屋久島4泊5日 前編 ヤクスギランドから大忠岳(たっちゅうだけ)へ日帰り登山


- GPS
- --:--
- 距離
- 6.8km
- 登り
- 617m
- 下り
- 634m
コースタイム
天候 | 曇りときどき雨たまに晴れ間 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ヤクスギランド駐車場までレンタカー |
コース状況/ 危険箇所等 |
濡れた木道はとにかく滑る。ご注意を。 花崗岩の上は苔が付いていても、結晶のフリクションで滅多に滑らない。 |
その他周辺情報 | 登山用品屋さん『山岳太郎』ボルダリングのトポを見せて貰える。 登山用品やシュノーケリングのレンタルもある。 安房の『民宿やしま』素泊まり一部屋二人で6,000円。 歩いて行けるところに飲食店数軒あり。 宮之浦『民宿とし』素泊まり一部屋二人で7,000円。 『うみがめ自然館』1,500円で説明会に参加のち、うみがめ産卵を見学できる。 『尾之間温泉』200円。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
携帯
時計
タオル
カメラ
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感想
4泊5日の屋久島。
私は二回目の、Hは初めての屋久島。
私がアウトドアショップでディスカウントされた屋久島Tシャツを、地元で買ったら、それを見たHが行こうと言い出した。
二人とも、前から屋久島には行ってみたかったけど、私の作戦成功なのか???
三連休の前後に休みをくっつけた。
沖縄本島、西表島に続いて、南の島探検第三弾。
出発前からずっと天気予報が気になって仕方なかった。
屋久島の山に雲がかかっていないことは、滅多にないというのは知っている。
雨じゃないわけないかもしれないけど、やっぱり気になる。
何年か前に、縄文杉を見に行った時も雨だった。
15日、16時頃屋久島空港着。
天気は曇り。
レンタカーで安房の郵便局へ。
テントや、クライミングシューズやら、あまりにも荷物が多いので、局留めで送っておいた。
それから予約していた素泊まりの『民宿やしま』に。
細い路地にあるから、なかなかみつからなかった。
安房川沿いに『居酒屋やしま』をみつけたので、店の方に声を掛けると案内してくれた。
ホームページを見て予約して知ってたんだけど、姉妹店らしい。
案内してくれてる間に、包丁を片手にブラブラ持って歩いている中年の女性がいて、どうしても気になったけど、店の方は気に止める様子もなかった。
まあ、ご飯作ってる最中だったろうけど。
Hが言うには、屋久島ではアサヒガニが食べられるらしいので、居酒屋の方に聞いてみると、
「いいのが入ってますよ。」
と言った。
アサヒガニは、エビのようなカニのようなカメのような変な形をしている。
愛知県の三河湾の魚市場で一度だけ食べた事があったけど、身は歯ごたえがあって味噌も濃厚でおいしかった。
捕れる量が少ないらしく、名古屋のスーパーでは見たことがない。
また車を出して、山岳太郎という登山用品屋さんにガスを買いに行った。
一角にクライミングウォールがあった。
屋久島のボルダリングエリアのトポを見せて貰い、コピーもして貰った。
渋いデザインの屋久杉手ぬぐいも購入。
その後、時間の許す限りドライブすることした。
まず、高平の海岸のボルダリングエリアに行ってみた。
アプローチの細道に、真っ赤な沢蟹がたくさんいて、二人で盛り上がった。
手のひら以上の大きなのもいた。
私もHも動物を見つけるとテンションが上がり、写真を撮ったり、触れるものは触る習性。
海岸に着くと、トポにあったそれらしき岩を数十メートル先に見つけたけど、沢を挟んでいて、雨のせいか増水していたので、行くのは諦めた。
車を出してからずっと傘が要らない程度だけど、雨が降ったりやんだり。
私達が島に上陸する前は、飛行機が飛ぶのを危ぶまれる程、荒れた天気だったらしい。
まだ日は沈んでいなかったので、千尋の滝へ。
80mという、すごい落差で、黒い岩肌を水が落ちていた。
「かっこいー!」
思わず声がでる。
滝の左のスラブ面は迫力のビッグウオールで、クライミングのルートでもあるらしい。
海に直接流れ落ちる、トローキの滝も見学した後、ガジュマルの群生を見に行った。
樹林帯の中はもう真っ暗で、ヘッドランプなしでは歩けなかった。
暗かったので、ガジュマルの林は妖怪が潜んでいそうな雰囲気だった。
安房に戻り、居酒屋やしまに行って、
「まだアサヒガニありますか?」
と聞いてみると、あるとのこと。
生ビールとアサヒガニとつけあげを注文。
つけあげとは、ほとんど飛び魚のすり身が材料のさつま揚げのことだと、お店の人が教えてくれた。
ほんのり甘くて、噛むと弾力がすごくてお酒に合って、おいしかった。
アサヒガニの方はというと、身がスカスカして、どうも冷凍の物のようで残念だった。
店を出て、安房の町をちょっと散策。
宿の近くには居酒屋が何件かあり、もう一件はしご。
木の看板がかかげてある、こじんまりとした店に入ってみた。
店主とそのお母さんが迎えてくれて、刺身三点盛りは結構なボリュームで新鮮だった。
後からカウンター席の隣に座った青年と店主との話を聞いていると、何度も屋久島を訪れているようなので、思わず話しかけた。
青年は鹿児島の方で屋久島が気に入って、年に何度も春夏秋冬の勢いで訪れているそう。
屋久島は7回目で、翌日は意外にも、初宮之浦岳と言っていた。
うなぎやそばがおいしい店や、おすすめスポットを教えてくれた。
店主のディープな話も聞けて、お酒が進んだ。
島の焼酎三岳のロックは、グラスにたっぷりと注がれていた。
店主にも屋久島のおすすめを聞いてみた。
ところが、こんな答えが。
屋久島はとにかく湿気が多くて、押入れなどの中はすぐカビが生えるので、開けっ放しだし、洗濯物は滅多に外に干せないし、縄文杉も見に行くと、思っていたより小さいと言っていた。
年は30代前半くらいに見えるけど、中川家弟に似ている、面白い人だった。
お店は情報誌などに載せない方針らしいが、常連客は多そうだった。
次の日、天気予報をみると、やっぱり雨予報だった。
Hがいうには例年には、そろそろ梅雨明けのはずなんだが。
島へ出発前は、淀川登山口又はヤクスギランドから宮之浦岳、白谷雲水渓へ縦走しようとしていたが、結局16日はヤクスギランドから大忠岳へ日帰り登山に変更した。
ヤクスギランドへ向かう途中、ぐねぐねした山道を車で登って行く間、私は気持ち悪くなって、Hに、
「車に酔った。」
と言ったら、
「違うでしょ。二日酔いじゃないの。結構飲んでたから。」
そうか、納得。
じゃなくて、自分で気づけよ。
すいません。
確かに車酔いなどほとんどしたことなかったし、二件目ではレモンハイを飲んだ後、調子に乗って地元の焼酎の三岳のロックを二杯飲んだ。
道中、ときどき大忠岳の山頂の天柱石が見えた。
これからあそこまで行くのかと、遠くに感じた。
雨の中歩き始め、ヤクスギランドでは二日酔いを忘れ、木のトンネルや屋久杉の大木の写真を取りまくった。
大きな杉や切り株、苔に包まれた緑色の景色に度々立ち止まった。
沢の水もどこもとても澄んでいた。
雨は降ったり止んだりの中だったけど、やっぱり好きな景色だ。
レインウェアの中からいちいちカメラを取り出すので、のんびりしたペースになった。
ヤクスギランドから大忠岳の道は、急に登山道っぽくなった。
森はやはり苔と大木の世界で、何度も立ち止った。
道には木の根っこが網目のようなところがたくさんあって、なるべく踏まないように歩いたけど、多すぎて無理だった。
ヤクシカにもときどき出会った。
登って行くに連れ、ところどころに大きな岩がでてきた。
緩やかな稜線と思われるところに出たときに、山頂はもうすぐじゃないかと思われたが、何度がじらされた。
ついに山頂のオベリスクと呼ぶにふさわしい岩が姿を表した。
「でかっ!」
天柱石は、思っていたよりずっと大きくて圧倒された。
想像より小さい事はよくあるが、大きい事はなかなかない。
途中までくらいなら、ボルダリングで登れるんじゃないかと思っていたけどとんでもなかった。
本によって書いてある高さはまちまちだったけど、60mある。
天柱石の一段下の岩の固定ロープを登ると、平らで結構広さがあり、展望台のようになっていた。
あいにくの天気なので、視界は悪いけど、雲が切れたとき、海と港が見えた。
しばらく写真撮影をして下山。
ヤクスギランドの手前まで戻ると、蛇紋杉という倒木の隣に、屋根付のベンチがあったので、そこでお昼ご飯にした。
登山用品店で買った、フリーズドライの味噌煮込みを初めて食べてみたけど、なかなかおいしかった。
名古屋人にはこの味は一生ものだ。
薬味はフリーズドライのネギしか付いてないので、そこは少しさみしいけど。
鶏肉、卵、かまぼこ、しいたけなんかがあったら最高。
ヤクスギランドまでの下りの途中、木道で滑って登山道に転げ落ちた。
斜面の上の方に落ちたのでなんともなかったけど、手のひらとカッパに泥がびっちゃり着いた。
木道恐るべし。
また大きな屋久杉を眺めながら、ヤクスギランドの別の道を通って無事登山終了。
その後、淀川登山道の様子を見に行き、途中紀元杉も見学したけど、結構距離があった。
今年一番歩いた登山だったので、私は結構な筋肉痛になった。
Hは、
「筋肉無いから、筋肉痛にはならない。」
と言って、いつものようになんでもないようだった。
階段を降りる度、
「いてて。」
と言っている私に、Hは、
「竹馬履いてるみたい。」
と笑っていた。
歩き方が変だと言いたいらしい。
その後、宮之浦に向かい宿探し。
当初、縦走の予定だったから、宿の予約ができずにいた。
二件たずねてみたが、両方満室と断られた。
連休で一番混んでいる日らしく、16日以外は空いてるとのこと。
観光センターに行って宿を紹介してもらい、助かった。
『民宿とし』に泊まることができた。
素泊まり民宿は、みんなお風呂とキッチンや冷蔵庫がシェアできるようになっていた。
永田いなか浜でうみがめの産卵の見学をしに行くことになり、あまり時間がないのでスーパーでお惣菜を買って民宿で食べた。
やくとろっていう、とろろ芋みたいなのが名物らしく、スーパーで冷凍したものが並んでいた。
解凍して食べてみたが、箸ですくうと全部くっついてくるくらい、すごい粘りでおいしい。
これを土産にしたかったけど、冷凍のものしかないので諦めた。
マンゴーが食べたかったので、いくつかお店に入ってみたけど、地元産はどこも見かけなかった。
屋久島産は残念ながら、パッションフルーツしかなかった。
出発前、屋久島出身のHの同僚に、
「野生のバナナの木が、そこらじゅうにあるので食べてみて。」
って言ってたらしい。
木は確かにあったけど、実がなってなかった。
永田いなか浜の駐車場に着くと、停められないくらい車で溢れていた。
係りのおじさんの誘導で、路肩に駐車した。
まずうみがめ館で説明を受けた。
うみがめは二年周期で、多いときには同じ年に同じ亀が5回も産卵しに来るそうだ。
広い海では大きなウミガメも捕食の対象で、漁師が捕まえたイタチザメのおなかの中から二匹ウミガメが出てきたそうな。
説明会の会場の水槽に、体の割にひれが大きくてかわいい、うみがめの赤ちゃんがいた。
説明会が終わると、ライトを付けるとうみがめが警戒して上がって来ないので、暗い中係りの人に案内されながら、ぞろぞろと団体に混じりながら浜に向かった。
そしてこの日は、まだ一匹も上陸していなかった。
5月頃から産卵が始まって以来とのこと。
毎年何千匹と毎日のように来るのに、ある意味もっている。
私達より前に来た方はもう二時間も待っていた。
少し待ったけど、海が荒れていて今日は上陸が難しいようだった。
まだチャンスはあるのでまた来ようって事になり、私達が一番初めにそこから離れた。
三日目、17日。
その日も天気予報は雨予報。
18日の天気は良さそうなので、宮之浦岳の登山は明日にしようと決め、朝から永田でシュノーケリング。
どきどき太陽が顔を出してくれたけど、波は高かった。
岩と岩の間の地形を見つけて、そこは穏やかだったので潜って遊んでみた。
カラフルな魚やエビ、ウニ、うつぼの姿も見られた。
その後、西部林道を移動。
道は狭くて、レンタカーの交通量が多かった。
ヤクザルやヤクシカが逃げもせず、たくさんいた。
西部林道を抜けて、道のすぐ脇にある、落差88mの屋久島最大級の大川の滝を眺めていたら、突然雷雨になり強い風も吹いた。
「なんて、島だ!」
と私は連発した。
晴れ間が見えていたと思っていたら、すぐに雨が降り出す。
この雨もしばらくしたら止んで、またときどき晴れ間が。
それから、屋久島住人は、道を歩いている人も、農作業をしている人も、大粒な雨が降っているのに傘をささない。
雨に降られすぎて、どうにかなってしまったのだろうか。
私もHも傘があんまり好きじゃないので、少しの雨くらいではささないけど、レベルが違う気がする。
栗生という小さな町に着き、『松竹』という、初日に居酒屋で会った青年のおすすめの蕎麦屋さんに入った。
玄関に本日貸切と書いてあったけど、前に入った4人組がOKを貰っていたので暖簾をくぐった。
何組かが食事をしていたが、厨房のおじさんとお運びさんの女性二人しかおらず、てんやわんやなのがみて取れた。
後からもお客さんが来て、店主は女性に、
「もう無理だよ。」
と言っていたけど、女性の方は押しに弱く、お客さんをすぐ帰そうとはしなかった。
その後は断っていたけど。
私達は、なんとかぎりぎり蕎麦にありつけたようだった。
私はざるで、Hは魚飯セットを頼んだ。
魚飯の魚は鯖か鯵?なんだかわからないけど、魚を炊いて醤油なんかで味付けしてほぐしたものと、海苔が掛かってた。
お蕎麦も固めで香りたっぷりで、どちらもおいしかった。
店を出て、栗生にある、タイドプールと呼ばれる岩礁に行った。
ここもシュノーケリングしたら楽しいだろうなあ。
岩で仕切られたプールが無数にある感じ。
波がないのでここも安心して遊べそう。
また移動して中間ガジュマルへ、ガジュマルリベンジ。
ガジュマルの大木の長い足のような部分の間は車が通れるほど。
離れているけど上はくっついていて一本の木なのだとか。
歩く木と言われているらしい。
その後、平内海中温泉に行った。
引き潮のときにしか入れない、海の中の露天風呂で、水着もタオルも禁止。
何人かおじさん達が入っているのが遠くから見えた。
その中に背の高い女性が一人いたが、外国人の方だった。
また車を走らせ、尾之間温泉に着いた。
なかなか趣のある建物。
地元の人も入りに来ていて、シャワーを使おうとしたら注意された。
お湯節約のために、髪を洗って流す意外は使ってはいけないらしい。
確かに張り紙にそう書いてあったが、気づかなかった。
体を洗うには、湯船から洗面器でお湯をすくうしかないのだけど、源泉の温度が高く、湯船の底から湧き出ているらしく、めちゃくちゃ熱い。
100%、源泉かけながしなのは間違いないようだ。
お湯につかったけど、熱い湯が苦手なのですぐに出た。
待合室のベンチは人でいっぱいで開いてなくて、外でHを待っていた。
ちっとも出て来ないので、待合室に戻ってみると、Hがいた。
二人とも、せっかく風呂に入ったのに、すぐに汗だくになってしまったので、お互い文句を言い合った。
それから安房に向かった。
これで島を一周したことになった。
まだ旅は続く。
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