると、道(踏み跡)の真中に転がっていました。さらに、毛と蹄が付いた脚が1本、毛皮の一部もありました。ネットの多さからこの辺りにはシカが多いことが分かります。その反面、人がほとんど通らないので、こうした場所でも安心して?終焉を迎えられるのでしょう。標高775m辺りで踏み跡が南西にどんどん下りそうになったので、西に少しヤブコギしました。
標高783.7mの郷鴫山(ごうしきやま)頂上と三角点(点名山根)です。今回は視界が悪く展望が効きませんでした。ここから防獣ネットの右側の細い踏み跡を進みました。ネットが倒れた地点で左側(西側)に移動すべきでしたが、そのままヤブに突入しかけ、引き返してネットの下をくぐりました。
郷鴫山を登る人の多くが、奥海乢(おねみたわ)からピストン山行をするので、その帰りの途上で迷いやすいポイントには、このような下山路という標識があるのでしょう。途中、樹林帯の外に出て枯れススキ?原を進むとルートを東に逸れて、ピーク789mに行ってしまいました。晴れていれば、岩の上に立つと郷鴫山が見えそうですが、曇天で視界が悪かったので引き返しました。枯れススキ?原は踏み跡のようなものがあっちこっちにあり、ずっと南東方向に下れそうでした。
アジサイ科の植物でその名前の通り、幹や枝から気根を出して高木に付着し、絡みながら這い登り、高さ10〜15m程になります。ツルアジサイの装飾花には4枚のガク片があるのに対し、イワガラミには1枚しかありません。ここからまた樹林帯に入りました。
ここがちょうど兵庫県と岡山県の県境です。ここから総検行山(そうけんぎょうさん)までは進路方向に向かって右側のトラバースルートを進みます。最初に黄色いビニール紐の左側を進みました。たまに倒木が重なった所がありますが、無理に進まず、周辺を探すと踏み跡があります。ピンク色のテープがあれば、方向が少し違うように思えてもそちらに向かったほうが歩きやすいです。
今年3月までは三角点が設置されているだけでしたので、ピーク標にはまだ総検行山の表記はなく、点名の「杉ノ奥」だけが表記されていました。ここからは岡山県美作市の有志により整備された「愛の村ビューライン」で、きれいな道になりました。黒土で一部、滑りやすかったり崩れやすそうな所もありましたが、十分歩きやすく快適でした。
陽樹なので、総検行山尾根のように日当たりのいい所にたくさん生えています。白い清楚な花が枝いっぱいに咲いていました。落花も多かったのですが、白いじゅうたんのようになり、これもまたきれいでした。しばらくすると、少し傾斜のある所にロープが張られていましたが、下りでも使わずにすみました。
花は肉穂花序(にくすいかじょ)といって小さな花が集まって棒状になっており、それを仏炎苞(ぶつえんほう)が包んでいるので、一見花には見えません。高さは50cm程、葉の幅は7cm程もあり、茎葉の数は2でした。今まで見た中ではなかなか大きく立派でした。
おねみ滝谷オートキャンプ村の一角です。花穂の下に白色で十字形に4枚開いているものが花びらだと思われていますが、これは葉に近い性質をもった苞(ほう)と呼ばれるもので、実際には花弁もがく片もなく、黄色の部分は雄しべの先端のヤクが密集したものです。
ゴールに着くと五右衛門風呂がありました。両サイドにそれぞれ「ごえもん風呂」「露天風呂」と書いてありましたが、露天ではなく、閉ざされた室内にありました。ドアではなく、側面が開いたのでのぞいてみました。予約していなかったため、残念ながら利用できませんでした。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
防寒具
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
ファスナー付クリアーファイル
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
現在、地理院地図(電子地形図)で兵庫県佐用町と岡山県美作市の県境を見ると、今まで見たことのない山「総検行山(そうけんぎょうさん)」が、今春より登場したのがわかります。元々三角点が存在する山で、点名を「杉ノ奥」と言い、標高は823.7mです。山の所在地は兵庫県佐用町奥海となっていますが、岡山県美作市と兵庫県佐用町が国土地理院に申請し、3月に正式に認められました。
奥海乢(おねみたわ)から総検行山を経て西に延びる県境コースは、岡山県美作市によって「愛の村ビューライン」と名付けられ、愛の村元気プロジェクト実行委員会が中心となり、誰でも気軽に登山ができるように数年前から登山道を整備していったようです。この日は生憎の視界が効かない曇天でしたので、景観を楽しむことは叶いませんでしたが、晴れていれば、景色や植物の観賞が十分楽しめる穴場的なコースです。奥海乢を起点に、この総検行山と日名倉山のWピストンもありかと思います。
一方、総検行山の南側、郷鴫山(ごうしきやま)を中心とする兵庫県佐用町の山域は、県境ピーク789mから南下するコースが整備されていますが、まだワイルドな状態です。防獣ネットが張り巡らされている所も多く、読図力など、それなりに山行技術が必要です。簡単に行ける所ではありませんが、アジサイ科のイワガラミの群生地<写真12>など、サプライズな発見がいくつかあり、景色も含め特有の自然を楽しむことができます。
「愛の村ビューライン」と作業道や鉄塔巡視路などを組み合わせ、他にもさまざまなコースが考えられそうで、また機会があれば別ルートにチャレンジしてみたいと思います。
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