八風山・物見山・熊倉峰・荒船山


- GPS
- 08:20
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 1,450m
- 下り
- 1,568m
コースタイム
八風山 09:00-09:10
香坂峠 10:00
物見山 10:20-10:35
物見岩 10:55-11:00
熊倉峰 11:40-11:55
内山峠 12:10
トモ岩展望台 13:10-13:25
荒船山(経塚山) 13:50-14:10
荒船不動 14:45-15:45
初谷バス停 16:20
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
軽井沢駅 07:40-(西武高原バス)-07:55 八風湖分岐点 (自由乗降:馬取バス停と上発地バス停の中間地点) (帰り) 初谷 16:57-(千曲バス)-17:24 中込駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
このルートは、前々から計画を立てていたのですが、2007年夏の台風で西上州一帯の登山道では壊滅的な被害が続出し、このルート上も実に3箇所で通行不能とされてしまいました。 近くまでクルマで乗り付けて手軽に荒船山をピストンできる内山峠からのルートや、公共交通利用で最短となる三ノ瀬からのルートは、通行止めの情報がなかったので、最初から問題がなかったか、または早期に復旧されたものと思われます。 ところがこのルート上の崩壊箇所は、開通を待ち続けて2年が経過してもなかなか完全復旧には至らず、ようやく2009年に荒船不動側の2箇所が復旧されたにとどまっていました。 この日の時点でも八風山-矢川峠間は、佐久市による通行止めがなお続いていた模様ですが、ただし昨冬に歩いた人の記録によれば、全く問題のないレベルのようでした。 これ以上待つ必要もなさそうなので、一応は計画通り歩いてみることにして、念のために途中から出発点に引き返すケースや、三ノ瀬側に下る場合など、いくつかのサブプランを携えて出掛けています。 上発地から八風山の手前までの大平林道は、車の通行が完全に不能なほど荒れていますが、徒歩での通行は全く問題ありませんでした。 八風山から物見山を経て内山牧場までの間は、気持ちよく歩ける登山道です。八風山からから矢川峠までの間には崩壊箇所もありますが、良く見かける程度のもので通行には支障ありません。 内山牧場から熊倉峰の北側の登山口までの間も、きちんと道が繋がっています。でもこの間はほとんど道標がなく、通行止め標識の脇を抜けていくなどしますので、地形図を見ながらでないと歩けないと思われます。かなり遠回りにはなりますが、車道を歩いてしまったほうが安心かもしれません。 熊倉峰に登り始めてしまえば、それ以降は荒船不動に下るまで、問題になるような箇所はありません。3年前の台風による被害箇所は、完全に復旧されていたようです。 |
写真
感想
広大な頂上部が平べったい形をしている荒船山は、その独特の異様な山容から「航空母艦」と評されることの多い山です。
長い行程にはなりますが、八風山から物見山を経て荒船山まで縦走する、かつてのクラシックルートで歩いてみました。
軽井沢駅から、町内循環バス(南軽井沢線)に乗って上発地へと向かいます。この路線はレトロなボンネットバスで運行されていました。
上発地バス停で降りても良いのですが、途中から自由乗降になるので、馬取バス停を過ぎた所で「次に左に道が分岐する所で降ろして下さい」とお願いしておきます。その三叉路が、八風の郷別荘地や八風湖への入口なのですが、別荘地をバスで訪れる人などいないのか、そこにはバス停がないのでした。
バスを降りて歩き始めると、すぐに左手に八風湖が現れて、湖面に沿うように進んだ先で十字路を左折します。
林道を奥へ進むと、1軒の別荘を挟むようして左右に道が分岐しています。どちらも「大平林道」なので紛らわしいのですが、ここはやや細めの右の道に入ります。かなり荒れていて、倒木の下をくぐることもたびたびとなりますが、倒木を避けるような道筋がしっかり付いていたりして、おかげで歩きにくい思いはほとんどせずに済みました。
30分ほどで妙義荒船林道に出て、右に折れて10分ほど進むと、「八風山登山道入口」の標識が現れました。道幅が広くて歩きやすい登山道に入り、ひと登りすれば、もうそこは稜線上の分岐点。1つコブを越えた先を軽く登ると、あっけなく八風山の頂上に到着しました。
周囲を囲むササが、頂上部だけ広く刈られていて、まるで芝生広場のような居心地の良い空間となっています。北東側には開けた展望があって、榛名山や赤城山の向こうに、まだ雪化粧のままの谷川連峰や日光連山が並ぶさまが素晴らしく、妙義など西上州の山々も指呼の間でした。
先程の分岐点まで戻ってから、物見山へ向かうルートに入ります。ほどなく崩壊した斜面をトラバースして通過しますが、そんなに酷い崩壊ではなく、また手すり代わりのクサリも張られていたりして、全く問題ありません。
それ以降は延々と歩きやすい道が続いていきます。どこまでも自然林が続く道はとても気持ちが良く、ほかに誰も歩いていないのが勿体なくて仕方のない気分でした。
矢川峠を通過した後、一旦車道を歩いたりしますが、すぐに山道の続きに入って、次に標識を見るのは香坂峠。そしてさらに車道を横断して進んだ先で、物見山に到着します。
物見山からは、八風山でも見えていた北東方向や妙義山の展望に加えて、八ヶ岳もすっきりと見えるようになり、さらに浅間山の左には北アルプスの峰々もずらりと見えていました。
でも惜しいのは、すぐ下に広がる牧場からの上昇気流に乗って、ウ★チ臭が漂っていること。そのためか小バエも多く、どんなに景色が良くても、ここで気持ち良くお食事、というのは絶望的に不可能なことのように思われました。
物見山を後にして、車道を2度横断したのち、電波施設の脇から登っていくと、次に着くのが物見岩です。ここからの景色は物見山と似ていますが、北アルプスはより広い範囲が見えるようになって、八ヶ岳の左には中央アルプスらしき白い峰も顔を出していました。
物見岩から内山牧場へ下った先では、熊倉峰の登山口までの間、まともな案内が全くなく、ここは地図と見比べながらでなければ進めない区間となっていました。
内山牧場から車道を南下して、最初の十字路を直進すると、その車道は、すぐに駐車場に突き当たって消滅します。しかし駐車場の奥にある「通行止」の看板の先に、ハイキングコースが続いているのでした。この区間を歩く人は少ないらしく、未整備で少し荒れていますが、道形は概ね明瞭で、歩きにくさは特にありません。
ほどなく車道にぶつかって、この荒れた道が終わると、車道を横断した先から熊倉峰への登山道が始まりました。
登山道は次第にササの中の急な登りとなって、コブを2つほど越えた先で熊倉峰の頂上に到着します。
樹林に囲まれていて、地面もササ原に覆われており、三角点の標石以外には腰掛ける物もないようなピークです。展望もパッとせず、いよいよ荒船山の絶壁が間近に迫った様子が窺えますが、それも樹林越しの眺めでした。
でも熊倉峰を越えて、1つ先の小ピーク付近まで来ると、あまり樹木に邪魔されずに荒船山を拝める場所が見つかりました。
内山峠の駐車場に下ると、そこには空の車がズラリと並んでいました。ここまで長い間ずっと、誰にも会わずに静かに歩いてきましたが、ひとたび荒船山への道に入ると、この先は次々に人とすれ違うようになります。
その荒船山への道は、ひときわ目立つトモ岩の方向には直進せず、その右側を大回りするように進んでいきます。このため、時としてあらぬ方角にそのトモ岩が見えて、ハッとさせられることもしばしばでした。
しばらくはアップダウンの多い道でしたが、修験道場跡の岩窟を過ぎると、次第に本格的な登りとなっていきます。そして岩っぽい斜面も現れて急登が始まり、それが収まったと思ったら、そこはもう頂上台地の一角でした。
急に平坦になった道をさらに進むと、トイレ付きの東屋の前に出て、左へわずかに出れば、そこがトモ岩展望台です。大絶壁を前にして、手すりも何もなく、足がすくんで下を覗くこともできませんが、正面には雄大な展望が広がっていました。
上信越方面の山々に関しては、八風山からここに至るまでの間に、あちこちのピークから眺めてきたものとあまり変わりはありません。
しかし北アルプスは、見える範囲が格段に広がっていました。ここには展望図もあり、それによれば槍ヶ岳や白馬岳まで見えることになっています。でも残念なことに、午後に入ってさすがに北アルプスほどの距離になるともう鮮明さはなく、ひと目で槍と分かる顕著な突起を見分けることはできませんでした。
トモ岩展望台から、航空母艦の甲板上を南下していくと、そこは必ずしも真っ平らではなく、小さな起伏のある道となっていました。台地上は意外と自然豊かで、気持ちの良い森の中を、ちゃんと水が流れている小さな沢を渡ったりもしながら進んでいきます。
さすがに荒船山最高点の経塚山へは、しっかりとした登りがありましたが、それも短い間で終わって、経塚山頂上に到着です。
経塚山は周囲を木々が取り囲んでいて、頂上部は細長くて狭く、10人も集まればかなり混みあった印象になってしまいそうです。
展望も樹木の間からが主体となりますが、唯一スッキリと見られる方角では、奥秩父あたりの山並みの上に南アルプスが顔を出していました。白い峰が少し離れて2つ見えていて、右側はその形から甲斐駒ヶ岳に違いないので、すると左側はたぶん北岳あたりでしょうか。
経塚山の直下まで来た道を戻ってから、星尾峠・荒船不動の標識に従って左に下っていきます。
黒滝山歩道への分岐を見送り、さらに星尾峠で南牧村への道を分けると、あとは荒船不動への1本道。緩やかな傾斜で、良く歩かれている感じの、歩きやすくて良い道が続きます。鮮やかな新緑の中を歩けるのもとても爽やかな気分でした。
ただし涸れ沢を渡る数箇所では、かなり強引で多少危なっかしい道を歩く破目にもなりました。そこだけ道の様子が真新しかったので、昨年の復旧時に崩壊箇所を避けて付け替えられたのではないかと感じました。お陰でこうしてこのルートを通して歩けているので、復旧に携わった方々には感謝したいと思います。
荒船不動には、初谷からのバスの時刻にかなりの余裕を持って着きました。そこで、境内で昼食用に持ってきたパンを食べながら、ゆっくりと1時間ほどくつろいでいきます。その間、小さなお堂と、ささやかですが小奇麗に花などが咲いているお庭には、ずっと静かな時間が流れていました。
荒船不動から下る車道は、下り始めて間もないところから、舗装されたばかりのきれいな道に変わっていました。すぐ脇を流れる沢の護岸や堰堤もすべてが真新しく、あたり一帯が大規模に工事された様子なので、ここも3年前の台風後に修復されたものと思われます。
その後かなり下って、ポツポツと住宅などが出てくる中に入っても、通りががる人も車も数えるほどしか見ない、閑散とした雰囲気の中を歩き続けて、初谷バス停に向かいました。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2010_04_06/mt2010_04_06.html#20100515
写真主体のブログ版
http://cellist.blog.ss-blog.jp/2010-05-15
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